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R18:SS(婚前調教編/完結)
6/7 イラマチオ/オナ禁
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嫁入り準備はつつがなく終わった。
というのも、僕は期待もされない三男なのでものを与えられる経験も少なく、大概が兄からのお下がりだ。
なので僕の服と、退屈凌ぎに本を数冊準備してしまえば手持ち無沙汰になるのだ。一般的な婚姻と違い見せかけのものなので、嫁ぐまでに覚えなければならないことすら何もない。
この先、必要になることもないだろう。
この家を去ることになるというのに、大して感慨もないのが正直なところだった。
公爵家から迎えが来る。婚姻式の準備があるので、一足先に彼の家に招かれたのだ。
「くれぐれも──」
見送りの父が最後まで言わずとも、その先に吐かれる言葉は分かっている。
それを遮るように「わかりました」と頷いて僕は馬車に乗り込んだ。父の怒気を背中越しに感じる。あの父がこの婚姻を仕組んだのだ、父が失敗さえしなければ僕は売られるように男に嫁ぐ必要などなかった。ずっと腹の底に渦巻いていた文句を言うこともできない卑怯者の僕の、最後だからできた抵抗だった。
御者が鞭を鳴らした。
車輪が軋み動き出す馬車の中で、一人感傷に浸る。
僕の準備した荷物は彼らが驚くほど少なかったらしい。どうせ僕の持ち込んだ衣服だって、あの家では見劣りする。だから彼に用意された服以外、生家に置いてきた。
「主人に代わり、案内させていただきます」
彼がいないのは予め聞いていた。だから使用人についていくまま。用意された部屋はとても広く、生家での僕の部屋とはてんで異なる。
「主人が戻られるまで、お休みになられてください。何かありましたらベルを鳴らしていただければ、メイドが向かいます」
「分かりました。お言葉に甘えさせていただきます」
大して動いていないのにもかかわらず、──きっと気疲れなのだろうが、疲れこんで、僕はソファに身を預けた。
そしてすぐにウトウトと微睡み始めた。
とある欲求に僕に苛まれる僕には、睡眠だけが唯一の逃げ場だった。
彼が僕に与える快感。
それを思い出すだけで気が狂いそうになる。
最後に彼と一緒に出席した夜会から約二週間、僕は彼の言いつけ通り身体を慰める行為を禁じられた。
それまでであれば一切問題もなかっただろうソレに苦しめられたのは、彼に開発された身体が快感を覚えてしまったからに他ならない。
痒みを覚える乳首を引っ掻くのも、精液の詰まった陰嚢を揉むのも、疼く前立腺を押し潰すことも出来ず、気が狂いそうだった。
自慰をここまで欲したことなど無かっただろう。定期的に彼から与えられていた快感が枯渇し、僕の身体はそれに馴染めずにいた。一ヶ月に満たない程度。それでも僕は、淫らな身体で得る悦びを骨の髄まで教え込まれていた。
快感に狂いそうになる度に、惰眠を貪り気を反らした。そうしなければ、頭がおかしくなりそうだった。
扉を叩く音で目を覚ました。
いつの間にか日が落ちていて、部屋は暗闇に包まれようとしている。
覚醒しきれない頭で返事をすれば、ガチャリと開かれる。差し込んでくる廊下の光でようやく覚醒した僕の目に飛び込んできたのは──屋敷の主人だ。
「あっ」
慌てて起き上がり、挨拶をする。彼はいつも通り瞳で僕を見ていた。
「君の部屋と俺の寝室は繋がっている。公爵夫人となっても、この部屋から用がない限り出るな。学が無いのがバレても困る」
「はい。承知いたしました」
僕は彼の姿を見つけ、ゴクリと喉を鳴らした。
僕の本能が彼の姿に歓喜していた。
「言いつけは守れたか?」
「はい。言われた通り、禁欲して過ごしていました」
彼の視線が刺さる。僕の情欲を見透かしたような視線に、身を縮こまらせた。
すると彼はズボンを下ろし始める。何の脈絡もなく始まる行為に、期待で息が荒くなった。彼に弄られたことのある乳首が勃ち上がり、股間のものが下着を押し上げる。僕はよっぽど期待をした目をしていたのだろう。彼が失笑する。
「咥えろ」
最後までその言葉を聞かず、彼の足元まで駆け寄った。犬のように這いつくばって、彼の剥き出しのペニスにしゃぶりつく。唾液が溢れて、彼の匂いと交ざった。仕事終わりの彼のそれはいつもよりも雄臭くて、堪らなかった。彼のものをすべて咥えられないとは分かっているのに、奥に奥にと喉に通す。
ぐぼ。
喉奥が奇妙な音を立てて咽込んでも、何度も何度も彼のものを頬張った。
技術もへったくれもない私の姿を、彼はただただ見下ろしていた。
「ぉ゛っ♡ ぐぅ♡♡ ぉええっ♡♡ ゲホッ♡ ~~~ぉ゛♡♡♡」
ぐぼ。ごぼ。空気の混じった汚い音が、喉奥で音を立てる。それでも必死に奉仕を続けた。
すると不思議とアナルまで疼いてきて、この肉棒が僕のアナルを搔き乱したらいいのにと思うようになる。ペニスを挿れられたこともないのに前立腺はきゅんきゅんと疼いて、尻穴は熱を帯びて何度もくぽくぽと収縮を繰り返した。何も入っていないのに、彼のを喉奥に迎い入れる度に僕のアナルの奥まで彼のものが入っているような…♡ 僕はその妄想に酔いしれながら、口を窄め喉奥で彼のものを扱く。
不意に彼が僕の頭を押さえ、喉奥に押し込んだ。
びゅるるるっ。
彼の熱いものが、僕の喉奥で弾ける。僕はそれを言いつけ通りに必死に飲み干して、一滴も残さないようにと吸い付くす。そして尿道に残った精液をちゅるると吸い上げてようやく口を離した。彼は僕を見下ろしている。
その目は冷たく、僕を蔑んでいたが、それでも良かった。
この人が僕に欲情しているという事実だけで、僕は幸せだったから。
というのも、僕は期待もされない三男なのでものを与えられる経験も少なく、大概が兄からのお下がりだ。
なので僕の服と、退屈凌ぎに本を数冊準備してしまえば手持ち無沙汰になるのだ。一般的な婚姻と違い見せかけのものなので、嫁ぐまでに覚えなければならないことすら何もない。
この先、必要になることもないだろう。
この家を去ることになるというのに、大して感慨もないのが正直なところだった。
公爵家から迎えが来る。婚姻式の準備があるので、一足先に彼の家に招かれたのだ。
「くれぐれも──」
見送りの父が最後まで言わずとも、その先に吐かれる言葉は分かっている。
それを遮るように「わかりました」と頷いて僕は馬車に乗り込んだ。父の怒気を背中越しに感じる。あの父がこの婚姻を仕組んだのだ、父が失敗さえしなければ僕は売られるように男に嫁ぐ必要などなかった。ずっと腹の底に渦巻いていた文句を言うこともできない卑怯者の僕の、最後だからできた抵抗だった。
御者が鞭を鳴らした。
車輪が軋み動き出す馬車の中で、一人感傷に浸る。
僕の準備した荷物は彼らが驚くほど少なかったらしい。どうせ僕の持ち込んだ衣服だって、あの家では見劣りする。だから彼に用意された服以外、生家に置いてきた。
「主人に代わり、案内させていただきます」
彼がいないのは予め聞いていた。だから使用人についていくまま。用意された部屋はとても広く、生家での僕の部屋とはてんで異なる。
「主人が戻られるまで、お休みになられてください。何かありましたらベルを鳴らしていただければ、メイドが向かいます」
「分かりました。お言葉に甘えさせていただきます」
大して動いていないのにもかかわらず、──きっと気疲れなのだろうが、疲れこんで、僕はソファに身を預けた。
そしてすぐにウトウトと微睡み始めた。
とある欲求に僕に苛まれる僕には、睡眠だけが唯一の逃げ場だった。
彼が僕に与える快感。
それを思い出すだけで気が狂いそうになる。
最後に彼と一緒に出席した夜会から約二週間、僕は彼の言いつけ通り身体を慰める行為を禁じられた。
それまでであれば一切問題もなかっただろうソレに苦しめられたのは、彼に開発された身体が快感を覚えてしまったからに他ならない。
痒みを覚える乳首を引っ掻くのも、精液の詰まった陰嚢を揉むのも、疼く前立腺を押し潰すことも出来ず、気が狂いそうだった。
自慰をここまで欲したことなど無かっただろう。定期的に彼から与えられていた快感が枯渇し、僕の身体はそれに馴染めずにいた。一ヶ月に満たない程度。それでも僕は、淫らな身体で得る悦びを骨の髄まで教え込まれていた。
快感に狂いそうになる度に、惰眠を貪り気を反らした。そうしなければ、頭がおかしくなりそうだった。
扉を叩く音で目を覚ました。
いつの間にか日が落ちていて、部屋は暗闇に包まれようとしている。
覚醒しきれない頭で返事をすれば、ガチャリと開かれる。差し込んでくる廊下の光でようやく覚醒した僕の目に飛び込んできたのは──屋敷の主人だ。
「あっ」
慌てて起き上がり、挨拶をする。彼はいつも通り瞳で僕を見ていた。
「君の部屋と俺の寝室は繋がっている。公爵夫人となっても、この部屋から用がない限り出るな。学が無いのがバレても困る」
「はい。承知いたしました」
僕は彼の姿を見つけ、ゴクリと喉を鳴らした。
僕の本能が彼の姿に歓喜していた。
「言いつけは守れたか?」
「はい。言われた通り、禁欲して過ごしていました」
彼の視線が刺さる。僕の情欲を見透かしたような視線に、身を縮こまらせた。
すると彼はズボンを下ろし始める。何の脈絡もなく始まる行為に、期待で息が荒くなった。彼に弄られたことのある乳首が勃ち上がり、股間のものが下着を押し上げる。僕はよっぽど期待をした目をしていたのだろう。彼が失笑する。
「咥えろ」
最後までその言葉を聞かず、彼の足元まで駆け寄った。犬のように這いつくばって、彼の剥き出しのペニスにしゃぶりつく。唾液が溢れて、彼の匂いと交ざった。仕事終わりの彼のそれはいつもよりも雄臭くて、堪らなかった。彼のものをすべて咥えられないとは分かっているのに、奥に奥にと喉に通す。
ぐぼ。
喉奥が奇妙な音を立てて咽込んでも、何度も何度も彼のものを頬張った。
技術もへったくれもない私の姿を、彼はただただ見下ろしていた。
「ぉ゛っ♡ ぐぅ♡♡ ぉええっ♡♡ ゲホッ♡ ~~~ぉ゛♡♡♡」
ぐぼ。ごぼ。空気の混じった汚い音が、喉奥で音を立てる。それでも必死に奉仕を続けた。
すると不思議とアナルまで疼いてきて、この肉棒が僕のアナルを搔き乱したらいいのにと思うようになる。ペニスを挿れられたこともないのに前立腺はきゅんきゅんと疼いて、尻穴は熱を帯びて何度もくぽくぽと収縮を繰り返した。何も入っていないのに、彼のを喉奥に迎い入れる度に僕のアナルの奥まで彼のものが入っているような…♡ 僕はその妄想に酔いしれながら、口を窄め喉奥で彼のものを扱く。
不意に彼が僕の頭を押さえ、喉奥に押し込んだ。
びゅるるるっ。
彼の熱いものが、僕の喉奥で弾ける。僕はそれを言いつけ通りに必死に飲み干して、一滴も残さないようにと吸い付くす。そして尿道に残った精液をちゅるると吸い上げてようやく口を離した。彼は僕を見下ろしている。
その目は冷たく、僕を蔑んでいたが、それでも良かった。
この人が僕に欲情しているという事実だけで、僕は幸せだったから。
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