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アナザールート その75 躾 その2 マゾイキ
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ふと我に返った時、僕は鎖の拘束を解かれ、ベッドにうつ伏せに横たえられた。
「う・・・はぁ・・・ぁ・・・」
ベッドに口元を押し付けられた姿勢の息苦しさに、無意識に顔を横向きにすると、ベッドの横に立ち僕を見下ろすご主人様の姿の、ちょうど腰のあたりが目に入った。
ご主人様がまとったハイブランドの服越しでもはっきりわかる程にペニスが熱く脈打ち、雄々しく立ち上がっているのがわかる。
ああ、まだ何も終わってはいないんだ。
何もかもが始まったばかりなんだ・・・絶望感が僕の中を満たしてゆく。
あれで身体の最奥を穿たれ、ご主人様が満足するまで胎内に熱い精を受け止め続けるまで、この快感の無限地獄は終わらない。
だけど、その遥か手前で、身体をいいように弄ばれただけで、僕の体力は消耗し尽くし、息も絶え絶えになって、ろくに身体も動かせなくなっている。
僕は・・・どうなるんだろう・・・
ご主人様がしゃがみ込み、僕に目線を合わせて口を開く。
「自分がどうしようもないマゾで、生まれつきの変態だってわかったか?時雨」
「僕は・・・マゾで・・・ヘンタ・・・イ・・・」
酸欠と強烈すぎる快感の余韻で、朦朧とした意識の中、僕は無意識にご主人様の言葉を繰り返す。
「そうだ、心の奥では虐めらるれことを望んでいる、ど変態のマゾヒスト・・・それがお前なんだよ。
お前は“媚薬を飲まされたんだか仕方がない”って言い訳を与えられて、マゾの本性を剥き出しにして気持ち良くなっていただけなのさ。」
「ぅ・・・」
一言も言い返すことが出来なかった。
本当はわかっていた。
自分が変態であることを。
僕の初めてはミカさんの罠に絡め取られてのレイプと調教だった。
それなのに、僕は不思議なほどにミカさんを好きになり、セックスで支配されることを受け入れた。
それからの僕にとっては、ミカさんが与えてくれる快感も痛みも幸せなものだった。
何故なら、ミカさんが僕を虐めてくれるその時間は、ミカさんが僕だけを見て、思って、愛してくれる時間だったのだから。
だけど、調教・・・と称して被虐的快感を与えられ続ける日々は、僕のマゾヒステックな本性を次第に開花させてゆく。
愛しているから虐められることも幸せ・・・から、虐められることが快感になってゆく。
その結果、義父に、ミカさんの彼氏さんにレイプされた時も、圧倒的な力に支配される被虐感に押し流され、僕は容易く絶頂に押し上げられていった。
挙げ句の果てには、あの優しい織田さんまで、僕を虐めるように誘導する始末だ。
本当の僕は救いようのない変態で・・・マゾヒストで・・・
そして、それをご主人様に見透かされて、いいように弄ばれた。
誰にも知られたくない秘密を暴かれた羞恥と屈辱に、心の何かが砕け、そしてその欠片が涙になって両目から溢れだす。
「うっ・・・ううぅっ・・・うぇ・・・ェ・・・ぅっ・・・ェえっ・・・え・・・」
死にたくなるほどの恥ずかしさと悔しさで、涙と一緒に泣き声が嗚咽となって溢れ出す。
そんな泣き顔を見られたくなくて、僕は顔をベッドに押し付け、両手のひらでシーツを握り締めて声を殺して泣く。
細い肩が、薄い背中が、漏れ出る嗚咽に合わせて震える。
泣き顔は隠せても、そんな嗚咽と震えを止めることが出来なかった。
その時だ
うつ伏せの姿勢で丸出しになったままのお尻に、生暖かくて、トロリとした何かが垂らされる。
振り返って確認するまでもない。
男の人を身体の中に受け入れる時、何十回と・・・もしかしたら何百回と使われた潤滑用のローションの感触。
また・・・される。
ビクリと身体を固くして、恐る恐る後ろを振り返ろうした瞬間、ご主人様の手が、僕の白い双丘、その中心の窄まりに触れる。
「ひぃっ!」
僕は無意識に、これからされる陵辱に抗おうと、うつ伏せの姿勢から、腕立て伏せのようにして身体を起こそうとした。
だけど、ご主人様に軽く背中を抑えられただけではあっけなくベッドに抑え込まれてしまう。
「あ・・・やだ・・・もう嫌ぁ・・・。
お願い・・・です・・・許して・・・下さい・・・」
ベッドの上で、手足を弱々しくもがかせて、哀願を繰り返す。
