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心霊探偵はエレガントに〜karma〜
魔導師と迎える朝/12
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涼介が困るという可能性が78.98%――
今から四番目の会話で、瞬が質問するという可能性が78.98%――
ふたつの数値は同じです。
すなわち、瞬が涼介に質問することによって、涼介が困るということです。
半年前に、この食堂で仕掛けられた罠とほぼ同じ。それなのに、イラつきという感情に煽られ、涼介は売り言葉に買い言葉で、
「当たり前だろう。どうして、一回確認して――ん?」直感というセンサーに微かに何かがかすり、「前にも同じことがあった気がする……。何の時だ?」
と考えようとしたが、瞬発力のある主人が先に動いた。
「こちらの意味です。浮遊、拘束……そして――媚薬です」
崇剛は頭が痛かった。寝不足もあるが、魔導師と一緒に過ごした夜の悩みとして。
(媚薬で体が辛い状態のまま動かせないのですから、眠れませんでしたよ)
中性的で優雅に見える崇剛だが、男であることには変わりはないのだった。
「媚薬……!」涼介は息をつまらせた。
あんなに気をつけていたが、BL妄想世界へととうとう飛ばされてしまった――
*
――月明かりも差さないベッドの上に、ダルレシアンは崇剛を押し倒した。紺の長い髪が淫らにシーツの海へ広がり、それを侵食するように、魔導師の漆黒の髪はとかれ、崇剛の上に覆いかぶさるように落ちる。
「なぜ、このようなことをするのですか?」
火照った体のままで、崇剛の息遣いは抑えようとしても、激しかった。媚薬のせいだ――。ダルレシアンは色のついた夜風を身に纏って、妖艶に微笑みかける。
「What we do on the bed ……how’s your father?/ベッドですることっていったら、あれしかないでしょ?」
あの衝撃的な夢が現実となって、主人に襲い掛かろうとしていた――
*
ふとそこで、涼介は窓の外から差し込んでいる、秋のさわやかな朝陽を見つけて、執事のBL妄想は強制終了した。
「パパ、びやくってなに?」
瞬の幼い声に、涼介は息をつまらせた。
「そ、それは……!」
今自分がした大人の妄想を話すわけにもいかず、息子に父はチェックメイトされた。だが、だがしかし、元はと言えば、これは――
「だから、ふたりで俺を罠にはめるな!」
吠えるように言って、いつも通り、執事は暴言を吐いた。
「この、ワンチャン神父、魔導師!」
昨日会ったばかりで、一夜をともにするな――息子が同席していなければ、そう叫んでやりたい涼介であった。
「親子の平和を守るために、ボクわざと言わなかったんだけどなあ」
ダルレシアンは春風みたいにふんわり微笑むが、悪戯が成功したみたいにぺろっと舌を出した。
崇剛は中性的な唇に手を当て、くすくすと上品に笑い「…………」それ以上何も言えなくなって、彼なりの大爆笑を始めた。
いつまで経っても返事が返ってこない。大人三人がそれぞれの反応をしているのが不思議で、瞬はあどけない丸い瞳をパチパチと瞬かせていた。
今から四番目の会話で、瞬が質問するという可能性が78.98%――
ふたつの数値は同じです。
すなわち、瞬が涼介に質問することによって、涼介が困るということです。
半年前に、この食堂で仕掛けられた罠とほぼ同じ。それなのに、イラつきという感情に煽られ、涼介は売り言葉に買い言葉で、
「当たり前だろう。どうして、一回確認して――ん?」直感というセンサーに微かに何かがかすり、「前にも同じことがあった気がする……。何の時だ?」
と考えようとしたが、瞬発力のある主人が先に動いた。
「こちらの意味です。浮遊、拘束……そして――媚薬です」
崇剛は頭が痛かった。寝不足もあるが、魔導師と一緒に過ごした夜の悩みとして。
(媚薬で体が辛い状態のまま動かせないのですから、眠れませんでしたよ)
中性的で優雅に見える崇剛だが、男であることには変わりはないのだった。
「媚薬……!」涼介は息をつまらせた。
あんなに気をつけていたが、BL妄想世界へととうとう飛ばされてしまった――
*
――月明かりも差さないベッドの上に、ダルレシアンは崇剛を押し倒した。紺の長い髪が淫らにシーツの海へ広がり、それを侵食するように、魔導師の漆黒の髪はとかれ、崇剛の上に覆いかぶさるように落ちる。
「なぜ、このようなことをするのですか?」
火照った体のままで、崇剛の息遣いは抑えようとしても、激しかった。媚薬のせいだ――。ダルレシアンは色のついた夜風を身に纏って、妖艶に微笑みかける。
「What we do on the bed ……how’s your father?/ベッドですることっていったら、あれしかないでしょ?」
あの衝撃的な夢が現実となって、主人に襲い掛かろうとしていた――
*
ふとそこで、涼介は窓の外から差し込んでいる、秋のさわやかな朝陽を見つけて、執事のBL妄想は強制終了した。
「パパ、びやくってなに?」
瞬の幼い声に、涼介は息をつまらせた。
「そ、それは……!」
今自分がした大人の妄想を話すわけにもいかず、息子に父はチェックメイトされた。だが、だがしかし、元はと言えば、これは――
「だから、ふたりで俺を罠にはめるな!」
吠えるように言って、いつも通り、執事は暴言を吐いた。
「この、ワンチャン神父、魔導師!」
昨日会ったばかりで、一夜をともにするな――息子が同席していなければ、そう叫んでやりたい涼介であった。
「親子の平和を守るために、ボクわざと言わなかったんだけどなあ」
ダルレシアンは春風みたいにふんわり微笑むが、悪戯が成功したみたいにぺろっと舌を出した。
崇剛は中性的な唇に手を当て、くすくすと上品に笑い「…………」それ以上何も言えなくなって、彼なりの大爆笑を始めた。
いつまで経っても返事が返ってこない。大人三人がそれぞれの反応をしているのが不思議で、瞬はあどけない丸い瞳をパチパチと瞬かせていた。
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