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2025年建築基準法改正
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このままでは地震時の安全性が保てないとの有識者の声もあり、2025年、建築基準法がリニューアルします。
近年は断熱材や太陽光パネルなど省エネ設備の設置といった省エネ化の促進に伴って建築物が重量化しており、地震による被害リスクが高まっていることから、木造建築物に関する構造安全性の確保が必要な状況が指摘されていました。
こうした背景を踏まえ、今回の改正では、従来の四号建築物(木造2階建以下、高さ13m以下、軒高9m以下、延床面積500㎡以下の建築物)は、なくなり、それらは二号建築物に分類されるようになります。
現行法の四号建築物においては、以下のような点が安全確認不足が問題視されています。
・梁や柱の強度
・積雪による重さ
・複雑な形状のプランの想定
・太陽光パネルや断熱材、エコ窓などの重さの考慮
・吹抜け構造による強度低下の確認不足
・基礎の強度の確認不足
・必要壁量の基準の低さ
などです。
しかし、改正法の施行以降は構造計算書などの設計図書の提出が求められるため、これらの問題点を省略することはありません。これにより、建築確認の際に十分な構造計算が行われ、地震時の安全性が向上することが期待されます。
2024年1月1日の能登半島地震の建物被害について、国土交通省などが石川県輪島市や珠洲市などで行った現地調査結果を公表したところ、木造で古い耐震基準の建物は甚大な被害が見られた一方、比較的建築年数の新しい基準が強化された「新耐震」の建物は被害が軽い傾向がみられたとしています。
昭和56年以前に建てられた家も耐震改修工事を行い強度を確保できますが、珠洲市の耐震化率は51%、輪島市は45%と全国平均の87%を下回っていました。
耐震化が進んでいなかった背景として、過疎化により高齢者だけの住まいが増え、改修しないまま暮らしている世帯が多いという事情が挙げられます。また、能登地方の人々の、古い町並みを大切にする文化的な背景が影響しているとの指摘もありました。
そしてもうひとつの要因として、北陸特有の屋根瓦の重さにも関係がありました。
日本海沿岸に位置する北陸の雪は水分を多く含む重い雪なのが特徴で、瓦にも強度が求められます。そのため雪や潮風による劣化に強い漆黒の「能登瓦」が使われ、重い屋根の建物が多いのです。
また、「震度6強以上でも倒壊しない」とする耐震基準を満たしたとみられる家屋も、安全だとは言いきれません。調査を進めると新耐震の建物の全壊も多数確認されました。
これには周辺で起きている群発地震によって住宅へのダメージが蓄積していたとの見方があります。能登半島一帯では2020年12月から今回の地震の前までに、震度1以上の地震が500回以上発生しており、2023年5月には、最大震度6強の地震もありました。
専門家によると、群発地震によって、柱と 梁はり をつなぐ金具が弱ったり、壁内にひびが入ったりして、建物の強度そのものが下がっていた可能性があると指摘しています。
今回の大地震によって、新しい建物であっても、定期的な耐震診断が必要であることが浮き彫りとなりました。
大きな震災が発生すると、住宅にどのような被害があったのか、何が原因だったのかについての調査が行われます。その結果を精査し、どうすればより耐震性が高まるのかを考えることで、改正が繰り返されているのです。
日本において震度6強の地震は「まれ」とは言えない状況です。
今後、群発地震を想定した耐震基準の強化や、家屋の定期的診断の必要性がますます求められるようになるでしょう。
大地震は、いつどこで起こるかわかりません。大切な自分の命や家族の命を守る為、出来る限り地震に強い家に住むことは勿論のこと、帰省先の実家などが耐震性の低い古い建物である場合も一度耐震診断をされることをおすすめします。
近年は断熱材や太陽光パネルなど省エネ設備の設置といった省エネ化の促進に伴って建築物が重量化しており、地震による被害リスクが高まっていることから、木造建築物に関する構造安全性の確保が必要な状況が指摘されていました。
こうした背景を踏まえ、今回の改正では、従来の四号建築物(木造2階建以下、高さ13m以下、軒高9m以下、延床面積500㎡以下の建築物)は、なくなり、それらは二号建築物に分類されるようになります。
現行法の四号建築物においては、以下のような点が安全確認不足が問題視されています。
・梁や柱の強度
・積雪による重さ
・複雑な形状のプランの想定
・太陽光パネルや断熱材、エコ窓などの重さの考慮
・吹抜け構造による強度低下の確認不足
・基礎の強度の確認不足
・必要壁量の基準の低さ
などです。
しかし、改正法の施行以降は構造計算書などの設計図書の提出が求められるため、これらの問題点を省略することはありません。これにより、建築確認の際に十分な構造計算が行われ、地震時の安全性が向上することが期待されます。
2024年1月1日の能登半島地震の建物被害について、国土交通省などが石川県輪島市や珠洲市などで行った現地調査結果を公表したところ、木造で古い耐震基準の建物は甚大な被害が見られた一方、比較的建築年数の新しい基準が強化された「新耐震」の建物は被害が軽い傾向がみられたとしています。
昭和56年以前に建てられた家も耐震改修工事を行い強度を確保できますが、珠洲市の耐震化率は51%、輪島市は45%と全国平均の87%を下回っていました。
耐震化が進んでいなかった背景として、過疎化により高齢者だけの住まいが増え、改修しないまま暮らしている世帯が多いという事情が挙げられます。また、能登地方の人々の、古い町並みを大切にする文化的な背景が影響しているとの指摘もありました。
そしてもうひとつの要因として、北陸特有の屋根瓦の重さにも関係がありました。
日本海沿岸に位置する北陸の雪は水分を多く含む重い雪なのが特徴で、瓦にも強度が求められます。そのため雪や潮風による劣化に強い漆黒の「能登瓦」が使われ、重い屋根の建物が多いのです。
また、「震度6強以上でも倒壊しない」とする耐震基準を満たしたとみられる家屋も、安全だとは言いきれません。調査を進めると新耐震の建物の全壊も多数確認されました。
これには周辺で起きている群発地震によって住宅へのダメージが蓄積していたとの見方があります。能登半島一帯では2020年12月から今回の地震の前までに、震度1以上の地震が500回以上発生しており、2023年5月には、最大震度6強の地震もありました。
専門家によると、群発地震によって、柱と 梁はり をつなぐ金具が弱ったり、壁内にひびが入ったりして、建物の強度そのものが下がっていた可能性があると指摘しています。
今回の大地震によって、新しい建物であっても、定期的な耐震診断が必要であることが浮き彫りとなりました。
大きな震災が発生すると、住宅にどのような被害があったのか、何が原因だったのかについての調査が行われます。その結果を精査し、どうすればより耐震性が高まるのかを考えることで、改正が繰り返されているのです。
日本において震度6強の地震は「まれ」とは言えない状況です。
今後、群発地震を想定した耐震基準の強化や、家屋の定期的診断の必要性がますます求められるようになるでしょう。
大地震は、いつどこで起こるかわかりません。大切な自分の命や家族の命を守る為、出来る限り地震に強い家に住むことは勿論のこと、帰省先の実家などが耐震性の低い古い建物である場合も一度耐震診断をされることをおすすめします。
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