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'19の運動会
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今日は小学校の運動会。我が家は小学生しかいないので、今日で終わる。
親が参加する種目もあるらしい。昨日、弟の貴盛が夕方急に部屋に訪ねてきた。話を聞くと、母上が出る種目を代わりにでて欲しいとのことだった。それは、
障害物競走。
我が家は二十一人で手分けして出るが、父と母は子供十二人のを二人で全て出るらしい。生徒一人につき、1種目参加するが条件。
大変だなと思い、オッケーしてしまった。そのことを、家族に話すと、覚師は、
「あんた、相変わらず、人のこと優先で、受けるんだから」
と言われ、子供たちには、
「ママ、障害物競走の内容知ってるの?」
「ううん、知らない」
と答えると、また言われしまった。
「無謀だ」
「無謀」
それを聞いていた月命が、
「僕も無謀だと思います。そちら以外なんと言うのでしょうか~?」
ルールを知らないのに、走るようなものだ。せめて、内容は聞いておこうと言うことになり、張飛が説明に来てくれた。内容は、
網をもぐる。
ハードルが二つ(飛び越える)
壁が一定の法則で出てくるのを、足を動かさずに、瞬間移動で抜ける。
フラッグ(スライディングをして、地面に立っている小さな旗を取る)
粉の中から飴を見つける(手は使わない)
パン食い。
聞かなければ、この世界とは違う種目でもたついたかもしれなかった。みんなに感謝だ。
そうして今朝。起きる前から、
「ママ、見て」
私は家族の中で一番起きるのが遅い。みんなご飯はもうとっくに食べ終えて、着替えているのだ。それを見せたくて、部屋に入ってくる。
「上着はそれなんだね」
「足袋履いてくんだ」
「こっちのほうが走るの早いよ」
などなど、そうして、朝食を食べていると、月命がやってきて、こんなことを言う。
「君は我が家の種目に参加していません~」
「あぁ~、本当だ。どうしよう?
他のことに気を取られ、親は全員参加の種目を選んでいなかった。そこで、ふと思い浮かんだ。
「綱引きに出ます!」
夕霧命が、運動会初心者の妻に言う。
「全種族が一緒だ」
「え……?」
妻はショックを受けて、カチカチの陶器に代わり、頭から亀裂が入り、バラバラに崩れてゆく予感を覚えた。
みんな仲良くだけが法律の世界では、父兄の運動会参加は、人間だけと種目はないらしい。
「龍や象もいる」
「ですよね~?」
みんな親だもんね。出るよね。と言うことは……。
「浮遊ができないと、出場できん」
「ガーンっ!」
とうとう、妻の体は脳天からバラバラに崩れ、床に散らばった。
綱引きに飛ぶことが必要だなんて……。
でもそうだよね。龍は地面をはわないし、鳥もいるでしょ? イルカとかの水の中の生き物は、空中を泳いでるもんね。そんなみんなと綱引きをするなら、自分も飛ばないと、仲良く綱引きはできない。
うちしがれていると、月命が、
「ですから、飛ぶ練習をしていただきます」
「え? そんなすぐに飛べ――!」
途中まで言って気づいた。
やってみなきゃ、わからないだろう、と。
「やってみます」
恐竜展に入った時の、子供たちの言葉を思い出す。
「飛べるって思ったら、飛べた」
妻は目を閉じ、神経を研ぎ澄ます。
「飛べる」
すると、体は浮き上がった。
「あれ? こんなに簡単だった? 浮力が重力に勝った?」
「ですから、小学生でも飛べるようになるんです」
「あぁ、そうか。心の世界だから、思うだけで、重力は減るのか」
家の玄関ロビーで、右に左に浮遊で飛んでゆく。しかし、家の中で練習するのは不向きで、外へ行くことにした。
瞬間移動であの広い芝生の上に移動。すると、次の瞬間には、秋空が広がるそこにいた。飛び上がって、回し蹴りしたり、逆立ちしてパンツ丸見えでいたりと、いろいろしていた。
しかし、高くまで上がったら、どんな景色が広がっているのだろうと思い、上がってゆく。どんどん家の庭だけだった視界が広がり、遠くの街並が見えてくる。この間行った臨海地区も見えてくる――!
