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09.VS王妃
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数時間後、アウロラはヴァルテリとともに王宮に戻っていた。
王宮内の者だけでなく、王都中の人々が王女の帰還を喜んだ。
ただ、アウロラが誘拐されたのは一昨日の晩であるはずなのに、すでに王都中の人々に知れ渡っていることに疑問を感じる。
それはもちろん、アウロラを失脚させようとした王妃が、手下を使って誘拐の事実を広めたのだろうけども。
無事の帰還を涙ながらに喜ぶリリャとの再会に、アウロラも心が癒され、しばし自室で休息をとった。
だが、この後王宮内ではしばらく混乱が続くだろう。アウロラも覚悟を決めて事態に挑まなければいけない。
決意もあらたにしたところで、父王からの呼び出しがかかる。
王宮内の広間にて、この誘拐の顛末が明らかになるのだ。
アウロラはリリャと、数名の護衛騎士とともに広間へ向かった。
広間にはすでに多くの貴族たちが集まっている。玉座には国王と王妃が、そのそばには王妃の娘ヴェンラが。
玉座に向かって床に膝をつき、頭を垂れているのはヴァルテリと、勇者アレクシだ。
貴族たちの視線を集めながら、アウロラは真っすぐに玉座へ向かい、国王から一段下がった隣に座った。
リリャは広間に入ると離れて行ったが、彼女はアウロラに近い位置で他の貴族とともに、これから行われる“対決”を見守る。
全員がそろったのを確認して、玉座にほど近い場所にいる宰相が口を開いた。彼がこの場を仕切るようだ。
「先日、王女アウロラ殿下が誘拐されたが、見ての通り無事にご帰還されました。まずは、殿下をお救いするため尽力した近衛騎士ヴァルテリに、国王陛下からお言葉が賜れます」
「近衛騎士ヴァルテリ、此度のそなたの活躍と、アウロラを助けるための機転と行動力に、王として、一人の父親として感謝する」
「もったいないお言葉、ありがとうございます」
厳かな国王からの謝辞に、ヴァルテリが恭しく頭を垂れる。
だが、その隣で膝をつく勇者アレクシが、場の雰囲気を壊すように落ち着きなくそわそわしている。
忙しなくヴァルテリと国王へ視線を何度となく向けるアレクシに、国王が表情を変えることなく声をかけた。
「勇者アレクシと言ったか。何か言いたそうだな」
「は、はぁ……」
国王に直々に声をかけられて、気後れした様子を見せながらも、アレクシは負けじと国王を見上げた。
「その、おれも、あ、いや、わたしも言いつけ通り、北東の森へ行って王女殿下と戻って来ました。なので、王女殿下をわたしの妻にしていただけるのですよね?」
途端、ざわりと周囲の貴族が息をのみ声を漏らす。
勇者といえど貴族の末端ですらない、騎士でもない、ただの平民が王女を妻にほしいと言ったのだ。身に過ぎた要求に貴族から怒りの声も上がる。
だが、彼に悪意がないことをアウロラは知っていた。多少腕が立つも平民で学がなく、貴族なら当たり前の常識も通用しない。
そんな彼を利用しようとした、その人物が諸悪の根源なのだ。
とはいえ、愛娘を妻に欲しいと平民の男に言われ、国王の顔に険が増す。
「私はそのようなこと許してはいないが、誰に言われたのだ」
「え、は、その――」
国王の勘気に泳ぐアレクシの視線が王妃に止まる。
「王妃陛下が……」
一斉に貴族たちの視線が王妃に向けられる。その隣に座るヴェンラが「ひっ」と小さな悲鳴とともに息をのむが、当の王妃カーリナは涼しい顔であらぬ方を見やっている。
うまく感情を隠す王妃にアウロラは内心で感嘆するほどだった。
「カーリナ、いまのは本当か?」
尋ねる国王ヘンリックに、カーリナは間を置くようにゆっくりと視線を巡らせる。
ヴァルテリから勇者アレクシ、そして国王へ。国王へ視線を向ける直前、そばにいたアウロラが視界に入っただろうが、怒りも蔑みも動揺も見せなかった。
「その者の言うこと、私には覚えがありませんわ。あの者は平民ですよ、陛下。おおよそ嘘をついているのでしょう」
「そんなっ!」
声を上げたのはアレクシだ。
勢いよく立ち上がって王妃に詰め寄ろうとする。
「おれを呼んだのは王妃様じゃないですか!? この誘拐はアウロラ殿下を次期女王としないための計画だ、それがアウロラ殿下の望みだ、と!」
再び周囲が大きくざわめく。
アレクシを牽制するため、王妃のそばにいた護衛騎士が前にでるが、アレクシの隣にいたヴァルテリは動かない。
