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最後の恋は神さまとでした
これ以上は無理!/4
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何度目かの宇宙間の移動をして、まだ早い時間帯なのに眠くて仕方がないホテルのベッドの上で、孔明は倫礼からの電話を受けていた。
『孔明さん、何だか最近元気がないですね』
「ん~」
とにかく眠い。こんなことは今までなかったのに。
『一度戻ってきたらどうですか?』
「ん~」
『いつもだったら、話が返ってくるのにそれもないのは心配です』
紅朱凛は一緒にいるから心配はあまりしないが、おまけの倫礼に迷惑をかけているのは少々、心に引っ掛かりを覚える。いつもどおり返事を返したいのに、それもできない。電話を切って、孔明はベッドの上に仰向けに倒れた。
「陛下がボクに求めていたことは、家庭を大切にすることだったのかな?」
上の次元まで霊層が上がっている陛下は、人よりも多くのものを見ることができる。結婚していない孔明の幸せを望んでいたのかもしれない。それがたくさんの人を幸せにすることにつながっているのかもしれない。
結婚させるような言い方をしたのは、このためだったのか。孔明はぼんやりと天井を眺めていた。
「そうだったのかもしれないわね。それに、いついつまでにという期限はないんだから、体勢を立て直してからでもいいんじゃないかしら?」
紅朱凛に話をまとめられると、ほっとする自分がいることに、孔明は気づいた。ごろっと転がって、うつ伏せになり足をパタパタさせる。
「そうだね。倫ちゃんもそう言ってたし」
「彼女はきちんとあなたのことも見てるのよ」
紅朱凛はそう言って、少し遠くの景色を眺めていたが、やがて寂しそうに口を開いた。
「ただ、いなくなってしまうのが残念だけど」
「倫ちゃん……」
おまけの倫礼は人間で、魂は宿っていない。肉体が滅びれば、彼女はいなくなる存在。そういう決まり。どんな特例も認められていない。
人このことを優先させる人間が残れないのは、とても残念だと、孔明はため息をつきながら目を閉じた。
*
それから、半年間、張飛は孔明がいる時に、子供と奥さんを連れて遊びにやってきて、子供たちとは少しずつ仲良くなっていった。他の配偶者とのコミュニケーションもうまく取れて、結婚へ向けて着実に進んでいた。
そして、ある日、体育教師の張飛は仕事でもするように、子供たちを全員集めて、優しく話しかけた。
「結婚してもいいっすか?」
「いい!」
次々と賛成の声が上がる。
「みんなとも仲良くなれた!」
「やったあ!」
「パパとママがまた増える~!」
「友達に教えよう!」
「そうだそうだ!」
子供たちはあっという間に嬉しくなり、ぴょんぴょんと跳ね始めた。
「みんなは転校してくるの?」
「そうよ」
「そう」
子供の質問に、張飛の子供たちは声をそろえてうなずいた。
三つ先の宇宙は、宇宙そのものが違う。大人であっても瞬間移動で一気に行ける距離ではない。そうなると、転校するのが一番である。
「夏休みの間に結婚式はするっすから、二学期から俺っちは、姫ノ館で体育教師っす」
「どこのクラスの先生になるの?」
「まだわからないっす」
「パパのクラスだったらいいのに」
最初はどうなることかと思ったが、時間をかければきちんと前に進めるのだ。おまけの倫礼は大きく息を吸って吐いた。幸せがあふれた我が家を見渡して、小首を傾げる。
「今回は割ときちんと話ができた結婚だったかな。後は、誰か好きな人いるの?」
「いない」
配偶者から全員からの返事だった。やっとゴールが見えてきた。このバイセクシャルの複数婚に。
「じゃあ、一件落着だね!」
伝えられない想いを胸に秘めたままという辛さは、おまけの倫礼が一番よく知っている。そんな想いを配偶者がしているのならば、何とかそれを叶えてあげたいと努力してきた。それが今達成されたのだ。こんな晴々とした気持ちは他にないのだった。
『孔明さん、何だか最近元気がないですね』
「ん~」
とにかく眠い。こんなことは今までなかったのに。
『一度戻ってきたらどうですか?』
「ん~」
『いつもだったら、話が返ってくるのにそれもないのは心配です』
紅朱凛は一緒にいるから心配はあまりしないが、おまけの倫礼に迷惑をかけているのは少々、心に引っ掛かりを覚える。いつもどおり返事を返したいのに、それもできない。電話を切って、孔明はベッドの上に仰向けに倒れた。
「陛下がボクに求めていたことは、家庭を大切にすることだったのかな?」
上の次元まで霊層が上がっている陛下は、人よりも多くのものを見ることができる。結婚していない孔明の幸せを望んでいたのかもしれない。それがたくさんの人を幸せにすることにつながっているのかもしれない。
結婚させるような言い方をしたのは、このためだったのか。孔明はぼんやりと天井を眺めていた。
「そうだったのかもしれないわね。それに、いついつまでにという期限はないんだから、体勢を立て直してからでもいいんじゃないかしら?」
紅朱凛に話をまとめられると、ほっとする自分がいることに、孔明は気づいた。ごろっと転がって、うつ伏せになり足をパタパタさせる。
「そうだね。倫ちゃんもそう言ってたし」
「彼女はきちんとあなたのことも見てるのよ」
紅朱凛はそう言って、少し遠くの景色を眺めていたが、やがて寂しそうに口を開いた。
「ただ、いなくなってしまうのが残念だけど」
「倫ちゃん……」
おまけの倫礼は人間で、魂は宿っていない。肉体が滅びれば、彼女はいなくなる存在。そういう決まり。どんな特例も認められていない。
人このことを優先させる人間が残れないのは、とても残念だと、孔明はため息をつきながら目を閉じた。
*
それから、半年間、張飛は孔明がいる時に、子供と奥さんを連れて遊びにやってきて、子供たちとは少しずつ仲良くなっていった。他の配偶者とのコミュニケーションもうまく取れて、結婚へ向けて着実に進んでいた。
そして、ある日、体育教師の張飛は仕事でもするように、子供たちを全員集めて、優しく話しかけた。
「結婚してもいいっすか?」
「いい!」
次々と賛成の声が上がる。
「みんなとも仲良くなれた!」
「やったあ!」
「パパとママがまた増える~!」
「友達に教えよう!」
「そうだそうだ!」
子供たちはあっという間に嬉しくなり、ぴょんぴょんと跳ね始めた。
「みんなは転校してくるの?」
「そうよ」
「そう」
子供の質問に、張飛の子供たちは声をそろえてうなずいた。
三つ先の宇宙は、宇宙そのものが違う。大人であっても瞬間移動で一気に行ける距離ではない。そうなると、転校するのが一番である。
「夏休みの間に結婚式はするっすから、二学期から俺っちは、姫ノ館で体育教師っす」
「どこのクラスの先生になるの?」
「まだわからないっす」
「パパのクラスだったらいいのに」
最初はどうなることかと思ったが、時間をかければきちんと前に進めるのだ。おまけの倫礼は大きく息を吸って吐いた。幸せがあふれた我が家を見渡して、小首を傾げる。
「今回は割ときちんと話ができた結婚だったかな。後は、誰か好きな人いるの?」
「いない」
配偶者から全員からの返事だった。やっとゴールが見えてきた。このバイセクシャルの複数婚に。
「じゃあ、一件落着だね!」
伝えられない想いを胸に秘めたままという辛さは、おまけの倫礼が一番よく知っている。そんな想いを配偶者がしているのならば、何とかそれを叶えてあげたいと努力してきた。それが今達成されたのだ。こんな晴々とした気持ちは他にないのだった。
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