何もないはずなのに、天井にたどり着いたみたいに壁にぶつかった。
「ここまでしか登れないのか。これが自分の能力の限界なのかはわからないけど、今はここまでの高さか。そんなに高く飛べないんだなぁ」
しかし、飛ぶコツはもう覚えた。家の玄関ロビーへシュッと瞬間移動をして、
「じゃあ、綱引き出ます!」
守護神として接してくれている旦那さんたちのありがたみがよくわかった。観客席に登る階段の手前に縄が横に貼ってあり、紙に何か書いてあった。その文字が読めない。
いわゆるあれだ。ハワイへ行ってしまったのと一緒だ。観光街では日本語は通じるが、一歩外へ出たら英語圏。しかし、心の世界だから、何となく感覚で、父兄席と書いてあるのはわかった。
会場は国立の競技場みたいな広さだった。横長の中央の位置に座った。ギューギューづめではなく、余裕のある大きさ。
そうして、運動会は始まった。自分が出場する種目を見逃さないように、時計をチラチラ見ながら、旦那さんたちが気ままにベンチに座っているのを眺め、子供たちの応援をしたりしていた。
そうして、やってきた、綱引き。しかし、まず困ったのは、受付に行って、
「どなたのお母さんですか?」
と聞かれ、誰の親として出るのか聞いてこなかったので、一応、
「明智です」
と言ったら、
「〇〇くんのですか?」
いや~! 明智かいっぱいいる! しかも、父上の子供じゃない。お姉ちゃんやお兄ちゃんたちの子供たちもいるから、聞いたことがない子の名前が出てきてしまった。
と、とにかく、
「え~っと、百叡?」
「びゃくえいくん? あら?」
違うらしい。もう片っ端から言うしかない!
「夕霧?」
「はい、それでは、そちらにどうぞ」
よかった。比較的早く見つかって。
しかも、他の人たちは人間ばかりではなく、龍やイルカなどなど、様々な人たちに囲まれて、ちょっと緊張気味。
そうして、先生がルールの説明を始めた。
「よーいで、浮遊して縄を握ってください」
浮遊が今日できるようになったばかりの妻は、もう一度よく言葉を吟味する。
飛んで、縄を握る? 違うな。縄は地面だから、それをつかんで、浮かぶ。よし、オッケー!
「はじめの合図がかかりましたら、縄を引いてください」
これは物質界と、同じだからわかった。
「それでは入場します」
「あ、お先どうぞ」
と、妻は他の人に譲ったら、
「人族が先です」
と言われて、恐縮しながら、
「す、すみません。お先失礼します」
大きな競技場のようで、出てゆくと楕円形に斜め上と客席が並んでいた。人々の歓声が一斉に上がった。妻はひどい興奮状態に陥り、大きく両腕を空へ振り上げ、
「おうおう!」
ジャンプしたりして、目立ちながら、縄の前に到着した。
1回目は自分のチームが勝ち。2回目、
「よーい!」
妻は浮き上がったが、縄を握るのを忘れ、慌てて戻ってそれを持ったが、やはり間に合わず、
「はじめ!」
一気に相手に持っていかれた。大きく息を吐いて、もう一度確認する。縄を手に持って、飛ぶ。そうして、3回目は勢い余って、自分たちが尻餅つくほど引っ張って勝利。
ウッキウキで席へ戻り、お昼休みになると、子供たちが戻ってきた。そうして、
「ママ、また動きおかしかった!」
「いやいや! おかしくていいんだよ。笑い取ってるんだから」
二時間もある昼休みで、競技場の外に出ると、どこかの夏祭りかと勘違いするほど、屋台が出ていて、人の海だった。
そうして、午後の部。小学校へ入学する予定の小さな子供たちの、玉入れ。保護者として、月命が出ていた。孔明が隣で、オペラグラスをのぞいている。
「それ、買ったんだ」
「うん、広告が入ってたから」
「孔明さん、それ間違いなく、小学校の運動会や文化祭に重宝するオペラグラス、是非この機会に! 今なら〇〇ギルが△△ギルでお安くなっています! で買ったでしょ?」
「うん」
「いやいや、絶対に、企業の戦略に乗ってます! もともと、その値段なんですよ」
帝国一の大先生も、子供のこととなると、ついつい買ってしまうものだのだろうか。そんなことを考えていると、孔明が、
「あ、月いた」
「どこどこ?」
「はい、颯ちゃん。ここまっすぐ見て」
「ん? あぁ、いました。月さん」
子供を一人胸に抱いて、両手は別の子供が手をつなぎ、その手を他の子がつなぎという微笑ましい光景だった。しかし、孔明が、
「月、子沢山のパパみたいだよね?」
