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シチュエーション ~宇宙への旅支度~
第4話 NSIAの黒服
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「私どもはこういうものです」と、丁寧に挨拶してきた。父さんは名刺を取り上げておずおずと目を通す。そして驚いた。「アメリカ合衆国、……宇宙通信情報局?」
「NSIAと申します…………ナサという組織ご存知かと?」
「ああ……NASA? ええ?」
「我々はNASA内の独立機関でありまして、平たく言えば宇宙の諜報機関であります」
「宇宙の?」
「ええ、ご存知なくても無理はありません。どちらかといえばCIAのような性格の組織で秘密機関でして世間的には認知されておりません。ナサとは殆ど関係のない組織でもあります。どうして我々が松本さん方をこうして呼び出したのかはわかりますか?」
「いえ……?」と、即答する父さん。黒服は俺の方を見て言う。「息子さんは?」
「……わかりません」
俺は憮然と答えた。黒服たちは顔を見合わせてから答える。
「そうですか……いえ、我々の上司が既に連絡差し上げていると聞いていたのでご存知かと。それならそうと、説明が必要ですね」と、黒服。続けて言う。
「つかのことをお聞きしますが、お二方。宇宙人は実在するとお思いですか?」
今度は俺と父さんが目を見合わせた。黒服が答えを待たずに言う。
「実は、もったいぶることもないので正直に言いましょう。宇宙人は、我々NSIAの人間の間では実在することは愚か、普遍的な存在であることが明らかになっているのですよ」
「本当なんですか……!?」と、子供のように目を輝かせる父さん。
父さんは宇宙が大好きだ。昔は大学で天文学の授業も専攻していたらしく。みすぼらしい身になっても、宇宙のことだけはこうして子供のようにはしゃいでる。一方で、俺なんかはまるで興味が無かったんだけど。
「ええ。実は今回はその宇宙人のことでおうかがいしたのです。現在、宇宙人をひとり我が組織の宇宙ステーションにて保護しているのです。当然調査のためです。我々の調査の結果、宇宙人は人知を超えた非常に高度な文明を有していることが発覚しました。このまま順当にいけば、人類文明の飛躍に大きな一助となってくれることでしょう」
嘘みたいな話だ。直感的にそう思った。人知を超えた文明を持つ宇宙人。父さんは愚か、俺でさえも心高鳴るものがある。黒服の話は続く。
「そう……思っていました――――」
「過去形なんですか?」
「ひとつ問題があったのです。その宇宙人はえらく気難しくてね。簡単に言うと宇宙人として扱われることに憤りを感じている。それは高度な知性を持つ知的生命体がゆえに致し方ないことなのかもしれません」
黒服は落胆した様子だった。隣の黒服が言葉をつなげる。
「我々は宇宙人と対話が可能な人材を探すため、秘密裏にリサーチを続けてきました。それこそ世界中の人間達の中から適任と思われる人材の候補を探し出した。結果、松本隆太さん。貴方が適任だと判断したのです」
「そんな!? どうして俺なんです――――」
「やった! やったじゃないか隆太! はは! これ、すごいことだぞ!?」
父さんはひとり嬉しそうにはしゃいでる。そんな簡単な問題じゃないだろ。黒服はいう。
「もちろん数ある候補の中のひとりという形ですが……、当然無理強いはしません。隆太さんには我々に協力をしていただけるか是非、考えてほしいのです」
「それって……宇宙飛行士ってことですか?」
「ええ、はい。平たく言えばそうなりますね」
「すごい! すごいぞ隆太! はは!」
父さんのはしゃぐ声が邪魔だった。俺は大きな声できく。
「それって危険じゃないんですか!?」
「確かに一昔前なら特別に訓練された宇宙飛行士でないと難しかったでしょう。しかし技術の向上により今では一般人でも容易に宇宙に行くことが可能になりました。つまりそういうことですよ。何の問題もありません」
