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友の訪問

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誕生日の翌日
 今日は、仕事が休みで、カズと優也が遊びに来る予定。

ガチャ

「おい、童貞仲間!ついに童貞のままハタチになったかコノヤロー!」

 ドアを開けて入って来るなりそれかよ。確かに童貞だけどな。

「ほい、俺と優也からの誕プレ!」

 カズから受け取った紙袋を開けてみる。

 こ、これは!

「涼太くんご所望のエロ本セットだ」

「カズ~、優也~!おまえら最高かよ!」

 カズとがっちりハグをする。

「はぁ。おまえらほんと脳みそ中学生だな」

 呆れた顔で自分の寝室から出てくる青。

「うるっせぇ!オレはジジイになっても愛読書はエロ本だ!」

「わかったわかった。悪かったよ。とりあえず離れろ」

 ハグするオレとカズを、引き剥がす青。

「あ、そーだ。ゲーム持ってきたから、久々にやろーぜ」

 カズがバッグからゲーム機を出してニカッと笑う。

「やる!」

 社会人になってからゲームなんてやってねえもんな。なんかテンション上がるぜ!





「ほんとあいつらガキだな・・・」

「はは、楽しそうでいいじゃん」

 キッチンで飲み物を出している俺の横で、買ってきたピザの箱を出す優也。

「青、涼太とどうなってんの?」

「あー、・・・って、え!?」

「付き合ってんの?」

 優也のどストレートな問いに、冷や汗が背中を伝う。

「あ・・・いや・・・てゆーか、なんでそんな事思うんだよ?」

「青、涼太の事好きなの、バレバレだから」

「・・・マジか・・・」

 俺、そんなわかりやすい?

「涼太は気づかないだろーけどね。カズと一緒でアホだからさ」

 ・・・ですよね。

「優也、気持ちわりーとか思ってるよな」

「んー、最初に気づいた時は、思ったかな。でも、まあ、そーゆーのもアリなのかなって思ったら、今はそーでもないよ」

「なんか、ごめん」

「なんで謝んの?別に悪いことしてるわけじゃないじゃん」

「そうなんだけど」

「イカついオヤジが好きって言ったら、キモイけど、涼太なら、なんかわかる気するし。脳みそはともかく、見た目の話ね」

「・・・優也から見て、涼太って俺のこと、どー思ってるように見える?」

「どーも思ってなさそう」

グサッ
 今のは大ダメージだわ・・・。

「男と女だって難しいのに、男同士なら尚更だよ。涼太が青の気持ちを知ったとしても、そう簡単に答えなんか出ないんじゃないかな」

「・・・おまえ、大人だな」

「まあ、カズと涼太よりはね」

「ははは。確かに」

  リビングにいる涼太を見ると、カズにゲームで負けてムキになっている。

 そんなくだらない光景にさえ、心が動いてしまう。

「俺、涼太が好きだ」

「知ってるよ。今さらじゃん」

「ありがとな、優也」

「謝ったり、お礼言ったり、ヘンなやつ」

 優也、ほんとにありがとな。軽蔑しないでいてくれて。普通に接してくれて。

 優也が友達でよかったと心から思うのだった。
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