アレクシの糾弾に王妃は取り乱さなかったが、表情からすべての感情が抜ける。
「王妃であるわたくしに、そのような口の利き方をしていいと思っているのかしら。不愉快だわ。早くそこの無礼者を追い出してちょうだい」
指示を受けた騎士が動きかけたが、それを国王の重い声が阻止する。
「必要ない。平民であろうが重要な証人には違いない。だが――今の発言に何か証拠はあるか」
問われて、逆にアレクシが動揺を見せる。
アウロラの前世にあったように、声を録音するような機械でもあれば証拠にはなるだろうが、当然アレクシがそんなものを持っているはずがない。
答えることができず、アレクシは顔色を悪くしてうつむいた。
周囲のざわめきが落ち着き、アレクシに非難の目が向かいかけた、その時。
「証拠なら私が」
そう声を上げたのはヴァルテリだった。懐から一枚の紙を取り出して掲げてみせる。
その時になって初めて王妃の片眉が吊り上がった。
国王が手で合図を送り、宰相が直々にそれをヴァルテリから受け取ると、うやうやしく国王へと差し出した。
受け取った国王がそれに目を通し、そして傍に侍っていた宰相に手渡す。国王の意図を読み取って、手紙を受け取った宰相がそれを読み上げていく。
「『王女アウロラが王位継承権を失ったとき、もしくは王位継承できないと判断されたとき、かつヴェンラが女王となった暁には、北東の森を魔族に還すと約束する――王妃カーリナ』」
文面を読み上げている宰相の、その内容に、初めは静かだった聴衆も次第に騒然となる。
その内容はアレクシの証言を補強するものではないため、最初は混乱していた者たちも、終わりごろになると意味を理解して動揺し始めた。
端的に言えば、王妃はアウロラの王位継承の喪失と、自分の娘ヴェンラが女王になることを願い、それが叶えば魔族に北東の森を還すという契約をしている、ということだ。
そしてそんな契約をするということは、魔族に対しても何らかの協力をさせているのだろう。今回の誘拐のように。
この時になって、ようやく王妃の表情が歪んだ。眉尻を吊り上げてヴァルテリを睨みつけ、声を上げる。
「これはお前が偽造したものでしょう、ヴァルテリとやら。こんなものを偽造してわたくしを陥れようなどと、覚悟はできているのでしょうね!」
王妃の勘気に、だがヴァルテリは表情ひとつ変えず、その視線を受け止めると口を開いた。
「お言葉ですが王妃陛下、筆跡を調べれば王妃陛下が書いたものだと、すぐに分かりますよ」
「そんなもの、いくらでも真似ることができるでしょう」
「ですが、私はあなたがそれを書いたところを見ております」
「は……?」
「そして、それを相手に渡すところも」
「いい加減なことを。あの時、あの場にお前は居なかっ――」
怪訝な表情でヴァルテリの言葉を否定しようとした王妃は、自分の失言に気づいて慌てて口をつぐむ。
しかし、王妃の言葉を聞いた者たちは皆、ヴァルテリの言うことが事実なのだと気づいた。
そして周囲の者と小さく言葉を交わしながら、疑心に満ちた目で王妃を見やる。
その視線を感じているのだろう、王妃の顔が怒りに染まっていく。震えているのは怒りと屈辱を感じているからだろうか。
王妃はその場に立ち上がると声を荒げた。
「もう良い! お前の話はすべてでたらめだ! このわたくしを謀ろうなどと極刑に値する! 衛兵、連れて行きなさい!」
だが、広間は静まり返り、誰も動こうとしない。
怒りに頬を紅潮させた王妃を正面から見据え、ヴァルテリはその場に立ち上がった。
「王妃陛下、あなたが裏で魔族を動かしていることを、私はよく知っていますよ」
そう言うとヴァルテリは目を閉じた。途端、彼の姿が変貌していく。肌は褐色に、逆に髪は色が抜けてシルバーブロンドに変化していく。
そして、閉じていた目を開ければ、碧かった瞳が赤く変化していた。
大方の者は、姿の変わったヴァルテリに驚きの声を上げていたが、彼の言葉の意味を正しく理解することはできなかった。
だが、誰よりも王妃自身が愕然とし、言葉もなく、大きく見開いた目でヴァルテリを凝視する。
王妃の普段の姿を知っている者は、彼女の暴走を予想していたかも知れない。
しかしその予想に反して、彼女は全身を脱力させると、椅子に深くもたれかかった。その表情からは感情が抜け落ちている。
「カーリナ、そなたのこれまでの所業に加え、魔族を使ってアウロラを害そうとしたこと、すべて私は知っている。散財程度なら多少は見逃すことができたものを……。そなたとは離縁し、生涯幽閉を命じる――連れて行け」
それまで護衛をしていた騎士が、両側から王妃の腕を取り連れて行く。
