冴えない「僕」がえっちオナホとして旦那様に嫁いだ日常♡

nanashi

文字の大きさ
上 下
7 / 33
R18:SS(婚前調教編/完結)

3/28 竿酒(紅茶)

しおりを挟む
彼の教育は、僕のちっぽけなプライドを粉々に砕くのに十分だった。
彼の前にいると、僕がどれほど無価値な人間なのか実感する。いや、それどころか最近では何をしていても駄目だった。
お飾りの妻に求められることなんて何一つない。だから何しても無駄だと分かっている癖に。それでも僕は諦めきれずに要領の悪い頭で領地の本を読み漁り、当然お頭がついていかずに己の愚かさに涙をこらえるのだ。

週に一度、彼の屋敷に行って彼と二人っきりになる。
そして僕は何を言われるまでもなく服を脱いで、ソファに座る彼の足元に跪く。これが彼の教育の賜物であった。
羞恥はいつの間にか消え去った。彼の冷たい目で肌を撫でられ、堪らない気持ちになる。
惨めさと同時に、胸の底で安堵が広がってゆく。
それが無価値な己ができる唯一のことであったので。己が犠牲になることで生家が経済支援を受けているという事実も、惨めな行いをする己を肯定させるのに役立った。優しい両親も、家を継いだ長男も、出来のいい次兄も、誰一人救えなかった家の窮地を僕だけが救えるのだ。その事実が、己をおかしくしていく。

彼の命令は日に日にエスカレートしていった。
「机に座れ」
「はい」
彼の冷たい言葉に、僕はドキドキと慌てる胸を落ち着かせながら命令に従った。
僕の家にはない上質な机に、僕は素肌で腰掛ける。亀頭を隠すように太ももは隙間なくぴっちりと締めて。局部にどうしようもない違和感があるが、無視する。彼の視線に充てられて醜態をさらすことだけは避けたかった。
僕たちの間に無駄な会話はない。僕なんかが彼に口答えなんて出来るわけもないので。
彼の手がティーカップを持ち上げる。
これまでの動作の間でその中の紅茶などとっくに冷めていると思うのに、どうにも恐ろしくて気が付かない間に身体が震えていた。それを見て彼が笑う。
「落ち着きなさい。零れるだろう?」
「は、はい」
じょろり。
彼の手の中のティーカップが傾けられて、僕のへその下を伝って太ももの付け根に溜まってゆく。予想したとおりに冷めていたが、それでも急に液体に触れた肌は栗立った。彼はそれを面白がる。
僕の手持ちぶさたな手が、無意識に机の縁を掴んでいた。

震える僕の足から溢れた液体は、机の下に水たまりを作る。彼はそれを満足げに見下ろしていた。絨毯に染み込んでいく紅茶を見て僕は心が痛んだが、それでも何も言わない。
ぴったりと閉じた股に留まった紅茶は人肌程度の温かさを保って僕を苦しめていた。零れないように意識していても、呼吸した拍子でそろそろと足を伝って溢れる茶色の液体に、僕は息すらも封じ込められたようにハッハッと短く呼吸することしかできない。
そんな僕を見て彼は目を細めて、実に楽しそうに嘯く。
「小便を漏らしたようだな」
紅茶が伝った肌はツゥと寒気を感じていた。閉じきれなかった太ももから溢れた紅茶は僕の尻と机の間で水たまりを作っていたし、足元には漏らしたと表現するに十分なシミが出来ている。あのツンとする異臭が無いだけで、僕の周辺は彼が表現するに相応しい惨状だった。
惨めさに鼻がツンと痛くなる。
「どんな気持ちだ?」
彼が笑う。
彼の言葉を無視できるわけもない。
「……恥ずかしいです」
「何故? 君はもう裸になるのには慣れていただろう」
「それは……」
僕は口ごもる。
その通りだ。僕は教育の一環でもう何度も彼に裸を見せてきた。しかし、これはまた別の羞恥であった。こんなこと彼以外にされた覚えもないのだから、正解など分かるはずもない。
沈黙した僕を見て彼は笑う。
「裸になるだけで俺を喜ばせることが出来ると思っていたのかい、君は」
「いえ、そんなことは」
「君の家にいくら援助したと思う? 高級娼婦にも出来ないことをしてもらわなければ割に合わないな」
「…………はい」
「君だって、食器の代わりぐらいはできるだろう?」
「………………は、い」
彼の美しい顔が僕の局部に近づいてゆくのを、僕は息を止めて見つめることしかできなかった。ピチャっと奏でられる音に僕はびくりと震えるが、抵抗する勇気はなかった。じゅる、と酷い音を立てて紅茶が啜られ、肌が栗立つ。歯を食いしばっていなければ変な声を上げてしまいそうだった。
「ぅ、ぅ…………」
彼の鼻が僕の肌を擽り、真っ赤な舌が肌を舐める。
食器の癖に声を上げるなどと無作法な真似をして彼の機嫌を損ねるのが怖かった。そんな僕の心配を嘲うかのように、彼は執拗に舌で嬲る。
「あ…………」
じゅっじゅっとわざとらしい音を立てて紅茶を啜る彼から目が離せなかった。なんとも倒錯的な光景だった。

粗方啜り終わると、彼は汚れた顔をハンカチで拭って呆然とした僕を見て笑う。
「食器の代わりをしたくらいで、なんて顔しているんだい」





彼の嘲りに、僕はゾクリと興奮を覚えた。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

皇帝陛下の精子検査

雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。 しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。 このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。 焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?

処理中です...