「……!」
「それよりも……報酬の話を先にさせていただきましょう」
「報酬?」
「松本さん。失礼を承知でお聞きしますが、経済的に酷く苦労しておられるとうかがっております。我々はその点でも力になれたらと思っているのです」
夢のある話から、急に生臭い話になってきた。妙だと思った。
「いえ、たとえ技術の問題をクリアしてもリスクは伴います。我々は任意で協力してくれるオペレーターに相応の報酬があってしかるべきだと思っているのです」
「変な事を聞きますが……最近、ある社長さんがお金を払って月旅行に参加するという話を聞きました。それがところ変われば、報酬をいただけるのですか?」
「ほほう。鋭い質問ですね。要するにリスクが伴う事情は別にあると思っておられる?」
「……そういうことになります」
「実は、このプロジェクトは全世界からオペレーターを募り、随分前から施行されていたのですよ。ところが肝心のオペレーターと宇宙人のウマが合わない。そうなると結局得られる情報はない。すると全てが台無しなのです」
「オペレーター? ……要するに情報を聞き出す交渉の手腕が求められてるみたいな?」
「さすが察しが良い。早い話がそう言う事です」黒服は続ける。
「このプロジェクトにはオペレーターの交渉手腕が鍵となってくる。ただそれは言葉巧みに相手を騙すプロであってはならない。宇宙人は人となりを見抜く。だからこそ清廉潔白な人物である必要がある。当然これも貴方が選ばれた理由のひとつです」
わかったようなわからないような。総じて言えるのはまるで実感がわかないことだった。
「お断りします」と、キッパリと否定する俺。黒服は目を見合わせる。父さんが声を張りあげた。「隆太!」
「当たり前だろ父さん! こんな意味のわからない実験に参加するなんて絶対に嫌だよ!」
「お気持ちは察します……しかし――」
「いいえ、辞退します! 第一そんな危険なことに命を懸けたくない!」
例の記事で見た。宇宙飛行士の死亡率は3%。ようするに百回に三人は死ぬ計算になる。いくらなんでもこの確率は高すぎる。
「……そうですか、それは仕方ありませんね」と、重苦しい風にいう黒服。どうやら、ごねるつもりは無いらしい。続けて言う。「……参加してくれたあかつきには、日本円にして一億の協力費を提示させていただくのですが」
一億。ははは。なんてはした金だ。そんなもんで命を賭けられるかよ。ところが――――。
「一億!? 一億一億一億一億……いちおく!?」と、目を丸くする父さん。まいったな。父さんはよろよろと挙手する。「あの……私じゃダメでしょうか?」
「すみませんが、誰でもいいってわけじゃない。お父さんでは我々の指標にするところの幾つかのファクターにまるで当てはまっていない」
「そ……そうですか」「交渉決裂ですね」
俺は頭を抱えて塞ぎこむ父さんを尻目にすっくと立ち上がった。
「行こうぜ父さん。悪いけど、俺にもできることとできないことがあるんだ」
「……」
ところが、おもむろに父さんは妙なことを言い出す。
「なあ隆太。父さんな。母さんとよりを戻そうと思ってるんだ」
「え……」
なんで今そんなことを。父さんは顔を上げて、丸くて怯えきった目で俺をまじまじと見つめてきた。
「母さんの方からそう言ってきてる。もしあの借金が完全になくなったあかつきには、今すぐにでもまた一緒に暮らせるんだ……なぁ? 隆太ぁ?」
父さんは惨めな顔で俺に同意を求めてきた。俺は思わず拳に力が篭もる。
「……恥ずかしくないのか」「へ?」
そうしたら、俺は思わず沸々と込み上げてくる感情が一気に爆発してしまった。
「恥ずかしくないのかって言ってんだ! 子供に自分の借金の苦労を負わせた挙句にそんな惨めな姿晒してっ」
「隆太!」「……ごめん」「――――心中お察しします」