王妃は抵抗することもなく連行され、彼女の姿が見えなくなるまで広間は静寂に包まれていた。
王宮内の者だけでなく、王都中の人々が王女の帰還を喜んだ。
ただ、アウロラが誘拐されたのは一昨日の晩であるはずなのに、すでに王都中の人々に知れ渡っていることに疑問を感じる。
それはもちろん、アウロラを失脚させようとした王妃が、手下を使って誘拐の事実を広めたのだろうけども。
無事の帰還を涙ながらに喜ぶリリャとの再会に、アウロラも心が癒され、しばし自室で休息をとった。
だが、この後王宮内ではしばらく混乱が続くだろう。アウロラも覚悟を決めて事態に挑まなければいけない。
決意もあらたにしたところで、父王からの呼び出しがかかる。
王宮内の広間にて、この誘拐の顛末が明らかになるのだ。
アウロラはリリャと、数名の護衛騎士とともに広間へ向かった。
広間にはすでに多くの貴族たちが集まっている。玉座には国王と王妃が、そのそばには王妃の娘ヴェンラが。
玉座に向かって床に膝をつき、頭を垂れているのはヴァルテリと、勇者アレクシだ。
貴族たちの視線を集めながら、アウロラは真っすぐに玉座へ向かい、国王から一段下がった隣に座った。
リリャは広間に入ると離れて行ったが、彼女はアウロラに近い位置で他の貴族とともに、これから行われる“対決”を見守る。
全員がそろったのを確認して、玉座にほど近い場所にいる宰相が口を開いた。彼がこの場を仕切るようだ。
「先日、王女アウロラ殿下が誘拐されたが、見ての通り無事にご帰還されました。まずは、殿下をお救いするため尽力した近衛騎士ヴァルテリに、国王陛下からお言葉が賜れます」
「近衛騎士ヴァルテリ、此度のそなたの活躍と、アウロラを助けるための機転と行動力に、王として、一人の父親として感謝する」
「もったいないお言葉、ありがとうございます」
厳かな国王からの謝辞に、ヴァルテリが恭しく頭を垂れる。
だが、その隣で膝をつく勇者アレクシが、場の雰囲気を壊すように落ち着きなくそわそわしている。
忙しなくヴァルテリと国王へ視線を何度となく向けるアレクシに、国王が表情を変えることなく声をかけた。
「勇者アレクシと言ったか。何か言いたそうだな」
「は、はぁ……」
国王に直々に声をかけられて、気後れした様子を見せながらも、アレクシは負けじと国王を見上げた。
「その、おれも、あ、いや、わたしも言いつけ通り、北東の森へ行って王女殿下と戻って来ました。なので、王女殿下をわたしの妻にしていただけるのですよね?」
途端、ざわりと周囲の貴族が息をのみ声を漏らす。
勇者といえど貴族の末端ですらない、騎士でもない、ただの平民が王女を妻にほしいと言ったのだ。身に過ぎた要求に貴族から怒りの声も上がる。
だが、彼に悪意がないことをアウロラは知っていた。多少腕が立つも平民で学がなく、貴族なら当たり前の常識も通用しない。
そんな彼を利用しようとした、その人物が諸悪の根源なのだ。
とはいえ、愛娘を妻に欲しいと平民の男に言われ、国王の顔に険が増す。
「私はそのようなこと許してはいないが、誰に言われたのだ」
「え、は、その――」
国王の勘気に泳ぐアレクシの視線が王妃に止まる。
「王妃陛下が……」
一斉に貴族たちの視線が王妃に向けられる。その隣に座るヴェンラが「ひっ」と小さな悲鳴とともに息をのむが、当の王妃カーリナは涼しい顔であらぬ方を見やっている。
うまく感情を隠す王妃にアウロラは内心で感嘆するほどだった。
「カーリナ、いまのは本当か?」
尋ねる国王ヘンリックに、カーリナは間を置くようにゆっくりと視線を巡らせる。
ヴァルテリから勇者アレクシ、そして国王へ。国王へ視線を向ける直前、そばにいたアウロラが視界に入っただろうが、怒りも蔑みも動揺も見せなかった。
「その者の言うこと、私には覚えがありませんわ。あの者は平民ですよ、陛下。おおよそ嘘をついているのでしょう」
「そんなっ!」
声を上げたのはアレクシだ。
勢いよく立ち上がって王妃に詰め寄ろうとする。
「おれを呼んだのは王妃様じゃないですか!? この誘拐はアウロラ殿下を次期女王としないための計画だ、それがアウロラ殿下の望みだ、と!」
再び周囲が大きくざわめく。
アレクシを牽制するため、王妃のそばにいた護衛騎士が前にでるが、アレクシの隣にいたヴァルテリは動かない。
アレクシの糾弾に王妃は取り乱さなかったが、表情からすべての感情が抜ける。
「王妃であるわたくしに、そのような口の利き方をしていいと思っているのかしら。不愉快だわ。早くそこの無礼者を追い出してちょうだい」
