2 / 10
パパはピアニスト
しおりを挟む年末年始。
私は実家に帰ることになった。
というか、何度断っても「帰ってこい」という父からの電話が絶えなかったため、帰らざるを得なかった。
正直、私は両親が嫌いだ。
そして…怖い。
"普通じゃない"から。
小学2年生になったばかりの私は
新しく買ってもらった白いスニーカーを履いて
近所の公園に遊びに来ていた。
いつもなら小さい子どもや、その母親が何人かいるのだが、今日は誰もいなかった。
1人、ブランコに座り、
買ってもらった新しい靴を眺める。
"ママ!私、このピンクの靴が欲しい!"
"アナタにはこっちのほうが似合うわ。パパもそう思うでしょう?"
"そうだな、白いほうにしなさい"
"私、白じゃなくてピンクのほうが…"
"白のほうが素敵よ、こっちにしましょう"
(私が欲しいと言ったものを
買ってくれることは、一度もなかった)
爪先から目線を少しずらすと、紫色の一輪の花が、小さく咲いているのが目に入った。
その花を摘み取り、家に持ち帰った。
"パパとママにプレゼントだよ!"
"……お花?"
"そうだよ!公園で摘んで来たの!"
"……汚いわ"
そう言うと母は、窓から花を投げ捨てた。
そして、父は
"公園ではちゃんと1人で遊んだか?いいな、友達なんか作るんじゃないぞ"
とだけ言って、書斎に向かって行った。
(私がプレゼントするものに
喜んでくれたことは、一度もなかった)
ただ、このくらいの対応であれば日常的だったし、
多少の寂しさはあったものの、両親を"嫌い"とまでは思わなかった。
しかし、ある出来事をきっかけに
私は両親に、極度の「恐怖心」と
「嫌悪感」を抱くことになる。
もう思い出すのはやめよう。
帰省の準備を終わらせなければならない。
私は、タンスの引き出しに手をかけた。
私は実家に帰ることになった。
というか、何度断っても「帰ってこい」という父からの電話が絶えなかったため、帰らざるを得なかった。
正直、私は両親が嫌いだ。
そして…怖い。
"普通じゃない"から。
小学2年生になったばかりの私は
新しく買ってもらった白いスニーカーを履いて
近所の公園に遊びに来ていた。
いつもなら小さい子どもや、その母親が何人かいるのだが、今日は誰もいなかった。
1人、ブランコに座り、
買ってもらった新しい靴を眺める。
"ママ!私、このピンクの靴が欲しい!"
"アナタにはこっちのほうが似合うわ。パパもそう思うでしょう?"
"そうだな、白いほうにしなさい"
"私、白じゃなくてピンクのほうが…"
"白のほうが素敵よ、こっちにしましょう"
(私が欲しいと言ったものを
買ってくれることは、一度もなかった)
爪先から目線を少しずらすと、紫色の一輪の花が、小さく咲いているのが目に入った。
その花を摘み取り、家に持ち帰った。
"パパとママにプレゼントだよ!"
"……お花?"
"そうだよ!公園で摘んで来たの!"
"……汚いわ"
そう言うと母は、窓から花を投げ捨てた。
そして、父は
"公園ではちゃんと1人で遊んだか?いいな、友達なんか作るんじゃないぞ"
とだけ言って、書斎に向かって行った。
(私がプレゼントするものに
喜んでくれたことは、一度もなかった)
ただ、このくらいの対応であれば日常的だったし、
多少の寂しさはあったものの、両親を"嫌い"とまでは思わなかった。
しかし、ある出来事をきっかけに
私は両親に、極度の「恐怖心」と
「嫌悪感」を抱くことになる。
もう思い出すのはやめよう。
帰省の準備を終わらせなければならない。
私は、タンスの引き出しに手をかけた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

こちら御神楽学園心霊部!
緒方あきら
児童書・童話
取りつかれ体質の主人公、月城灯里が霊に憑かれた事を切っ掛けに心霊部に入部する。そこに数々の心霊体験が舞い込んでくる。事件を解決するごとに部員との絆は深まっていく。けれど、彼らにやってくる心霊事件は身の毛がよだつ恐ろしいものばかりで――。
灯里は取りつかれ体質で、事あるごとに幽霊に取りつかれる。
それがきっかけで学校の心霊部に入部する事になったが、いくつもの事件がやってきて――。
。
部屋に異音がなり、主人公を怯えさせる【トッテさん】。
前世から続く呪いにより死に導かれる生徒を救うが、彼にあげたお札は一週間でボロボロになってしまう【前世の名前】。
通ってはいけない道を通り、自分の影を失い、荒れた祠を修復し祈りを捧げて解決を試みる【竹林の道】。
どこまでもついて来る影が、家まで辿り着いたと安心した主人公の耳元に突然囁きかけてさっていく【楽しかった?】。
封印されていたものを解き放つと、それは江戸時代に封じられた幽霊。彼は門吉と名乗り主人公たちは土地神にするべく扱う【首無し地蔵】。
決して話してはいけない怪談を話してしまい、クラスメイトの背中に危険な影が現れ、咄嗟にこの話は嘘だったと弁明し霊を払う【嘘つき先生】。
事故死してさ迷う亡霊と出くわしてしまう。気付かぬふりをしてやり過ごすがすれ違い様に「見えてるくせに」と囁かれ襲われる【交差点】。
ひたすら振返らせようとする霊、駅まで着いたがトンネルを走る窓が鏡のようになり憑りついた霊の禍々しい姿を見る事になる【うしろ】。
都市伝説の噂を元に、エレベーターで消えてしまった生徒。記憶からさえもその存在を消す神隠し。心霊部は総出で生徒の救出を行った【異世界エレベーター】。
延々と名前を問う不気味な声【名前】。
10の怪異譚からなる心霊ホラー。心霊部の活躍は続いていく。
【完】ことうの怪物いっか ~夏休みに親子で漂流したのは怪物島!? 吸血鬼と人造人間に育てられた女の子を救出せよ! ~
丹斗大巴
児童書・童話
どきどきヒヤヒヤの夏休み!小学生とその両親が流れ着いたのは、モンスターの住む孤島!?
*☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆*
夏休み、家族で出掛けた先でクルーザーが転覆し、漂流した青山親子の3人。とある島に流れ着くと、古風で顔色の悪い外国人と、大怪我を負ったという気味の悪い執事、そしてあどけない少女が住んでいた。なんと、彼らの正体は吸血鬼と、その吸血鬼に作られた人造人間! 人間の少女を救い出し、無事に島から脱出できるのか……!?
*☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆*
家族のきずなと種を超えた友情の物語。
【総集編】日本昔話 パロディ短編集
Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。
今まで発表した
日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。
朝ドラの総集編のような物です笑
読みやすくなっているので、
⭐️して、何度もお読み下さい。
読んだ方も、読んでない方も、
新しい発見があるはず!
是非お楽しみ下さい😄
⭐︎登録、コメント待ってます。
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。
シャルル・ド・ラングとピエールのおはなし
ねこうさぎしゃ
児童書・童話
ノルウェジアン・フォレスト・キャットのシャルル・ド・ラングはちょっと変わった猫です。人間のように二本足で歩き、タキシードを着てシルクハットを被り、猫目石のついたステッキまで持っています。
以前シャルル・ド・ラングが住んでいた世界では、動物たちはみな、二本足で立ち歩くのが普通なのでしたが……。
不思議な力で出会った者を助ける謎の猫、シャルル・ド・ラングのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる