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「おはようございます」
ダイニングに入るとそこには既にお父様とお母様それにお兄様までいらっしゃった。
「おはよう」
皆が笑顔で挨拶をしてくれる。
私は兄の隣に座る。
「後はカイルだけですね」
カイルとは私の2つ下の弟。
「カイルは今執事が起こしに行っているよ」
とお父様。
「本当にいつまでも小さい子供のようで困ってしまうわ」
とお母様。
「大丈夫ですよ、カイルもその内好きな女の子でも出来ればしっかりするでしょう」
とお兄様。
「私はいつまでも可愛い弟でいて欲しいです・・・」
と私。
そんな私の頭を隣に座るお兄様が撫でてくれる。私ももう15歳なんだけど、お兄様から見たらまだまだ子供なのかしら。
「もう、お兄様。また子供扱いしましたね」
撫でられた頭を抑えながらそう言って拗ねてみるとそれはそれは優しそうに笑うお兄様。お兄様だって私と4つしか変わらない19歳なのにこの安心感というかどっしり感というか包容力は何なんだろう、不思議。
「ごめんごめん」
そう言ってまた私の頭を撫でるお兄様。
「あー!お姉様だけずるい。僕もお兄様に撫でられたいです!」
朝から騒々しくダイニングに入って来る弟。
「こら、挨拶しないとダメだよ」
と優しく諭すお兄様。
「すみません、おはようございます」
そう言った弟にお兄様は笑顔で頭を撫でてあげる。ついでに私もカイルの頭を撫でてやる。すると嬉しそうに自分の席に着くカイル、そして朝食が始まる。
幸せと言うものを絵に描いてみたらきっとこんな風景になるんじゃないかと割と本気で思う。だから私は夢のような私にはならない!そう気持ちも新たに決意したところにお父様から話し掛けられる。
「エミリア、今日はルシード殿下とお茶会の日だね」
「はい」
「どうだね?殿下との関係は」
「私は仲良くさせて頂いていると思っておりますが」
「そうか、なら良かった」
ルシード殿下は私の小さい頃からの婚約者でこの国の第1皇子。見た目は金髪に青い瞳の爽やかで優しげな美形なんだけど・・・ちょっと、少し、いや・・・だいぶ?
愛が重い感じ・・・。見た目からは想像出来ない程に。
本当は月1回でいいお茶会もルシード殿下の意向で週2回にまで増えた、時間だって午後からだったものが午前中から夕方までになった。
それもこれも少しでも私と沢山会いたいからだと言われれば私も反対出来ない訳で、なんせその時間を作る為に公務を精力的に頑張っているからと国王陛下と王妃様には感謝された。
もう居た堪れない。会えば今日も綺麗だ!愛している!早く結婚したい!と。まぁだから仲良くさせて頂いていますなんてぬるいものでは無いのだが!そんな事を親に言えるはずも無く(だって恥ずかしい!それに王子様が自分の婚約者にメロメロ甘々なんて爽やか美形のイメージ崩れちゃう)
良好な関係ですよ~と濁すに止めている。ちなみにお兄様は殿下と同じ歳で友達で王城務めなので私と殿下の本当の事を知っている。だから今、絶賛笑うの堪え中!
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