44 / 56
夢の中 2
しおりを挟む
榛が本当に悲しそうに謝るから・・・なんか、こっちが悪いみたいな気分になるじゃん。
なんか、話題変えねーと・・・
「あ!つーか、お前、高校生のくせになんであんなやらしいもん持ってんだよ!」
プだかブだかよくわかんねーもんばっかり。
「え?・・・ああ、アレ?親父が官能小説書いてんだ。だから、資料用にあーゆーのゴロゴロ転がってんの、俺んち」
「え!?」
「安心して。あきに使ったのはちゃんと新品のやつだから」
父親の仕事が忙しいって、小説家だったからなのか・・・。
「親父の小説は読むなって言われてたけど、勝手に読んでたんだよね、俺」
どーりでエロい事、色々知ってるわけだ。
「母さん、親父に付き合いきれなくなって出てったんだよ。もっと普通に愛されたかったんだろうな」
ははっ、と笑う榛の顔が、精一杯大人ぶっているように見えて、なんだか辛い。
「お互い再婚相手とは仲良くやってるみたいだし、俺はふたりが幸せならそれでいいし」
「マジで?」
「は?」
「本当に心からそう思えんの?」
あれ、俺、何言ってんの?
「寂しいなら寂しいって言えよ。俺は、榛の彼氏なんだろ?」
「・・・あき?」
「寂しいなら、彼氏の俺に甘えたっていいじゃん。強がる必要なんてねーだろ!」
なんだかわからないけど無性にイライラして、俺はテーブルをバンッと叩きつけて立ち上がっていた。だけど・・・
ガタッ
バッターン・・・
チンコは痛いし足に力も入らなくて、後ろ向きに椅子ごと倒れてしまった。
「あき!?何やってんだよ大丈夫!?」
榛が駆け寄って来て、倒れた椅子と俺を起こしてくれる。
・・・何やってんだ、俺、だっせぇ。
「あき、なんで急に怒ってんだよ?」
「それは・・・」
俺の方が年上なのに、頼ってもらえないのが情けなくて、俺ばっかが榛に振り回されている気がして・・・
「もっと、頼れよ。朝早く来いって言うのも、起きた時に誰かにそばにいて欲しいからだろ?甘えたいなら甘えたいって素直に言え!」
榛は驚いた顔をした後に、プッと吹き出す。
「コケた後じゃ全然カッコついてないんですけど、センパイ」
「ぐッ・・・うるせー!」
どーせ俺はカッコ良くないですよ!
「でも、ありがと」
榛は床に両膝をついて、椅子に座った俺の太腿の上に頭をのせて、ぎゅーっと腰に腕を巻き付けてくる。
・・・甘えてるのか?これは・・・
太腿の上の榛の頭をそっと撫でると、腰に巻きついている腕にさらに力が入った。
「あき、今日一緒に寝ていい?」
「え!?でも俺、今日もう無理・・・ちんこ痛すぎ・・・」
「何もしないから。あきとくっついてたいだけ」
くっついてるだけなら・・・
「わかった」
その後、俺たちはカレーを食べて、別々に風呂に入って、テレビを観た後に同じベッドで眠った。
正直、榛がまたとんでもない事をしてくるんじゃないかとヒヤヒヤしていたけど、俺が心配していたような事は一切してこなかった。
寝る前に、普通の恋人どうしがするような優しいキスをしてくれただけだった。
榛はすぐに眠りについて、寝言で「あき」と呼ばれて・・・どんな夢をみてるんだろう、と思いながら、いつの間にか俺も眠っていた。
なんか、話題変えねーと・・・
「あ!つーか、お前、高校生のくせになんであんなやらしいもん持ってんだよ!」
プだかブだかよくわかんねーもんばっかり。
「え?・・・ああ、アレ?親父が官能小説書いてんだ。だから、資料用にあーゆーのゴロゴロ転がってんの、俺んち」
「え!?」
「安心して。あきに使ったのはちゃんと新品のやつだから」
父親の仕事が忙しいって、小説家だったからなのか・・・。
「親父の小説は読むなって言われてたけど、勝手に読んでたんだよね、俺」
どーりでエロい事、色々知ってるわけだ。
「母さん、親父に付き合いきれなくなって出てったんだよ。もっと普通に愛されたかったんだろうな」
ははっ、と笑う榛の顔が、精一杯大人ぶっているように見えて、なんだか辛い。
