4 / 39
0-4
しおりを挟む急いでタクシーを拾って、乗ってる間にスマホで検索をした。すると昨日の出来事がSNSでつぶやかれていた。それにいわゆる特定班によって、氏名、年齢、住所、勤めている会社が晒されていた。
そしてさらにどうやって調べたのか、俺が施設であることまで突き止められ、幼少期の事件まで晒されていた。
呆然とスマホを見つめていたら、タクシーの運転手にお客さん着きましたよと声をかけられてハッとした。お釣りはいりませんと言って料金を支払い、急いで自宅に入った。
それから近所の法律事務所を中心に調べ、片っ端から電話をかけて昨日の出来事を説明し、冤罪を晴らして欲しいと頼んだが、どこの事務所も断られた。話を信じてもらえなかったり、お金にならない弁護は引き受けないと言われた。
そして何時間経ったのか、何十件、電話をかけたか分からないなかようやく、実際に会って話しをしたいと言ってくれる事務所があった。すぐにでも大丈夫と言われたので、俺は急いでその事務所を訪ねることにした。
そうして会った弁護士の先生は実際に俺と会って話したことで真剣さが伝わった様で信じてくれた。そして親身になって話を聞いてくれた。それで今後の対策を立てていきましょうということになり、今日はとりあえず、帰ることになった。
弁護士の先生に相談できた事もあり、ようやく少し心の余裕が出来て、弁護士事務所からの帰り際、彼女にメッセージを入れた。俺はやっていないら、どうか俺を信じて欲しいと。
自宅に帰ると、『変態』、『犯罪者』、『出て行け』など貼り紙や落書きがされていた。それを見た瞬間、怒りや悲しさが込み上げて来た。このままではいられないので黙々と貼り紙を剥がし、落書きを、消しているとなんだか虚しくなって来た。
そこへ同じアパートに住む大家さんに「こういうことは困るんですよ。今後もこんな事が続く様であれば、出て行ってもらいますよ」と言われた。そして立ち去りながらぼそっと「やっぱり施設出身者なんて入居させなきゃよかった」と聞こえて来た。
俺がここに住むきっかけは施設の人からの紹介でだった。だから大家さんも俺が施設出身だと知っていた。入居した当時は、あんなに親身になってくれて、その後も何かと気にかけてくれていたのにと思った。
どうしてこんなことになったのか……。
そんな思いを抱えながら夜が更けていった。
27
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
異世界転生した俺の婚約相手が、王太子殿下(♂)なんて嘘だろう?! 〜全力で婚約破棄を目指した結果。
みこと。
BL
気づいたら、知らないイケメンから心配されていた──。
事故から目覚めた俺は、なんと侯爵家の次男に異世界転生していた。
婚約者がいると聞き喜んだら、相手は王太子殿下だという。
いくら同性婚ありの国とはいえ、なんでどうしてそうなってんの? このままじゃ俺が嫁入りすることに?
速やかな婚約解消を目指し、可愛い女の子を求めたのに、ご令嬢から貰ったクッキーは仕込みありで、とんでも案件を引き起こす!
てんやわんやな未来や、いかに!?
明るく仕上げた短編です。気軽に楽しんで貰えたら嬉しいです♪
※同タイトルの簡易版を「小説家になろう」様でも掲載しています。

前世である母国の召喚に巻き込まれた俺
るい
BL
国の為に戦い、親友と言える者の前で死んだ前世の記憶があった俺は今世で今日も可愛い女の子を口説いていた。しかし何故か気が付けば、前世の母国にその女の子と召喚される。久しぶりの母国に驚くもどうやら俺はお呼びでない者のようで扱いに困った国の者は騎士の方へ面倒を投げた。俺は思った。そう、前世の職場に俺は舞い戻っている。


BLゲームのモブに転生したので壁になろうと思います
雪
BL
前世の記憶を持ったまま異世界に転生!
しかも転生先が前世で死ぬ直前に買ったBLゲームの世界で....!?
モブだったので安心して壁になろうとしたのだが....?
ゆっくり更新です。

悪役のはずだった二人の十年間
海野璃音
BL
第三王子の誕生会に呼ばれた主人公。そこで自分が悪役モブであることに気づく。そして、目の前に居る第三王子がラスボス系な悪役である事も。
破滅はいやだと謙虚に生きる主人公とそんな主人公に執着する第三王子の十年間。
※ムーンライトノベルズにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる