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第八夜(一)
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――――さて、どうしたものか。
ティアーヌは目の前で威嚇してくるアーベルト犬を前に悩んでいた。
寝る前にアーベルトのことを思い浮かべて目を閉じたら無事夢渡りに成功した。
けれど、問題はそこから先だった。
いったいどうすればこんな敵意剥き出しの相手と事に及べるというのか。ティアーヌは無理難題を持ってきたシュベルツの顔を思いだし、苦々しい表情で舌打ちをした。
自分に対してだと思ったのか、アーベルトがビクリと身体を強張らせ睨みつけてくる。
「……はぁ。私、あなたに何かしたかしら?」
言外に『そんな態度を取られる謂れは無い』と含ませれば、アーベルトは気まずげに視線を逸らした。そして、ぽつりと零す。
「それは……あんたがリリアを苛めるから悪いんじゃん」
キッと睨み付けてくる。
そんな態度も想定内だったティアーヌは表情を変えずにジッとアーベルトを見つめる。
ティアーヌの反応は予想外だったようで、アーベルトはたじろぐ。
――――どうせ、高圧的な態度を取れば優位に立てると思ったのでしょうね。
確かに普通の令嬢ならそれだけでも怯ませることができるかもしれない。けれど、あいにくティアーヌは普通ではないのだ。
腕を組んで不敵に笑う。
「それだけではないでしょう? あなた自身が私のことを嫌っている。……もっと言えば、あなたは貴族の女に嫌悪感を抱いている」
「っ。何を知ってる?」
図星だったのか、アーベルトから余裕が消えた。殺気を含んだ視線を向けられて内心たじろいだが、顔には出さない。――――淑女教育を真面目に受けておいてよかった。
すぐに平常心を取り戻したティアーヌは黙ったままアーベルトを観察する。
――――怒りと殺気の向こうにあるのは……怯えね。
罪悪感を覚えたティアーヌはアーベルトから視線を逸らして口を開く。
「……あなたのこと、少しだけ調べさせてもらったの。吐き気が出るような内容だったわ」
調書に書いてあった内容は読むだけでも気分が悪くなるものだった。
孤児だったアーベルトは幼少期に貴族の養子として迎えられたが、扱いは貴族の愛玩物にすぎなかった。見目麗しく何でも言うことをきくアーベルトは公にできない欲を持て余した婦人達の恰好の餌食だったのだ。散々好きに扱われ、時には婦人が開いたサロンで複数の女性の相手をさせられたこともあったらしい。
権力を持った女性達からの寵愛はアーベルトを守ると同時に、男性達からの差別を生んだ。アーベルトは自分によってくる女性達を心の底で嫌っていながらも、彼女達に媚びを売るしかなかった。自分を守る為に。それがどれだけ屈辱的なことか……。
ティアーヌは拳を握り、アーベルトをもう一度見据える。
学園寮に入っている今は平穏な日々を送れているようだが、卒業すればおそらく……。
全てを知られてもう隠す必要はないと思ったのか、アーベルトは嫌悪感を露わにする。
「そうだよ。俺はあんたみたいな貴族の女が大っ嫌いだ。淑女のフリをしておきながら裏では人を玩具扱いして欲を貪る獣のくせに」
『淑女のフリをして』『欲を貪る』の当たりでクリーンヒットをもらったティアーヌ。
「否定は……できないわね。確かに、貴族の女性なんてろくでもない人が多いもの」
前世でも女性間の諍いはあったが、今ほどではない。談笑しながらも、互いに笑顔の裏にあるものを探り合っている。裏切りなんて日常茶飯事。そんな世界だ。
もっといえば貴族の女性だけではない。貴族の男性だってろくでもない人達が多い。もちろん、そうではない人もいるだろうが……貴族の間では浮いている存在だ。
――――やっぱり、貴族って面倒くさい。
