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【フェリクス編】
07.フェリクスの想いを思い知らされる*
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くちゅ、ぢゅっ、といやらしい音が先ほどからずっと続いている。
抱きかかえられて場所を寝室に移すと、メリッサは一糸纏わぬ姿にさせられベッドに押し倒されてしまった。
フェリクスはズボンだけの姿になり、思いのほか筋肉の線がくっきりと表れた体躯を晒している。服を着ているときは細身に見えたが、公爵家の子息が、王太子の側近が鍛えていないわけはなかった。
押し倒すその腕の力も強く、いつも以上に男らしさを感じてメリッサは大いに狼狽えてしまう。
そんなメリッサの思いも知らずフェリクスは、熱の籠もった声音で「綺麗だ」「可愛い」「僕のメリッサ」と囁きながら、彼女を愛で、撫でまわし、舌を這わせていく。
フェリクスの手が、舌が、唇が肌を撫でるたびにメリッサは喘ぎを漏らし、艶めかしく身を捩って悶えた。
だが、次第にフェリクスの頭が下がっていき、それが何を意味するのか分かって慌てる。
「だめですっ、フェリクス様! そこは、汚い――っ!?」
必死で制止しようとしたメリッサだが、抵抗をものともせずフェリクスは両手で脚を抱え込んで、身動きできなくなった腰元に顔を寄せた。
そして、尖らせた舌先が露わになったメリッサの割れ目を、下から上へと舐め上げていく。
「だめっ……やぁっ……」
羞恥に顔どころか全身を熱くさせ、嫌々と首を振りながらメリッサは弱々しい抵抗を試みるも、さらに赤く充血する花芽に“ぢゅうっ”と吸い付かれて腰が砕けた。
大きく広げられた両脚の間に、フェリクスの頭が埋められた格好で、メリッサはしばしの間、執拗に蜜口と花芯を責め立てられ続ける。
無意識に抑え込もうとしてくぐもる喘ぎ声と、フェリクスの愛撫によって耳につく湿った水音が部屋に満ちていった。
暴かれた赤い花芽を繰り返し舐め上げられ、舌先で転がされ、吸い付かれてもう何度達したか分からない。
ようやくフェリクスの愛撫が止んだ頃には、メリッサのそこは赤く熟れた果実のように充血し、蜜口からは溢れ続ける愛液ですっかり濡れそぼっていた。
メリッサはやや乱れた呼吸を整えながら、続いていた快感が止んで安堵する。
「ああ、すまないメリッサ。きみの反応が可愛くて、つい夢中になってしまった。だが――」
「ッ!?!」
気を緩めていたメリッサは、唐突に電流のような刺激が走り、気がつくと腰を跳ね上げて達していた。
何が起こったのかと無意識に下半身へ視線をやれば、勃起した花芯をフェリクスが指の腹で押し潰しているのが見えた。
それだけの刺激で、メリッサは過敏に反応し達してしまったらしい。
「すっかり敏感になって、少しの刺激でもイけるようにしたよ。気持ちいいだろう?」
「あ……あ、ぁ――」
そう言ってフェリクスが果実を押し潰したまま、円を描くように擦り上げ――
「いくっ――イッ――っ!!」
メリッサは落ちることもできず、再び絶頂を重ね、そればかりか飛び散る水音をさせながら潮を吹き上げた。突き上げた腰から弧を描きながら飛沫が散り、互いの体を濡らしていく。
羞恥を覚える光景だが、連続で絶頂させられたメリッサに、それを自覚する余裕はなかった。
頂から落ちると頽れて、荒い息をつくことしかできない。
「ここだけの刺激で潮を吹くなんて、メリッサは本当に敏感なんだね。ここに僕のを挿入れたら、きみはどうなるんだろう」
嬉しそうに、あるいは愉しそうにフェリクスは呟きつつ、秘核を押し潰していた指を下へと滑らせた。潮と愛液に濡れそぼった蜜口に、あてがった指をツプっと浅く沈ませる。
「あ……んん……」
途端、異物感がメリッサを襲う。一本の指の、わずかな先っぽだけでも、初めてのメリッサには異物感がひどかった。
(フェリクス様の指が……わたしの中に……)
しかしそれ以上に、指先とはいえフェリクスが自分の膣内に侵入している状況に、メリッサは興奮を覚えてしまう。
「熱い――メリッサの中、熱くて狭くて、蠢いてる――まるで指を飲み込もうとしてるみたいだ」
興奮を高めているのはフェリクスも同じらしい。熱に浮かされたような声音でそれを口にしながら、ゆっくりと指を深く沈めていく。
「ん、あっ……フェリクス、さまっ」
小さく湿った音を立てながら、沈められた指が抽挿を始めると、メリッサは堪らず腰を揺らして喘いだ。
「腰が動いてるよ、メリッサ。気持ちいい?」
「んっ、ん――き、気持ち、いい、です、あっ!」
感情が昂っていたせいかメリッサが素直に頷けば、フェリクスは曲げた指の先で優しく内側を掻き乱した。
「可愛いメリッサ、もっと気持ち良くしてあげる」
「あっ、ああ、んっ――」
ふいに耳元でフェリクスの囁きが聞こえたかと思うと、首筋に温かな舌の這う感触がする。蜜口ではフェリクスの指が抜き挿しを繰り返し、体を這う舌が胸の突起を捉える。
「や、ぁ――ん、フェリクス、さま……」
空気を含んで次第にクチュクチュといやらしい音に、メリッサもまた興奮を煽られていく。
そして、指先がある一点に触れたとき、メリッサは強い刺激を感じて大きく腰を震わせた。それを見逃さなかったフェリクスが、内側の感じる部分を執拗に擦り上げ――
「そこっ、フェリクス様っ、だめっ、いっ――」
「だめじゃないだろう、メリッサ。襞のひとつひとつが指に絡みついて、締め付けられてるみたいだ。イキそう?」
「んっ、あぁっ、い、イキ、そう……んんっ! イクッ! っっ!!」
徐々に速度を上げる手の動きに、メリッサは本能的に浮いてしまう腰を切なげに見つめ、はしたなく喘ぐと愛液を散らしながらまた達してしまった。
膣壁が収縮を繰り返して、動きを止めたフェリクスの指を締め付ける。
腰を落とし、荒い息をつきながら余韻をやり過ごしていると、吸い付く膣内からフェリクスの指が引き抜かれる。その刺激に小さく震えて声を漏らすメリッサだが、すぐにまた蜜口に何かがあてがわれて慌てる。
「ふぇ、フェリクス様……」
思わずたじろぐメリッサの両脚を、広げてしっかり押さえつけたまま、その付け根にフェリクスはいつの間にか取り出した自身をあてがっていた。
赤黒く、血管を浮かせて怒張したそれは、当然指など比べ物にならないほど大きい。先端から先走りが溢れている様子から、フェリクスの興奮が伝わってくるようだ。
「メリッサ、すまない――」
彼もまた逸る呼吸を抑えつつ、腰に力を加えていく。鋭い先端が蜜口を押し拡げ、フェリクスの形に変えていく。
「っ――ぁ、ぅ」
「本当はもっと慣らすべきなんだろうが――」
反り返ったカリが限界まで拡がった膣口を刺激して捩じ込まれる。
「もう我慢できないっ」
「あ、ぐ――っ」
亀頭のくびれに一瞬だけ引き裂かれるような痛みは和らいだが、すぐにも太い陰茎がまた膣口を拡げていく。
感じたことのない異物感と圧迫感に、メリッサは息も絶え絶えに喘いだ。自然と目に涙が浮かんでくる。
そして先端がメリッサのなかにある膜を裂いた瞬間、愛液ではない何かが滲むのを感じた気がした。
「メリッサ、疑ってはいなかったが、初めてが僕で嬉しいよ。ようやくきみと繋がれて――」
「う゛、あ゛――」
「想いが叶って嬉しい」
フェリクスはメリッサに覆いかぶさりながら、ゆっくりと腰を押し進めてその一物を蜜壺に沈めていく。
だが、一度にすべては無理だったようで、小さく腰を前後に揺すりながらメリッサの奥を少しずつ掘削し始める。
「ん゛……あ、あ゛っ――」
愛液が抽挿を助けているからか、ややもすると痛みは和らいだが、圧倒的な異物感はまだメリッサを苦しめている。
