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ティアラ

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私は交通事故で死んだ。前世は女子高生、まさにこの世界にそっくりいや、この世界と同じそうこの世界を題材にしたゲームをやっている最中に死んだ。携帯ゲーム。今は乙女ゲームも充実している。

目が覚めて見慣れない景色、見慣れない人々…夢かなって最初は思った。
暫くしてこの世界の私の記憶が蘇る。
そう、ここは私の為の世界。私がこの世界のヒロインだった。
私は平民。生活はやっぱり前世の方が充実していた。どうせなら貴族のお嬢様が良かったなんて思ったりもしたけど、最後には王子様も私のものだと思うと我慢出来た。何よりここの私は超美少女!それだけで勝ち組。


学園に入学。ここまではシナリオ通り出来た。
光魔法を使う私は学園でも有名人。周りには私に媚びを売ってくる奴らがいつも群がっていた。正直攻略対象だけで良かったんだけど…。
でもそんな事言っちゃダメ。だってどのゲームでもヒロインはか弱くて心が優しい子ばかりなのだ。
ゲームのヒロインは嫌いだった。何よりぶりっ子なのが無理だった。実際にこんな子いないわなんて事も思ってた。
悪役令嬢の方が好きだったな。
なんなら顔だけで世の中渡っていけないし!と思ってたし、婚約者がいるのに横取りとかもありえないって思ってた。でも、いざ自分がヒロインになったら………。
やっぱり世の中顔だった。

私がちょっと優しい事を言って微笑むだけで、それまで婚約者の事が大事って言っていた男が私の事を好きになる。
それで分かったの横取りするのが悪いんじゃ無くて横取りされる方が悪いのだと。


「何でなの?」
自分の部屋で誰からも答えられない疑問を投げる。
私がこの世界のヒロインの筈でしょ?それなのにそれなのに!攻略対象のはずのグレンは冷たいしルシードだって…何故かエミリアの事ばかり。
そして悪役令嬢の筈のエミリアは私に何もしてこない。何であの子の方がヒロインみたいなの?心優しくて誰からも愛される…そんな事ある筈が無い。


黒い何かが湧き上がる、こんな気持ちヒロインには相応しく無い。
でも、でもネ。その黒い何かはこう言うの。
「この世界のヒロインは貴女よ、この世界は貴女のものよ。あの女は貴女の邪魔をする悪役令嬢なの。あの女さえ悪役令嬢ならば…それで全て上手くいく」
だからね、私は頑張るの。エミリアを悪役令嬢にする為に。エミリアさえ悪役令嬢なら私はこの世界のヒロインなの。
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