明智さんちの旦那さんは10人いるそうで……

明智 颯茄

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親バカ

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 親バカといえば、この2人。光命ひかりのみことと孔明である。

 本編でも出ていたが、光命が小学校へ普通の日に子供の様子を見にいって、教師に叱られたのは本当のことである。
 ただ、月命るなすのみことではなく、別の教師だったが。

 独身がいきなり4人の子持ち。しかも、光命は心配性。ともなれば、そうなるのだろう。

 自分から生まれた最初の子供、策羅さくら

 前にも書いたが、私は基本、子供が4歳にならないと接しない。例外なく、策羅も無事に4歳となり、私と一緒に夕食しにやって来た。

 光命の膝の上で食べていたのだが、彼は誰かに呼ばれて、席を外した。そうして、私と策羅の2人きりとなり、食事の続きをしようとした。

「あ~」

 策羅がそんなことを言って、私の顔を見上げるのだ。最初何をしているのだろうと思ったが、ピンときた!

 いや~! もう光さんっ!
 親バカ!
 ずっと、光さんが策羅にご飯食べさしてきたから、4歳になっても1人で食べられなくなってる!

 妻は開いた口がふさがらなかったが、気を取り直して、

「策羅、フォークを持って自分で食べてみよう」
「うん……」
「どうかな?」
「おいしい。楽しい~!」

 そうして、策羅も5歳になり、小学校に入学したが、初日から大変だった。
 みんなが生きている世界は、誕生日が来た日に入学のため、クラスに1人が新しく加わるが通例だ。
 父の溺愛のせいで、策羅はみんなの中に入っていけず、つれていった光命のところに戻ってきてしまうのである。しばらく、その繰り返しと説得で、クラスに馴染むのに時間がかかった。

 親バカを注意するのは今である。

 光命には策羅が大変な目に遭ったという点を突きつけて、反省していただいた。残り15人の子供たちは、溺愛しないように祈る。
 
 そして、もう1人。孔明である。

じんちゃん!」

 と言って、自分の初の息子が2歳になったばかりの時から、ずっと抱えて私のところへ連れてきていた。

「あうあう!」

 としか言わない尋を見て、妻はムンクの叫びである。

 いや~!
 孔明さんの親バカ!
 他の兄弟と遊んでないから、2歳になっても言葉話せなくなってる!

 そうして、大先生はこんなバカな発言をもするのである。

「小学校に子供の様子を見に行く」

 光命の二の舞である。可能性で導き出しても、わかっているだろう。100%、教師に注意される。事実として確定だと。

 小学校は1年生だけでも何十兆といるので、先生の数も多い。夫婦の誰かに叱られるとは言えない。だが、その可能性はゼロではない。

 そうなると、翌日のメディアの見出しが想像つくというものだ。

 ケース1。
 叱られた教師が、月命だった場合。

「帝国一の頭脳を持つ大先生、小学校で夫に叱られる」

 ケース2。
 他の奥さんたち(教師は10人中7人)の誰かだった場合。

「帝国一の頭脳を持つ大先生、小学校で妻に叱られる」

 ケース3。
 妻的にはこれが一番おかしいと思う。
 張飛だった場合。

「帝国一の頭脳を持つ大先生、小学校で元恋人に叱られる」

 ぜひこれで、マスコミを賑わし、人々を笑いの渦へと導いていただきたいものだ。

 しかし、小学校へ子供の様子を平日でも見にくる、親は結構いるそうだ。月命に聞いたところによると。注意する教師も大変である。

 2019年8月2日、金曜日
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