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子供はバイセクシャル?
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バイセクシャルの複数婚。
自ずと出てくる、子供たちの反応。学校での友達の反応……などなど。
まずは、隆醒。
私と蓮の最初の子供で、一番付き合いが長い。
学校が休みの日に、ハンバーガーを一緒に食べにいった。
パパたちが何人もいて、友達だったが、今や兄弟もいる中で聞いてきた。
「うちは普通じゃないの?」
自分の価値観で測ってはいけない。彼らの住んでいる世界の法則は違うのだから。
答えず、聞いてみた。
「どうしてそう思うの?」
「みんな、すごいねって言うから」
――みんな仲良く。
それが法律。いや、それしかない。
だが、いくら子供でも法律違反をすれば、処罰の対象になる。
陛下は厳しいお方だ。
たとえば、
人を殺すことがいけないことだと知らなかったから、殺してしまった。
どうなのだろう、これは。
仲良くすると知らなかったから、差別しました。
言い訳にならない、と言うお考えだ。
5歳になれば、子供は誰でも学校へ通う。
先生も親も教えるのが義務である。
というか、差別をすると言う認識がないのが、彼らの世界である。
というか、差別という言葉すら存在していない。
ということで、隆醒に説明だ。
「パパとママの人数が多くて『すごいね』、でしょ?」
「ふーん」
蓮に似て、リアクション薄っ!
納得してないのかな?
ママはいろいろ探して、見つけてきた。先日、テーマパークへ家族旅行をした時のことを。
普通は、旦那と妻の2人のスケジュールを合わせれば行けるのである。だが、我が家は人数が多いので、みんなの休みがなかなか合わないのだ。それでも、何とか合わせて行ってきたのだ。
その時、夕食のレストランで、隣の席にたまたま座った、9歳の知らない男の子が、
「君の家はお父さんとお母さんの人数が多いんだね」
と話しかけてきて、そのまま友達になったのだ。
現実に意識が戻ってきて、
「隆醒、テーマパークのレストランで会った友達と一緒だよ」
「ふーん」
隆醒のリアクションやっぱり薄かった。
そうして、次の例――
夕霧が膝の上に乗って、こう聞いてきた。
「パパとお兄ちゃんは、前からずっと好きだったのかな?」
夕霧の父親は夕霧命だ。お兄ちゃんは、従兄弟の光命のことを指している。
15年も夕霧は5歳をやってきていて、去年結婚しても慣れないのだ。
家に時々遊びに来ていた光命がパパということに。
それでも、光命が悲しむだろうと思って、
「お兄ちゃんじゃないよ。結婚したからパパ」
「そうなんだけど……」
これはママには答えられない。
ふたりの恋話など聞いていないし、勝手に憶測で言うのは絶対にバツである。
それでも、聞かれているので、
「結婚したからびっくりした?」
「そう」
驚くよね。
本人たちもずっと隠してきたものを、子供が知るわけないもんね。
「僕も男の子を好きになるのかな?」
その心配か。
でもね……。
「そうかもしれないし、違うかもしれないよ」
親がバイセクシャルだから、子供もそうとは言い切れない。
個人の問題だ。子供は親の物でも、コピーでもないのだから。
改めてそんなことを聞くとは、こういうことだろうか。
「好きな男の子でもいるの?」
展開早くない?
去年の今年だよね?
5歳児にもバイセクシャルが浸透した?
「ううん、いないよ」
「女の子は?」
「彼女がいるよ」
ラブラブだった。
永遠という世界で、別れることのない世界で、5歳にして恋人がいる。
素敵である。
そうして、次の例――
百叡はもう7年も5歳児をやっている。蓮だけと結婚してた時の子供だ。
策羅は、去年光命との間に生まれた、5歳の子供だ。
ふたりとも仲が良く、近くで話してるのが聞こえてきた。
「百叡くん、彼女いるの?」
「いるよ」
百叡もラブラブである。
その隣で、策羅がニコニコしながら、
「僕はどっち(男の子、女の子)を好きになるのかなぁ~?(楽しみだなぁ~)」
最初から、バイセクシャルの複数婚という家庭環境で育つと、こうなるんだ。
当たり前なんだ。
策羅にとっては、バイセクシャルがノーマルなのだ。
どっかのアニメではないが、ニュータイプである。
差別のない世界で、自分の気持ちに正直に生きていってほしいと願う。
2019年7月23日、火曜日
自ずと出てくる、子供たちの反応。学校での友達の反応……などなど。
まずは、隆醒。
私と蓮の最初の子供で、一番付き合いが長い。
学校が休みの日に、ハンバーガーを一緒に食べにいった。
パパたちが何人もいて、友達だったが、今や兄弟もいる中で聞いてきた。
「うちは普通じゃないの?」
自分の価値観で測ってはいけない。彼らの住んでいる世界の法則は違うのだから。
答えず、聞いてみた。
「どうしてそう思うの?」
「みんな、すごいねって言うから」
――みんな仲良く。
それが法律。いや、それしかない。
だが、いくら子供でも法律違反をすれば、処罰の対象になる。
陛下は厳しいお方だ。
たとえば、
人を殺すことがいけないことだと知らなかったから、殺してしまった。
どうなのだろう、これは。
仲良くすると知らなかったから、差別しました。
言い訳にならない、と言うお考えだ。
5歳になれば、子供は誰でも学校へ通う。
先生も親も教えるのが義務である。
というか、差別をすると言う認識がないのが、彼らの世界である。
というか、差別という言葉すら存在していない。
ということで、隆醒に説明だ。
「パパとママの人数が多くて『すごいね』、でしょ?」
「ふーん」
蓮に似て、リアクション薄っ!
納得してないのかな?
ママはいろいろ探して、見つけてきた。先日、テーマパークへ家族旅行をした時のことを。
普通は、旦那と妻の2人のスケジュールを合わせれば行けるのである。だが、我が家は人数が多いので、みんなの休みがなかなか合わないのだ。それでも、何とか合わせて行ってきたのだ。
その時、夕食のレストランで、隣の席にたまたま座った、9歳の知らない男の子が、
「君の家はお父さんとお母さんの人数が多いんだね」
と話しかけてきて、そのまま友達になったのだ。
現実に意識が戻ってきて、
「隆醒、テーマパークのレストランで会った友達と一緒だよ」
「ふーん」
隆醒のリアクションやっぱり薄かった。
そうして、次の例――
夕霧が膝の上に乗って、こう聞いてきた。
「パパとお兄ちゃんは、前からずっと好きだったのかな?」
夕霧の父親は夕霧命だ。お兄ちゃんは、従兄弟の光命のことを指している。
15年も夕霧は5歳をやってきていて、去年結婚しても慣れないのだ。
家に時々遊びに来ていた光命がパパということに。
それでも、光命が悲しむだろうと思って、
「お兄ちゃんじゃないよ。結婚したからパパ」
「そうなんだけど……」
これはママには答えられない。
ふたりの恋話など聞いていないし、勝手に憶測で言うのは絶対にバツである。
それでも、聞かれているので、
「結婚したからびっくりした?」
「そう」
驚くよね。
本人たちもずっと隠してきたものを、子供が知るわけないもんね。
「僕も男の子を好きになるのかな?」
その心配か。
でもね……。
「そうかもしれないし、違うかもしれないよ」
親がバイセクシャルだから、子供もそうとは言い切れない。
個人の問題だ。子供は親の物でも、コピーでもないのだから。
改めてそんなことを聞くとは、こういうことだろうか。
「好きな男の子でもいるの?」
展開早くない?
去年の今年だよね?
5歳児にもバイセクシャルが浸透した?
「ううん、いないよ」
「女の子は?」
「彼女がいるよ」
ラブラブだった。
永遠という世界で、別れることのない世界で、5歳にして恋人がいる。
素敵である。
そうして、次の例――
百叡はもう7年も5歳児をやっている。蓮だけと結婚してた時の子供だ。
策羅は、去年光命との間に生まれた、5歳の子供だ。
ふたりとも仲が良く、近くで話してるのが聞こえてきた。
「百叡くん、彼女いるの?」
「いるよ」
百叡もラブラブである。
その隣で、策羅がニコニコしながら、
「僕はどっち(男の子、女の子)を好きになるのかなぁ~?(楽しみだなぁ~)」
最初から、バイセクシャルの複数婚という家庭環境で育つと、こうなるんだ。
当たり前なんだ。
策羅にとっては、バイセクシャルがノーマルなのだ。
どっかのアニメではないが、ニュータイプである。
差別のない世界で、自分の気持ちに正直に生きていってほしいと願う。
2019年7月23日、火曜日
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