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七
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窓の外。小鳥が小枝にとまって気持ちよさそうに寝ている。いいなあ。今は些細なことでも羨ましく思えてくる。麗らかな天気とは裏腹に私の気分は最悪だ。
「サラ嬢、サラ嬢!」
「はい。なんでしょうか」
「そう何度も名前を呼ばなくても聞こえていますよ」という意味をこめてじっとアルベルトを見つめ返せば、アルベルトの片眉がピクリと動いた。そして、わずかに視線が逸れる。どうやら後ろめたさが全くないわけではないらしい。
アルベルトがわざとらしく咳ばらいをする。
「聞いているならいい。……君の意識が私を飛び越えて窓の外へ向けられている気がしてな」
その通りなので否定はしない。
「『彼ら』の紹介をしたいのだが」
『彼ら』とアルベルトは生徒会メンバーを示した。つられてサラも『彼ら』を見る。
とはいえ、わざわざ紹介してもらわなくても私は『彼ら』のことを知っている。
左から順に、副会長のパオロ・ベルトリーニ、会計のロベルト・カッラーラ、同じく会計のクララ・コスタ、そして会長のアルベルト・ダミラノ。
前任の『クイーン』ミレーナ・アンブロジーニとアルベルトの元婚約者ラウラ・ドルレアンを加えた六名が原作に出てくる生徒会メンバーだ。
まあ、この学園に通っている以上、原作を知らなかったとしても有名な彼らのことを知らないということは無かっただろうが。
生徒会メンバーの紹介が終わり、今度はサラが口を開く。
「サラ・ユアントレーナです。よろしくお願いします先輩方」
一度頭を下げ、すぐに戻す。そして、全員と視線を合わせるように順に見た。
この人数で今まで生徒会が回っていたということは皆優秀なのだろう……が、まだまだ青い。表情から感情が透けて見えている。私に対する警戒心が隠しきれていない。ロベルトに至っては駄々漏れだ。
まあ、このタイミングで入るなんて明らかに怪しいのだからそれも仕方ないと思う。
せめて『クイーン』発表の後にしてくれたら……とジト目をアルベルトに向けた。
アルベルトが仕方ないだろうという表情を浮かべ、くいっと顎をしゃくる。
サラはちらりと作業机に視線を向けた。小山程度の山がいくつも築き上げられている。よくよく見れば全員顔色が悪い。少数精鋭のデメリットか。
――――これはさすがに……仕方ない、か。
諦めて受け入れた様子のサラを見てアルベルトは再び口を開いた。
「サラ嬢はまだ一年生だが、以前から私が目をつけていた逸材だ。即戦力になってくれるだろう。……それと、まだ公にはできない話だが、次の『クイーン』でもある」
全員の目が見開かれ、サラに視線が集まる。一瞬サラはたじろいだ。
――――落ち着け自分。これに慣れないとこの先やっていけない。正式に発表されたらこの比じゃなくなるんだから。
すぐに平常心を取り戻したサラ。
一方生徒会の面々。パオロはいち早く冷静さを取り戻した。どこか、納得した様子だ。
ロベルトはなぜか救いを求めるようにアルベルトに視線を向け……そして傷ついたように視線を逸らすと下唇を噛んで俯いた。
現状紅一点のクララはと言えば、
「そう、あなたが……よろしくね」
と微笑みサラに握手を求めてきた。繕っている様子はない。むしろ、友好的な空気を感じる。
サラは内心戸惑いながらも差し出された手を握り返した。
「こちらこそ、よろしくお願いします。クララ先輩」
「ええ」
窓の隙間から入ってきた風がクララの短めのくすんだ銀髪をふわりと遊ばせる。一瞬、サラは目の前の光景に見惚れた。
中性的で整った顔立ちのクララが微笑む様はまるで一枚の絵画のようだった。
クララの手がするりと離れる。サラはハッと我に返った。内心焦りながら、素知らぬ顔でアルベルトに視線を向ける。