それなのに、フェリクスはその熱杭で内側を擦り上げ、カリで襞を掻き乱し、鋭い先端でじわじわと奥を抉じ開けて深く自身を捩じ込もうとする。
「ふぇ、り、くす、さまぁ、あっ――」
「メリッサ――メリッサ、はぁ、好きだっ、僕の、メリッサ――」
喘ぐメリッサの唇に、時折唇を落としながら、フェリクスも夢中でメリッサを求めているようだった。
彼のものでいっぱいだった隘路は、繰り返される抽挿に少しずつ解されいく。動きも滑らかになり、同時に湿った音がはっきりと繋がったところから聞こえはじめる。
動きが滑らかになるごとに、メリッサは異物感が気にならなくなっていることに気づいた。まるで自分の膣内が熱で溶けたように、フェリクスの形にぴたりと沿って、それどころか溶け合ってひとつになったような錯覚を覚えた。
「んっ、メリッサ――なかが、すごいっ、吸い付いて――」
しかし、それはあくまで錯覚だったらしい。
メリッサの様子を窺っていたのか、フェリクスは半身を起こすと腰の律動に力強さを加えた。
「っ?! あっ、あっ、ふぇ、リクス、さまっ――ぃんっ!」
力強い抽挿がメリッサの襞を押し潰し、内壁を抉り、何度も奥を穿つ。余すところなく擦り上げられ、さらに熱を持ち、大きな彼のものが存在をなお主張し始める。
激しくなるフェリクスの責め立てに動揺するメリッサだが、痛みや圧迫感ではない別の感覚があることに、また動揺する。
自分のものとは思えない甘い喘ぎ、勝手に淫らに揺れてしまう腰、突き上げられる度に奥からジワリと広がる重い熱――明らかにメリッサは彼の与える快感に苛まれ始めていた。
「フェリ、クス、様っ――ああっ、んっ、んん――」
「メリッサ、気持ちいい? 僕もだよ、メリッサ、すごく――気持ちいいっ」
ふいに奥を突き上げられる衝動に、体が大きく揺れる。昂った欲情のままにフェリクスが、強く腰を突き上げたようだ。
激しい衝動に思わず身を強張らせるが、やはり苦痛は感じなかった。それよりも、フェリクスの大きなそれが深く捩じ込まれる衝動に、それだけでメリッサは達しそうになっていた。
「ああっ! フェリクス様、奥っ、だめっ――んんっ!」
「奥だめ? 本当に? すごく締め付けて、気持ち良さそうだよ? メリッサ――」
メリッサが快感に身悶えていることはお見通しなのだろう。
フェリクスがやや勢いを付けて、先端で数度奥を貫いてくる。たったそれだけで、あっという間にメリッサは限界に追いやられてしまった。
「だめっ! イッちゃ、ぅ――いくっ――っ!!」
両手でシーツを握り締め、艶めかしく白い首をさらしてメリッサは達すると、膣壁を痙攣させてフェリクスの熱い塊を締め付ける。
フェリクスは小さく呻いて一瞬動きを止めたが、すぐにまた律動を再開する。絶頂して収縮する膣内を、強引に引き裂かれるような動きに、メリッサは赤く染まった顔を必死で振りながら「待って」と懇願した。
「ふぇり、くす様……イッてる、から……」
「うん、メリッサのなか、ビクビク蠢いて、締め付けてくるから、危うく僕もイクところだったよ」
「うっ、あ……」
「だけどもうすぐ、僕のものが全部入る――ほら」
メリッサの懇願を無視して、フェリクスは大きく引いた腰を強く突き上げた。肌を打つ音と、メリッサの嬌声が部屋に響く。
フェリクスの言った通り、大きな一物が根元までメリッサの蜜口に飲み込まれていた。
「っ!? ~~~ッッ!!」
深く、熱杭を奥までみっちりと捩じ込まれて、メリッサは背を強張らせるとそれだけで絶頂を重ねてしまう。
「初めてで、僕のすべてを受け入れてくれるなんて、感動だよメリッサ。それに、きみのなかも悦んでる」
「あ……ぁあ……」
再び亀頭が見えるほど腰を引き、一気に根元まで突き入れられ奥を穿たれ――
「いう゛ぅっっ!!」
弛緩しかけた体にまた力がこもる。そして、繰り返される力強い抽挿に、落ちる間もなくメリッサは喘ぎ続ける。
