明智さんちの旦那さんは10人いるそうで……

明智 颯茄

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レースのパンツ

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 本編で出てきた、月命るなすのみことのレースのパンツ。色の描写はないが、オレンジ色かな? って感じである。

 夫婦で、かくれんぼをした時に、何かと話題になったレースのパンツ。
 妻もギャグに走り、月命に向かって、

「そのレースのパンツは私が脱がします!」

 などと言ったが、そんなセクハラは現実ではしたことはない。
 だいたい、月命は自分の女性的な性器にコンプレックスを持っていた男である。人として常識に欠けている。

 ただ、あの女性的な性器が普通の時はどうなってるのだろう?

 と考えたことはある。
 私の心の声は、月命には筒抜け。
 ニコニコしながら、彼は言ってきた。

「見せましょうか?」
「え、いいんですか?」
「ぜひ、君には見ていただきたいんです~」

 ということで、ご開帳!

 感想。
 綺麗な花だった。こう、ひだの部分がピンクで、花びらみたいでね。

 他の旦那たちにも見せていないようで、スーパーエロの光命ひかりのみことが便乗していた。

 夫婦20人いるが、綺麗な花は、私と本人と光命しか見ていないのである。

 おっと、話がずいぶんそれた。

 レースのパンツ!

 月命はもともと持ってなかった。
 彼らの住んでる世界では、女装をするという概念がない。
 男性サイズの女物の服など存在しない。
 月命は女性的たが、背丈は197cm。骨格も男性である。

 そういうわけで、彼はオーダーメイドで女物の服を作っているのである。

 その中に白のロングチャイナドレスがあった。
 スリットは腰上から入っている。
 パンツは絶対に見えるだろう。

 月命はパンツを見せない技術を考えようとしていたが、提案した。

「見せてもいいパンツにすればいいんじゃないんですか?」

 ということで、レースのパンツをオーダーすることとなった。

 がしかし、月命の注文は、

 脱ぎ着する時に、自身の性器に引っかからないレースのパンツ。

 なのである。
 
 ヒダのついた男性性器だ。
 かなりの難関である。

 それでも、店側は注文を受け付けたが、1ヶ月待ちとなった。

 しかし、気になることがある。
 月命はどうやって、オーダーの説明をしたのだろう?
 聞いてみた。

「性器を見せたんです~」

 まぁ、そうなるよな。

「採寸されたんですか?」
「えぇ」

 想像してみる。
 綺麗な花が凝視されて、採寸。

 お店の人もそんな体験はそうそうないだろうなぁ。
 客の性器を採寸など……。

 そうして、約1ヶ月後、レースのパンツ完成!

 さっそく履いた、月命におねだりしてみた。

「脱いでもらってもいいですか?」
「えぇ」

 するっと、どこにも引っかからず、ご開帳である。

 どんな生地の織り方をしてるんだろう?
 素晴らしい技術である。

 こうして、月命は腰上までスリットの入った、白のチャイナドレスを着て、見せてもいいレースのパンツを履いて、小学校の教壇に立ち、歴史を教える。
 そうして、生徒たちから、

「先生、パンツ見えてる~!」

 と笑われ、彼らの笑顔を自身の糧にして、慈愛の教師は生きてゆくのである。

 2019年7月24日、水曜日
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