それしか出来なかった。
今更ご主人様に犯されたからどうだという考え方もできるだろう。
でも、僕は怖かった。
正気を失うまでイかされ、剥き出しのマゾヒストの本性を責められた時、僕はご主人様を愛してしまうかもしれない。
愛しているから虐められてもいい、から、虐めてくれるから愛しくなる。
僕の中でそんな逆転が起こり始めている気がする。
もしそうだとしたら、僕はもう本当に後戻りできない。
いつか、自由になれたら、織田さんのお嫁さんにしてもらう。
そんな希望さえ望んで投げ出し、被虐の快感に耽溺するメス犬奴隷に、本当にご主人様のことしか考えられない愛奴にみずから堕ちてしまうかもしれない。
それが、怖かった。
「んんんっ・・・!」
ご主人様の指が、僕のお尻の穴の中にローションを押し込むようにしてぬるりと侵入してくると、ゾクゾクする感覚の波動がさざなみのように全身に広がり、身体から力が抜け、僕はベッドの上にくたりと横たわる。
ご主人様の指がぐるんと回転しながら、根本まで捻じ込まれる。
「あああ゛あ゛!!!」
快感のさざなみが、津波に変わってゆく。
その前兆のような甘い痺れがお腹の奥に響き、そして拡散されてゆく感覚に、脱力した身体がビクンと震えた。
そして、ご主人様の指先が、鈎状に曲がり、僕のクリペニスの裏側あたりにある前立腺を、僕をメスに変えるスイッチを押し込んだ。
「ひぎィいいいいいい!!!!!」
クリイキ並みの快感がお腹の奥で弾け、その衝撃波が頭の中まで突き抜ける。
手のひらはシーツを握り込み、足はピンと伸びて爪先がまるまって震えた。
ご主人様の指先がくいっ、くいっと僕の中のスイッチを押し続ける。
的確に、冷酷に、リズミカルに・・・
「あっ・・あっ・・あっ・・らめっ・・あ!・・あ!・・あ!・・あああああっ!・・」
その指がスイッチを押すたびに、僕の中で快感が弾け続ける。
うつ伏せの身体がベッドの上で跳ねる。
身体の外側からの刺激であれば、耐える事もやり過ごす事もできる。
だけど身体の奥に隠された弱点を責められると何一つ耐える術などありはしない。
僕の中で弾ける快感の一回一回が、男の“子”が感じることができる最大レベルの快感だった。
本当なら一回イけば体力が回復するまでしばらくは感じることができないはずの快感。
それを連続して、しかも休みなく、与えられ続ける。
ぐりっ!っとご主人様の指が、僕の弱い部分を押し潰す。
「んあっ!・・・あ゛あ゛んんっ!!!」
顔が天井を向く程上半身が反り、収縮した背筋がブルブルと震える。
目の奥でチカチカと光が点滅し、焦点の合わない視線が何処にもない救いを求めて彷徨い続ける。
だけど、ご主人様の指先は、僕をその先の絶頂に、男の“娘”のメスイキに引き上げようとはしなかった。
僕の反応を確かめながら、メスイキしそうになると、僅かに刺激を弱め、あるいは動きを止めて僕の昂りが少しだけ弱まるのを待って、また責めを再開する。
それは、まさに生殺しだった。
すぐそこにあるはずの絶頂に手がかかる寸前で引き摺り降ろされる。
そんな、中途半端な快感の泥沼の中で、僕はもがき続ける。
ご主人様の指が2本に増やされ、僕のお尻を掻き回す。
「んひィいいいい!!!!」
下手なダンサーの様に、ベッドの上で硬直した手足が踊り、うつ伏せの身体が身震いする。
それは、無慈悲な邪神に捧げられる、巫女の生贄の舞だった。
ご主人様の指が、胎内からクリペニスの裏側を引っ掻き、押し潰すと、快感信号が直接クリペニスに響き、固くなったそこがピクピクと収縮した。
そして快感信号が背中を貫いて脳の奥を痺れさせてゆく。
「あ゛っ!・・・あがぁあ!!ひあああん!!!・・・」
気がふれたように首を振り、鳴き声が1オクターブ上がってゆく。
その時、不意に僕の身体を内側から蹂躙するご主人様の指が動きを止める。
「ぁ・・・ぁ・・・」
もう限界だった、こんな中途半端な快感の泥沼の中でもがき続けるよりいっそひとおもいにトドメを刺して欲しかった・・・
そして、僕はとうとう屈服の言葉を口にする。
「もう・・・焦らさないで・・・下さい・・・イかせ・・・て・・・」
羞恥と屈辱に塗れた顔で、唇を噛みながらご主人様の顔を見上げると。
そこには、力でメスを蹂躙したオスの満足感が滲み出ている加虐者の笑みが貼り付いた、ご主人様の顔。
「イかせて欲しいのか?
