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第十一話 ねこっちと引越し
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くんちゃんが引越しをすることになりました。すごくすごく遠い所なんだそうです。ねこっちは、もうくんちゃんとお別れなのかと思ってすごく悲しくなりました。
だって、飛行機に乗って行かなきゃいけないくらい遠いのです。ねこっちは飛行機に乗れません。くんちゃんは、ねこっちも飛行機には乗れるけど荷物と一緒になるから、たぶん怖くて耐えられないだろうって言います。
ねこっちは、悲しくてくんちゃんに一所懸命言います。
「くんちゃん、ねこっちは行かないでほしいのです。ねこっちはくんちゃんと一緒にいたいのですよ」
荷物をまとめているくんちゃんに懸命にお願いをします。
するとくんちゃんは笑ってこう言いました。
「何言ってんの? ねこっちも一緒に行くんだよ」
「でも、ねこっちは飛行機は怖いので無理です」
「うん。だからね……」
くんちゃんはくんちゃんのワゴン車の後部座席を倒して、ねこっちのスペースを作ってくれていました。トイレもごはんもお水もおもちゃも全部用意されていました。
「車が走ってる時はこぼれるから、水は休憩の時にあげるね」
ねこっちは嬉しくて何度もくんちゃんに聞きます。
「ねこっちも一緒に行っていいの? ねこっちの為に車の運転はきつくないの?」
「大丈夫。途中で休憩しながら行くし、りぃちゃんも一緒に来てくれるから」
そう言ってねこっちの頭を撫でてくれます。
でもりぃちゃんの話だと、車だと休憩無しでも12時間かかるらしいのです。ねこっちは、ねこっちのせいでくんちゃんが大変になるのはイヤだなと思いました。
だけど、だったらねこっちはくんちゃんとお別れしなくちゃいけなくなります。それはとても悲しくてとても辛いのです。ねこっちが考え込んでいるとくんちゃんが頭を撫でながら話をしてくれました。
「一緒に住もうって決めた時に、どんなことがあっても一緒にいるって決めてる。置いてなんて行かないよ」
ねこっちは、くんちゃんと出会えてよかったと思いました。だって、くんちゃんはねこっちを絶対見捨てないからです。なんとかして、一緒にいることが出来るようにしてくれるからです。大好きなくんちゃんに、いつかねこっちは何かお礼が出来るといいなと思いました。
荷物を引越し屋さんに預けて、いよいよねこっち達も出発です。
どんなことが待ってるか、わからなくて緊張するけど、くんちゃんと一緒ならきっと大丈夫なのです。
だって、飛行機に乗って行かなきゃいけないくらい遠いのです。ねこっちは飛行機に乗れません。くんちゃんは、ねこっちも飛行機には乗れるけど荷物と一緒になるから、たぶん怖くて耐えられないだろうって言います。
ねこっちは、悲しくてくんちゃんに一所懸命言います。
「くんちゃん、ねこっちは行かないでほしいのです。ねこっちはくんちゃんと一緒にいたいのですよ」
荷物をまとめているくんちゃんに懸命にお願いをします。
するとくんちゃんは笑ってこう言いました。
「何言ってんの? ねこっちも一緒に行くんだよ」
「でも、ねこっちは飛行機は怖いので無理です」
「うん。だからね……」
くんちゃんはくんちゃんのワゴン車の後部座席を倒して、ねこっちのスペースを作ってくれていました。トイレもごはんもお水もおもちゃも全部用意されていました。
「車が走ってる時はこぼれるから、水は休憩の時にあげるね」
ねこっちは嬉しくて何度もくんちゃんに聞きます。
「ねこっちも一緒に行っていいの? ねこっちの為に車の運転はきつくないの?」
「大丈夫。途中で休憩しながら行くし、りぃちゃんも一緒に来てくれるから」
そう言ってねこっちの頭を撫でてくれます。
でもりぃちゃんの話だと、車だと休憩無しでも12時間かかるらしいのです。ねこっちは、ねこっちのせいでくんちゃんが大変になるのはイヤだなと思いました。
だけど、だったらねこっちはくんちゃんとお別れしなくちゃいけなくなります。それはとても悲しくてとても辛いのです。ねこっちが考え込んでいるとくんちゃんが頭を撫でながら話をしてくれました。
「一緒に住もうって決めた時に、どんなことがあっても一緒にいるって決めてる。置いてなんて行かないよ」
ねこっちは、くんちゃんと出会えてよかったと思いました。だって、くんちゃんはねこっちを絶対見捨てないからです。なんとかして、一緒にいることが出来るようにしてくれるからです。大好きなくんちゃんに、いつかねこっちは何かお礼が出来るといいなと思いました。
荷物を引越し屋さんに預けて、いよいよねこっち達も出発です。
どんなことが待ってるか、わからなくて緊張するけど、くんちゃんと一緒ならきっと大丈夫なのです。
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