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水色桔梗ラジオ:ゲスト 出演者全員

打ち上げパーティー/1

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 心地よいクラシックが流れている。

颯茄 「今日はラジオで打ち上げパーティをやります」
夫全員「何でだ?」
颯茄 「たまにはこういうスタイルもいいかと思って」
焉貴 「音声だけってこと?」
颯茄 「そうです。だから話さないと、いるのかどうかも怪しくなるので、いつもより多めに話してください」
夫全員「了解」
孔明 「さっきからいい匂いするけど、な~に~?」
颯茄 「今日はですね、空中庭園にあるレストランから、デリバリー取ってます。今手元に、独健さんが配ってますが、ない人いますか?」
夫全員「ある」
颯茄 「今日はゲストを呼んでます。乙葉 瞬役の百叡びゃくえいと瑠璃 ラハイアット役の桔梗ききょうです。拍手!」

 パチパチと拍手の音。

颯茄 「百叡はね、私たちの子供の一人だから、緊張してないかもしれないけど」
百叡 「うん、してない」
颯茄 「桔梗は私の妹だから、ちょっとしてる?」
桔梗 「我もしておらぬ」
颯茄 「桔梗は普段からこのしゃべり方なんです。ちびっ子ランチきた?」
百叡 「きた!」
桔梗 「きとるがの」
颯茄 「じゃあ、始めましょうか」

 音楽が派手に流れ始める。

颯茄 「『心霊探偵はエレガントに~karma~の打ち上げパーティー! 始まるよ!」

 ザワザワし始める。

颯茄 「さあ、始まりました。今回は大勢でお送りします。まずは、見学者だった雅威さんから答えていただきましょう」
雅威 「急に振られると困るな。乾杯とかないのか?」
颯茄 「あ、そうでした。忘れてた。じゃあ、みんなそれぞれ好きなものを取って、かんぱ――」
夫全員「なぜ、お前だけショットグラスだ」
颯茄 「秘蔵の酒を食糧庫から持ってきただけです。これじゃないと、飲んだ気にならなくて」
夫全員「なるほど」
颯茄 「それでは仕切り直して、乾杯!」
全員 「乾杯!」
颯茄 「それでは、改めて――」
百叡 「ママ、ソースとって」
颯茄 「あれ、まだ配られてなかったの? はい、どうぞ」
百叡 「ありがとう」
桔梗 「我のしょうゆがないがの?」
颯茄 「今、夕霧さんが使ってる。って、二人して寿司なの?」
夕霧命「そうだ。油物は好かん」
桔梗 「我もじゃ」
颯茄 「じゃあ、食事しながら、話していきましょう」

 カチャカチャと食器のぶつかる音がする。

颯茄 「まず雅威さんから」
雅威 「いや、撮影シーンを間近で見るのは初めてだから、正直感動したよ」
颯茄 「どこが、一番感動しました?」
雅威 「俺は、山に登ったシーンだな。あの景色は本当に綺麗だった。今度は家族旅行したいな」
独健 「確かにそれは俺も思った。あそこでキャンプしたら、気持ちいいだろうって」
颯茄 「みなさん黙々食べてますけど、話さないといけないですよ。ラジオなんですから」
光命 「私はあの山を登るのが大変でした。久々あんなに運動しましたよ」
颯茄 「確かにそうですね。光さんはピアニストですからね、体育会系ではないですよね。体動かすのが好きと言えば、夕霧さんと張飛さんですけで、二人はどうでした」
張飛 「俺っちは行ってないすからね」
颯茄 「あ、そうか。そのシーン出てないですもんね。夕霧さんは?」
夕霧命「いい修行になった」
夫全員「また修行に結びつけてる……」
颯茄 「ちびっ子二人はどうだった?」
百叡 「楽しかったー!」
桔梗 「我は浮いていたからの、それほど骨は折れんかった」
颯茄 「じゃあ、そろそろ次の話題に移りたいと思います。悪が出てくるシーンの演出をした燿さんはどうでしたか?」
燿  「そうねえ? あれよりもっと酷かったね。足の引っ張り合いが」
颯茄 「悪の世界に属してたわけですから、そこら辺はあれこれ見てきたんですよね?」
燿  「そう。今回の作品では、悪の軍も統制取れてたからね、割と」
颯茄 「やりづらかったですか?」
燿  「いいんや、やりやすかった。バラバラに考えなくていいわけだから」
颯茄 「この最後の戦いのシーンで、何か言いたいことってありますか?」
明引呼「俺は待機だったんだけどよ。ギャグが多かったな」
貴増参「僕は割と好きですよ、こういうシーン。楽しめちゃいました」
張飛 「颯茄さんが、ギャグ好きだから、こういう話になったんすよね?」
颯茄 「そうというか、出てくるシーンが笑いになってるんですよ、あの戦い全部。っていうか、みんなが出てくると笑いになるのかな?」
夫全員「妻のギャグ好きのせいだ」
颯茄 「あははは……!」
百叡 「ママ、ほうれん草ちょうだい?」
颯茄 「いいよ。ママ、食べないから」
夫全員「お前、またそうやって、食べないんだな」
颯茄 「今日は、ほら、話してるから食べられないんです」

 妻の言い訳が聞こえてきたところで、

颯茄 「では、主役:崇剛 ラハイアットを演じた光さんから答えていただきましょう。何か難しいことや、面白かったところってありますか?」
光命 「難しかったところは、ダガーの扱いですね。投げる練習を何十回もしましたよ」
焉貴 「俺、やってんの見たよ。真剣な顔してたね」
光命 「未来の軌跡を読むのですが、ちょっとした手のブレで、ズレてしまうのです。最後は夕霧に教えてもらいました」
颯茄 「夕霧さん、その辺どうでした?」
夕霧命「集中力に問題はないが、光の場合、重心が高い位置にあるから、そこら辺を直しながら教えた」
颯茄 「さすが、夕霧さんです」
光命 「助かりましたよ、夕霧」
颯茄 「光さん、面白かったところは?」
光命 「……」

 くすくす笑っていて、答えがなかなか出てこない。

颯茄 「そんなにおかしかったですか?」
光命 「えぇ」
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