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長期休暇を終え今日からまた学園生活が始まる。
結局長期休暇中王子と会ったのは豆フルコースを振舞ったあの日のみ。
その後も何度かマーガレットにせがまれはしたが……正直折角の休みに王子に会いたくなかったので「王子も忙しいのよ、無理ばかり言ってはいけないわ」と言って諦めさせた。
しょんぼりしていたマーガレットはとても可愛い……ゴホン、もとい可哀想だったけど同時にあんなバカ王子にそんなにも会いたいのかと思うと王子に殺意が沸いた。
そして今日もまた王子の為に(魔)心を込めて昼食を作って来た。
キノコパスタ、ソテーしたキノコを乗せたパン、キノコのポタージュ、キノコのマリネそしておすすめは巨大マッシュルームのステーキ。
いやー普通に美味しそうだわ。
今まで特にキノコを嫌がる素振りは見せなかったけど………まあ、今まではキノコを前面に出す料理をしていなかったから……このメニューを見てどんな反応をするか……楽しみだわ。
結論から言うと嫌いだったらしい。
いつものようにいつもの如くキノコの前でフリーズする王子。
期待を裏切らない反応に少し溜飲が下がる。
「どうしました?王子。まさか………キノコまで…お嫌い…とか?」
私は信じられないという目で王子を見る。
「ま、まさか!キノコ……だ、ダイスキだ…」
と言いながら王子の目は巨大マッシュルームステーキに釘付け。
「そのマッシュルーム美味しそうですよね?王子の為に特別大きいのをわざわざ取り寄せたんですよ?たーくさんお召し上がりくださいね」
「………………」
「どうぞ遠慮なさらずに………さあ」
「…嫌がらせに磨きがかかってきたな…」
「嫌ですわ、嫌がらせなんて……私はあくまでも王子の身体を心配してお食事をご用意させて頂いてるんですよ………とか今更言ってもしょうがないですね」
「………………………」
「どうですか?あの作戦に乗る気になりました?」
「………………………」
「お昼に嫌な顔を見ながら嫌なものを今のように涙目で食べなくて済むんですよ?」
「……………………うるさい…」
「はぁ、あんまり意地っ張りすぎると損しますよ?」
「……………………」
「いい話だと思うんですけど…何が気に入らないんですか?」
「……………………全部だ…」
「はい?」
「全部気に入らん!」
苛立つようにそう言い放った王子に私の方が苛立った。
「………。じゃあ聞きますが……王子はこのまま私と結婚する事になっていいんですか?」
「……な、にを。あたりまえ…」
「あたりまえ?どこが?自分て選んだから?」
「そ、そうだ」
「…何故私を選んだんですか?」
勿論私はその理由を知っている。しかしこの期に及んで王子がどう言うのか興味が湧いて敢えてそう聞いてみる。
「あの日、王子が私を婚約者に選んだ日。私達は挨拶以外1度も話をしませんでしたね。それで何故私を選んだのですか?」
「い、今更何を…」
今更でもなんでもこれは1度ちゃんと聞いておかないといけない事だ。ホントならもっと早く聞いたりするんだろうけど本人から聞く前に私は運悪く…良く?王子の本音を聞いた……。
…さて、どんな理由を聞かせてくれるだろう…楽しみだわ。
結局長期休暇中王子と会ったのは豆フルコースを振舞ったあの日のみ。
その後も何度かマーガレットにせがまれはしたが……正直折角の休みに王子に会いたくなかったので「王子も忙しいのよ、無理ばかり言ってはいけないわ」と言って諦めさせた。
しょんぼりしていたマーガレットはとても可愛い……ゴホン、もとい可哀想だったけど同時にあんなバカ王子にそんなにも会いたいのかと思うと王子に殺意が沸いた。
そして今日もまた王子の為に(魔)心を込めて昼食を作って来た。
キノコパスタ、ソテーしたキノコを乗せたパン、キノコのポタージュ、キノコのマリネそしておすすめは巨大マッシュルームのステーキ。
いやー普通に美味しそうだわ。
今まで特にキノコを嫌がる素振りは見せなかったけど………まあ、今まではキノコを前面に出す料理をしていなかったから……このメニューを見てどんな反応をするか……楽しみだわ。
結論から言うと嫌いだったらしい。
いつものようにいつもの如くキノコの前でフリーズする王子。
期待を裏切らない反応に少し溜飲が下がる。
「どうしました?王子。まさか………キノコまで…お嫌い…とか?」
私は信じられないという目で王子を見る。
「ま、まさか!キノコ……だ、ダイスキだ…」
と言いながら王子の目は巨大マッシュルームステーキに釘付け。
「そのマッシュルーム美味しそうですよね?王子の為に特別大きいのをわざわざ取り寄せたんですよ?たーくさんお召し上がりくださいね」
「………………」
「どうぞ遠慮なさらずに………さあ」
「…嫌がらせに磨きがかかってきたな…」
「嫌ですわ、嫌がらせなんて……私はあくまでも王子の身体を心配してお食事をご用意させて頂いてるんですよ………とか今更言ってもしょうがないですね」
「………………………」
「どうですか?あの作戦に乗る気になりました?」
「………………………」
「お昼に嫌な顔を見ながら嫌なものを今のように涙目で食べなくて済むんですよ?」
「……………………うるさい…」
「はぁ、あんまり意地っ張りすぎると損しますよ?」
「……………………」
「いい話だと思うんですけど…何が気に入らないんですか?」
「……………………全部だ…」
「はい?」
「全部気に入らん!」
苛立つようにそう言い放った王子に私の方が苛立った。
「………。じゃあ聞きますが……王子はこのまま私と結婚する事になっていいんですか?」
「……な、にを。あたりまえ…」
「あたりまえ?どこが?自分て選んだから?」
「そ、そうだ」
「…何故私を選んだんですか?」
勿論私はその理由を知っている。しかしこの期に及んで王子がどう言うのか興味が湧いて敢えてそう聞いてみる。
「あの日、王子が私を婚約者に選んだ日。私達は挨拶以外1度も話をしませんでしたね。それで何故私を選んだのですか?」
「い、今更何を…」
今更でもなんでもこれは1度ちゃんと聞いておかないといけない事だ。ホントならもっと早く聞いたりするんだろうけど本人から聞く前に私は運悪く…良く?王子の本音を聞いた……。
…さて、どんな理由を聞かせてくれるだろう…楽しみだわ。
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