「いやいや、みたいじゃなくて、子沢山なんです」
こんな冗談を言ってくるなんて、ちょっと浮かれ気分の孔明だった。いつもこんなボケをかましてこないのに、楽しいのかもしれなかった。
そうして、運動会も終盤で、先生たちのリレーが始まる。うちの教師チームは誰が出るのかと聞くと、張飛、覚師、皇閃、陽和師。足の速い女性が多いらしい。
いざ始まる前となると、生徒たちの歓声が凄まじかった。やはり学校で人気のある人は先生である。学年ごとにチームがわかれていて、いざスタート。
弾丸のように走り抜けてゆく先生を競技場の茶色の上で見た。妻は思わず引きつけられた。
「あんなに人って早く走れるんだ!」
あっという間に終わり、三年生チームが優勝。そこで、妻は頭を抱えた。
「いや~! 旦那さんと奥さんの勇姿を見逃した~~!」
「撮った」
カメラ担当の夕霧命の低い声が、絶対の保険のように聞こえてきた。
「よし、あとで見よう!」
そうして、障害物走の準備に取り掛かる。さっきから、異星人並みに、価値観がズレまくっている妻に向かって、独健が、
「男女一緒だからな。レースは女性だけじゃないぞ」
「あぁっ!」
妻は今ごろそんなことに気づいてしまった。みんなが住んでいる世界に、男女の腕力の差はない。だから、区別されていない。隣を誰かのパパが走るのは、十分にあり得ることで、驚く前に阻止された。
障害物走は、この家のママとして出るのではなく、弟の頼みで出るわけで、別の家の人間というわけだ。ということは、
「これ、うちは誰が出るの?」
「俺と覚師だ」
夕霧命と覚師がライバル。
「いや~~~! どうして、こんなことを引き受けてしまったのだろうか~っ!」
しかし、出ると言ってしまった以上、やるしかなく、再びバックヤードを目指す。また、受付で、
「どなたのお母さんですか?」
と聞かれたので、頼んできた弟の名前を口にした。
「明智 貴盛です」
「はい」
「あの? 姉なんですけど、大丈夫ですか?」
「はい。お家の方なら構いませんよ」
ほっと胸をなで下ろし、順番を待っていると、旦那さんたちのリレーの決勝があるのを思い出した。
「いや~! 見逃した~~!」
と思ったら、小さな画面が頭上にあり、競技場の様子が映し出されていた。明引呼が長い足で、カッコよく走っている。
「あの人、孔雀印の社長さんよね?」
「去年も足早かったけど、やっぱりかっこいいわね~」
そうか。明は結構人気があるんだな。
そうして、明引呼は一位で優勝。次に夕霧命が走る。しかし、その走りは達人のものであり、他の人と半周以上もの差をつけて、余裕でゴール。
「どうやって走ってるのかしら?」
「どうして、あんなに早く人でも走れるの?」
余計な話をしないようにしよう。妻が黙っていると、控えていた誰かのパパが、
「武術の技で、早く走れるのがあるそうですよ」
「そう。そんなものがあるのね。どんな技なのかしら?」
とうとう、妻は参戦してしまった。
「縮地というものです」
「えぇ?」
みんなの視線が一斉に集中した。
「足の裏の意識を高めて、合理的なその使い方をします。それから、正中線という体の軸を意識して、短時間で長距離を歩く技です。それを走りに変えたものです」
妻はバッチリ説明した。そこへ、明引呼と夕霧命がふたり並んで戻ってきた。午前中の予選を見ていた妻は、
「明、予選は四位だったのに、一位取ったって、本気で走ってなかったの?」
「当たり前だろ? 本番だけ勝ちゃいいんだよ。全部本気でやったら疲れんだろ」
「なるほどね。夕霧さんは予選と変わらず一番だったね」
「力を使わんための技だ。全力で走っても俺は変わらん」
「なるほ――」
そこで、まわりにいた他の保護者から声がかかった。
「どのようなご関係?」
明引呼が気にした様子もなく、
「オレの妻だ」
「俺の妻です」
夕霧命の低い声が響くと、まわりにいたパパとママたちが少しだけ驚いた。
「え……?」
妻は今にしてよくわかる。家の中にいる日々ばかりの自分が、どれだけ特殊な世界の中にいたのか。バイセクシャルの複数婚は社会に出たら、こういう反応をされるのだ。子供たちもそうなのだろう。
今この立場に立たされて、改めて思う。
どう説明すればいいのかと……。複数婚をしていますというのだろうか。誰と誰が? 夫が何人で、妻が何人なんですと、大人の社交の場で言うのか? 性癖を披露するのか?
