おかしな日記

明智 颯茄

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葉巻とジン

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 酒を家で一人で飲むと、すぐに眠くなってしまう私だ。酒はもっぱら、外で誰かと話しながら飲むもの。いろんな話をして、気づいたら朝になっていたみたいな、そんな飲み方をする時もある。

 二十歳過ぎには、その当時はやっていた、ヴァイオレットフィズやカルアミルク(岡村 靖幸さんを思い出すな)などを飲んでいた。二十三ぐらいで、その時付き合いのあった女友達が、ビール好きでつられてビールに変わった。

 結婚をするまでに日本酒に変わったが、悪酔をして、飲めなくなった。結婚後はワインにハマり、離婚してからは、ジンにはまる。

 こうやって考えてみると、年齢を重ねるたびに、アルコール度数が上がっているのだった。

 ジンで最初にハマったのは、ボンベイ サファイア。しかし、これはジンの中でも度数が高いほうで、かなりパンチがある。その次は、タンカレーのラングプール。柑橘系の香りが爽やかで、バーへ行っては、七、八杯ショットで飲んでいたほハマった。

 今一番ハマっているジンについて語る前に、葉巻の話をしよう。私が吸っているのは、ミニシガリロというタバコサイズの葉巻で、大きな葉巻を巻く時の葉のあまりを集めて、工場で大量生産しているもので、比較的価格は安めだが、一本、百八十円ちょっとする。二十本入りで、三千九百円。

 東京に住んでいた時は、新宿伊勢丹のメンズ館に行って購入していた。女性では葉巻を買いに来る人もいないらしく、常連として顔を覚えてもらっていたほど、通ったものだ。

 田舎には葉巻はそうそう売っていない。というわけで、とう有名ショッピングサイトを理由させていただいている。手数料はかかるが、電車で東京へ行くよりは安いのでよしだ。

 私が吸っているメーカーは、ダビドフ 。香水の会社らしく、香りがとてもいい。かなり個性の強い葉巻で、日本の控えめな酒には合わない。酒の味がなくなってしまうのだ。

 そういうわけで、葉巻にも負けない香りとコクのあるジンを探し求めていたが、とあるバーのバーテンダーさんに教えていただいた、エギュベルのジンと運命的な出会いをした。コクがあり、まろやかで度数も三十二度と高くもなく、家様に買ってまで飲んでしまうほどだった。

 若い頃は、タバコを吸う奴なんか死んでしまえ! と思っていた私だが、葉巻を吸うようになって、美味しさに気づくと、それほどではいやではなくなったが、葉巻がない時の代替え品で、タバコを吸うとプラスチックみたいな化学物質の味がして、やはりミニシガリロがいいと思ってしまう。

 葉巻の煙は肺に入れないしね。口の中で香りと味を楽しむものだから。

 最近たまに、葉巻をくわえながら、青白い煙を燻《くゆ》らせて、パソコンでパチパチと小説を書いている。このスタイルしてみたくてやったが、吸ったあとに匂いが部屋に染み込むのが許せない――という、こだわりの鎖に縛られてしまう私であった。

 2020年7月18日、土曜日
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