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番外編
ある護衛の…。
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俺はこの屋敷の主人に雇われている護衛。
もうずっとここの主人の護衛をしていたのだが、この度この屋敷のお嬢様ミレニア様の護衛になった。
どうやら学園に通うようになるからだとか…。
学園に一体どんな危険があると言うのか。
正直気が乗らない、ワガママなお嬢様のお守りなんてまっぴらだった。
唯一救いだったのはお嬢様が小さな子供で無かった事だろう。
ここのお嬢様は見た目は完璧な見るからにいい所のお嬢様。まあ、顔も綺麗だし所作も美しい。何処か作り物めいていて怖い程…。
しかしその実話をすると残念感が半端無かった。俺にとっては堅苦しいお嬢様でなかった事は有難かったが…。
口調こそ丁寧な口調ではあるが言って居ることは聞くに耐えない程毒舌。それも本当の事なのでどうにも言いようが無い。まぁ、自分の事を言われているので無ければ面白い話も多い。
口数が多くない分たまに話をするからインパクトが凄いのだろうか。
ついに学園に通い始めた。人の前にこそ姿を現さないが常にお嬢様に付いている。
しかし、全然1人にならないな。
そう、このお嬢様は何を警戒しているのか学園内では全然1人にならない。家ではよく1人で部屋にこもっているのに…。
本当に一体この学園になんの危険があるのだろうか。不思議だ。
なんの変哲もない日常でお嬢様は常に何かを警戒していた。
「はっ?婚約者?」
主人に呼び出されそう言われる。
「ああ、いるのだあの学園に」
「…いや、暫く見てますけど…そんな人に会ってるの見た事無いスけど」
「だろうな」
…だろうな?どういう事だ?
ていうかいたのか婚約者。家にも来た事無いだろう。……どうなってんだ?貴族ってやつは。
なんの変哲もない日常に変な噂がたち始める。
お嬢様と婚約者が不仲だとか。
不仲以前に……全く交流無いけど。まあ、それは不仲って事なんだろうか…?わからん。
しかし、こんなにも何にも無い婚約者との事が急に噂になるなんて…作為を感じるなぁ。
もしかして…お嬢様はこれを見越していたのだろうか…。
それから色々あった。お嬢様の婚約者が現れ恋敵が現れ攫われどこぞのジジイに求婚され…思い返すと碌でもない思い出ばかり。学園とはこんなにも色んな事が起こる場所だったのか…。
変な噂をたてられても攫われても一切の弱みを見せないお嬢様。
それどころか倍以上にやり返す気概。
…世の中のお嬢様とはこんなにも皆逞しいものなのか?てか護衛要らなくない?
攫われた屋敷でお茶を飲みだした時なんて…やべぇと思いつつ楽しんでいた自分がいた。
めちゃくちゃ頼られているって感じはない。まあ、それでもお嬢様にはある程度信用されていると思う。
俺もお嬢様の護衛を苦だと思うこともない。むしろ………。
そして今日、お嬢様は婚約者とやっと婚約破棄する。お嬢様がやって来た事が報われる時。
それでも、例えあんな婚約者でもこうなってしまえば少しはショックなんじゃないだろうか。
「お嬢様」
そう言って資料を渡す。その顔からは悲しい感情は読み取れ無かった、その事に何故か酷く安心した。
あの馬鹿な元婚約者が家を継がなくなったことで一人娘のお嬢様は領地経営をする事になった。そして俺は何故かそんなお嬢様の隣にいつもいる。
影から見守る事は無くなった。今はずっと隣で…。
もうずっとここの主人の護衛をしていたのだが、この度この屋敷のお嬢様ミレニア様の護衛になった。
どうやら学園に通うようになるからだとか…。
学園に一体どんな危険があると言うのか。
正直気が乗らない、ワガママなお嬢様のお守りなんてまっぴらだった。
唯一救いだったのはお嬢様が小さな子供で無かった事だろう。
ここのお嬢様は見た目は完璧な見るからにいい所のお嬢様。まあ、顔も綺麗だし所作も美しい。何処か作り物めいていて怖い程…。
しかしその実話をすると残念感が半端無かった。俺にとっては堅苦しいお嬢様でなかった事は有難かったが…。
口調こそ丁寧な口調ではあるが言って居ることは聞くに耐えない程毒舌。それも本当の事なのでどうにも言いようが無い。まぁ、自分の事を言われているので無ければ面白い話も多い。
口数が多くない分たまに話をするからインパクトが凄いのだろうか。
ついに学園に通い始めた。人の前にこそ姿を現さないが常にお嬢様に付いている。
しかし、全然1人にならないな。
そう、このお嬢様は何を警戒しているのか学園内では全然1人にならない。家ではよく1人で部屋にこもっているのに…。
本当に一体この学園になんの危険があるのだろうか。不思議だ。
なんの変哲もない日常でお嬢様は常に何かを警戒していた。
「はっ?婚約者?」
主人に呼び出されそう言われる。
「ああ、いるのだあの学園に」
「…いや、暫く見てますけど…そんな人に会ってるの見た事無いスけど」
「だろうな」
…だろうな?どういう事だ?
ていうかいたのか婚約者。家にも来た事無いだろう。……どうなってんだ?貴族ってやつは。
なんの変哲もない日常に変な噂がたち始める。
お嬢様と婚約者が不仲だとか。
不仲以前に……全く交流無いけど。まあ、それは不仲って事なんだろうか…?わからん。
しかし、こんなにも何にも無い婚約者との事が急に噂になるなんて…作為を感じるなぁ。
もしかして…お嬢様はこれを見越していたのだろうか…。
それから色々あった。お嬢様の婚約者が現れ恋敵が現れ攫われどこぞのジジイに求婚され…思い返すと碌でもない思い出ばかり。学園とはこんなにも色んな事が起こる場所だったのか…。
変な噂をたてられても攫われても一切の弱みを見せないお嬢様。
それどころか倍以上にやり返す気概。
…世の中のお嬢様とはこんなにも皆逞しいものなのか?てか護衛要らなくない?
攫われた屋敷でお茶を飲みだした時なんて…やべぇと思いつつ楽しんでいた自分がいた。
めちゃくちゃ頼られているって感じはない。まあ、それでもお嬢様にはある程度信用されていると思う。
俺もお嬢様の護衛を苦だと思うこともない。むしろ………。
そして今日、お嬢様は婚約者とやっと婚約破棄する。お嬢様がやって来た事が報われる時。
それでも、例えあんな婚約者でもこうなってしまえば少しはショックなんじゃないだろうか。
「お嬢様」
そう言って資料を渡す。その顔からは悲しい感情は読み取れ無かった、その事に何故か酷く安心した。
あの馬鹿な元婚約者が家を継がなくなったことで一人娘のお嬢様は領地経営をする事になった。そして俺は何故かそんなお嬢様の隣にいつもいる。
影から見守る事は無くなった。今はずっと隣で…。
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はあ(ため息)、この作品も面白かった!この作品も面白かった!(大事な事は2回言う)
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もぉ!イッキ読み!
なんだか、ミレニアさんと補佐に昇格した護衛さんとの間に、ほのかーなロマンスの匂いがしたのはワタシだけ?
元、両片思いを拗らせた夫婦のお話みたいに、後日談を絶賛期待いたします!
ご検討よろしくお願いします!します!します!
johndo様ありがとうございますm(*_ _)m
あけましておめでとうございます\(^o^)/
色んな作品読んで貰って本当に嬉しいです!嬉しいです!大事な事なので2回(笑)
私もミレニアと護衛さんのロマンス感じています!
また思い付いたら書いてみようかな。
その時はお願いします!