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前世 生い立ち②
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下賤の血が流れているから少しでもましになるようにと厳しい教育を施された。この家に来てすぐに礼儀作法、日本舞踊などを学ばされた。出来ない時には容赦なく、体罰が行われた。
私は病弱だったことにされて、幼稚園には通えなかったということにされた。そしてその通う予定だったという幼稚園から大学までのエスカレーター式の小学校を受験させられ、入学した。
家には父の弟と妹もいた。私にとっては叔父と叔母にあたる。彼らがいるなら私はいらないではないかと思ったが、叔父は無精子症で子供が出来ないらしく、叔母は父が亡くなった事故の際、同乗していてその時の怪我が原因で子供が産めなくなったという。
食事は私だけは別で一緒に取ることはなかった。母親似の私の顔を見ると食欲が失せるそうで食事は部屋に運ばれ、1人で食べていた。
叔父にとっては私は姪なのにニヤニヤと嫌な視線を度々されたし、不用意に触って来ることが多かった。そのせいで叔母からは色目を使っているとかさすがはあの女の子供ねと言われ目の敵にされた。手を上げられることもよくあった。
学校では友達がいなかった。エスカレーター式の学校のためある程度グループがすでに出来上がっていたことや私自身、今までろくな人間関係を築けなかったため、人との接し方がわからず作れなかった。
小学校なら中学まではろくに人付き合いが出来ず、図書室あるラノベのような小説を読むのが唯一の息抜きだった。小説の中なら自分ではない自分になれたりしたし、不遇の主人公が状況を打破する様子に励まされたりもした。
高校になると外部からの入学者も増えて、私に話しかけてくれる人もちらほら現れて、私もせっかくのチャンスだから仲良くなれるように努めた。その中でも特に優しくしてくれた男子がいたが、彼は女子からの人気が高く、女子からのねたみを買ってしまい、せっかく話しかけてくれた子達にも遠巻きにされてしまった。
女子からの嫉妬は怖かったが、人生でほとんど初めてと言っていいくらいに、人に優しされたせいで、私は彼に惹かれ始めしまっていた。彼なら私の話を聞いて寄り添ってくれるのではないかなんて単純に考えてしまった。
そんな時、教室に忘れ物を取りに戻ろうと扉に手をかけようとしたら彼が友人達と話しているが聞こえ、立ち止まった。すると彼の本音が聞こえてきた。曰く惚れさせるゲームだったと。そして惚れさせてあわよくば婿入りしようと企んでいたという。
私は静かに立ち去った。
知ってしまった事実に私の初恋のようなものは形を作る前に無惨に消えていった。
私は彼から距離を取ろうとしたが、あの話を聞かれているとも思っていない彼はその後も何かとわたしに優しくしてくれた。
私は病弱だったことにされて、幼稚園には通えなかったということにされた。そしてその通う予定だったという幼稚園から大学までのエスカレーター式の小学校を受験させられ、入学した。
家には父の弟と妹もいた。私にとっては叔父と叔母にあたる。彼らがいるなら私はいらないではないかと思ったが、叔父は無精子症で子供が出来ないらしく、叔母は父が亡くなった事故の際、同乗していてその時の怪我が原因で子供が産めなくなったという。
食事は私だけは別で一緒に取ることはなかった。母親似の私の顔を見ると食欲が失せるそうで食事は部屋に運ばれ、1人で食べていた。
叔父にとっては私は姪なのにニヤニヤと嫌な視線を度々されたし、不用意に触って来ることが多かった。そのせいで叔母からは色目を使っているとかさすがはあの女の子供ねと言われ目の敵にされた。手を上げられることもよくあった。
学校では友達がいなかった。エスカレーター式の学校のためある程度グループがすでに出来上がっていたことや私自身、今までろくな人間関係を築けなかったため、人との接し方がわからず作れなかった。
小学校なら中学まではろくに人付き合いが出来ず、図書室あるラノベのような小説を読むのが唯一の息抜きだった。小説の中なら自分ではない自分になれたりしたし、不遇の主人公が状況を打破する様子に励まされたりもした。
高校になると外部からの入学者も増えて、私に話しかけてくれる人もちらほら現れて、私もせっかくのチャンスだから仲良くなれるように努めた。その中でも特に優しくしてくれた男子がいたが、彼は女子からの人気が高く、女子からのねたみを買ってしまい、せっかく話しかけてくれた子達にも遠巻きにされてしまった。
女子からの嫉妬は怖かったが、人生でほとんど初めてと言っていいくらいに、人に優しされたせいで、私は彼に惹かれ始めしまっていた。彼なら私の話を聞いて寄り添ってくれるのではないかなんて単純に考えてしまった。
そんな時、教室に忘れ物を取りに戻ろうと扉に手をかけようとしたら彼が友人達と話しているが聞こえ、立ち止まった。すると彼の本音が聞こえてきた。曰く惚れさせるゲームだったと。そして惚れさせてあわよくば婿入りしようと企んでいたという。
私は静かに立ち去った。
知ってしまった事実に私の初恋のようなものは形を作る前に無惨に消えていった。
私は彼から距離を取ろうとしたが、あの話を聞かれているとも思っていない彼はその後も何かとわたしに優しくしてくれた。
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