周りから見たら明らかに両想いなのに当人同士はどちらも自分の片想いだと思っている夫婦の話

きんのたまご

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私は古くからある由緒正しい侯爵家に産まれた。
偉ぶっている訳でもなく我が家は領民からも好かれ愛されている。
領地もとても豊でいい土地であり王家からの覚えもいい。
まぁ、いってしまえば勝ち組の成功者である。
そんな家の娘の私ディアナはこの度、ずっと想いを寄せていた方と目出度く結婚した。
この度とは言ったもののすでに結婚して半年になるわけだが私が旦那様と夜を共にしたのは初夜の1度きり。
ここまで言えばお分かりだろうが私は夫から愛されていない。
初夜を迎えた翌日から旦那様は私が寝静まってからしか屋敷に帰らなくなった。
それこそ初めのうちは寝ずに待っていた私だが、ある日旦那様は待っていなくていいと仰られた。
そう言われてしまえば、私が待っている事さえも気に触るのかもしれないと思い待つことを辞めた。
私が気に入らないならばいっその事冷たくしてくれればいいのにと思うのだが何故か旦那様はとても優しい。

それもそうか旦那様からすれば私には侯爵家という後ろ盾がある機嫌を損ねて睨まれる訳にはいかないのだろう。

愛していない私のような女と結婚するしか無かった可哀想な旦那様。
私は早く旦那様を私から解放しなければと思い今日も1人の寝台へと向かう。
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