おかしな日記

明智 颯茄

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妊婦のひらめき

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 私はこの世界で、妊娠したことが二回ほどあるが、受精してから二週間ほどで、

 あれ?

 と気づいてしまう。自分の中に、何かがあると思うのだ。振り返ってみれば、

 あの時のセックスはいつもと違ったわ。

 となる。調べると大当たりなのだ。物質界でもそうなのだから、心の世界――あの世ではもっと敏感だ。しかも、臨月を迎えるのは、受精してから約一日。成長が早い分気づくのも早くなる。人によっては気づかない人もいるらしいが。

 こんなイメージだ。惑星が誕生するようなビックバーンがお腹の中で弾《はじ》ける。それが、双子以上となると、細胞が分裂するみたいに数が増えてゆく。

 昨夜のイメージは強烈だった。空から大きな光の惑星が落ちてきて、ドカーンと私の上で爆発し、あっという間に数を増やして、六人。あの世では六《む》つ子は珍しくない。
 しかし、そのあと二人増えて、まだまだ数を増していきそうだったから、

「待った、待った! そんなに一度にはお腹に入りません」

 と、神様の神様に訴えかけると、そこでストップしたが、今日、八《や》つ子が生まれる。一気に増えるなあ。

 ということで、生みの旦那は私のそばに今日は一日中いる。光命と焉貴の二人ね。

 おや? と思うかもしれないが、こんな研究結果が出ている。物質が存在していないので、精子と卵子という言い方があっているかはわからないが、ひとつの卵子には精子がふたつ入るスロットがある。というわけで、旦那二人を相手にすると、三人の親の子が生まれるのだ。

 どうやって行為をするかは、想像にお任せしよう。

 さて、ベッドの用意など色々と忙しい日になりそうだ。

 2020年7月16日、木曜日。
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