「まるでメリッサのなかすべてで扱かれてるみたいだ――ん、はぁ……気持ちいいよ、メリッサ……」
譫言のように名前を囁きながらフェリクスは、またメリッサに覆いかぶさって時折唇を重ねる。
次第に彼の腰つきが激しくなれば、肌を打つ音と同時にベッドの軋む音まで響かせて、互いの興奮も最高潮に達する。
そうなると初めて繋がった二人はもう、快感を追い求めることしか考えられなくなっていた。メリッサは自分のなかで暴れる熱を締め付け、フェリクスは限界に追い詰めようとするメリッサの最奥を繰り返し穿つ。
忙しない吐息を重ねつつ、互いに快楽の高みを目指していった。
「ふぇ、り、クスさま――もう……」
「っ、あぁ、僕もだ―― 一緒に」
のぼせたような表情でメリッサの体を激しく揺らしながら、フェリクスのそれが予兆に膨れ上がった。その熱杭で奥を穿たれ、愛液を散らすように腰を荒々しく打ち付けられると、最後の一段を一気に駆け上がったメリッサの背が大きく反り返った。
「ああぁっ! イクッ――フェリクス様ッ――っっ!」
「メリッサ――くっ、僕も――っ」
「ッ!――あぁッッ!!」
「ッッ!!」
フェリクスの下で大きく腰を跳ね上げて、嬌声を上げながらメリッサは頭からつま先まで全身を強張らせた。腰を叩きつけるように、その体を激しく揺らして、フェリクスは最奥で自身を爆ぜさせた。
陰茎を脈打たせながら先端から熱い迸りを放ち、メリッサのなかを満たしていく。それを感じながらメリッサは頂から落ちると、全身を痙攣させつつ深い快楽に身を震わせた。
絶頂が過ぎれば余韻がメリッサを襲い、フェリクスのもので膣内を満たされる充足感に吐息が漏れる。
その唇にフェリクスは唇を重ね、啄むようなキスを繰り返しながら、未だ腰を小さく揺らしている。
最後の一滴まで最奥に注ごうとするフェリクスに愛しささえ覚えつつ、メリッサもまた口づけに応えながら彼の背中に手を回して抱きついた。
自分のなかで萎えないフェリクスのそれに一抹の不安を覚えるも、今はただこの上ない幸福感を噛みしめるのだった。
抱きかかえられて場所を寝室に移すと、メリッサは一糸纏わぬ姿にさせられベッドに押し倒されてしまった。
フェリクスはズボンだけの姿になり、思いのほか筋肉の線がくっきりと表れた体躯を晒している。服を着ているときは細身に見えたが、公爵家の子息が、王太子の側近が鍛えていないわけはなかった。
押し倒すその腕の力も強く、いつも以上に男らしさを感じてメリッサは大いに狼狽えてしまう。
そんなメリッサの思いも知らずフェリクスは、熱の籠もった声音で「綺麗だ」「可愛い」「僕のメリッサ」と囁きながら、彼女を愛で、撫でまわし、舌を這わせていく。
フェリクスの手が、舌が、唇が肌を撫でるたびにメリッサは喘ぎを漏らし、艶めかしく身を捩って悶えた。
だが、次第にフェリクスの頭が下がっていき、それが何を意味するのか分かって慌てる。
「だめですっ、フェリクス様! そこは、汚い――っ!?」
必死で制止しようとしたメリッサだが、抵抗をものともせずフェリクスは両手で脚を抱え込んで、身動きできなくなった腰元に顔を寄せた。
そして、尖らせた舌先が露わになったメリッサの割れ目を、下から上へと舐め上げていく。
「だめっ……やぁっ……」
羞恥に顔どころか全身を熱くさせ、嫌々と首を振りながらメリッサは弱々しい抵抗を試みるも、さらに赤く充血する花芽に“ぢゅうっ”と吸い付かれて腰が砕けた。
大きく広げられた両脚の間に、フェリクスの頭が埋められた格好で、メリッサはしばしの間、執拗に蜜口と花芯を責め立てられ続ける。
無意識に抑え込もうとしてくぐもる喘ぎ声と、フェリクスの愛撫によって耳につく湿った水音が部屋に満ちていった。
暴かれた赤い花芽を繰り返し舐め上げられ、舌先で転がされ、吸い付かれてもう何度達したか分からない。
ようやくフェリクスの愛撫が止んだ頃には、メリッサのそこは赤く熟れた果実のように充血し、蜜口からは溢れ続ける愛液ですっかり濡れそぼっていた。
メリッサはやや乱れた呼吸を整えながら、続いていた快感が止んで安堵する。
「ああ、すまないメリッサ。きみの反応が可愛くて、つい夢中になってしまった。だが――」
「ッ!?!」
気を緩めていたメリッサは、唐突に電流のような刺激が走り、気がつくと腰を跳ね上げて達していた。
何が起こったのかと無意識に下半身へ視線をやれば、勃起した花芯をフェリクスが指の腹で押し潰しているのが見えた。
それだけの刺激で、メリッサは過敏に反応し達してしまったらしい。
「すっかり敏感になって、少しの刺激でもイけるようにしたよ。気持ちいいだろう?」
「あ……あ、ぁ――」
そう言ってフェリクスが果実を押し潰したまま、円を描くように擦り上げ――
「いくっ――イッ――っ!!」
メリッサは落ちることもできず、再び絶頂を重ね、そればかりか飛び散る水音をさせながら潮を吹き上げた。突き上げた腰から弧を描きながら飛沫が散り、互いの体を濡らしていく。
羞恥を覚える光景だが、連続で絶頂させられたメリッサに、それを自覚する余裕はなかった。
頂から落ちると頽れて、荒い息をつくことしかできない。
「ここだけの刺激で潮を吹くなんて、メリッサは本当に敏感なんだね。ここに僕のを挿入れたら、きみはどうなるんだろう」
嬉しそうに、あるいは愉しそうにフェリクスは呟きつつ、秘核を押し潰していた指を下へと滑らせた。潮と愛液に濡れそぼった蜜口に、あてがった指をツプっと浅く沈ませる。
「あ……んん……」
途端、異物感がメリッサを襲う。一本の指の、わずかな先っぽだけでも、初めてのメリッサには異物感がひどかった。
(フェリクス様の指が……わたしの中に……)
しかしそれ以上に、指先とはいえフェリクスが自分の膣内に侵入している状況に、メリッサは興奮を覚えてしまう。
「熱い――メリッサの中、熱くて狭くて、蠢いてる――まるで指を飲み込もうとしてるみたいだ」
興奮を高めているのはフェリクスも同じらしい。熱に浮かされたような声音でそれを口にしながら、ゆっくりと指を深く沈めていく。
「ん、あっ……フェリクス、さまっ」
小さく湿った音を立てながら、沈められた指が抽挿を始めると、メリッサは堪らず腰を揺らして喘いだ。
「腰が動いてるよ、メリッサ。気持ちいい?」
「んっ、ん――き、気持ち、いい、です、あっ!」
感情が昂っていたせいかメリッサが素直に頷けば、フェリクスは曲げた指の先で優しく内側を掻き乱した。
「可愛いメリッサ、もっと気持ち良くしてあげる」
「あっ、ああ、んっ――」
ふいに耳元でフェリクスの囁きが聞こえたかと思うと、首筋に温かな舌の這う感触がする。蜜口ではフェリクスの指が抜き挿しを繰り返し、体を這う舌が胸の突起を捉える。
「や、ぁ――ん、フェリクス、さま……」
空気を含んで次第にクチュクチュといやらしい音に、メリッサもまた興奮を煽られていく。
そして、指先がある一点に触れたとき、メリッサは強い刺激を感じて大きく腰を震わせた。それを見逃さなかったフェリクスが、内側の感じる部分を執拗に擦り上げ――
「そこっ、フェリクス様っ、だめっ、いっ――」
「だめじゃないだろう、メリッサ。襞のひとつひとつが指に絡みついて、締め付けられてるみたいだ。イキそう?」
「んっ、あぁっ、い、イキ、そう……んんっ! イクッ! っっ!!」
徐々に速度を上げる手の動きに、メリッサは本能的に浮いてしまう腰を切なげに見つめ、はしたなく喘ぐと愛液を散らしながらまた達してしまった。
膣壁が収縮を繰り返して、動きを止めたフェリクスの指を締め付ける。
腰を落とし、荒い息をつきながら余韻をやり過ごしていると、吸い付く膣内からフェリクスの指が引き抜かれる。その刺激に小さく震えて声を漏らすメリッサだが、すぐにまた蜜口に何かがあてがわれて慌てる。
「ふぇ、フェリクス様……」
思わずたじろぐメリッサの両脚を、広げてしっかり押さえつけたまま、その付け根にフェリクスはいつの間にか取り出した自身をあてがっていた。
赤黒く、血管を浮かせて怒張したそれは、当然指など比べ物にならないほど大きい。先端から先走りが溢れている様子から、フェリクスの興奮が伝わってくるようだ。
「メリッサ、すまない――」
彼もまた逸る呼吸を抑えつつ、腰に力を加えていく。鋭い先端が蜜口を押し拡げ、フェリクスの形に変えていく。
「っ――ぁ、ぅ」
「本当はもっと慣らすべきなんだろうが――」
反り返ったカリが限界まで拡がった膣口を刺激して捩じ込まれる。
「もう我慢できないっ」
「あ、ぐ――っ」
亀頭のくびれに一瞬だけ引き裂かれるような痛みは和らいだが、すぐにも太い陰茎がまた膣口を拡げていく。
感じたことのない異物感と圧迫感に、メリッサは息も絶え絶えに喘いだ。自然と目に涙が浮かんでくる。
そして先端がメリッサのなかにある膜を裂いた瞬間、愛液ではない何かが滲むのを感じた気がした。
「メリッサ、疑ってはいなかったが、初めてが僕で嬉しいよ。ようやくきみと繋がれて――」
「う゛、あ゛――」
「想いが叶って嬉しい」
フェリクスはメリッサに覆いかぶさりながら、ゆっくりと腰を押し進めてその一物を蜜壺に沈めていく。
だが、一度にすべては無理だったようで、小さく腰を前後に揺すりながらメリッサの奥を少しずつ掘削し始める。
「ん゛……あ、あ゛っ――」
愛液が抽挿を助けているからか、ややもすると痛みは和らいだが、圧倒的な異物感はまだメリッサを苦しめている。
それなのに、フェリクスはその熱杭で内側を擦り上げ、カリで襞を掻き乱し、鋭い先端でじわじわと奥を抉じ開けて深く自身を捩じ込もうとする。
「ふぇ、り、くす、さまぁ、あっ――」
「メリッサ――メリッサ、はぁ、好きだっ、僕の、メリッサ――」
喘ぐメリッサの唇に、時折唇を落としながら、フェリクスも夢中でメリッサを求めているようだった。
彼のものでいっぱいだった隘路は、繰り返される抽挿に少しずつ解されいく。動きも滑らかになり、同時に湿った音がはっきりと繋がったところから聞こえはじめる。
動きが滑らかになるごとに、メリッサは異物感が気にならなくなっていることに気づいた。まるで自分の膣内が熱で溶けたように、フェリクスの形にぴたりと沿って、それどころか溶け合ってひとつになったような錯覚を覚えた。
「んっ、メリッサ――なかが、すごいっ、吸い付いて――」
しかし、それはあくまで錯覚だったらしい。
メリッサの様子を窺っていたのか、フェリクスは半身を起こすと腰の律動に力強さを加えた。
「っ?! あっ、あっ、ふぇ、リクス、さまっ――ぃんっ!」
力強い抽挿がメリッサの襞を押し潰し、内壁を抉り、何度も奥を穿つ。余すところなく擦り上げられ、さらに熱を持ち、大きな彼のものが存在をなお主張し始める。
激しくなるフェリクスの責め立てに動揺するメリッサだが、痛みや圧迫感ではない別の感覚があることに、また動揺する。
自分のものとは思えない甘い喘ぎ、勝手に淫らに揺れてしまう腰、突き上げられる度に奥からジワリと広がる重い熱――明らかにメリッサは彼の与える快感に苛まれ始めていた。
「フェリ、クス、様っ――ああっ、んっ、んん――」
「メリッサ、気持ちいい? 僕もだよ、メリッサ、すごく――気持ちいいっ」
ふいに奥を突き上げられる衝動に、体が大きく揺れる。昂った欲情のままにフェリクスが、強く腰を突き上げたようだ。
激しい衝動に思わず身を強張らせるが、やはり苦痛は感じなかった。それよりも、フェリクスの大きなそれが深く捩じ込まれる衝動に、それだけでメリッサは達しそうになっていた。
「ああっ! フェリクス様、奥っ、だめっ――んんっ!」
「奥だめ? 本当に? すごく締め付けて、気持ち良さそうだよ? メリッサ――」
メリッサが快感に身悶えていることはお見通しなのだろう。
フェリクスがやや勢いを付けて、先端で数度奥を貫いてくる。たったそれだけで、あっという間にメリッサは限界に追いやられてしまった。
「だめっ! イッちゃ、ぅ――いくっ――っ!!」
両手でシーツを握り締め、艶めかしく白い首をさらしてメリッサは達すると、膣壁を痙攣させてフェリクスの熱い塊を締め付ける。
フェリクスは小さく呻いて一瞬動きを止めたが、すぐにまた律動を再開する。絶頂して収縮する膣内を、強引に引き裂かれるような動きに、メリッサは赤く染まった顔を必死で振りながら「待って」と懇願した。
「ふぇり、くす様……イッてる、から……」
「うん、メリッサのなか、ビクビク蠢いて、締め付けてくるから、危うく僕もイクところだったよ」
「うっ、あ……」
「だけどもうすぐ、僕のものが全部入る――ほら」
メリッサの懇願を無視して、フェリクスは大きく引いた腰を強く突き上げた。肌を打つ音と、メリッサの嬌声が部屋に響く。
フェリクスの言った通り、大きな一物が根元までメリッサの蜜口に飲み込まれていた。
「っ!? ~~~ッッ!!」
深く、熱杭を奥までみっちりと捩じ込まれて、メリッサは背を強張らせるとそれだけで絶頂を重ねてしまう。
「初めてで、僕のすべてを受け入れてくれるなんて、感動だよメリッサ。それに、きみのなかも悦んでる」
「あ……ぁあ……」
再び亀頭が見えるほど腰を引き、一気に根元まで突き入れられ奥を穿たれ――
「いう゛ぅっっ!!」
弛緩しかけた体にまた力がこもる。そして、繰り返される力強い抽挿に、落ちる間もなくメリッサは喘ぎ続ける。
「まるでメリッサのなかすべてで扱かれてるみたいだ――ん、はぁ……気持ちいいよ、メリッサ……」
譫言のように名前を囁きながらフェリクスは、またメリッサに覆いかぶさって時折唇を重ねる。
次第に彼の腰つきが激しくなれば、肌を打つ音と同時にベッドの軋む音まで響かせて、互いの興奮も最高潮に達する。
そうなると初めて繋がった二人はもう、快感を追い求めることしか考えられなくなっていた。メリッサは自分のなかで暴れる熱を締め付け、フェリクスは限界に追い詰めようとするメリッサの最奥を繰り返し穿つ。
忙しない吐息を重ねつつ、互いに快楽の高みを目指していった。
「ふぇ、り、クスさま――もう……」
「っ、あぁ、僕もだ―― 一緒に」
のぼせたような表情でメリッサの体を激しく揺らしながら、フェリクスのそれが予兆に膨れ上がった。その熱杭で奥を穿たれ、愛液を散らすように腰を荒々しく打ち付けられると、最後の一段を一気に駆け上がったメリッサの背が大きく反り返った。
「ああぁっ! イクッ――フェリクス様ッ――っっ!」
「メリッサ――くっ、僕も――っ」
「ッ!――あぁッッ!!」
「ッッ!!」
フェリクスの下で大きく腰を跳ね上げて、嬌声を上げながらメリッサは頭からつま先まで全身を強張らせた。腰を叩きつけるように、その体を激しく揺らして、フェリクスは最奥で自身を爆ぜさせた。
陰茎を脈打たせながら先端から熱い迸りを放ち、メリッサのなかを満たしていく。それを感じながらメリッサは頂から落ちると、全身を痙攣させつつ深い快楽に身を震わせた。
絶頂が過ぎれば余韻がメリッサを襲い、フェリクスのもので膣内を満たされる充足感に吐息が漏れる。
その唇にフェリクスは唇を重ね、啄むようなキスを繰り返しながら、未だ腰を小さく揺らしている。
最後の一滴まで最奥に注ごうとするフェリクスに愛しささえ覚えつつ、メリッサもまた口づけに応えながら彼の背中に手を回して抱きついた。
自分のなかで萎えないフェリクスのそれに一抹の不安を覚えるも、今はただこの上ない幸福感を噛みしめるのだった。
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