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おはよう
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「京平!まだ寝てたのかよ~。早く起きろって!」
寝汚い幼馴染は俺の声を聞いてうう~んなんて
起きる気なんて全くなさそうな声を上げて、すぽっと布団の中に潜ってしまう。
これが毎朝、かれこれ15年以上の関係になる俺たちの朝の恒例行事だ。
この後絶対俺に叩き起こされるって分かってるだろうに
毎回同じことをするなんて、ほんと頭は良いはずなのに行動は馬鹿としか言いようがないな…
「お~き~ろ~って!俺も遅刻するだろ!」
「まだ寝足りないだっつの…あと5分抱き枕にでもなってろって…」
無駄に逞しい腕をいつの間にか俺の頭の後ろに巻き付け
布団の中に引き込まれ、抱き込まれる。
あったけぇ…冷たそうな見た目してんのに子供体温だからな、こいつ。マジで俺まで眠くなってくる…
ってダメだろ!すでに遅刻ギリギリなんだから!
駄々を捏ねる京平をなんとか布団の中から引っ張り出し
用意していた朝食を口に入れてやる。
放っておいたらどこでも寝る京平は、
朝ごはんも口に入れてやらないと自分からは食べない。
その癖次はあれ食べたいだの、これは嫌いだのと口うるさい。
「美沙?おいってば。次はサラダ食いたいの俺は。」
無防備に口を開けつつ、待ちの姿勢。
この感じが我儘で綺麗な猫みたいで憎めないんだよな…昔から。
そっとサラダを摘んで口に入れてやると
満足そうな顔を見せてフニャッと笑う。
どれだけ図体がデカくなろうともこの表情は変わらない。
この顔に弱くて俺は言われるがままにこいつの面倒を見ている気がする。
そっと頭を撫でてやってから
歯ブラシを渡す。
「自分じゃいやだ。磨けって」
それが人にモノを頼む態度なのか?
仕方なく口に突っ込んでやって
奥歯から順に磨いてやる。
「お前そんなんだと彼女出来たら呆れられるぞ。」
「女にこんなこと頼まない。」
確かに警戒心の塊みたいなこいつが俺以外にこんなことを頼んでいる図は思いつかない。
「俺が彼女出来たらどうすんだお前?」
「作る必要ないだろ?」
当たり前のように答えになってない事を返される始末。
当分彼女は無理だな…というか俺ってこいつのオカンだと思われてて女の子に男扱いされてないし。
はあ~とでかいため息を吐くと
「そんなため息ついてると幸せ逃げるぞ。俺が代わりに吸ってやる。」
なんてばかなことを言いながら、顔を近づけあと数センチの距離まで迫ってくる。
ああもうめんどくさい。何もかもが。
俺の心が読めたのか、ニンマリ笑いながらキスをしてくるこの馬鹿。
あれだな、飼い猫に舐められたってことにしとこう。
さよなら俺の初キッス…
「なあ…いつになったら手がかからなくなるんだ?」
「そんなの一生に決まってるだろ?」
はあ…こいつが隣にいる限り
俺に春は程遠そうだな。
・・・・・・・・
抜けてるアイツは今日が初キスだと思ってるだろうけど
生まれた時から一緒にいて15年も待てるわけないだろ?
これまで数え切れないキスを寝ているお前にやってきた。
まあ1回目も2回目も、これから先ずっと
俺以外選択肢ないけどな?
寝汚い幼馴染は俺の声を聞いてうう~んなんて
起きる気なんて全くなさそうな声を上げて、すぽっと布団の中に潜ってしまう。
これが毎朝、かれこれ15年以上の関係になる俺たちの朝の恒例行事だ。
この後絶対俺に叩き起こされるって分かってるだろうに
毎回同じことをするなんて、ほんと頭は良いはずなのに行動は馬鹿としか言いようがないな…
「お~き~ろ~って!俺も遅刻するだろ!」
「まだ寝足りないだっつの…あと5分抱き枕にでもなってろって…」
無駄に逞しい腕をいつの間にか俺の頭の後ろに巻き付け
布団の中に引き込まれ、抱き込まれる。
あったけぇ…冷たそうな見た目してんのに子供体温だからな、こいつ。マジで俺まで眠くなってくる…
ってダメだろ!すでに遅刻ギリギリなんだから!
駄々を捏ねる京平をなんとか布団の中から引っ張り出し
用意していた朝食を口に入れてやる。
放っておいたらどこでも寝る京平は、
朝ごはんも口に入れてやらないと自分からは食べない。
その癖次はあれ食べたいだの、これは嫌いだのと口うるさい。
「美沙?おいってば。次はサラダ食いたいの俺は。」
無防備に口を開けつつ、待ちの姿勢。
この感じが我儘で綺麗な猫みたいで憎めないんだよな…昔から。
そっとサラダを摘んで口に入れてやると
満足そうな顔を見せてフニャッと笑う。
どれだけ図体がデカくなろうともこの表情は変わらない。
この顔に弱くて俺は言われるがままにこいつの面倒を見ている気がする。
そっと頭を撫でてやってから
歯ブラシを渡す。
「自分じゃいやだ。磨けって」
それが人にモノを頼む態度なのか?
仕方なく口に突っ込んでやって
奥歯から順に磨いてやる。
「お前そんなんだと彼女出来たら呆れられるぞ。」
「女にこんなこと頼まない。」
確かに警戒心の塊みたいなこいつが俺以外にこんなことを頼んでいる図は思いつかない。
「俺が彼女出来たらどうすんだお前?」
「作る必要ないだろ?」
当たり前のように答えになってない事を返される始末。
当分彼女は無理だな…というか俺ってこいつのオカンだと思われてて女の子に男扱いされてないし。
はあ~とでかいため息を吐くと
「そんなため息ついてると幸せ逃げるぞ。俺が代わりに吸ってやる。」
なんてばかなことを言いながら、顔を近づけあと数センチの距離まで迫ってくる。
ああもうめんどくさい。何もかもが。
俺の心が読めたのか、ニンマリ笑いながらキスをしてくるこの馬鹿。
あれだな、飼い猫に舐められたってことにしとこう。
さよなら俺の初キッス…
「なあ…いつになったら手がかからなくなるんだ?」
「そんなの一生に決まってるだろ?」
はあ…こいつが隣にいる限り
俺に春は程遠そうだな。
・・・・・・・・
抜けてるアイツは今日が初キスだと思ってるだろうけど
生まれた時から一緒にいて15年も待てるわけないだろ?
これまで数え切れないキスを寝ているお前にやってきた。
まあ1回目も2回目も、これから先ずっと
俺以外選択肢ないけどな?
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