なら、自分が生まれつきのマゾで、どうしようもない変態だと認めろ。」
「ぅ・・・ぅ・・・違い・・・ま・・・す。僕は変態じゃ・・・」
僅かな矜持を掻き集め、かろうじて否定の言葉を口にしようとした瞬間、ご主人様の手が僕の胸に伸び、オスに媚びるように赤く充血し、固くしこった乳首を親指と人差し指で挟むと、力を込めた。
「ひいィいい!!」
小さな乳首が押し潰されそうな激痛に悲鳴をあげた。
だけど、僕の中のマゾヒスティックな部分がその痛みを快感として認識しでしまう。
耐えきれない痛みと快感を同時に与えられて、僕はアゴを跳ね上げて鳴いた。
「認めろよ、自分は救いようのない変態ですってな。」
「い・・・や・・・です・・・、んああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」
ご主人様の言葉を拒絶しようすると、間髪入れずに僕をメスにするスイッチが押し込まれる。
被虐の快感に昂りきった僕の身体は、ひとたまりもなくメスイキの絶頂に押し上げられてゆく。
甘美で、切なくて、そして受け止めきれない快感電流が背骨の中心を焼きながら、脳まで駆け抜ける。
「あがぁ!!・・・あっ!・・・あっ!あ、あ゛・・・あ゛っ!!!!」
僕は、狂ったよう首を振り、髪を振り乱しなから悲鳴をあげ続けた。
その鳴き声がどんどん高音になり、身体がガクガクと痙攣をし始めたその時、不意にご主人様の指が僕の中から引き抜かれる。
「あっ・・・ぅう・・・ぁあ・・・」
またもや絶頂の直前で中途半端に放り出された切なさで、僕はパニックになりかけていた。
「イかせてぇ!・・・もう・・・イかせて下さい・・・お、お願いします・・・・・・ああっ!」
僕が泣き叫んだその時、ご主人様の大きくて節くれだった手が僕のアゴに手をかけて、僕の頭を持ち上げて言った、
「なら、なんて言えばいいかわかるよな?
さっきも車の中で教えてやったよな?
マゾメス時雨。」
「うう・・・うぇぇえ・・・えっ・・・」
涙が、嗚咽が溢れる。
自分の無力さに、ご主人様に思うまま蹂躙されるだけのよるべなさに。
そして、そんな状況でも僕の中のメスが、マゾヒスティックな本性が、目の前の強い雄に屈服して、全てを捧げてしまえと囁くことに・・・
だけど、この人は結局はのところ、僕を虐めて、泣き叫ぶ僕の反応を愉しみたいだけのサディストなのだ。
織田さん出会う前なら、そして、そこにほんの少しの愛さえあれば、僕はこの人のマゾ奴隷でも構わなかった。
でも、僕の心にはもう好きな人がいて、この人を受け止める余地はない。
だから、僕は泣きながら、恐怖で身体を身震いさせながらも首を振った。
首を振って広がった髪が涙で頬に張り付く。
「そうか、時雨は本当に救いようのないクソマゾなんだな・・・もっと虐めて欲しいから、わざと素直にならないんだな。」
ご主人様の声には、僕を虐める理由を見つけた残酷な愉悦が混じっていた。
「でも俺は優しいからな、望み通りイかせてやるよ・・・」
そう言いながら、自分の腰に手をやり、太い革ベルトを外して手に取る。
「こいつでな。」
そのベルトを振るって床に打ちつけると、バシンとものすごい音が鳴った。
「ひっ!」
その打撃音の鋭さに、僕は耳を塞ぎ、身を竦ませる。
「や・・・止め・・・」
直接的な暴力への恐怖。
そして、あの夜、鞭で打たれながらの絶頂を強いられ続け、身体も心も壊されたトラウマが蘇る。
「許し・・・て・・・、助け・・・」
僕は少しでも逃げようと萎えた手足でベッドの上を這いずり周った。
うつ伏せで這う姿勢で後ろを振り向くと、鞭代わりの分厚い革ベルトを振り上げているご主人様の姿が見える。
「あ・・・あぁ・・・」
そして、お尻にベルトが振り下ろされる様子が、なぜかストップモーションのように克明な光景として目に映る。
バチン!!!!