黒服はずずっと、差出された緑茶を啜った。そしてしばらくの重苦しい沈黙の末、口を開いたのは黒服だった。
「他人事のようで申し訳ないが、個人的には夢のある話だと。そう思っているのですよ」
「…………」
「NSIAと申します…………ナサという組織ご存知かと?」
「ああ……NASA? ええ?」
「我々はNASA内の独立機関でありまして、平たく言えば宇宙の諜報機関であります」
「宇宙の?」
「ええ、ご存知なくても無理はありません。どちらかといえばCIAのような性格の組織で秘密機関でして世間的には認知されておりません。ナサとは殆ど関係のない組織でもあります。どうして我々が松本さん方をこうして呼び出したのかはわかりますか?」
「いえ……?」と、即答する父さん。黒服は俺の方を見て言う。「息子さんは?」
「……わかりません」
俺は憮然と答えた。黒服たちは顔を見合わせてから答える。
「そうですか……いえ、我々の上司が既に連絡差し上げていると聞いていたのでご存知かと。それならそうと、説明が必要ですね」と、黒服。続けて言う。
「つかのことをお聞きしますが、お二方。宇宙人は実在するとお思いですか?」
今度は俺と父さんが目を見合わせた。黒服が答えを待たずに言う。
「実は、もったいぶることもないので正直に言いましょう。宇宙人は、我々NSIAの人間の間では実在することは愚か、普遍的な存在であることが明らかになっているのですよ」
「本当なんですか……!?」と、子供のように目を輝かせる父さん。
父さんは宇宙が大好きだ。昔は大学で天文学の授業も専攻していたらしく。みすぼらしい身になっても、宇宙のことだけはこうして子供のようにはしゃいでる。一方で、俺なんかはまるで興味が無かったんだけど。
「ええ。実は今回はその宇宙人のことでおうかがいしたのです。現在、宇宙人をひとり我が組織の宇宙ステーションにて保護しているのです。当然調査のためです。我々の調査の結果、宇宙人は人知を超えた非常に高度な文明を有していることが発覚しました。このまま順当にいけば、人類文明の飛躍に大きな一助となってくれることでしょう」
嘘みたいな話だ。直感的にそう思った。人知を超えた文明を持つ宇宙人。父さんは愚か、俺でさえも心高鳴るものがある。黒服の話は続く。
「そう……思っていました――――」
「過去形なんですか?」
「ひとつ問題があったのです。その宇宙人はえらく気難しくてね。簡単に言うと宇宙人として扱われることに憤りを感じている。それは高度な知性を持つ知的生命体がゆえに致し方ないことなのかもしれません」
黒服は落胆した様子だった。隣の黒服が言葉をつなげる。
「我々は宇宙人と対話が可能な人材を探すため、秘密裏にリサーチを続けてきました。それこそ世界中の人間達の中から適任と思われる人材の候補を探し出した。結果、松本隆太さん。貴方が適任だと判断したのです」
「そんな!? どうして俺なんです――――」
「やった! やったじゃないか隆太! はは! これ、すごいことだぞ!?」
父さんはひとり嬉しそうにはしゃいでる。そんな簡単な問題じゃないだろ。黒服はいう。
「もちろん数ある候補の中のひとりという形ですが……、当然無理強いはしません。隆太さんには我々に協力をしていただけるか是非、考えてほしいのです」
「それって……宇宙飛行士ってことですか?」
「ええ、はい。平たく言えばそうなりますね」
「すごい! すごいぞ隆太! はは!」
父さんのはしゃぐ声が邪魔だった。俺は大きな声できく。
「それって危険じゃないんですか!?」
「確かに一昔前なら特別に訓練された宇宙飛行士でないと難しかったでしょう。しかし技術の向上により今では一般人でも容易に宇宙に行くことが可能になりました。つまりそういうことですよ。何の問題もありません」
「……!」
「それよりも……報酬の話を先にさせていただきましょう」
「報酬?」
「松本さん。失礼を承知でお聞きしますが、経済的に酷く苦労しておられるとうかがっております。我々はその点でも力になれたらと思っているのです」