子供たちが説明できなかった理由がようやくわかった感じがする。戸惑っているところへ、どんと脇から押された。
「あんた、一緒のレースかもしれないね~」
振り向くと、障害物走に、我が家の代表として出る覚師だった。氷山が溶けるように一気に張り詰めた空気は消え去った。妻はすっかり忘れて、バカみたいに驚く。
「あぁっ! 覚師さんと一緒に走るもあった!」
奥さんの機転で、場の混乱は消え去り、係の先生が、
「はい、じゃあ、今から呼ぶ順で並んでくださ~い!」
ということで、夕霧命と同じレースになってしまった。
「いや~! 武道家の夕霧さんと一緒になってしまった~~!」
運命とは何度も酷である。
「飴の粉ですが、叩けば綺麗に取れるものです。何か異常を感じた方は、専門のクリーナーがありますので、お声がけください」
先生のこの言葉で、妻はピンとひらめいてしまった。そうして、レースはスタートした。
隣が夕霧命とかそんなことはもうどうでもよく、とにかく網を必死にもぐって、ハードルを引っ掛けながら飛んで、瞬間移動を駆使するが、2つ分後ろに下がって、フラッグは奪われ、隣のを無理やり持ってきて、飴を食べるのに顔を真っ白にし、パンに噛み付いて、なんとかゴール。
もう何着とかもどうでもいい。そうして、一階の客席に、ちょうど弟を見つけた。頼んできた貴盛ではなく、別の弟。
「帝河! 帝河!」
「何だよ? 姉ちゃん」
「やったよ、やった。明智本家で走った」
と、約束を果たした旨を伝えたが、帝河は速攻突っ込んできた。
「姉ちゃん! 顔真っ白だって! 早く拭けって!」
「いやいや! 笑いだって! だから、このまま向こうの明智分家の席に戻るんだよ」
まわりにいた他の生徒たちが爆笑していた。
やった~! 笑い取った。だってさ、払わなければ、ずっと粉ついてるんでしょ?
そうして、自分の家の客席へそのまま戻ってくると、
「颯ちゃん、顔真っ白のままだよ」
「おかしな人ですね」
孔明に突っ込まれ、光命はくすくすと笑っていた。パパッと顔と髪を叩くと、先生の言っていた通り、きれいに元どおり。
そうして、最後の種目。生徒による総合リレー。
ルールはこうだ。二足走者が何人。四足走者が何人。浮遊走者が何人。龍族何人。というメンバーで1チームとなる。
例えば、人間が走り、チーターが四つ足で走り、イルカが宙を泳ぎ、龍族が空を駆ける。何番目を誰が走ってもいいということになっていて、人と龍が一緒に走るもあるとうことだ。
これは一年生も六年生もなく、足の速い子たちのリレー。あとで聞いた話だが、どんな姿形でも、その子の個性であるため、足の速い子はずば抜けて速いらしい。
我が家の一年生、風鵺が今年から参加した。今までも、先生に出ないかと誘われていたが、本人が躊躇していて、断っていたらしい。
ママもこれに出るとしたら考えるだろうと思った。龍と一緒に走るのはかなりのプレッシャーだ。
それでも、出ると決意した風鵺。午前中、予選ではなく、仮のレースがあり、風鵺は二番走者だったが、龍と一緒になってしまった。結果は4位。
あとで聞くと、やはり驚いたらしい。
弟たちにも聞いたが、龍が飛ぶ下を、人の子供が走るということは普段起きない。驚くのが当たり前だと言っていた。龍も小学生だが、人よりも力は強く体もはるかに大きく、空を駆けるのだから。
そういうことで、本番は風鵺が一番走者となった。いざスタート。生徒も家族も最高潮に盛り上がっており、大歓声に包まれた。
風鵺は素晴らしいホームで走り抜け、無事にバトンを渡した。まだ走り慣れておらず、走り終えたあと、トラックの内側に入るのをついつい忘れてしまうようで、慌ててよけていた。
素晴らしいレースだった。年齢も体の形も性別も関係なく、みんながバトンを渡して、一生懸命走ってゴールを目指す。こんなに心の澄んだリレーはないだろうと思った。
そうして、風鵺のチームは3位で終わった。孔明がそばに来て、
「颯ちゃん、ボク、父親になってよかったよ」
彼は少し泣いているようだった。決していい毎日ばかりではない。差別に似たような、他の人の戸惑いを目の当たりにしたり、物珍しさに便乗しようとする大人が時にはいる。それを痛烈に知っているのは、他の誰でもなく、組織に所属せず個人で働いている、孔明なのだろう。