まず感じるたのは、お尻を打たれたショック。
分厚い板状の革で叩かれたので、肌が裂けるようなことはなかったけれど、その分殴られたような衝撃が身体の中にズシンと響く。
コンマ数秒遅れて、焼けた鉄棒を当てられたような熱さ、そして激痛が僕を襲う。
だけど、感じたのは痛みだけではない。
僕の中のマゾヒスティックな部分が、耐え難い痛みを、同じだけの快感に変換してゆく。
「ひぎゃああああああああああああああああ!!!」
脳の許容量を超えた激痛と快感の中、手足と背筋が硬直し、真っ直ぐに伸びた姿勢で、僕は魂を吐き出すような絶叫を上げる。
同時に、僕の小さなクリペニスがピクピクと震えながら、ほとんど透明な薄いミルクを吐き出す。
何度も何度も絶頂の直前まで押し上げられては引きずり降ろされ、徹底的に焦らされ、昂るだけ昂らされた僕はその激痛と快感の果てで絶頂していた。
バッチーン!!!
革ベルトで今度は背中を打たれた。
まだ成長期の柔らかな背骨が、”く”の字にへし折られたような痛み、そしてそれと同じだけの被虐の快感で、目の奥が真っ赤に染まる。
「ひぎぃいいいいい!!!!!」
頭の先身体から爪先まで全身の神経の中を、痛みと快感がごちゃ混ぜになってが奔り抜け、僕は家畜が屠殺されるような絶叫をあげ、そして、もう一度イかされた。
それは、文字通り“死ぬほど”の快感だった。
うつ伏せになった身体が感電したようにビクビク震え、僕のクリペニスはもう射精するミルクもないくせに、空イきを繰り返す。
痛い、嫌だ、怖い、助けて、許して
頭の中でそんな単語が切れ切れに浮かんでは消えてゆく。
奥歯が合わなくて、ガチガチと鳴り、目から大粒の涙が溢れた。
僕の背中、そしてお尻には叩かれた革ベルトと同じ広さの真っ赤な跡が残り、内出血で腫れ上がってジンジン痛む。
僕は、その傷痕に追い打ちをかけられるのか怖くて、ガクガクと震えながら、グスグスと泣きながら、ベッドの上で身体をひっく返して仰向けの姿勢を取る。
だけどそれは、敏感な乳首やクリペニスといった急所を晒す行為に他ならない。
腹筋も肉付きも薄く、絶頂の連続で消費された酸素を取り込むため、激しく上下運動を繰り返しているお腹の皮膚だって、背中やお尻などよりはるかに薄い。
そして、ご主人様はそんな僕の自殺行為を見逃してはくれなかった。
その顔に残酷な加虐者の笑みを貼り付け、
革ベルトをゆっくりと振り上げて・・・ 僕の胸に思い切り振り下ろす。
バッチーン!!!
分厚く、重い革の板が、ピンク色に色づき、固くしこり、先端がピンと立ち上がっている僕の右の乳首を打ち据える。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」
柔らかで敏感な部分を叩き潰されるような激痛に、発狂したように鳴き、手足の指が不規則に虚空を掻きむしった。
それと同時に3度めの極大被虐アクメの渦が僕を飲み込んでゆく。
耐えられない激痛が、耐えようもない被虐快感が、この脆い身体が破裂しそうなほどに注ぎ込まれて、筋肉が裂け、骨がきしみ、神経が焼き切れてゆく音が聞こえた。
少しでも体内の快感圧力を減らそうというように、両目から涙が次々と溢れる。
「あ゛・・・じ・・・ぬぅ・・・」
首輪を嵌められたままの細首がクンっと反り、腰も浮き上がってブリッジのような姿勢で身体がブルブル震え、下腹がうねった。
ぷしゃっ
狂乱の絶頂のその頂点で、勃起したままのクリペニスから何かが吹き出した。
普通のクリイキ射精とは違う、透明な霧がクリペニスの鈴口から吹き出し、下腹部から胸、顔までを濡らす。
潮吹き・・・というものなのだろう。
それは女の子が快感の絶頂でまれにしてしまうものだ、男でも快感の絶頂ですることがあると聞いたことがあったけれど、それを体験するのは初めてだった。
こんな・・・の・・・知らない・・・
鞭打ちアクメなんかで、初めての潮吹きを体験させられたショックで、僕の頭も身体もパニックを起こしていた。
「あ゛・・・あ゛・・・ああ゛・・・」
喉の奥から呻き声が漏れ、敏感な急所を叩かれた痛み、そして強烈過ぎるマゾイキの余韻が、フラッシュバックとして、断続的に僕の体内を駆け巡る。
その度に、手足が、背中がビクン、ビクンと断末魔の痙攣を晒し続ける。
連続アクメで燃え上がるような熱を孕んだせいで吹き出した汗、男の娘のミルクに、潮吹きまでが加り、僕の身体はヌメヌメと光を反射している。
顔はといえばそこに涙や涎まで加わったドロドロに汚れた痴呆的なイキ顔・・・それは、まさにマゾメスそのものの姿だった。
涙で歪んだ視界の端に、ベルト鞭を振り上げるご主人様の姿が見えた。
また・・・ぶたれるんだ・・・
朦朧とした意識の中でそれを認識すると、両腕を組むようにしてせめて急所を庇おうとした。
だけど、僕の剥き出しにされたマゾの本性が、理性より強い何かが、知らず知らずの内にそれを阻んだ。
僕の両手のひらは、ベッドのシーツをキツく握り締め、動かなかった。
そして、無意識に、自分自身でも気づかない程ほんの僅かに、さっき打たれたのと反対側の・・・左乳首を、まるで差し出すように、叩きやすい様に少しだけ身体を捻っていた。
そこに、ご主人様の容赦のない一撃か思い切り振り下ろされた。
バッチーン!!!
「!!!!!」
左の乳首千切れ飛んだと思った。
その激痛で、僕は頭から爪先まで一本の棒のように硬直しながら悶絶する。
悲鳴さえもあげられない、身悶えさえできない、それ程の痛み。
そして、左乳首をしたたかに打ち据えた衝撃は、僕の薄い胸を貫いて心臓にまで達し・・・握り潰す。
ドクン!
心臓が不整脈を打ち、ショックで呼吸が止まった
「がっ・・・ぁ・・・ぅぁ・・・」
文字通り、死ぬほどの痛み、心臓が壊れたように不規則な鼓動を打つ恐怖、息ができない酸欠に、僕はこの時、明確に死を意識させられた。
死ぬほどの痛みと苦しさと恐怖、全てを被虐の快感に変換して極大のマゾイキ絶頂を体験した。
その中で、僕は、痛ければ痛いほど、死に近ければ近いほど、マゾヒスティックな絶頂は大きくなることを嫌というほどわからされた。
口の中で声にならない悲鳴と涎とが混じり合い、泡となって溢れ出た。
目玉はグルンと裏返って、白目をむいた、死相にも似たマゾイキ顔を晒しながら悶絶する。
そのまま、ベッドから転げ落ち、床に叩きつけられながら陸に打ち上げられた魚みたいにビクビクと震え続ける。
クリペニスはぷしゃ、ぷしゃ・・・と小さく潮吹きを繰り返し、挙げ句にのオシッコまで垂れ流した。
そして、僕の精神と身体のキャパシティを遥かに超えた痛みと快感で、焼き切れるようにして意識を失った。
汗を、涙を、涎を、鼻水を、そしてオシッコまで、全身の穴からありとあらゆる体液を垂れ流しながら。
床の上で仰向けに横たわって大の字に手足を投げ出し、白目を剥き、泡を吹いた口角の端からだらしなく舌を突出したままの恥知らずなマゾイキ顔を晒しながら。
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気に入って頂けましたら幸いです。
感想、ブクマ登録、などしていただけますと、
励みになります(^^♪
「う・・・はぁ・・・ぁ・・・」
ベッドに口元を押し付けられた姿勢の息苦しさに、無意識に顔を横向きにすると、ベッドの横に立ち僕を見下ろすご主人様の姿の、ちょうど腰のあたりが目に入った。
ご主人様がまとったハイブランドの服越しでもはっきりわかる程にペニスが熱く脈打ち、雄々しく立ち上がっているのがわかる。
ああ、まだ何も終わってはいないんだ。
何もかもが始まったばかりなんだ・・・絶望感が僕の中を満たしてゆく。
あれで身体の最奥を穿たれ、ご主人様が満足するまで胎内に熱い精を受け止め続けるまで、この快感の無限地獄は終わらない。
だけど、その遥か手前で、身体をいいように弄ばれただけで、僕の体力は消耗し尽くし、息も絶え絶えになって、ろくに身体も動かせなくなっている。
僕は・・・どうなるんだろう・・・
ご主人様がしゃがみ込み、僕に目線を合わせて口を開く。
「自分がどうしようもないマゾで、生まれつきの変態だってわかったか?時雨」
「僕は・・・マゾで・・・ヘンタ・・・イ・・・」
酸欠と強烈すぎる快感の余韻で、朦朧とした意識の中、僕は無意識にご主人様の言葉を繰り返す。
「そうだ、心の奥では虐めらるれことを望んでいる、ど変態のマゾヒスト・・・それがお前なんだよ。
お前は“媚薬を飲まされたんだか仕方がない”って言い訳を与えられて、マゾの本性を剥き出しにして気持ち良くなっていただけなのさ。」
「ぅ・・・」
一言も言い返すことが出来なかった。
本当はわかっていた。
自分が変態であることを。
僕の初めてはミカさんの罠に絡め取られてのレイプと調教だった。
それなのに、僕は不思議なほどにミカさんを好きになり、セックスで支配されることを受け入れた。
それからの僕にとっては、ミカさんが与えてくれる快感も痛みも幸せなものだった。
何故なら、ミカさんが僕を虐めてくれるその時間は、ミカさんが僕だけを見て、思って、愛してくれる時間だったのだから。
だけど、調教・・・と称して被虐的快感を与えられ続ける日々は、僕のマゾヒステックな本性を次第に開花させてゆく。
愛しているから虐められることも幸せ・・・から、虐められることが快感になってゆく。
その結果、義父に、ミカさんの彼氏さんにレイプされた時も、圧倒的な力に支配される被虐感に押し流され、僕は容易く絶頂に押し上げられていった。
挙げ句の果てには、あの優しい織田さんまで、僕を虐めるように誘導する始末だ。
本当の僕は救いようのない変態で・・・マゾヒストで・・・
そして、それをご主人様に見透かされて、いいように弄ばれた。
誰にも知られたくない秘密を暴かれた羞恥と屈辱に、心の何かが砕け、そしてその欠片が涙になって両目から溢れだす。
「うっ・・・ううぅっ・・・うぇ・・・ェ・・・ぅっ・・・ェえっ・・・え・・・」
死にたくなるほどの恥ずかしさと悔しさで、涙と一緒に泣き声が嗚咽となって溢れ出す。
そんな泣き顔を見られたくなくて、僕は顔をベッドに押し付け、両手のひらでシーツを握り締めて声を殺して泣く。
細い肩が、薄い背中が、漏れ出る嗚咽に合わせて震える。
泣き顔は隠せても、そんな嗚咽と震えを止めることが出来なかった。
その時だ
うつ伏せの姿勢で丸出しになったままのお尻に、生暖かくて、トロリとした何かが垂らされる。
振り返って確認するまでもない。
男の人を身体の中に受け入れる時、何十回と・・・もしかしたら何百回と使われた潤滑用のローションの感触。
また・・・される。