「アルベルト様。私は何をすればいいでしょうか?」
――――危ない。何だかよくわからないけど、危なかった。
王太子でもあり生徒会長でもあるアルベルトにこんなことを思うのは不敬かもしれないが……まだアルベルトを見ている方が落ち着く。
「そうだな。……コレを頼む」
そう言って渡されたのは小山の内の一つ。サラは受けると、空いた席へと移動した。
ざっと書類に目を通して、三つに分ける。取り急ぎの分と、できればはやく終わらせた方がいい分と、後回しにしてもいい分。ざっと分け終えると、今度は必要となる資料を手元に集めた。一通りの準備を終え、ようやくサラは仕事に取りかかる。サラとしては前世の現役時代の要領で仕事を処理しているのだが、学生の身である彼らにとっては驚くべき光景だったらしい。
他のメンバー達は己の仕事の手を止め、驚いた顔でサラの仕事振りを見ていた。その間にもサラの手は動き続けている。おもむろにサラが立ち上がった。
「アルベルト様。これ、確認お願いします」
「もうできたのか?」
「いえ、まだです。数点生徒会長の確認が必要な欄がありましたので」
アルベルトは渡された資料に目を通す。確かにサラの言う通り書類には生徒会長の確認が必要な欄が載っていた。しかし、アルベルトが驚いたのはその欄に付箋が貼ってあったことだ。王太子としての仕事で同じような状態になった書類が回ってきたことはあるが、生徒会では一度もなかった。別にそれでも問題はない。ないのだが、どうして一介の令嬢であるサラがこのようなやり方を当たり前のようにしているのか……とアルベルトが顔を上げた時にはサラはすでに席に戻って次の書類に取りかかっていた。
アルベルトの口角が微かに上がる。
「想像以上だな」
満足気なアルベルトのつぶやきを拾った全員の手が再び動き始めた。先輩として、後輩に負けるわけにはいかないと黙々と仕事を処理していく。溜まっていた仕事はあっという間に片付いた。
「今日はここまでにしよう。追加分は明日だ。皆、しっかり休んでくれ」
「はい」と各々嬉しそうに声を上げる。そんな中、さっさと席を立って帰ろうとしているサラをアルベルトは呼び止めた。
「なんでしょう?」
「そんなに構えなくていい。今日はサラ嬢のおかげで助かった。ありがとう」
「いえ……そんなことは」
「謙遜は必要ない。今日だけでもサラ嬢が優秀だということは充分わかった」
「ありがとうございます」
「それで……次回からはラウラ嬢がしていた仕事もサラ嬢に回したいのだが、いいだろうか?」
サラの眉間に皺が寄る。嫌に決まっている。今日のような仕事内容ならいいが、副会長の仕事を他の先輩を差し置いてサラがするのは色んな意味で避けたい。
「お手伝いならします。ですが、私には荷が重いです」
「ほう? だが、残念ながら副会長の仕事をこなせるのはこの中では私かパオロだけだ。私達以外で任せられるのはサラ嬢しかいない」
じっと見つめ合う二人。しばらくしてサラは深く息を吐き出した。
「わかりました。ただし、一つ条件があります」
「なんだ?」
「ファビオを生徒会にいれてください」
「なに?」
ピクリとアルベルトの眉が上がる。声を上げたのはロベルト。
「ファビオってあのファビオ・ペトルッチのこと?! 家柄はともかく生徒会にいれるには素行が悪すぎだよ! 授業中に寝るのは当たり前、運動の時間は毎回サボっているって僕らの耳にも届いているくらい有名なんだから!」
ロベルトの顔には嫌悪感が滲んでいる。パオロの顔もあまり乗り気ではなさそうだ。難しい顔で思案しているアルベルト。この流れはよくない。なんとか弁明しなければとサラが口を開こうとしたタイミングでクララが片手を上げた。
「私も概ね反対です……が、その方がサラ様のナイトなら話は別です」
皆口を閉じる。今だ!とサラは口を開いた。