「大人のつまらないいざこざが、ちっぽけに思えたよ」
「そうだね。子供は時々、気づかないこと教えてくれるよね」
子供たちが解放され、親がいる二階席へやってきた。
「ただいま~!」
昼と運動会の熱気が覚めてゆく、眠りに入る時のような心地よさが体の隅々に広がって、幸せな家族の一日が終わりを迎える。
2019年10月27日、日曜日
親が参加する種目もあるらしい。昨日、弟の貴盛が夕方急に部屋に訪ねてきた。話を聞くと、母上が出る種目を代わりにでて欲しいとのことだった。それは、
障害物競走。
我が家は二十一人で手分けして出るが、父と母は子供十二人のを二人で全て出るらしい。生徒一人につき、1種目参加するが条件。
大変だなと思い、オッケーしてしまった。そのことを、家族に話すと、覚師は、
「あんた、相変わらず、人のこと優先で、受けるんだから」
と言われ、子供たちには、
「ママ、障害物競走の内容知ってるの?」
「ううん、知らない」
と答えると、また言われしまった。
「無謀だ」
「無謀」
それを聞いていた月命が、
「僕も無謀だと思います。そちら以外なんと言うのでしょうか~?」
ルールを知らないのに、走るようなものだ。せめて、内容は聞いておこうと言うことになり、張飛が説明に来てくれた。内容は、
網をもぐる。
ハードルが二つ(飛び越える)
壁が一定の法則で出てくるのを、足を動かさずに、瞬間移動で抜ける。
フラッグ(スライディングをして、地面に立っている小さな旗を取る)
粉の中から飴を見つける(手は使わない)
パン食い。
聞かなければ、この世界とは違う種目でもたついたかもしれなかった。みんなに感謝だ。
そうして今朝。起きる前から、
「ママ、見て」
私は家族の中で一番起きるのが遅い。みんなご飯はもうとっくに食べ終えて、着替えているのだ。それを見せたくて、部屋に入ってくる。
「上着はそれなんだね」
「足袋履いてくんだ」
「こっちのほうが走るの早いよ」
などなど、そうして、朝食を食べていると、月命がやってきて、こんなことを言う。
「君は我が家の種目に参加していません~」
「あぁ~、本当だ。どうしよう?
他のことに気を取られ、親は全員参加の種目を選んでいなかった。そこで、ふと思い浮かんだ。
「綱引きに出ます!」
夕霧命が、運動会初心者の妻に言う。
「全種族が一緒だ」
「え……?」
妻はショックを受けて、カチカチの陶器に代わり、頭から亀裂が入り、バラバラに崩れてゆく予感を覚えた。
みんな仲良くだけが法律の世界では、父兄の運動会参加は、人間だけと種目はないらしい。
「龍や象もいる」
「ですよね~?」
みんな親だもんね。出るよね。と言うことは……。
「浮遊ができないと、出場できん」
「ガーンっ!」
とうとう、妻の体は脳天からバラバラに崩れ、床に散らばった。
綱引きに飛ぶことが必要だなんて……。
でもそうだよね。龍は地面をはわないし、鳥もいるでしょ? イルカとかの水の中の生き物は、空中を泳いでるもんね。そんなみんなと綱引きをするなら、自分も飛ばないと、仲良く綱引きはできない。
うちしがれていると、月命が、
「ですから、飛ぶ練習をしていただきます」
「え? そんなすぐに飛べ――!」
途中まで言って気づいた。
やってみなきゃ、わからないだろう、と。
「やってみます」
恐竜展に入った時の、子供たちの言葉を思い出す。
「飛べるって思ったら、飛べた」
妻は目を閉じ、神経を研ぎ澄ます。
「飛べる」
すると、体は浮き上がった。
「あれ? こんなに簡単だった? 浮力が重力に勝った?」
「ですから、小学生でも飛べるようになるんです」
「あぁ、そうか。心の世界だから、思うだけで、重力は減るのか」
家の玄関ロビーで、右に左に浮遊で飛んでゆく。しかし、家の中で練習するのは不向きで、外へ行くことにした。
瞬間移動であの広い芝生の上に移動。すると、次の瞬間には、秋空が広がるそこにいた。飛び上がって、回し蹴りしたり、逆立ちしてパンツ丸見えでいたりと、いろいろしていた。
しかし、高くまで上がったら、どんな景色が広がっているのだろうと思い、上がってゆく。どんどん家の庭だけだった視界が広がり、遠くの街並が見えてくる。この間行った臨海地区も見えてくる――!
