17 / 54
16魔王vsジェイド
しおりを挟む「ジェイドに子宮が欲しい?そんなの簡単だ。作ってやろうか?お兄様。」
急に空が暗くなったかと思えば、魔王が現れた。
「魔王!!」
まさかもう回復したと言うのか!?
まずい……
今いる2人を捕らえられてはっ!
「ジェイド、そんなにノコノコ俺の前に出てきていいのか?俺はお前を弟子たちと同じく、仲良くふたなりにしてやろうって言ってるんだぞ?」
俺が狙い?
そう言えば……
お兄様とは?
まさか……
「なぁ?クリスお兄様♡」
「!!?」
クリスが魔王の兄!?
「な、何を言っているのですか……?」
「お兄様も堕ちたもんだなー。すっかり人間だ。でもそこが適任だったのかもな。英雄の純潔を奪ってくれたのには感謝しかないよ。おかげで英雄のジェイド様は俺に触れる事すらできない。」
どういう事だ?
頭が回らない……。
「毎日お兄様に抱かれてイキまくってんだろう?もうすっかり淫奔だもんなぁ!あはははは!お兄様に誘惑されて、セックスして純潔奪われて……俺に触れることすらできない。親兄弟の仇なのになぁ?今までの努力も水の泡。傑作すぎて笑いが止まらない!」
「こっ、の……」
頭に血が上る。
たが魔王の言う通り、魔物は倒せても、純潔の欠けらも無い俺では魔王に触れることすらできない。
悔しいッ!!
全部、魔王一族の企みだったのか……
「でもクリス様は太陽の下で生活できている。魔王一族ではないはず!」
確かに。
魔王一族は強大な力がある故に、極端に光が苦手なはずだ。
「そこは英雄様のおかげ。セックスして光を取り込んでんだよ。英雄様の光属性は強大だからなぁ。」
だから……
だからあんなに毎日求められていたのか。
そう言われると、セックスをするまでは夜にしか会えなかった。
『ジェイ、愛してます。』
あれも全部嘘だったのか?
俺を良いように使うための。
『クリス、愛してる。』
愛だの言ってた自分が……
バカみたいだ……
「惨めすぎて泣けてくるねぇ。でも愛し合ってるんだろ?次は英雄……あー『元』英雄か。と、子作り頑張ってね、お兄様♡立派な魔族を産めよ、ジェイド義理兄ちゃん♡」
「っ!!待て魔王っ!うっ!!」
俺の身体が光に包まれ、気がつくと魔王は消えていた。
「クソっ……」
「クリス様……」
「おい!さっきから黙って……なんとか言ったらどうなんだ!!俺はっ、俺、はっ……」
「師匠、落ち着いてください!」
クリスの胸ぐらを掴み睨むが、クリスは放心状態でなんの反応も示さなかった。
「まさかクリス様も自分が魔王一族だとわからなかったのでは?」
俺をなだめながらルークが言った。
そうかもしれない。
そうかもしれないけど……
今思えば、
あのどうしようもなく、クリスに惹かれてしまったのは、クリスの魔力だったのかもしれない。
その魔力に……
俺は負けたんだ。
20
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?


【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる