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R18:SS(婚前調教編/完結)
4/3 前立腺開発
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こんなつまらない僕が、美しい人を憎からず思うのは必然であった。
あの無機質で冷たい目も、それに反して温かな彼の手の温もりも、全てが初めてで僕を惑わせた。
僕は彼の言いつけを守る下僕となったのだ。
アナルは女の膣と違って消化器官なのだから快楽など無いものだと思い込んでいたが、それは僕の勉強不足らしい。派手に遊んでいるようには見えなかったが、彼にも当然十分な経験はあるらしい。彼は男の身体の慣れさせ方をよく知っていた。
「んひぃ♡♡」
「足を閉じるな」
アナルを弄られて呻き声をあげていた僕は、いつの間にかソコで快感を得るようになっていた。前立腺──直腸にあるソコは男が快楽を得る場所らしく、最初は彼に触られても違和感を覚える程度のものであったが、家でも彼の言いつけ通りに練習を重ねていると、いつしかそこに触れると身体が震えるようになっていた。
ぐにゅぐにゅと彼の指が僕の前立腺を刺激するたびに、身体が徐々に前のめりになっていく。腹と脚の筋肉が収縮して、自然に体が丸まるように腰が下がってしまう。無様に尻を突き出す体勢で尻の穴を弄られ、自分でも知らなかったイイところを指で撫でられると、脳味噌が蕩けるほど気持ちよくなってしまうのだ。
自覚しない間に口が閉じることを忘れ、弛緩と緊張が交互に訪れる。そのたびに身体を跳ねさせ、犬のように舌を突き出して悶えた。彼はいつも通り冷静に僕を観察しているのに、僕はいやらしい声を上げて発情しているのだ。
「はっ♡♡ はっ♡♡♡」
バシン。
唐突に彼の平手が僕の尻に直撃した。痛みと自覚できない衝撃が臀部に起きて、大きな音が部屋に響く。その一撃で意識が完全にアナルに集中してしまった。彼の指をぎゅうと力の限り締め付けたのが良く分かった。
彼はまたバシンと僕の尻を殴った。鋭い痛みが身体を走り、息が漏れる。背骨から脳天までを貫くような強烈な刺激に頭が真っ白になる。その感覚が何なのか僕が理解する前に、彼の厳しい声がかけられる。
「足を、閉じるなと、言った」
「ひゃいいぃ」
その声に肩をびくりと跳ねさせて脚を肩幅サイズに広げる。
叩かれた尻が熱を持ち出す。ヒリヒリと痛むそこはジンジンと痺れ、その痺れがじんわりと広がってくる。痛みから逃れるように彼の指が与える快感に集中する。
「あぅ、あ、あ、ぁあ~~……♡♡」
ゆっくりとリズミカルに叩かれると、それだけで声があがった。痒いところに手が届いたような安心感と、時折やってくる鋭い快感との落差が気持ち良い。脳みそが快楽に侵される。彼の指が度々アナルを拡げる動きをしても、そのピリリとした痛みが快感のスパイスになるだけだ。香油がアナルから溢れ尻を汚していく。じゅぼじゅぼと彼の指が出し入れする淫猥な音に、僕は酔っていた。日の明るいうちから、僕は──。
背徳的な快感に溺れる。
「んぁ♡♡」
じゅぼり、と彼の指が抜かれて、行為の終わりを知る。
アナルは依然としてヒクヒクと収縮して快感の余韻に浸っていたが、段々と僕の思考が現実へと戻ってきた。惚けていた僕を咎めるように、彼は僕の尻を叩いた。
「お゛っ、ふぅ……♡」
痛みと共に意識がはっきりと覚醒し、現実に引き戻される。
全裸で惚けた僕に対して、彼も衣服を乱してすらいない。僕は快楽に痺れた全身を無理やり動かして、香油を拭うと己の服に手を伸ばした。僕のペニスはこの行為の後、浅ましくも兆している。それがみっともなくて恥ずかしくて、さっさとズボンを穿いて身なりを整えた。前が膨らんでいるのには目を反らす。
──彼はただ、僕のソコを拡げていただけなのに。
今日はこれで終わりだろうか。
彼が使用人を呼び、僕の送りを頼むのを他人事のように聞く。
「式の衣装は来週までにご準備できるかと」
「そうか。次、来る時に彼にも合わせさせろ」
「承知いたしました」
僕たちが何をしているのか、きっと彼らは知っているのに何事も無いように接せられる。彼と使用人の会話を黙って聞く。
僕は違和感のある下半身を無視して、用意された帰りの馬車に乗り込んだ。
「ただいま戻りました」
彼の屋敷から帰ると、父親の執務室に行くように使用人から言伝を受け取る。
馬車に揺られる合間に股間の膨らみは落ち着いたものの、肛門から滲んだ香油に違和感を覚える。本当は着替えておきたかったものの、父の機嫌を損ねると面倒なので、自室による前に執務室へと向かった。
皺の深い父は、いつも通り不機嫌そうに僕を見る。
「最近、公爵家に入り浸っているそうだな」
その質問にドキリとして、準備していた言葉を震える声で吐き出す。
「婚姻式の服を準備していただいていたのです」
「そんなに頻繁に通うほどか」
「…………私は婚約者の言葉に従っているだけです」
両手を握り締めながら、何とか言葉にした。香油で湿った下着がひんやりと肌を冷やすのに、酷い後ろめたさを感じた。
「チッ……。絶対に失礼はするなよ」