早く庶民になりたいなーなんて考えているティアーヌにアーベルトが訝しげな視線を向ける。
「あんた……本当にあのティアーヌ?」
「ええ。本当に『あの』ティアーヌよ。」
「それにしては……なんか雰囲気が違うくない?」
「これが素なの。淑女の仮面を脱いだらこんなもんよ。そんなことより、あなたに提案があるんだけど」
「提案?」
「私を抱いてみない?」
ティアーヌの衝撃的な発言にアーベルトが固まる。次の瞬間、アーベルトは奇声をあげた。
「意味わかんないんだけど! なんでこの流れでそうなるわけ?! しかも、なんで俺があんたに抱かれないといけないんだよ!」
大声量に思わず耳を塞ぐティアーヌ。そして、慌てて訂正した。
「違うわ。私があなたを抱くんじゃなくて、あなたが私を抱くのよ」
「は? それの何が違うの?」
うっと言葉に詰まる。
夢の中では経験済みとはいえ、一応未だ処女のティアーヌ。リードを握るのはハードルが高すぎる。
それでもここで引き下がることはできない。
ティアーヌは一つ咳払いをして、やけくその勝負に出た。
おそらくアーベルトは普通の行為を経験したことはないはず。それなら、きっとこの方法が通用する。
「あなた……普通のセックスのやり方知ってるの?」
「それは……」
突然の質問に自信なさげに瞳を揺らすアーベルト。その隙を逃さず、ティアーヌはたたみかける。
「あなた好きな人いるんでしょ? その人とする時に普通のセックスを知らなかったら困るんじゃないの? 私が練習台になってあげるから試してみなさいよ」
疑わし気な視線を向けるアーベルトにティアーヌはそれらしい言い訳を述べる。
「あなたの事情を勝手に調べた罪滅ぼしだとでも思ってちょうだい」
「何それ同情ってこと? っていうか、貴族の令嬢の貞操観念どうなってるの」
「余計なお世話よ。それに、あなただって知っているでしょ? ……今更、遠慮なんてすることないわ」
「それも、そうか」
貴族令嬢の裏側をよく知っているアーベルトはすんなり納得する。何とも言えない気持ちになりながらもティアーヌは口を開いた。
「とにかく、私からは手を出さないから。アーベルトからしてみて」
ベッドの上へとあがり、アーベルトを誘う。アーベルトも素直に従い、ベッドにあがる。
そして、一瞬迷った後……ティアーヌの身体をゆっくりと押し倒した。
金色の髪がベッドへと広がるのを不思議な心地で見ていたアーベルトはティアーヌの頬に手を伸ばす。
そして、顔を近づけようとしてティアーヌの掌に止められた。
「一応、それは止めときましょ?」
あくまでこれは練習なのだという態度にアーベルトは意外そうな表情を浮かべた。
「ふーん。まあ、あんたがそれでいいなら。……それにしても、なんか変な感じ」
「何が?」
「俺、あんたに触れるのなんて絶対嫌だと思ってたんだけど……なんでだろう。リリアとは違うのに」
自分でも理解できないという顔をしておきながらアーベルトはティアーヌの頬を撫で、首筋をなぞると、そこに顔を近づけた。そして、息を吸い込む。
「うん。吐き気もしない。むしろ……」
首をぺろりと舐め上げる。ビクリとクリスティーヌの身体が震えた。
アーベルトは楽しそうにクリスティーヌの頬や首筋、手、身体の至るところに吸い付く。まるでマーキングのようだとクリスティーヌは漏れそうになる声を抑えながら思った。
「ねえ、やっぱしちゃダメ? 普通はするんでしょ? ここにもキス」
そう言って、アーベルトはティアーヌの唇に指で触れる。ティアーヌは真っ赤になった顔でアーベルトを見つめ返した。アーベルトはごくりと唾を飲み込み、熱い息を吐く。
「ダメだったら言って」
ゆっくりと顔を近づけるとティアーヌは黙ったまま目を閉じた。アーベルトの胸に喜びに似た感情が広がる。震える唇を軽く重ねる。一度口づけると止まらなくなった。何度も唇を重ね、その度にアーベルトの心の中を何かが満たした。