夢のある話から、急に生臭い話になってきた。妙だと思った。
「いえ、たとえ技術の問題をクリアしてもリスクは伴います。我々は任意で協力してくれるオペレーターに相応の報酬があってしかるべきだと思っているのです」
「変な事を聞きますが……最近、ある社長さんがお金を払って月旅行に参加するという話を聞きました。それがところ変われば、報酬をいただけるのですか?」
「ほほう。鋭い質問ですね。要するにリスクが伴う事情は別にあると思っておられる?」
「……そういうことになります」
「実は、このプロジェクトは全世界からオペレーターを募り、随分前から施行されていたのですよ。ところが肝心のオペレーターと宇宙人のウマが合わない。そうなると結局得られる情報はない。すると全てが台無しなのです」
「オペレーター? ……要するに情報を聞き出す交渉の手腕が求められてるみたいな?」
「さすが察しが良い。早い話がそう言う事です」黒服は続ける。
「このプロジェクトにはオペレーターの交渉手腕が鍵となってくる。ただそれは言葉巧みに相手を騙すプロであってはならない。宇宙人は人となりを見抜く。だからこそ清廉潔白な人物である必要がある。当然これも貴方が選ばれた理由のひとつです」
わかったようなわからないような。総じて言えるのはまるで実感がわかないことだった。
「お断りします」と、キッパリと否定する俺。黒服は目を見合わせる。父さんが声を張りあげた。「隆太!」
「当たり前だろ父さん! こんな意味のわからない実験に参加するなんて絶対に嫌だよ!」
「お気持ちは察します……しかし――」
「いいえ、辞退します! 第一そんな危険なことに命を懸けたくない!」
例の記事で見た。宇宙飛行士の死亡率は3%。ようするに百回に三人は死ぬ計算になる。いくらなんでもこの確率は高すぎる。
「……そうですか、それは仕方ありませんね」と、重苦しい風にいう黒服。どうやら、ごねるつもりは無いらしい。続けて言う。「……参加してくれたあかつきには、日本円にして一億の協力費を提示させていただくのですが」
一億。ははは。なんてはした金だ。そんなもんで命を賭けられるかよ。ところが――――。
「一億!? 一億一億一億一億……いちおく!?」と、目を丸くする父さん。まいったな。父さんはよろよろと挙手する。「あの……私じゃダメでしょうか?」
「すみませんが、誰でもいいってわけじゃない。お父さんでは我々の指標にするところの幾つかのファクターにまるで当てはまっていない」
「そ……そうですか」「交渉決裂ですね」
俺は頭を抱えて塞ぎこむ父さんを尻目にすっくと立ち上がった。
「行こうぜ父さん。悪いけど、俺にもできることとできないことがあるんだ」
「……」
ところが、おもむろに父さんは妙なことを言い出す。
「なあ隆太。父さんな。母さんとよりを戻そうと思ってるんだ」
「え……」
なんで今そんなことを。父さんは顔を上げて、丸くて怯えきった目で俺をまじまじと見つめてきた。
「母さんの方からそう言ってきてる。もしあの借金が完全になくなったあかつきには、今すぐにでもまた一緒に暮らせるんだ……なぁ? 隆太ぁ?」
父さんは惨めな顔で俺に同意を求めてきた。俺は思わず拳に力が篭もる。
「……恥ずかしくないのか」「へ?」
そうしたら、俺は思わず沸々と込み上げてくる感情が一気に爆発してしまった。
「恥ずかしくないのかって言ってんだ! 子供に自分の借金の苦労を負わせた挙句にそんな惨めな姿晒してっ」
「隆太!」「……ごめん」「――――心中お察しします」
黒服はずずっと、差出された緑茶を啜った。そしてしばらくの重苦しい沈黙の末、口を開いたのは黒服だった。
「他人事のようで申し訳ないが、個人的には夢のある話だと。そう思っているのですよ」
「…………」
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