「クララ先輩の言う通り、ファビオはナイトです。なので私は彼にできるだけ傍にいてもらいたいんです。もし、ヒートが起きても彼が傍にいれば大丈夫ですから。仕事については……ああ見えてやればできるこなんで大丈夫です。多分」
本当に?と疑いの目は向けられるが、誰一人反対する気配はない。ナイト効果だ。ロベルトなんて、あからさまにホッとした顔で「な、ナイトなら仕方ないよね」うんうんと頷いている。
アルベルトははぁと溜息を吐いた後、
「だからといって特別待遇はしないぞ。雑用係分くらいは働いてもらわないと困る」
と言った。
「もちろんです。存分にこき使ってください」
即答するサラ。
今度こそ生徒会室を出たサラはファビオの元へと向かう。指輪のおかげでファビオがどこにいるかすぐにわかった。
――――勝手に言っちゃったけど……大丈夫だよね。
そんなことを考えているとちょうど図書館からファビオが出てきた。驚いていないところをみるとファビオも同じように気づいて出てきたんだろう。
「おまたせ。帰ろう」
「ああ」
馬車に乗り込み、さっそくファビオに生徒会入りについて説明する。ファビオは渡された紙に目を通した後無言になった。
サラとしてはすっかりその気だったが、念のためアルベルトに待ってもらって正解だったかもしれない。
段々、不安になってきた。
「む、無理なら無理って言っていいよ」
サラが恐る恐る言うと、ファビオが顔を上げた。
「いや、無理じゃない。ただ……ちょっと戸惑っただけだ。まさか、俺が生徒会に入る日がくるなんて思ってなかったからな」
「勝手に話を進めちゃってごめんね。でも……私が頼れるのはファビオだけだから」
「いや、いい。むしろそれで他の奴の名前出されたらそっちの方が俺は嫌だわ」
ファビオのさりげない一言にサラの頬が染まる。
「そ、そっか。あ、でも、仕事もちゃんとしてね! ……簡単な書類整理や雑用係くらいならできるでしょ?」
「ああ。それくらいなら俺でもできるな」
「ははっ」とファビオが笑うとサラも「でしょ?」と微笑んだ。
「サラ嬢、サラ嬢!」
「はい。なんでしょうか」
「そう何度も名前を呼ばなくても聞こえていますよ」という意味をこめてじっとアルベルトを見つめ返せば、アルベルトの片眉がピクリと動いた。そして、わずかに視線が逸れる。どうやら後ろめたさが全くないわけではないらしい。
アルベルトがわざとらしく咳ばらいをする。
「聞いているならいい。……君の意識が私を飛び越えて窓の外へ向けられている気がしてな」
その通りなので否定はしない。
「『彼ら』の紹介をしたいのだが」
『彼ら』とアルベルトは生徒会メンバーを示した。つられてサラも『彼ら』を見る。
とはいえ、わざわざ紹介してもらわなくても私は『彼ら』のことを知っている。
左から順に、副会長のパオロ・ベルトリーニ、会計のロベルト・カッラーラ、同じく会計のクララ・コスタ、そして会長のアルベルト・ダミラノ。
前任の『クイーン』ミレーナ・アンブロジーニとアルベルトの元婚約者ラウラ・ドルレアンを加えた六名が原作に出てくる生徒会メンバーだ。
まあ、この学園に通っている以上、原作を知らなかったとしても有名な彼らのことを知らないということは無かっただろうが。
生徒会メンバーの紹介が終わり、今度はサラが口を開く。
「サラ・ユアントレーナです。よろしくお願いします先輩方」
一度頭を下げ、すぐに戻す。そして、全員と視線を合わせるように順に見た。
この人数で今まで生徒会が回っていたということは皆優秀なのだろう……が、まだまだ青い。表情から感情が透けて見えている。私に対する警戒心が隠しきれていない。ロベルトに至っては駄々漏れだ。
まあ、このタイミングで入るなんて明らかに怪しいのだからそれも仕方ないと思う。
せめて『クイーン』発表の後にしてくれたら……とジト目をアルベルトに向けた。
