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ゆっち

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終末時計

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■終末時計とは

世界の終末（人類の終焉）を『午前0時』になぞらえ、その終末までのタイムリミットを「0時まであと何分(秒)」という形で示す、米国の雑誌『原子力科学者会報』(Bulletin of the Atomic Scientists) の表紙絵として毎年使われている時計の事を「終末時計」と呼びます。

■終末時計が作られた経緯

終末時計は1947年、核戦争の危険性を警告する目的で、米マンハッタン計画で最初の原爆開発に参加した米国の科学者たちが創設しました。

この科学者たちは第2次世界大戦末期の1945年、広島と長崎に投下された原爆の悲惨な影響を目の当たりにしたことから、人々に警告を発し、核兵器が2度と使用されないよう世界の指導者たちに圧力をかけようとしたのです。

■終末時計の針

1947年に真夜中7分前を指していた終末時計の針は、これまでに25回動かされています。1991年に冷戦が終結すると、時計は17分前まで巻き戻されました。
このように、世界情勢などの変化によって、毎年終末時計の針が行ったり来たりするのです。

BAS（原子力科学者会報誌）のレイチェル・ブロンソン社長兼最高経営責任者（CEO）は、「イギリスを含むすべての主要国は、核兵器が非常に長い間使用可能であるかのように、核兵器庫に投資している。とても危険な時期であり、指導者らは責任ある行動をとっていない」と指摘しました。

終末時計に長年携わっているロシアの核兵器専門家パヴェル・ポドウィグ氏も、ロシアの大統領がウクライナ侵攻後に、戦略的核抑止部隊を警戒態勢に入らせたことにショックを受けたと語っています。

この行動を世界は脅威とみて対応したものの、これはロシア大統領の計算の上での行動とみられています。

数十年にわたる軍縮協定にもかかわらず、世界にはいまだ約1万3000発の核弾頭が存在し、その90％をロシアとアメリカが保有しています。両国のほかに核保有を宣言している国は、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮の6カ国。イスラエルも核兵器を持っていると広く信じられていますが、認めたことはありません。そして、現代の核兵器のほとんどは、広島と長崎を破壊したものより何倍も強力なのです。

イギリスは2021年、核弾頭の保有上限を225基から260基に増やしています。ウクライナでの戦争が始まって以来、ロシアの高官らは、核兵器をイギリスに対して使う可能性を示唆する発言をしています。

一方、過去10年における核戦争の恐怖は、新たに核保有国に加わった北朝鮮によっても、煽られています。

米国立核兵器研究所の所長を務め、終末時計顧問のシグ・ヘッカー氏は、科学調査プログラムの一環として北朝鮮の核施設を7回訪問しており、同国について今では50から60の核弾頭を保有している可能性があると推定しているのです。

我が国ではこうした近隣諸国からの脅威から、防衛力整備が最優先とされ、鹿児島県の種子島から西へ12kmの位置にある馬毛島まげしまで国内最大規模の基地整備事業により島を丸ごと自衛隊の訓練施設として整備する巨大事業が現在進行中です。

総理はミサイル「トマホーク」を最大500発程度購入する検討をしており、熱心に米国製武器購入を進めようとしています。更に、低空を変則軌道で飛ぶ極超音速ミサイルに対処する新型迎撃ミサイルを日米共同開発する運びとなりました。

馬毛島整備関連費は、1兆円越えは確実との声もあります。

迫り来る世界戦争の足音がヒシヒシと感じられる昨今、世の中が着々と終末へと向かっていると感じさせられます。

公表初年の1947年は「7分」だった終末時計は、冷戦終結後の91年は「17分」で最も長くなり、2020～2022年は「100秒」と短くなっています。

そして、2023年・2024年はなんと、2年連続過去最短の「90秒」となっているのです。

果たして向かう先はこのままで良いのでしょうか。

2025年、終末時計の針が「0」を指すことがないように祈るばかりです。

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