「お互い再婚相手とは仲良くやってるみたいだし、俺はふたりが幸せならそれでいいし」
「マジで?」
「は?」
「本当に心からそう思えんの?」
あれ、俺、何言ってんの?
「寂しいなら寂しいって言えよ。俺は、榛の彼氏なんだろ?」
「・・・あき?」
「寂しいなら、彼氏の俺に甘えたっていいじゃん。強がる必要なんてねーだろ!」
なんだかわからないけど無性にイライラして、俺はテーブルをバンッと叩きつけて立ち上がっていた。だけど・・・
ガタッ
バッターン・・・
チンコは痛いし足に力も入らなくて、後ろ向きに椅子ごと倒れてしまった。
「あき!?何やってんだよ大丈夫!?」
榛が駆け寄って来て、倒れた椅子と俺を起こしてくれる。
・・・何やってんだ、俺、だっせぇ。
「あき、なんで急に怒ってんだよ?」
「それは・・・」
俺の方が年上なのに、頼ってもらえないのが情けなくて、俺ばっかが榛に振り回されている気がして・・・
「もっと、頼れよ。朝早く来いって言うのも、起きた時に誰かにそばにいて欲しいからだろ?甘えたいなら甘えたいって素直に言え!」
榛は驚いた顔をした後に、プッと吹き出す。
「コケた後じゃ全然カッコついてないんですけど、センパイ」
「ぐッ・・・うるせー!」
どーせ俺はカッコ良くないですよ!
「でも、ありがと」
榛は床に両膝をついて、椅子に座った俺の太腿の上に頭をのせて、ぎゅーっと腰に腕を巻き付けてくる。
・・・甘えてるのか?これは・・・
太腿の上の榛の頭をそっと撫でると、腰に巻きついている腕にさらに力が入った。
「あき、今日一緒に寝ていい?」
「え!?でも俺、今日もう無理・・・ちんこ痛すぎ・・・」
「何もしないから。あきとくっついてたいだけ」
くっついてるだけなら・・・
「わかった」
その後、俺たちはカレーを食べて、別々に風呂に入って、テレビを観た後に同じベッドで眠った。
正直、榛がまたとんでもない事をしてくるんじゃないかとヒヤヒヤしていたけど、俺が心配していたような事は一切してこなかった。
寝る前に、普通の恋人どうしがするような優しいキスをしてくれただけだった。
榛はすぐに眠りについて、寝言で「あき」と呼ばれて・・・どんな夢をみてるんだろう、と思いながら、いつの間にか俺も眠っていた。
0
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説

ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。

ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
そんなお前が好きだった
chatetlune
BL
後生大事にしまい込んでいた10年物の腐った初恋の蓋がまさか開くなんて―。高校時代一学年下の大らかな井原渉に懐かれていた和田響。井原は卒業式の後、音大に進んだ響に、卒業したら、この大銀杏の樹の下で逢おうと勝手に約束させたが、響は結局行かなかった。言葉にしたことはないが思いは互いに同じだったのだと思う。だが未来のない道に井原を巻き込みたくはなかった。時を経て10年後の秋、郷里に戻った響は、高校の恩師に頼み込まれてピアノを教える傍ら急遽母校で非常勤講師となるが、明くる4月、アメリカに留学していたはずの井原が物理教師として現れ、響は動揺する。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

僕の部下がかわいくて仕方ない
まつも☆きらら
BL
ある日悠太は上司のPCに自分の画像が大量に保存されているのを見つける。上司の田代は悪びれることなく悠太のことが好きだと告白。突然のことに戸惑う悠太だったが、田代以外にも悠太に想いを寄せる男たちが現れ始め、さらに悠太を戸惑わせることに。悠太が選ぶのは果たして誰なのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる