おかしな日記

明智 颯茄

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病気について

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 双極性障害。それが私が患《わずら》った病気だ。うつ状態と躁《そう》状態が交互に現れる病気。喜怒哀楽の激しい病気。

 うつ状態は説明しなくても何となくわかるだろう。落ち込んでて、最終的には自殺をしようとする。
 躁状態はその逆で、眠らなくても平気でバリバリ活動できて、気分は爽快。自分ってすごいじゃん! と自画自賛するくらい、合理的に何でもできてしまう。すると、まわりの人たちのミスなどにイライラするようになり、激怒する。

 私の場合は、躁状態がいきすぎると、暴力的になる。壁に自分の手が痛くなるほどパンチをしたり、昨日はルーズリーフノートの束を、

「くそっ!」と叫んで、床に強く投げつけたり。

 やってしまってから、暗い気持ちになる。

 私は人間がなってないな、と思って。

 でも、まだいいほうで、包丁で人を刺殺しそうになったことが何度もある。あの時は病気だと知らなかった。自分の性格に問題があるのだと、ずいぶんと自分を責めた。

 その点、今は病気なのだと理解をしつつも、ある程度は自分で思考回路を変更していかないと、同じ症状へ戻ってきてしまうのだ。

 だから考える。何が原因かを。一晩かかって突き止めた。

「まあ、いいか」と思う余裕がなくなっているのだ。
 完璧主義者。ストイック過ぎに戻ってしまっていた。

 こうでなければならない。
 どうしてできないの! と言って、自分に怒る。

 これはうつ状態の時も同じサイクルで、最後の自分を責めるところが違うだけ。

 どうしてできないんだろう? 自分ってダメだな。 と言って、落ち込む。

 ストイックはやめたはずなのに、出てきてしまう時の原因は、やはり寝不足や疲れが溜まっている時。正しい対処の仕方は、

 眠ることだ。

 睡欲は他でカバーすることはできない。しようとすると、どか食いをしたり、イライラしたりするのだ。

 とにかく眠ることにしよう。

 と書いておいても、私は忘れる。薬を飲むようになってから、記憶力が落ちたと思う。ひどい時には一秒前に考えてたことが思い出せない時がある。

 それでも、こんな私と付き合っていこう。人生まだ長いかもしれないからね。

2020年7月26日、日曜日
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