ティアーヌは目の前で威嚇してくるアーベルト犬を前に悩んでいた。
寝る前にアーベルトのことを思い浮かべて目を閉じたら無事夢渡りに成功した。
けれど、問題はそこから先だった。
いったいどうすればこんな敵意剥き出しの相手と事に及べるというのか。ティアーヌは無理難題を持ってきたシュベルツの顔を思いだし、苦々しい表情で舌打ちをした。
自分に対してだと思ったのか、アーベルトがビクリと身体を強張らせ睨みつけてくる。
「……はぁ。私、あなたに何かしたかしら?」
言外に『そんな態度を取られる謂れは無い』と含ませれば、アーベルトは気まずげに視線を逸らした。そして、ぽつりと零す。
「それは……あんたがリリアを苛めるから悪いんじゃん」
キッと睨み付けてくる。
そんな態度も想定内だったティアーヌは表情を変えずにジッとアーベルトを見つめる。
ティアーヌの反応は予想外だったようで、アーベルトはたじろぐ。
――――どうせ、高圧的な態度を取れば優位に立てると思ったのでしょうね。
確かに普通の令嬢ならそれだけでも怯ませることができるかもしれない。けれど、あいにくティアーヌは普通ではないのだ。
腕を組んで不敵に笑う。
「それだけではないでしょう? あなた自身が私のことを嫌っている。……もっと言えば、あなたは貴族の女に嫌悪感を抱いている」
「っ。何を知ってる?」
図星だったのか、アーベルトから余裕が消えた。殺気を含んだ視線を向けられて内心たじろいだが、顔には出さない。――――淑女教育を真面目に受けておいてよかった。
すぐに平常心を取り戻したティアーヌは黙ったままアーベルトを観察する。
――――怒りと殺気の向こうにあるのは……怯えね。
罪悪感を覚えたティアーヌはアーベルトから視線を逸らして口を開く。
「……あなたのこと、少しだけ調べさせてもらったの。吐き気が出るような内容だったわ」
調書に書いてあった内容は読むだけでも気分が悪くなるものだった。
孤児だったアーベルトは幼少期に貴族の養子として迎えられたが、扱いは貴族の愛玩物にすぎなかった。見目麗しく何でも言うことをきくアーベルトは公にできない欲を持て余した婦人達の恰好の餌食だったのだ。散々好きに扱われ、時には婦人が開いたサロンで複数の女性の相手をさせられたこともあったらしい。
権力を持った女性達からの寵愛はアーベルトを守ると同時に、男性達からの差別を生んだ。アーベルトは自分によってくる女性達を心の底で嫌っていながらも、彼女達に媚びを売るしかなかった。自分を守る為に。それがどれだけ屈辱的なことか……。
ティアーヌは拳を握り、アーベルトをもう一度見据える。
学園寮に入っている今は平穏な日々を送れているようだが、卒業すればおそらく……。
全てを知られてもう隠す必要はないと思ったのか、アーベルトは嫌悪感を露わにする。
「そうだよ。俺はあんたみたいな貴族の女が大っ嫌いだ。淑女のフリをしておきながら裏では人を玩具扱いして欲を貪る獣のくせに」
『淑女のフリをして』『欲を貪る』の当たりでクリーンヒットをもらったティアーヌ。
「否定は……できないわね。確かに、貴族の女性なんてろくでもない人が多いもの」
前世でも女性間の諍いはあったが、今ほどではない。談笑しながらも、互いに笑顔の裏にあるものを探り合っている。裏切りなんて日常茶飯事。そんな世界だ。
もっといえば貴族の女性だけではない。貴族の男性だってろくでもない人達が多い。もちろん、そうではない人もいるだろうが……貴族の間では浮いている存在だ。
――――やっぱり、貴族って面倒くさい。
早く庶民になりたいなーなんて考えているティアーヌにアーベルトが訝しげな視線を向ける。
「あんた……本当にあのティアーヌ?」
「ええ。本当に『あの』ティアーヌよ。」
