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Hiiho

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アイドルじゃない 3

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  ゆっくりと抜き差しされる ばんりの指。

  嘘、なんでそんな事してんの?
  うぅ・・・気持ち悪い・・・。下唇を噛み締めて、後ろの異物感に何とか耐えるけど、呻くように声が漏れ出してしまう。

「うっ、ん・・・っ、んんっ」

  止めて欲しい。抜いて欲しい。

  酷いことをされても後悔なんかしない、と思った事を俺は後悔し始める。

  ばんりの言う『最後』ってなに?俺のお尻をどうしたいの?
  ・・・そういえば、ミンホさんも俺の後ろに指を入れようとした。・・・もしかしてだけど、女の子みたいな穴が無いから、代わりにお尻に・・・入れようとしてる!?

  俺の脳が辿り着いた答えに、一瞬にして体の熱が冷める。

「ば・・・ばんり・・・、うっ、・・・おれっ、女じゃない・・・」

「わかってるよ」

  わかってるの!?て事はやっぱりそこに!?

  抱え上げている膝が震える。あまりの恐怖に動く事もできなくて、張り詰めていた欲望が次第に強張りを失っていく。

「怖いか?もう後悔してんだろ?」

  怖い。

  だけど、ばんりの挑発的な態度にプライドを揺さぶられて、意地でも「怖い」なんて言えなくなる。

「後悔、・・・してなっ、ん・・・っうぅ」
  
  指を挿抜しながら覆い被さって来たばんりに、胸の先を吸われ舌で転がされて、下半身の不快感と上半身の快感でおかしくなりそうだ。自分の体じゃないような浮遊感が全身を襲う。

「く・・・っ、んっ、・・・ぁ、あ」

  それでも胸の突起を執拗に責められているうちになぜか、下半身もジワジワと熱くなってくる。
  何かを探るように、ばんりの指がゆっくりと移動しながら後ろの内壁をトントンと小刻みに刺激してきて

「ぁあっ!?」

  突然、頭まで突き抜けるような快感が走って、今まで一度も発したことが無いような声が出てしまった。

  なに?今の・・・その部分だけ、変な感じが・・・

  俺が反応したその場所を、今度はそっと擦るような指の動きに、腰が震えて下半身がビクビクと騒ぎ出す。

「あ、あっ、アンデ(やだ)・・・・・・っゴギ(そこ)・・・」

「日本語はどうした?」

  え・・・日本語・・・ああ、もうそんなの考える余裕無い。

  胸の突起に与えられる刺激がそのまま後ろにも伝わってるみたいな・・・。

  もうやだ・・・イキたい。このままじゃ本当におかしくなる。

  なのに溢れてくるのは先走りばかりで、射精感はなかなか上がって来ない。

「ぁんんっ、ば・・・り、おねがい、ムリっもお・・・」

  お願い、何でもいいからイかせて欲しい。

  きゅ、と胸の突起を噛まれながらばんりの指が内壁をなぞるように引き抜かれ、その瞬間に腹の底が激しく収縮して頭が真っ白になった。

「あぁ───・・・っあ、あっ」

  乱れた呼吸も上手く整えられずに、全身の力が抜ける。

  今、なにが起こった?自分の体なのに、どういう状況かがわからないくらいの気持ち悦い脱力感に浸っていると、ばんりが俺の腰を浮かせ下着から出したそれを後ろに押し当てているのが視界に入る。

「っデギ(待っ)・・・」

  無理!そんなの入らない!

「ぐ・・・っ、うぅ・・・ア、アポ(痛)・・・」

  めりめりと押し込まれ、体が真っ二つに裂けそうなくらい辛い。体の震えが止まらなくて、怖くて堪らなくなって、俺はもう無理だと瞳でばんりに訴えかける。

「動くのは厳しそうだな。無理させてごめんな、シウ」

  知らない間に溢れていた涙をばんりが指で拭ってくれる。
  ばんりの顔、俺よりも苦しそう・・・。

  自分の中にある ばんりの欲望の塊が、ドクドクと脈打っているのがわかる。
  俺がさっきそうだったように、ばんりだってきっと楽になりたいんだ。

「いい、動いて。大丈夫だから」

  大丈夫じゃない。でももう、壊れてもいい。

  ばんりは少しずつ進んで来て戻っていく。その繰り返し。その度に内蔵が押し上げられて引き出されそうな感覚。
  苦しい。全然気持ち良くない。・・・死にそう。

「元アイドルにさせる顔じゃねぇな」

  自分の額と俺の額とを合わせて至近距離でばんりが見つめてくる。

「も、アイドル・・・っ、じゃない、よ」

  今は、芸能人でもない。ただ目の前のこの人を好きなだけの普通の男。


  だからばんり、俺のことが好きだって言って。


「ばんり・・・っ、ひっ、あぁ、んあっ、あ──・・・」

  腰を捕まれ規則的に揺すられて、その言葉は言えなかった。代わりに出てくるのは、悲鳴に近い叫びだけだ。

  大丈夫なんて言わなきゃ良かった・・・。

  数回も行き来されると、余りの苦痛で気が遠くなってくる。

「やだ、・・・いやぁ・・・ごめ、な・・・さ、むりぃ」

  意識が薄れて、もう彼を拒絶する拙い日本語しか出なかった。
  こんなに好きなのに、気持ちに体がついて行かない。

「シウ・・・っ、」

  体を揺らす振動が止まって、中が熱く満ちていく。

  良かった・・・。ばんり、ちゃんとイけたんだ・・・。

  ばんりが達したのを確認して安堵した俺は、目を閉じて意識を暗闇に沈めた。




  好き。大好きだよ ばんり。俺が女じゃなくてごめんなさい。
  奥さんがいるのに、好きになってごめんなさい。

  でも、こんなに頑張ったんだから、わかってくれるよね?ばんりもきっと好きになってくれるよね・・・?
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