何もないはずなのに、天井にたどり着いたみたいに壁にぶつかった。
「ここまでしか登れないのか。これが自分の能力の限界なのかはわからないけど、今はここまでの高さか。そんなに高く飛べないんだなぁ」
しかし、飛ぶコツはもう覚えた。家の玄関ロビーへシュッと瞬間移動をして、
「じゃあ、綱引き出ます!」
守護神として接してくれている旦那さんたちのありがたみがよくわかった。観客席に登る階段の手前に縄が横に貼ってあり、紙に何か書いてあった。その文字が読めない。
いわゆるあれだ。ハワイへ行ってしまったのと一緒だ。観光街では日本語は通じるが、一歩外へ出たら英語圏。しかし、心の世界だから、何となく感覚で、父兄席と書いてあるのはわかった。
会場は国立の競技場みたいな広さだった。横長の中央の位置に座った。ギューギューづめではなく、余裕のある大きさ。
そうして、運動会は始まった。自分が出場する種目を見逃さないように、時計をチラチラ見ながら、旦那さんたちが気ままにベンチに座っているのを眺め、子供たちの応援をしたりしていた。
そうして、やってきた、綱引き。しかし、まず困ったのは、受付に行って、
「どなたのお母さんですか?」
と聞かれ、誰の親として出るのか聞いてこなかったので、一応、
「明智です」
と言ったら、
「〇〇くんのですか?」
いや~! 明智かいっぱいいる! しかも、父上の子供じゃない。お姉ちゃんやお兄ちゃんたちの子供たちもいるから、聞いたことがない子の名前が出てきてしまった。
と、とにかく、
「え~っと、百叡?」
「びゃくえいくん? あら?」
違うらしい。もう片っ端から言うしかない!
「夕霧?」
「はい、それでは、そちらにどうぞ」
よかった。比較的早く見つかって。
しかも、他の人たちは人間ばかりではなく、龍やイルカなどなど、様々な人たちに囲まれて、ちょっと緊張気味。
そうして、先生がルールの説明を始めた。
「よーいで、浮遊して縄を握ってください」
浮遊が今日できるようになったばかりの妻は、もう一度よく言葉を吟味する。
飛んで、縄を握る? 違うな。縄は地面だから、それをつかんで、浮かぶ。よし、オッケー!
「はじめの合図がかかりましたら、縄を引いてください」
これは物質界と、同じだからわかった。
「それでは入場します」
「あ、お先どうぞ」
と、妻は他の人に譲ったら、
「人族が先です」
と言われて、恐縮しながら、
「す、すみません。お先失礼します」
大きな競技場のようで、出てゆくと楕円形に斜め上と客席が並んでいた。人々の歓声が一斉に上がった。妻はひどい興奮状態に陥り、大きく両腕を空へ振り上げ、
「おうおう!」
ジャンプしたりして、目立ちながら、縄の前に到着した。
1回目は自分のチームが勝ち。2回目、
「よーい!」
妻は浮き上がったが、縄を握るのを忘れ、慌てて戻ってそれを持ったが、やはり間に合わず、
「はじめ!」
一気に相手に持っていかれた。大きく息を吐いて、もう一度確認する。縄を手に持って、飛ぶ。そうして、3回目は勢い余って、自分たちが尻餅つくほど引っ張って勝利。
ウッキウキで席へ戻り、お昼休みになると、子供たちが戻ってきた。そうして、
「ママ、また動きおかしかった!」
「いやいや! おかしくていいんだよ。笑い取ってるんだから」
二時間もある昼休みで、競技場の外に出ると、どこかの夏祭りかと勘違いするほど、屋台が出ていて、人の海だった。
そうして、午後の部。小学校へ入学する予定の小さな子供たちの、玉入れ。保護者として、月命が出ていた。孔明が隣で、オペラグラスをのぞいている。
「それ、買ったんだ」
「うん、広告が入ってたから」
「孔明さん、それ間違いなく、小学校の運動会や文化祭に重宝するオペラグラス、是非この機会に! 今なら〇〇ギルが△△ギルでお安くなっています! で買ったでしょ?」
「うん」
「いやいや、絶対に、企業の戦略に乗ってます! もともと、その値段なんですよ」
帝国一の大先生も、子供のこととなると、ついつい買ってしまうものだのだろうか。そんなことを考えていると、孔明が、
「あ、月いた」
「どこどこ?」
「はい、颯ちゃん。ここまっすぐ見て」
「ん? あぁ、いました。月さん」
子供を一人胸に抱いて、両手は別の子供が手をつなぎ、その手を他の子がつなぎという微笑ましい光景だった。しかし、孔明が、
「月、子沢山のパパみたいだよね?」
