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私が倒れて帰って来てから1週間が経つ。勿論殿下からは何の連絡もない。
城に行く用事も無いしそろそろ学園に行かなければならないとは思うのだが倒れた日の事を思い出せない不安からかなかなか学園に行く決心がつかない。
「ルシードは一体どうしたんだろうね、一時は鬱陶しい程にエミリアに付き纏っていたのに」
私の様子を見に来ていたお兄様がそう言う。
「・・・ルシード様は王子ですもの・・・色々お忙しいのですよ」
「まあ私はルシードなんかにエミリア
を独占されなくて嬉しいけどね」
「ふふっお兄様ったら、王子にそんな事言っては不敬ですよ」
「構わないよ、本当の事だ」
「・・・・・・お兄様・・・・・・」
「ん?どうした?」
優しく微笑んでくれるお兄様。
「もし・・・私が殿下から婚約破棄されたら・・・それでも、妹だと言って貰えますか?」
私のそんな言葉に目を丸くした。そして次の瞬間には私はお兄様の腕の中にいた。
「当たり前の事を聞くんじゃ無い!
何があってもエミリアは私の可愛い妹だ!」
抱き締めてくれるお兄様の腕をそっと掴んでその腕の中で静かに泣いた。


泣き疲れて眠ったエミリアの頬を撫ででそっと部屋を後にする。
長い廊下を自分の部屋に向かい歩く。
最近沈んでいる様子のエミリア。まさかルシードとの婚約破棄なんて話が私の知らない所で出ていたのだろうか。
しかし、あのエミリア馬鹿と言っても過言では無いあの男が果たして本当にエミリアを手放す気になったのだろうか?
「何が起こっている?」
実はエミリアが倒れて帰って来た日に診てもらった医者が魔力のある者だった・・・その医者が言っていた。
「エミリア様から微かにですが魔力を感じます・・・・・・誰かに魔法を使われた・・・そんな感じがしますね」
どういう事だ。学園内で無断で魔法を使った者がいると言う事か。
学園内では授業以外で魔法を使うとすぐに分かるようになっているはず・・・しかしそんな騒ぎになった様子は無かった。
何がエミリアに起こっている?
何がエミリアに近付いている?
・・・調べる必要があるな・・・。
「おい」
「お呼びですか?」
「調べて欲しい事がある」
「畏まりました」
私は自分の子飼いの密偵をエミリアの周囲を調べさせる為に放つ。
「これで何か分かればいいんだがな」
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