指示を受けた騎士が動きかけたが、それを国王の重い声が阻止する。
「必要ない。平民であろうが重要な証人には違いない。だが――今の発言に何か証拠はあるか」
問われて、逆にアレクシが動揺を見せる。
アウロラの前世にあったように、声を録音するような機械でもあれば証拠にはなるだろうが、当然アレクシがそんなものを持っているはずがない。
答えることができず、アレクシは顔色を悪くしてうつむいた。
周囲のざわめきが落ち着き、アレクシに非難の目が向かいかけた、その時。
「証拠なら私が」
そう声を上げたのはヴァルテリだった。懐から一枚の紙を取り出して掲げてみせる。
その時になって初めて王妃の片眉が吊り上がった。
国王が手で合図を送り、宰相が直々にそれをヴァルテリから受け取ると、うやうやしく国王へと差し出した。
受け取った国王がそれに目を通し、そして傍に侍っていた宰相に手渡す。国王の意図を読み取って、手紙を受け取った宰相がそれを読み上げていく。
「『王女アウロラが王位継承権を失ったとき、もしくは王位継承できないと判断されたとき、かつヴェンラが女王となった暁には、北東の森を魔族に還すと約束する――王妃カーリナ』」
文面を読み上げている宰相の、その内容に、初めは静かだった聴衆も次第に騒然となる。
その内容はアレクシの証言を補強するものではないため、最初は混乱していた者たちも、終わりごろになると意味を理解して動揺し始めた。
端的に言えば、王妃はアウロラの王位継承の喪失と、自分の娘ヴェンラが女王になることを願い、それが叶えば魔族に北東の森を還すという契約をしている、ということだ。
そしてそんな契約をするということは、魔族に対しても何らかの協力をさせているのだろう。今回の誘拐のように。
この時になって、ようやく王妃の表情が歪んだ。眉尻を吊り上げてヴァルテリを睨みつけ、声を上げる。
「これはお前が偽造したものでしょう、ヴァルテリとやら。こんなものを偽造してわたくしを陥れようなどと、覚悟はできているのでしょうね!」
王妃の勘気に、だがヴァルテリは表情ひとつ変えず、その視線を受け止めると口を開いた。
「お言葉ですが王妃陛下、筆跡を調べれば王妃陛下が書いたものだと、すぐに分かりますよ」
「そんなもの、いくらでも真似ることができるでしょう」
「ですが、私はあなたがそれを書いたところを見ております」
「は……?」
「そして、それを相手に渡すところも」
「いい加減なことを。あの時、あの場にお前は居なかっ――」
怪訝な表情でヴァルテリの言葉を否定しようとした王妃は、自分の失言に気づいて慌てて口をつぐむ。
しかし、王妃の言葉を聞いた者たちは皆、ヴァルテリの言うことが事実なのだと気づいた。
そして周囲の者と小さく言葉を交わしながら、疑心に満ちた目で王妃を見やる。
その視線を感じているのだろう、王妃の顔が怒りに染まっていく。震えているのは怒りと屈辱を感じているからだろうか。
王妃はその場に立ち上がると声を荒げた。
「もう良い! お前の話はすべてでたらめだ! このわたくしを謀ろうなどと極刑に値する! 衛兵、連れて行きなさい!」
だが、広間は静まり返り、誰も動こうとしない。
怒りに頬を紅潮させた王妃を正面から見据え、ヴァルテリはその場に立ち上がった。
「王妃陛下、あなたが裏で魔族を動かしていることを、私はよく知っていますよ」
そう言うとヴァルテリは目を閉じた。途端、彼の姿が変貌していく。肌は褐色に、逆に髪は色が抜けてシルバーブロンドに変化していく。
そして、閉じていた目を開ければ、碧かった瞳が赤く変化していた。
大方の者は、姿の変わったヴァルテリに驚きの声を上げていたが、彼の言葉の意味を正しく理解することはできなかった。
だが、誰よりも王妃自身が愕然とし、言葉もなく、大きく見開いた目でヴァルテリを凝視する。
王妃の普段の姿を知っている者は、彼女の暴走を予想していたかも知れない。
しかしその予想に反して、彼女は全身を脱力させると、椅子に深くもたれかかった。その表情からは感情が抜け落ちている。
「カーリナ、そなたのこれまでの所業に加え、魔族を使ってアウロラを害そうとしたこと、すべて私は知っている。散財程度なら多少は見逃すことができたものを……。そなたとは離縁し、生涯幽閉を命じる――連れて行け」
それまで護衛をしていた騎士が、両側から王妃の腕を取り連れて行く。
王妃は抵抗することもなく連行され、彼女の姿が見えなくなるまで広間は静寂に包まれていた。
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