「……承知いたしました。肝に銘じます……」
蚊の鳴くような声で答えた僕を、父は忌々しげに見る。
その視線から逃れるように、僕は部屋を後にした。
あの無機質で冷たい目も、それに反して温かな彼の手の温もりも、全てが初めてで僕を惑わせた。
僕は彼の言いつけを守る下僕となったのだ。
アナルは女の膣と違って消化器官なのだから快楽など無いものだと思い込んでいたが、それは僕の勉強不足らしい。派手に遊んでいるようには見えなかったが、彼にも当然十分な経験はあるらしい。彼は男の身体の慣れさせ方をよく知っていた。
「んひぃ♡♡」
「足を閉じるな」
アナルを弄られて呻き声をあげていた僕は、いつの間にかソコで快感を得るようになっていた。前立腺──直腸にあるソコは男が快楽を得る場所らしく、最初は彼に触られても違和感を覚える程度のものであったが、家でも彼の言いつけ通りに練習を重ねていると、いつしかそこに触れると身体が震えるようになっていた。
ぐにゅぐにゅと彼の指が僕の前立腺を刺激するたびに、身体が徐々に前のめりになっていく。腹と脚の筋肉が収縮して、自然に体が丸まるように腰が下がってしまう。無様に尻を突き出す体勢で尻の穴を弄られ、自分でも知らなかったイイところを指で撫でられると、脳味噌が蕩けるほど気持ちよくなってしまうのだ。
自覚しない間に口が閉じることを忘れ、弛緩と緊張が交互に訪れる。そのたびに身体を跳ねさせ、犬のように舌を突き出して悶えた。彼はいつも通り冷静に僕を観察しているのに、僕はいやらしい声を上げて発情しているのだ。
「はっ♡♡ はっ♡♡♡」
バシン。
唐突に彼の平手が僕の尻に直撃した。痛みと自覚できない衝撃が臀部に起きて、大きな音が部屋に響く。その一撃で意識が完全にアナルに集中してしまった。彼の指をぎゅうと力の限り締め付けたのが良く分かった。
彼はまたバシンと僕の尻を殴った。鋭い痛みが身体を走り、息が漏れる。背骨から脳天までを貫くような強烈な刺激に頭が真っ白になる。その感覚が何なのか僕が理解する前に、彼の厳しい声がかけられる。
「足を、閉じるなと、言った」
「ひゃいいぃ」
その声に肩をびくりと跳ねさせて脚を肩幅サイズに広げる。
叩かれた尻が熱を持ち出す。ヒリヒリと痛むそこはジンジンと痺れ、その痺れがじんわりと広がってくる。痛みから逃れるように彼の指が与える快感に集中する。
「あぅ、あ、あ、ぁあ~~……♡♡」
ゆっくりとリズミカルに叩かれると、それだけで声があがった。痒いところに手が届いたような安心感と、時折やってくる鋭い快感との落差が気持ち良い。脳みそが快楽に侵される。彼の指が度々アナルを拡げる動きをしても、そのピリリとした痛みが快感のスパイスになるだけだ。香油がアナルから溢れ尻を汚していく。じゅぼじゅぼと彼の指が出し入れする淫猥な音に、僕は酔っていた。日の明るいうちから、僕は──。
背徳的な快感に溺れる。
「んぁ♡♡」
じゅぼり、と彼の指が抜かれて、行為の終わりを知る。
アナルは依然としてヒクヒクと収縮して快感の余韻に浸っていたが、段々と僕の思考が現実へと戻ってきた。惚けていた僕を咎めるように、彼は僕の尻を叩いた。
「お゛っ、ふぅ……♡」
痛みと共に意識がはっきりと覚醒し、現実に引き戻される。
全裸で惚けた僕に対して、彼も衣服を乱してすらいない。僕は快楽に痺れた全身を無理やり動かして、香油を拭うと己の服に手を伸ばした。僕のペニスはこの行為の後、浅ましくも兆している。それがみっともなくて恥ずかしくて、さっさとズボンを穿いて身なりを整えた。前が膨らんでいるのには目を反らす。
──彼はただ、僕のソコを拡げていただけなのに。
今日はこれで終わりだろうか。
彼が使用人を呼び、僕の送りを頼むのを他人事のように聞く。
「式の衣装は来週までにご準備できるかと」
「そうか。次、来る時に彼にも合わせさせろ」
「承知いたしました」
僕たちが何をしているのか、きっと彼らは知っているのに何事も無いように接せられる。彼と使用人の会話を黙って聞く。
僕は違和感のある下半身を無視して、用意された帰りの馬車に乗り込んだ。
「ただいま戻りました」
彼の屋敷から帰ると、父親の執務室に行くように使用人から言伝を受け取る。
馬車に揺られる合間に股間の膨らみは落ち着いたものの、肛門から滲んだ香油に違和感を覚える。本当は着替えておきたかったものの、父の機嫌を損ねると面倒なので、自室による前に執務室へと向かった。
皺の深い父は、いつも通り不機嫌そうに僕を見る。
「最近、公爵家に入り浸っているそうだな」
その質問にドキリとして、準備していた言葉を震える声で吐き出す。
「婚姻式の服を準備していただいていたのです」
「そんなに頻繁に通うほどか」
「…………私は婚約者の言葉に従っているだけです」
両手を握り締めながら、何とか言葉にした。香油で湿った下着がひんやりと肌を冷やすのに、酷い後ろめたさを感じた。
「チッ……。絶対に失礼はするなよ」
「……承知いたしました。肝に銘じます……」
蚊の鳴くような声で答えた僕を、父は忌々しげに見る。
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