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かわいい後輩 2

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「付き合ってるのは『彼女』じゃないですよね?」

 え・・・。なんで知って・・・

「男が好きなんですか?」

ややややばい。なんて答えよ・・・。

「イヤ、男が好きってゆーか、なんか流れでってゆーか・・・」

 オレなにゆってんの?

「じゃあ俺にも流されてください。俺なら、涼太さんに、そんな辛い顔させません」

「ちょ、ちょっと待って、タケル。そーゆー冗談マジ笑えねーから・・・」

「笑わなくてもいいです。本気なんで」

 イヤ!冗談であってくれよ!
 もー、男寄って来すぎ!いらねえ~!

「あの、さ。オレ、なんて言っていいか・・・」

「何も言わなくていいです。涼太さんが俺でもいいって思った時に頼ってください。俺、待ってます」

「イヤ、でも・・・」

「俺、気は長いほうなんです。焦って涼太さんとの関係、壊したくないんで」

 う・・・。そんな風に言われると断りづらいじゃん・・・。
 ・・・なんか、頭ぐるぐるしてきた。

 目眩がして、その場に座り込む。

「涼太さん!大丈夫ですか?」

 タケルがオレの肩に手をかける。

 あ、なんか、あったかい。青と違ってふわっとした感じで触るんだな、こいつ。

 青はいつも強引で、痛いくらい強く掴んだり、引っ張ったり、押し倒してきたり・・・

 あれ?どうしよ。青の事考えたらすげードキドキしてきた。
 ・・・やっぱり、タケルにちゃんと言わなきゃ。

「タケル、オレ・・・」

「言わないでください!俺、気は長いって言ったじゃないですか。だから、涼太さんもそんな簡単に答え出さないでください」

 だから、そんな風に言われるとなんも言えねーじゃん。

「大丈夫です。無理なことしませんから。涼太さんは今まで通りでいいんです」

 今までどおり・・・でいいなら・・・。

「わ、かった・・・」

 タケルがニコッと優しく笑う。

「涼太さん、歩けますか?」

「あー、うん。ごめん。軽い立ちくらみ。もう大丈夫」

「帰ってゆっくり休んだ方がいいです。家まで送ります」




「涼太さん、ちゃんと休んでくださいね。寝不足なめたらダメですよ。じゃあ、お疲れ様でした」

「ありがとな。こんなとこまでついてきてもらっちゃって。お疲れ様」

 ・・・え?あいつ、オレの事好きって言ったよな?
 なんか、青ものぞむも強引だったから、構えてたけど、タケル、なんもしなかった・・・。

 玄関のドアを開けると、腕を組んで壁に寄りかかった青がオレの方をじっと見る。

「おかえり」

「なんだよ。いきなり。びっくりすんだろ」

「誰?話してたの」

「あ?あー、職場の後輩」

 昨日あんなだったから、気まずいな・・・

「後輩が家まで送ってくれるなんて、エライ親切じゃん」

「オレが寝不足で、クラっときちゃって・・・心配してくれて、それで・・・わっ」

ドンッ

 青に肩を強く掴まれて、ドアに体を押し付けられる。

「いって・・・」

「涼太。俺怒ってんだけど」

 ・・・

「加藤に騙されて、俺の事信用しないとか。マジ腹立つ」

 え?オレ、なんか騙されてたの?

「ご、ごめ・・・」

「悪いと思ってんなら、涼太からキスして」

 う・・・しょうがねー・・・
 
 ちゅ
 軽く唇を合わせて離す。

「ふざけてんの?こーゆーやつしろっつってんの」

「ふっ、う、ぅ」

 青が深く口付けてきて、オレは立っていられなくなる。

 ・・・こういう事すんのが、好きってことなんだよな?
 でも・・・

 オレは、寝不足と、タケルの告白と、青の強引なキスで、頭がぐちゃぐちゃでよくわからなくなっていた。
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