アルベルトが仕方ないだろうという表情を浮かべ、くいっと顎をしゃくる。
サラはちらりと作業机に視線を向けた。小山程度の山がいくつも築き上げられている。よくよく見れば全員顔色が悪い。少数精鋭のデメリットか。
――――これはさすがに……仕方ない、か。
諦めて受け入れた様子のサラを見てアルベルトは再び口を開いた。
「サラ嬢はまだ一年生だが、以前から私が目をつけていた逸材だ。即戦力になってくれるだろう。……それと、まだ公にはできない話だが、次の『クイーン』でもある」
全員の目が見開かれ、サラに視線が集まる。一瞬サラはたじろいだ。
――――落ち着け自分。これに慣れないとこの先やっていけない。正式に発表されたらこの比じゃなくなるんだから。
すぐに平常心を取り戻したサラ。
一方生徒会の面々。パオロはいち早く冷静さを取り戻した。どこか、納得した様子だ。
ロベルトはなぜか救いを求めるようにアルベルトに視線を向け……そして傷ついたように視線を逸らすと下唇を噛んで俯いた。
現状紅一点のクララはと言えば、
「そう、あなたが……よろしくね」
と微笑みサラに握手を求めてきた。繕っている様子はない。むしろ、友好的な空気を感じる。
サラは内心戸惑いながらも差し出された手を握り返した。
「こちらこそ、よろしくお願いします。クララ先輩」
「ええ」
窓の隙間から入ってきた風がクララの短めのくすんだ銀髪をふわりと遊ばせる。一瞬、サラは目の前の光景に見惚れた。
中性的で整った顔立ちのクララが微笑む様はまるで一枚の絵画のようだった。
クララの手がするりと離れる。サラはハッと我に返った。内心焦りながら、素知らぬ顔でアルベルトに視線を向ける。
「アルベルト様。私は何をすればいいでしょうか?」
――――危ない。何だかよくわからないけど、危なかった。
王太子でもあり生徒会長でもあるアルベルトにこんなことを思うのは不敬かもしれないが……まだアルベルトを見ている方が落ち着く。
「そうだな。……コレを頼む」
そう言って渡されたのは小山の内の一つ。サラは受けると、空いた席へと移動した。
ざっと書類に目を通して、三つに分ける。取り急ぎの分と、できればはやく終わらせた方がいい分と、後回しにしてもいい分。ざっと分け終えると、今度は必要となる資料を手元に集めた。一通りの準備を終え、ようやくサラは仕事に取りかかる。サラとしては前世の現役時代の要領で仕事を処理しているのだが、学生の身である彼らにとっては驚くべき光景だったらしい。
他のメンバー達は己の仕事の手を止め、驚いた顔でサラの仕事振りを見ていた。その間にもサラの手は動き続けている。おもむろにサラが立ち上がった。
「アルベルト様。これ、確認お願いします」
「もうできたのか?」
「いえ、まだです。数点生徒会長の確認が必要な欄がありましたので」
アルベルトは渡された資料に目を通す。確かにサラの言う通り書類には生徒会長の確認が必要な欄が載っていた。しかし、アルベルトが驚いたのはその欄に付箋が貼ってあったことだ。王太子としての仕事で同じような状態になった書類が回ってきたことはあるが、生徒会では一度もなかった。別にそれでも問題はない。ないのだが、どうして一介の令嬢であるサラがこのようなやり方を当たり前のようにしているのか……とアルベルトが顔を上げた時にはサラはすでに席に戻って次の書類に取りかかっていた。
アルベルトの口角が微かに上がる。
「想像以上だな」
満足気なアルベルトのつぶやきを拾った全員の手が再び動き始めた。先輩として、後輩に負けるわけにはいかないと黙々と仕事を処理していく。溜まっていた仕事はあっという間に片付いた。
「今日はここまでにしよう。追加分は明日だ。皆、しっかり休んでくれ」
「はい」と各々嬉しそうに声を上げる。そんな中、さっさと席を立って帰ろうとしているサラをアルベルトは呼び止めた。
「なんでしょう?」
「そんなに構えなくていい。今日はサラ嬢のおかげで助かった。ありがとう」
「いえ……そんなことは」
「謙遜は必要ない。今日だけでもサラ嬢が優秀だということは充分わかった」
「ありがとうございます」
「それで……次回からはラウラ嬢がしていた仕事もサラ嬢に回したいのだが、いいだろうか?」
サラの眉間に皺が寄る。嫌に決まっている。今日のような仕事内容ならいいが、副会長の仕事を他の先輩を差し置いてサラがするのは色んな意味で避けたい。
「お手伝いならします。ですが、私には荷が重いです」
「ほう? だが、残念ながら副会長の仕事をこなせるのはこの中では私かパオロだけだ。私達以外で任せられるのはサラ嬢しかいない」
じっと見つめ合う二人。しばらくしてサラは深く息を吐き出した。
「わかりました。ただし、一つ条件があります」
「なんだ?」
「ファビオを生徒会にいれてください」
「なに?」
ピクリとアルベルトの眉が上がる。声を上げたのはロベルト。
「ファビオってあのファビオ・ペトルッチのこと?! 家柄はともかく生徒会にいれるには素行が悪すぎだよ! 授業中に寝るのは当たり前、運動の時間は毎回サボっているって僕らの耳にも届いているくらい有名なんだから!」
ロベルトの顔には嫌悪感が滲んでいる。パオロの顔もあまり乗り気ではなさそうだ。難しい顔で思案しているアルベルト。この流れはよくない。なんとか弁明しなければとサラが口を開こうとしたタイミングでクララが片手を上げた。
「私も概ね反対です……が、その方がサラ様のナイトなら話は別です」
皆口を閉じる。今だ!とサラは口を開いた。
「クララ先輩の言う通り、ファビオはナイトです。なので私は彼にできるだけ傍にいてもらいたいんです。もし、ヒートが起きても彼が傍にいれば大丈夫ですから。仕事については……ああ見えてやればできるこなんで大丈夫です。多分」
本当に?と疑いの目は向けられるが、誰一人反対する気配はない。ナイト効果だ。ロベルトなんて、あからさまにホッとした顔で「な、ナイトなら仕方ないよね」うんうんと頷いている。
アルベルトははぁと溜息を吐いた後、
「だからといって特別待遇はしないぞ。雑用係分くらいは働いてもらわないと困る」
と言った。
「もちろんです。存分にこき使ってください」
即答するサラ。
今度こそ生徒会室を出たサラはファビオの元へと向かう。指輪のおかげでファビオがどこにいるかすぐにわかった。
――――勝手に言っちゃったけど……大丈夫だよね。
そんなことを考えているとちょうど図書館からファビオが出てきた。驚いていないところをみるとファビオも同じように気づいて出てきたんだろう。
「おまたせ。帰ろう」
「ああ」
馬車に乗り込み、さっそくファビオに生徒会入りについて説明する。ファビオは渡された紙に目を通した後無言になった。
サラとしてはすっかりその気だったが、念のためアルベルトに待ってもらって正解だったかもしれない。
段々、不安になってきた。
「む、無理なら無理って言っていいよ」
サラが恐る恐る言うと、ファビオが顔を上げた。
「いや、無理じゃない。ただ……ちょっと戸惑っただけだ。まさか、俺が生徒会に入る日がくるなんて思ってなかったからな」
「勝手に話を進めちゃってごめんね。でも……私が頼れるのはファビオだけだから」
「いや、いい。むしろそれで他の奴の名前出されたらそっちの方が俺は嫌だわ」
ファビオのさりげない一言にサラの頬が染まる。
「そ、そっか。あ、でも、仕事もちゃんとしてね! ……簡単な書類整理や雑用係くらいならできるでしょ?」
「ああ。それくらいなら俺でもできるな」
「ははっ」とファビオが笑うとサラも「でしょ?」と微笑んだ。
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