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鬼の霍乱
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なんだか、また榛の様子がおかしい・・・
ストレッチも他のヤツと組むようになったし、校内で会っても、俺を避けるようになった。
あいつの考えてる事がサッパリわからない。
近付いて来たかと思えば、脅してきて、避けられて、めちゃくちゃなこと要求してきたくせに、また避ける・・・
ほんと意味わかんねえ。
そんな意味わかんねえやつの事が、こんなに気になってる俺も、意味わかんねえ。
「樫村さぁ、1年の高杉くんと仲いいんだよね?」
話しかけてきたのは、隣の席の名取綾香だ。
「別に。ミニバスで一緒だっただけで、仲良いわけじゃねーよ」
「そーなんだ。でも、話したりはするでしょ、同じ部活だし」
「・・・まあ」
話したり以上の事もされてるけど。
「あたし、前から高杉くんいいなって思ってたんだよね」
・・・だからなんだ。
「でもなんか、近寄り難いってゆーか」
俺もできれば近寄りたくねーよ。
「だから、樫村、協力してくれないかな?」
え!?なんで俺が・・・
「お願い!このとーり!」
両手を合わせて深々と頭を下げる名取。
・・・ここで断るのもなんだかオカシイよな。
「・・・わかったよ。榛に、名取のこと話してみる」
「ありがとう、樫村!樫村が居眠りしてたらノート見せてあげるからね!」
やっすいな、ソレ。
まあ、このまま榛に避けられてんのも気分悪いし、話すきっかけになればいいか。
「榛、ちょっといい?」
部活帰り、部室を出た榛を呼び止める。
「・・・あき。俺、今日はちょっと・・・」
俺と目を合わさずに立ち去ろうとする榛の腕をつかまえる。
「おまえ、なんで俺の事避けてんの?」
「・・・別に、避けてなんか。ただ、あきで遊ぶの飽きちゃっただけ」
イラッ
はあ?なんだよそれ!
「そーかよ。じゃあちゃんとこっち見て言えよ」
「・・・」
イライラ
榛のだんまりに、ますますイラつく。
「こっち向けって言ってんだろ!」
榛の肩を掴んで、無理やり俺の方に向かせる。
「見んなよ!」
「はあ?何を見ん・・・」
自分の腕で口元を隠して目を合わせないよう下を向いている榛の顔は・・・
眉間に皺を寄せて、耳まで真っ赤になっている。
「おまえ、どーしたんだよ?熱でもあんのか?」
「触んな!」
バシッ
榛の額に伸ばした手を、叩き落とされる。
「いって・・・」
「っあき、ごめんっ」
え?今、こいつ、謝った?
榛の顔を見ると、なぜかオドオドしている。
「榛、どーしちゃったの?おまえ、わけわかんねーんだけど」
「わけわかんねーのは、あきの方だろ!」
なんで逆ギレ?
「あんなキスすんの、反則だろ!」
「おまえがやれって言ったんだろーが!」
「っあんなん、ずりーよ・・・」
正面に立つ俺を押しのけて、歩いていく榛。
「あ、おい!」
榛は、俺が引き止めるのを無視して行ってしまう。
なんなんだよ。ほんっとわけわかんねえ。
あ、名取の話、できなかったな・・・。
まあ、明日でいっか。
この時の俺は、これから起こる苦難を想像すらしていなかった。
ストレッチも他のヤツと組むようになったし、校内で会っても、俺を避けるようになった。
あいつの考えてる事がサッパリわからない。
近付いて来たかと思えば、脅してきて、避けられて、めちゃくちゃなこと要求してきたくせに、また避ける・・・
ほんと意味わかんねえ。
そんな意味わかんねえやつの事が、こんなに気になってる俺も、意味わかんねえ。
「樫村さぁ、1年の高杉くんと仲いいんだよね?」
話しかけてきたのは、隣の席の名取綾香だ。
「別に。ミニバスで一緒だっただけで、仲良いわけじゃねーよ」
「そーなんだ。でも、話したりはするでしょ、同じ部活だし」
「・・・まあ」
話したり以上の事もされてるけど。
「あたし、前から高杉くんいいなって思ってたんだよね」
・・・だからなんだ。
「でもなんか、近寄り難いってゆーか」
俺もできれば近寄りたくねーよ。
「だから、樫村、協力してくれないかな?」
え!?なんで俺が・・・
「お願い!このとーり!」
両手を合わせて深々と頭を下げる名取。
・・・ここで断るのもなんだかオカシイよな。
「・・・わかったよ。榛に、名取のこと話してみる」
「ありがとう、樫村!樫村が居眠りしてたらノート見せてあげるからね!」
やっすいな、ソレ。
まあ、このまま榛に避けられてんのも気分悪いし、話すきっかけになればいいか。
「榛、ちょっといい?」
部活帰り、部室を出た榛を呼び止める。
「・・・あき。俺、今日はちょっと・・・」
俺と目を合わさずに立ち去ろうとする榛の腕をつかまえる。
「おまえ、なんで俺の事避けてんの?」
「・・・別に、避けてなんか。ただ、あきで遊ぶの飽きちゃっただけ」
イラッ
はあ?なんだよそれ!
「そーかよ。じゃあちゃんとこっち見て言えよ」
「・・・」
イライラ
榛のだんまりに、ますますイラつく。
「こっち向けって言ってんだろ!」
榛の肩を掴んで、無理やり俺の方に向かせる。
「見んなよ!」
「はあ?何を見ん・・・」
自分の腕で口元を隠して目を合わせないよう下を向いている榛の顔は・・・
眉間に皺を寄せて、耳まで真っ赤になっている。
「おまえ、どーしたんだよ?熱でもあんのか?」
「触んな!」
バシッ
榛の額に伸ばした手を、叩き落とされる。
「いって・・・」
「っあき、ごめんっ」
え?今、こいつ、謝った?
榛の顔を見ると、なぜかオドオドしている。
「榛、どーしちゃったの?おまえ、わけわかんねーんだけど」
「わけわかんねーのは、あきの方だろ!」
なんで逆ギレ?
「あんなキスすんの、反則だろ!」
「おまえがやれって言ったんだろーが!」
「っあんなん、ずりーよ・・・」
正面に立つ俺を押しのけて、歩いていく榛。
「あ、おい!」
榛は、俺が引き止めるのを無視して行ってしまう。
なんなんだよ。ほんっとわけわかんねえ。
あ、名取の話、できなかったな・・・。
まあ、明日でいっか。
この時の俺は、これから起こる苦難を想像すらしていなかった。
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