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妻
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私を心配してくれていた使用人に話をして少し気分が軽くなった。
「あの旦那様に限って他にお相手がいるとも思えませんし、何かの間違いですよ!」
とやけに力いっぱい言われたのでそうかもしれない、私の思い違いかもしれないと思うようになった。
次の日、旦那様はお休み。
私はまだ旦那様に話をする勇気も無く、旦那様もいつも通りお部屋でお過ごしになられるだろうと思っていたら
「今日は私と出掛けないか」
と声をかけて下さった。
えぇ?今私と出掛けると仰られた?えぇ?本当に?
あまりの嬉しさに顔に熱が集まる。
初めて旦那様からお出掛けに誘われたわ!
そして出掛ける準備をする。
あぁ、旦那様とのお出掛けなんて何を着たら良いのかしら?
「ねぇ、旦那様とのお出掛けなんてどんな服にすればいいかしら!」
使用人に尋ねてみる。
「奥様はお綺麗なので何を着てもお似合いになられますよ。ですが、お歩きになられるのでしたらこちらのワンピースなど動きやすくて良いかと思います」
「そうね!動きやすい方がいいわね!」
うきうきしながら準備をすすめる。
…でも何で急にお出掛けに誘って下さったのかしら?
もしかして.........やっぱり何か後ろめたい事がおありなのかしら?そう云えばお茶会でご婦人達が
「うちの主人は後ろめたい事がある時は優しい」
と仰っていた。
さっきまでの浮かれた気持ちが急に萎む。
「奥様どうなされました?」
急に沈んだ私をおかしく思い使用人が声を掛けてくる。
「ねぇ、旦那様は何故急に私を誘ってくださったのかしら」
胸の前でぎゅっと手を握る。
「もしかしたら…何か後ろめたい事でもあるのかしら」
不安気な顔で使用人を見ると
「大丈夫ですよ、奥様。旦那様が仰っていた通りご結婚以来ゆっくりお2人でお過ごしになられる時間が無かったのですから旦那様だってお綺麗な奥様をお連れになって出掛けたいと思いますわ!それは普通のことです!」
「そ、そう?」
「はい、そうです!今日は思う存分お楽しみになられたらいいと思います!沢山お強請りして沢山プレゼントも買って頂きましょう!」
そう、そうね。
「分かったわ!今日は旦那様とのデ、デートですものね。楽しむわ!」
こうして出掛けた旦那様とのお出掛けは凄く幸せな一時だった。
「あの旦那様に限って他にお相手がいるとも思えませんし、何かの間違いですよ!」
とやけに力いっぱい言われたのでそうかもしれない、私の思い違いかもしれないと思うようになった。
次の日、旦那様はお休み。
私はまだ旦那様に話をする勇気も無く、旦那様もいつも通りお部屋でお過ごしになられるだろうと思っていたら
「今日は私と出掛けないか」
と声をかけて下さった。
えぇ?今私と出掛けると仰られた?えぇ?本当に?
あまりの嬉しさに顔に熱が集まる。
初めて旦那様からお出掛けに誘われたわ!
そして出掛ける準備をする。
あぁ、旦那様とのお出掛けなんて何を着たら良いのかしら?
「ねぇ、旦那様とのお出掛けなんてどんな服にすればいいかしら!」
使用人に尋ねてみる。
「奥様はお綺麗なので何を着てもお似合いになられますよ。ですが、お歩きになられるのでしたらこちらのワンピースなど動きやすくて良いかと思います」
「そうね!動きやすい方がいいわね!」
うきうきしながら準備をすすめる。
…でも何で急にお出掛けに誘って下さったのかしら?
もしかして.........やっぱり何か後ろめたい事がおありなのかしら?そう云えばお茶会でご婦人達が
「うちの主人は後ろめたい事がある時は優しい」
と仰っていた。
さっきまでの浮かれた気持ちが急に萎む。
「奥様どうなされました?」
急に沈んだ私をおかしく思い使用人が声を掛けてくる。
「ねぇ、旦那様は何故急に私を誘ってくださったのかしら」
胸の前でぎゅっと手を握る。
「もしかしたら…何か後ろめたい事でもあるのかしら」
不安気な顔で使用人を見ると
「大丈夫ですよ、奥様。旦那様が仰っていた通りご結婚以来ゆっくりお2人でお過ごしになられる時間が無かったのですから旦那様だってお綺麗な奥様をお連れになって出掛けたいと思いますわ!それは普通のことです!」
「そ、そう?」
「はい、そうです!今日は思う存分お楽しみになられたらいいと思います!沢山お強請りして沢山プレゼントも買って頂きましょう!」
そう、そうね。
「分かったわ!今日は旦那様とのデ、デートですものね。楽しむわ!」
こうして出掛けた旦那様とのお出掛けは凄く幸せな一時だった。
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