上 下
91 / 210

変 2

しおりを挟む
 ええ~!

 宮野が、涼太の後輩タケルを・・・?
 てか、こいつ元々女好きじゃん!何がどうなって、そんな奴に恋すんだよ。

 しかもてめえ、涼太のケツ狙ってたんじゃなかったのかよ。

「宮野、涼太はもういいんだな?」

「よくない。涼ちゃんは抱きたい。それは変わってない」

 死ねよ。マジで。

「だけど、タケルくんといるとドキドキして・・・こう、ぎゅーっとなっちゃうんだよ!これって恋でしょ!?」

 食い気味の宮野が俺に迫る。

「近い!キモイ!」

 宮野を押し返し、座り直す。

「ハイ。買い物行ってねーから簡単で悪いけど」

 涼太が、作ったツナパスタを宮野の前に置く。

「涼太、俺のは?」

「ちゃんとあるし。青の作んないわけないじゃん」

 ・・・やっぱいい嫁♡

「涼ちゃんありがと!いただきます!・・・・・・やっば、ちょー美味い!」

 宮野がパスタを食べて、感動している。
 どーだ宮野。俺の嫁のパスタ、有難く食え。

「最近帰りによく出会うと思ってたけど、そーゆー事だったんだな、のぞむ」 

「イヤ、違くて。最初は涼ちゃんが他の男といるのがおもしろくなくて、邪魔してるだけだったんだけど」

 俺の知らないところで、何戯れてんだよ、こいつら・・・

「キス」

「「え!?されたとか!?」」

「されそうになったとゆーか・・・」

 オイオイ。タケル、涼太の事好きじゃねーのかよ。

「あー!どうしよ・・・ドキドキが止まんない!」

 ドキドキとか、きっもいな、宮野。
 冷ややかな俺を気にする様子もなく涼太と宮野は話を続ける。

「のぞむ、タケルに突っ込みてーの?」

 何聞いてんだ、涼太。

「そーだよね、俺、どうしたいんだろう?」

 知らねーよ。

「たぶんだけど、タケルも突っ込む方だと思うんだけど」

 じゃあ無理じゃん。残念だったな、宮野。

「涼ちゃん、俺のケツ、入るか見てくんない?」

「宮野テメーふざけんな!涼太にきったねーもん見せようとすんじゃねぇよ!」

「そーだな・・・でも、オレよくわかんねーし、青に見てもらった方が・・・」

「なんでそーなる!嫌に決まってんだろ!」

 あー、もう、バカ!バカ同士の会話こわい!

「ちょっと待ってろ!」

 俺は自室から持ってきたものを宮野に放り投げる。

「ローションじゃん」

「それやるから、さっさと帰ってネットでもなんでも見て自分で開発しろ!」

 俺は宮野を部屋から追い出し、ドアの鍵を閉める。

 はぁ~~~。疲れた。

「あんな風に追い返したら、のぞむかわいそーじゃん」

「はあ?だいたい、なんで宮野なんか連れてくんだよ、うっとおしい」

「別にいいじゃん、明日休みだし、夜更かししほーだいなんだから」

 夜更かしし放題・・・。ほう。
 涼太の横に座り、頭を引き寄せてキスする。

「っ、いきなりなんだよ」

「夜更かしし放題なんだろ?」

「あ、オレ風呂入んねーと!」

 立ち上がる涼太の手を引き、自分のベッドまで連れていって押し倒す。

「あ、あの、オレ風呂・・・」

「どーせドロッドロになるから。終わったら、一緒にゆーっくり入ろーな?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

消えない幻なら、堕ちるのもいい

Kinon
BL
美少年系バリタチSの高畑玲史と、ゴツめでマジメなM素質アリの川北紫道。セックスの経験はあれど恋愛経験ナシの2人は、気持ちが曖昧なままつき合うことになった。『リアルBL!不安な俺の恋愛ハードルート』と同じ学園モノです。 ※玲史視点:R、紫道視点:Sですが、同じシーン(セリフ重複)はありません。

【完結】『それ』って愛なのかしら?

月白ヤトヒコ
恋愛
「質問なのですが、お二人の言う『それ』って愛なのかしら?」  わたくしは、目の前で肩を寄せ合って寄り添う二人へと質問をする。 「な、なにを……そ、そんなことあなたに言われる筋合いは無い!」 「きっと彼女は、あなたに愛されなかった理由を聞きたいんですよ。最後ですから、答えてあげましょうよ」 「そ、そうなのか?」 「もちろんです! わたし達は愛し合っているから、こうなったんです!」  と、わたくしの目の前で宣うお花畑バカップル。  わたくしと彼との『婚約の約束』は、一応は政略でした。  わたくしより一つ年下の彼とは政略ではあれども……互いに恋情は持てなくても、穏やかな家庭を築いて行ければいい。そんな風に思っていたことも……あったがなっ!? 「申し訳ないが、あなたとの婚約を破棄したい」 「頼むっ、俺は彼女のことを愛してしまったんだ!」 「これが政略だというのは判っている! けど、俺は彼女という存在を知って、彼女に愛され、あなたとの愛情の無い結婚生活を送ることなんてもう考えられないんだ!」 「それに、彼女のお腹には俺の子がいる。だから、婚約を破棄してほしいんだ。頼む!」 「ご、ごめんなさい! わたしが彼を愛してしまったから!」  なんて茶番を繰り広げる憐れなバカップルに、わたくしは少しばかり現実を見せてあげることにした。 ※バカップル共に、冷や水どころかブリザードな現実を突き付けて、正論でぶん殴るスタイル。 ※一部、若年女性の妊娠出産についてのセンシティブな内容が含まれます。

偽りの婚姻

迷い人
ファンタジー
ルーペンス国とその南国に位置する国々との長きに渡る戦争が終わりをつげ、終戦協定が結ばれた祝いの席。 終戦の祝賀会の場で『パーシヴァル・フォン・ヘルムート伯爵』は、10年前に結婚して以来1度も会話をしていない妻『シヴィル』を、祝賀会の会場で探していた。 夫が多大な功績をたてた場で、祝わぬ妻などいるはずがない。 パーシヴァルは妻を探す。 妻の実家から受けた援助を返済し、離婚を申し立てるために。 だが、妻と思っていた相手との間に、婚姻の事実はなかった。 婚姻の事実がないのなら、借金を返す相手がいないのなら、自由になればいいという者もいるが、パーシヴァルは妻と思っていた女性シヴィルを探しそして思いを伝えようとしたのだが……

伯爵令嬢は婚約者として認められたい

Hkei
恋愛
伯爵令嬢ソフィアとエドワード第2王子の婚約はソフィアが産まれた時に約束されたが、15年たった今まだ正式には発表されていない エドワードのことが大好きなソフィアは婚約者と認めて貰うため ふさわしくなるために日々努力を惜しまない

ある愛の詩

明石 はるか
恋愛
彼と彼女と、私の物語

幸せなΩの幸せの約束

萌於カク
BL
αとβしかいない学園に君臨するトップαが、ある日、Ωに変えられてしまう。 Ωになったことがバレたら、学園を追放されてしまう。 αの親友に助けられながら何とかしのぐも、次第に追い詰められていく。 爽やかなイケメン×高慢美人 ※微レイプ、微暴力、ヤンデレ 20221031 タイトル変更しました。元『Victim』です。ラストも変更しました。

最後に笑うのは

りのりん
恋愛
『だって、姉妹でしょ お姉様〰︎』 ずるい 私の方が可愛いでしょ 性格も良いし 高貴だし お姉様に負ける所なんて ありませんわ 『妹?私に妹なんていませんよ』

【完結】わたしの娘を返してっ!

月白ヤトヒコ
ホラー
妻と離縁した。 学生時代に一目惚れをして、自ら望んだ妻だった。 病弱だった、妹のように可愛がっていたイトコが亡くなったりと不幸なことはあったが、彼女と結婚できた。 しかし、妻は子供が生まれると、段々おかしくなって行った。 妻も娘を可愛がっていた筈なのに―――― 病弱な娘を育てるうち、育児ノイローゼになったのか、段々と娘に当たり散らすようになった。そんな妻に耐え切れず、俺は妻と別れることにした。 それから何年も経ち、妻の残した日記を読むと―――― 俺が悪かったっ!? だから、頼むからっ…… 俺の娘を返してくれっ!?

処理中です...