「それにしては……なんか雰囲気が違うくない?」
「これが素なの。淑女の仮面を脱いだらこんなもんよ。そんなことより、あなたに提案があるんだけど」
「提案?」
「私を抱いてみない?」
ティアーヌの衝撃的な発言にアーベルトが固まる。次の瞬間、アーベルトは奇声をあげた。
「意味わかんないんだけど! なんでこの流れでそうなるわけ?! しかも、なんで俺があんたに抱かれないといけないんだよ!」
大声量に思わず耳を塞ぐティアーヌ。そして、慌てて訂正した。
「違うわ。私があなたを抱くんじゃなくて、あなたが私を抱くのよ」
「は? それの何が違うの?」
うっと言葉に詰まる。
夢の中では経験済みとはいえ、一応未だ処女のティアーヌ。リードを握るのはハードルが高すぎる。
それでもここで引き下がることはできない。
ティアーヌは一つ咳払いをして、やけくその勝負に出た。
おそらくアーベルトは普通の行為を経験したことはないはず。それなら、きっとこの方法が通用する。
「あなた……普通のセックスのやり方知ってるの?」
「それは……」
突然の質問に自信なさげに瞳を揺らすアーベルト。その隙を逃さず、ティアーヌはたたみかける。
「あなた好きな人いるんでしょ? その人とする時に普通のセックスを知らなかったら困るんじゃないの? 私が練習台になってあげるから試してみなさいよ」
疑わし気な視線を向けるアーベルトにティアーヌはそれらしい言い訳を述べる。
「あなたの事情を勝手に調べた罪滅ぼしだとでも思ってちょうだい」
「何それ同情ってこと? っていうか、貴族の令嬢の貞操観念どうなってるの」
「余計なお世話よ。それに、あなただって知っているでしょ? ……今更、遠慮なんてすることないわ」
「それも、そうか」
貴族令嬢の裏側をよく知っているアーベルトはすんなり納得する。何とも言えない気持ちになりながらもティアーヌは口を開いた。
「とにかく、私からは手を出さないから。アーベルトからしてみて」
ベッドの上へとあがり、アーベルトを誘う。アーベルトも素直に従い、ベッドにあがる。
そして、一瞬迷った後……ティアーヌの身体をゆっくりと押し倒した。
金色の髪がベッドへと広がるのを不思議な心地で見ていたアーベルトはティアーヌの頬に手を伸ばす。
そして、顔を近づけようとしてティアーヌの掌に止められた。
「一応、それは止めときましょ?」
あくまでこれは練習なのだという態度にアーベルトは意外そうな表情を浮かべた。
「ふーん。まあ、あんたがそれでいいなら。……それにしても、なんか変な感じ」
「何が?」
「俺、あんたに触れるのなんて絶対嫌だと思ってたんだけど……なんでだろう。リリアとは違うのに」
自分でも理解できないという顔をしておきながらアーベルトはティアーヌの頬を撫で、首筋をなぞると、そこに顔を近づけた。そして、息を吸い込む。
「うん。吐き気もしない。むしろ……」
首をぺろりと舐め上げる。ビクリとクリスティーヌの身体が震えた。
アーベルトは楽しそうにクリスティーヌの頬や首筋、手、身体の至るところに吸い付く。まるでマーキングのようだとクリスティーヌは漏れそうになる声を抑えながら思った。
「ねえ、やっぱしちゃダメ? 普通はするんでしょ? ここにもキス」
そう言って、アーベルトはティアーヌの唇に指で触れる。ティアーヌは真っ赤になった顔でアーベルトを見つめ返した。アーベルトはごくりと唾を飲み込み、熱い息を吐く。
「ダメだったら言って」
ゆっくりと顔を近づけるとティアーヌは黙ったまま目を閉じた。アーベルトの胸に喜びに似た感情が広がる。震える唇を軽く重ねる。一度口づけると止まらなくなった。何度も唇を重ね、その度にアーベルトの心の中を何かが満たした。
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