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※9未遂
しおりを挟む団長は速やかに王へ、シュッツが魔王の手によってフタナリにされたとの報告をした。
王もシュッツの強さは十分承知している。また、氷のような性格も知っている。そのためシュッツであれば孕む可能性は低く、しばらく様子を見てもいいだろうとの結論に至った。
シュッツがフタナリにされた事について、団長は他のものに一切話さなかったが、どこから情報が漏れたのか、噂は騎士団内でもあっという間に広がった。
団長はそのせいでシュッツが肩身の狭い思いをするのではと懸念していたが、当の本人はどこ吹く風で、全く気にしていなかった。
しかし、何も気にしていないのは本人だけであり、女っ気のない団員たちはシュッツに強い興味を示した。
「なぁ、今度犯してやろうぜ?少しは性格が可愛くなるんじゃないか?」
「あのクールなシュッツ様を犯して喘がせたいよな」
「俺らより年下の癖に生意気だもんな。目に物見せてやるか!」
もともとキレイな顔立ち、筋肉もゴリゴリついているわけではない。性的な対象で見ているものも少なからずおり、団員たちの中にはシュッツを孕ませようと目論む者もいた。
副団長の肩書きに手を出すものは居ないと思われていたが、集団であれば勝てると踏んだ団員たちはシュッツを犯す計画を立てた。
夜中、部屋に忍び込み縛り上げて犯す。
単純な事だが、寝起きであれば抵抗も出来まいとでた話だった。
シュッツもウルフも深い眠りについている深夜。
何人かの団員がシュッツの部屋に忍び込んだ。
団員たちはスヤスヤ眠るシュッツの腕を頭の上にあげ、手首のところで素早く縛り上げた。そして口には大声が出せないよう口枷をはめる。
「んっ、んぅ?」
「起きちゃいました?」
「んッ!?」
(なぜ団員たちがここに?一体何をして……)
「いや、噂で聞きましてね。シュッツ様に女性器がついたって。なので、魔族を妊娠する前に栄光の騎士団の手によって孕ませて差し上げようかと思って」
「っっ!」
団員たちを睨みつけるシュッツ。
それだけで怯える団員もいるが、人数ゆえかそれだけでは団員たちの行動を止めることは出来なそうだ。
「どれどれ。早速フタナリを拝ませて貰いますかね」
団員たちはシュッツを押さえつけ、ズボンとパンツをはぎとった。
「おぉ!本当についてるぞ」
「あはは、割れ目汚くない?こんなもん?もうセックスしたの?それともオナニーしすぎた?」
屈辱的な言葉にもシュッツは冷静に、普段は詠唱で操る氷を詠唱なしで何とか出そうとしている。
「副団長ダメですよ。抵抗しないでください」
「マジか。この状況でも抵抗する気なの?だったら何も考えられないくらい気持ちよくしてやるよ」
そう言うと団員はペロリと女性器を舐めた。あまりの気持ち悪さに背筋に寒気が走るシュッツ。
レロレロレロレロ……
「くっ、ふ、んッ……ふーっ、ふーっ」
しつこくせめられ段々気持ち悪さだけでなく、違うものがこみあがってくる。シュッツは身を捩りその快感を受け入れないようにしている。
「副団長かわい~感じてる~」
「色っぽいのもふたなり効果か?」
顔を背け遠く一点を見つめると、そこにはスヤスヤと狼の姿で眠るウルフがいた。
運悪く、今日はまだ自分のベッドに運んでいなかった。隣にいたのであればすぐ助けてくれただろうに。
(ウルフ、ウルフ、ウルフッ、ウルフッ!!)
何度もウルフの名前を心で叫ぶ。
と、その念が通じたのか否か、ウルフは目を覚ました。
寝ぼけまなこだったが、シュッツを見るなり襲われていると察し、シュッツの上にいる人物に飛びかかった。
「ガルルルルルッ!!」
「うわっ!なんだこの犬っ!」
「最近よく副団長といる犬だ!一緒の部屋にいたのか!」
「ん、んー!!」
噛み付くも団員たちの数には叶わず、ウルフは簡単に押さえつけられた。
「グルルル……」
それでもシュッツを助けたいと、ウルフは思わず人型になってしまった。そして団員たちを殴り飛ばす。
「はっ!?なんだ?何が起こって……ぐふぅ」
「いッ、つぅ……なんだコイツ!?」
「俺のシュッツに触んじゃねぇ!!」
「んんん!んー!」
(ウルフ、ダメだ!)
「こいつ、犬が人になったのか?魔物か!?」
ザワザワとする団員たち。
これ以上は出来ないと判断し、シュッツの部屋から慌てて出ていく。
「ちっ!どうせそのうち孕ませろって命令が下るはずだ」
「せいぜい楽しみにしとけ」
捨て台詞を吐く団員たちに、シュッツはまだ諦めていないのかと半ば呆れた。
団員たちがいなくなると、ウルフはシュッツの拘束をほどいた。
丸出しにされたシュッツの下半身を見て、なぜもっと早く気が付かなかったのかと悔やんでいる。
「悪い、気がつかなくて……大丈夫か?変なことされてないか?」
「ウルフ、ありがとう。少し女性器を舐められただけだから大丈夫だ」
拘束されていた手首を撫でながらシュッツはお礼を言った。
ウルフがいなければ自分は今頃犯されていたと思うとゾッとした。まさか自分を孕まそうとする物好きが騎士団内にいたとは。それも複数。
しかし、そんなことはどうでもいいと思えた。ウルフの正体がバレてしまったことに比べれば。
「俺のシュッツのものを舐めただと?ふざけやがって……あいつら全員噛み殺すッッ」
「たいしたことないよ。それより私はお前のものなのか?ん?」
「…………そうだよッ」
「ふふふ」
シュッツが自分のものだとついつい主張したウルフをからかうと、顔を真っ赤にさせながらもぶっきらぼうに答えた。
自分のものだと自己主張してくれたことが嬉しいとシュッツは笑う。
平穏な時間に戻ったのだが……
(…………なぜだろう。胸騒ぎがする)
珍しく不安になるシュッツは、その不安から逃れようとウルフを抱きしめた。
ウルフもその不安を察し、安心させるように頭を撫でた。
「今日はこのまま一緒に寝てくれ」
「はは、副団長は甘えん坊のバブちゃんだな」
お返しと言わんばかりにからかうウルフ。そう言いながらも、二人同じベッドにもぐった。
腕枕をし、シュッツが眠るまで頭や頬を優しく撫で続けた。
(いつまでも幸せな時間ってのは続かないもんなんだろうな)
ウルフはシュッツの寝顔を見ながら昔を思い出し、これから起こることを容易に想像した。
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