「いやいや、みたいじゃなくて、子沢山なんです」
こんな冗談を言ってくるなんて、ちょっと浮かれ気分の孔明だった。いつもこんなボケをかましてこないのに、楽しいのかもしれなかった。
そうして、運動会も終盤で、先生たちのリレーが始まる。うちの教師チームは誰が出るのかと聞くと、張飛、覚師、皇閃、陽和師。足の速い女性が多いらしい。
いざ始まる前となると、生徒たちの歓声が凄まじかった。やはり学校で人気のある人は先生である。学年ごとにチームがわかれていて、いざスタート。
弾丸のように走り抜けてゆく先生を競技場の茶色の上で見た。妻は思わず引きつけられた。
「あんなに人って早く走れるんだ!」
あっという間に終わり、三年生チームが優勝。そこで、妻は頭を抱えた。
「いや~! 旦那さんと奥さんの勇姿を見逃した~~!」
「撮った」
カメラ担当の夕霧命の低い声が、絶対の保険のように聞こえてきた。
「よし、あとで見よう!」
そうして、障害物走の準備に取り掛かる。さっきから、異星人並みに、価値観がズレまくっている妻に向かって、独健が、
「男女一緒だからな。レースは女性だけじゃないぞ」
「あぁっ!」
妻は今ごろそんなことに気づいてしまった。みんなが住んでいる世界に、男女の腕力の差はない。だから、区別されていない。隣を誰かのパパが走るのは、十分にあり得ることで、驚く前に阻止された。
障害物走は、この家のママとして出るのではなく、弟の頼みで出るわけで、別の家の人間というわけだ。ということは、
「これ、うちは誰が出るの?」
「俺と覚師だ」
夕霧命と覚師がライバル。
「いや~~~! どうして、こんなことを引き受けてしまったのだろうか~っ!」
しかし、出ると言ってしまった以上、やるしかなく、再びバックヤードを目指す。また、受付で、
「どなたのお母さんですか?」
と聞かれたので、頼んできた弟の名前を口にした。
「明智 貴盛です」
「はい」
「あの? 姉なんですけど、大丈夫ですか?」
「はい。お家の方なら構いませんよ」
ほっと胸をなで下ろし、順番を待っていると、旦那さんたちのリレーの決勝があるのを思い出した。
「いや~! 見逃した~~!」
と思ったら、小さな画面が頭上にあり、競技場の様子が映し出されていた。明引呼が長い足で、カッコよく走っている。
「あの人、孔雀印の社長さんよね?」
「去年も足早かったけど、やっぱりかっこいいわね~」
そうか。明は結構人気があるんだな。
そうして、明引呼は一位で優勝。次に夕霧命が走る。しかし、その走りは達人のものであり、他の人と半周以上もの差をつけて、余裕でゴール。
「どうやって走ってるのかしら?」
「どうして、あんなに早く人でも走れるの?」
余計な話をしないようにしよう。妻が黙っていると、控えていた誰かのパパが、
「武術の技で、早く走れるのがあるそうですよ」
「そう。そんなものがあるのね。どんな技なのかしら?」
とうとう、妻は参戦してしまった。
「縮地というものです」
「えぇ?」
みんなの視線が一斉に集中した。
「足の裏の意識を高めて、合理的なその使い方をします。それから、正中線という体の軸を意識して、短時間で長距離を歩く技です。それを走りに変えたものです」
妻はバッチリ説明した。そこへ、明引呼と夕霧命がふたり並んで戻ってきた。午前中の予選を見ていた妻は、
「明、予選は四位だったのに、一位取ったって、本気で走ってなかったの?」
「当たり前だろ? 本番だけ勝ちゃいいんだよ。全部本気でやったら疲れんだろ」
「なるほどね。夕霧さんは予選と変わらず一番だったね」
「力を使わんための技だ。全力で走っても俺は変わらん」
「なるほ――」
そこで、まわりにいた他の保護者から声がかかった。
「どのようなご関係?」
明引呼が気にした様子もなく、
「オレの妻だ」
「俺の妻です」
夕霧命の低い声が響くと、まわりにいたパパとママたちが少しだけ驚いた。
「え……?」
妻は今にしてよくわかる。家の中にいる日々ばかりの自分が、どれだけ特殊な世界の中にいたのか。バイセクシャルの複数婚は社会に出たら、こういう反応をされるのだ。子供たちもそうなのだろう。
今この立場に立たされて、改めて思う。
どう説明すればいいのかと……。複数婚をしていますというのだろうか。誰と誰が? 夫が何人で、妻が何人なんですと、大人の社交の場で言うのか? 性癖を披露するのか?
子供たちが説明できなかった理由がようやくわかった感じがする。戸惑っているところへ、どんと脇から押された。
「あんた、一緒のレースかもしれないね~」
振り向くと、障害物走に、我が家の代表として出る覚師だった。氷山が溶けるように一気に張り詰めた空気は消え去った。妻はすっかり忘れて、バカみたいに驚く。
「あぁっ! 覚師さんと一緒に走るもあった!」
奥さんの機転で、場の混乱は消え去り、係の先生が、
「はい、じゃあ、今から呼ぶ順で並んでくださ~い!」
ということで、夕霧命と同じレースになってしまった。
「いや~! 武道家の夕霧さんと一緒になってしまった~~!」
運命とは何度も酷である。
「飴の粉ですが、叩けば綺麗に取れるものです。何か異常を感じた方は、専門のクリーナーがありますので、お声がけください」
先生のこの言葉で、妻はピンとひらめいてしまった。そうして、レースはスタートした。
隣が夕霧命とかそんなことはもうどうでもよく、とにかく網を必死にもぐって、ハードルを引っ掛けながら飛んで、瞬間移動を駆使するが、2つ分後ろに下がって、フラッグは奪われ、隣のを無理やり持ってきて、飴を食べるのに顔を真っ白にし、パンに噛み付いて、なんとかゴール。
もう何着とかもどうでもいい。そうして、一階の客席に、ちょうど弟を見つけた。頼んできた貴盛ではなく、別の弟。
「帝河! 帝河!」
「何だよ? 姉ちゃん」
「やったよ、やった。明智本家で走った」
と、約束を果たした旨を伝えたが、帝河は速攻突っ込んできた。
「姉ちゃん! 顔真っ白だって! 早く拭けって!」
「いやいや! 笑いだって! だから、このまま向こうの明智分家の席に戻るんだよ」
まわりにいた他の生徒たちが爆笑していた。
やった~! 笑い取った。だってさ、払わなければ、ずっと粉ついてるんでしょ?
そうして、自分の家の客席へそのまま戻ってくると、
「颯ちゃん、顔真っ白のままだよ」
「おかしな人ですね」
孔明に突っ込まれ、光命はくすくすと笑っていた。パパッと顔と髪を叩くと、先生の言っていた通り、きれいに元どおり。
そうして、最後の種目。生徒による総合リレー。
ルールはこうだ。二足走者が何人。四足走者が何人。浮遊走者が何人。龍族何人。というメンバーで1チームとなる。
例えば、人間が走り、チーターが四つ足で走り、イルカが宙を泳ぎ、龍族が空を駆ける。何番目を誰が走ってもいいということになっていて、人と龍が一緒に走るもあるとうことだ。
これは一年生も六年生もなく、足の速い子たちのリレー。あとで聞いた話だが、どんな姿形でも、その子の個性であるため、足の速い子はずば抜けて速いらしい。
我が家の一年生、風鵺が今年から参加した。今までも、先生に出ないかと誘われていたが、本人が躊躇していて、断っていたらしい。
ママもこれに出るとしたら考えるだろうと思った。龍と一緒に走るのはかなりのプレッシャーだ。
それでも、出ると決意した風鵺。午前中、予選ではなく、仮のレースがあり、風鵺は二番走者だったが、龍と一緒になってしまった。結果は4位。
あとで聞くと、やはり驚いたらしい。
弟たちにも聞いたが、龍が飛ぶ下を、人の子供が走るということは普段起きない。驚くのが当たり前だと言っていた。龍も小学生だが、人よりも力は強く体もはるかに大きく、空を駆けるのだから。
そういうことで、本番は風鵺が一番走者となった。いざスタート。生徒も家族も最高潮に盛り上がっており、大歓声に包まれた。
風鵺は素晴らしいホームで走り抜け、無事にバトンを渡した。まだ走り慣れておらず、走り終えたあと、トラックの内側に入るのをついつい忘れてしまうようで、慌ててよけていた。
素晴らしいレースだった。年齢も体の形も性別も関係なく、みんながバトンを渡して、一生懸命走ってゴールを目指す。こんなに心の澄んだリレーはないだろうと思った。
そうして、風鵺のチームは3位で終わった。孔明がそばに来て、
「颯ちゃん、ボク、父親になってよかったよ」
彼は少し泣いているようだった。決していい毎日ばかりではない。差別に似たような、他の人の戸惑いを目の当たりにしたり、物珍しさに便乗しようとする大人が時にはいる。それを痛烈に知っているのは、他の誰でもなく、組織に所属せず個人で働いている、孔明なのだろう。
「大人のつまらないいざこざが、ちっぽけに思えたよ」
「そうだね。子供は時々、気づかないこと教えてくれるよね」
子供たちが解放され、親がいる二階席へやってきた。
「ただいま~!」
昼と運動会の熱気が覚めてゆく、眠りに入る時のような心地よさが体の隅々に広がって、幸せな家族の一日が終わりを迎える。
2019年10月27日、日曜日
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