ビクリと身体を固くして、恐る恐る後ろを振り返ろうした瞬間、ご主人様の手が、僕の白い双丘、その中心の窄まりに触れる。
「ひぃっ!」
僕は無意識に、これからされる陵辱に抗おうと、うつ伏せの姿勢から、腕立て伏せのようにして身体を起こそうとした。
だけど、ご主人様に軽く背中を抑えられただけではあっけなくベッドに抑え込まれてしまう。
「あ・・・やだ・・・もう嫌ぁ・・・。
お願い・・・です・・・許して・・・下さい・・・」
ベッドの上で、手足を弱々しくもがかせて、哀願を繰り返す。
それしか出来なかった。
今更ご主人様に犯されたからどうだという考え方もできるだろう。
でも、僕は怖かった。
正気を失うまでイかされ、剥き出しのマゾヒストの本性を責められた時、僕はご主人様を愛してしまうかもしれない。
愛しているから虐められてもいい、から、虐めてくれるから愛しくなる。
僕の中でそんな逆転が起こり始めている気がする。
もしそうだとしたら、僕はもう本当に後戻りできない。
いつか、自由になれたら、織田さんのお嫁さんにしてもらう。
そんな希望さえ望んで投げ出し、被虐の快感に耽溺するメス犬奴隷に、本当にご主人様のことしか考えられない愛奴にみずから堕ちてしまうかもしれない。
それが、怖かった。
「んんんっ・・・!」
ご主人様の指が、僕のお尻の穴の中にローションを押し込むようにしてぬるりと侵入してくると、ゾクゾクする感覚の波動がさざなみのように全身に広がり、身体から力が抜け、僕はベッドの上にくたりと横たわる。
ご主人様の指がぐるんと回転しながら、根本まで捻じ込まれる。
「あああ゛あ゛!!!」
快感のさざなみが、津波に変わってゆく。
その前兆のような甘い痺れがお腹の奥に響き、そして拡散されてゆく感覚に、脱力した身体がビクンと震えた。
そして、ご主人様の指先が、鈎状に曲がり、僕のクリペニスの裏側あたりにある前立腺を、僕をメスに変えるスイッチを押し込んだ。
「ひぎィいいいいいい!!!!!」
クリイキ並みの快感がお腹の奥で弾け、その衝撃波が頭の中まで突き抜ける。
手のひらはシーツを握り込み、足はピンと伸びて爪先がまるまって震えた。
ご主人様の指先がくいっ、くいっと僕の中のスイッチを押し続ける。
的確に、冷酷に、リズミカルに・・・
「あっ・・あっ・・あっ・・らめっ・・あ!・・あ!・・あ!・・あああああっ!・・」
その指がスイッチを押すたびに、僕の中で快感が弾け続ける。
うつ伏せの身体がベッドの上で跳ねる。
身体の外側からの刺激であれば、耐える事もやり過ごす事もできる。
だけど身体の奥に隠された弱点を責められると何一つ耐える術などありはしない。
僕の中で弾ける快感の一回一回が、男の“子”が感じることができる最大レベルの快感だった。
本当なら一回イけば体力が回復するまでしばらくは感じることができないはずの快感。
それを連続して、しかも休みなく、与えられ続ける。
ぐりっ!っとご主人様の指が、僕の弱い部分を押し潰す。
「んあっ!・・・あ゛あ゛んんっ!!!」
顔が天井を向く程上半身が反り、収縮した背筋がブルブルと震える。
目の奥でチカチカと光が点滅し、焦点の合わない視線が何処にもない救いを求めて彷徨い続ける。
だけど、ご主人様の指先は、僕をその先の絶頂に、男の“娘”のメスイキに引き上げようとはしなかった。
僕の反応を確かめながら、メスイキしそうになると、僅かに刺激を弱め、あるいは動きを止めて僕の昂りが少しだけ弱まるのを待って、また責めを再開する。
それは、まさに生殺しだった。
すぐそこにあるはずの絶頂に手がかかる寸前で引き摺り降ろされる。
そんな、中途半端な快感の泥沼の中で、僕はもがき続ける。
ご主人様の指が2本に増やされ、僕のお尻を掻き回す。
「んひィいいいい!!!!」
下手なダンサーの様に、ベッドの上で硬直した手足が踊り、うつ伏せの身体が身震いする。
それは、無慈悲な邪神に捧げられる、巫女の生贄の舞だった。
ご主人様の指が、胎内からクリペニスの裏側を引っ掻き、押し潰すと、快感信号が直接クリペニスに響き、固くなったそこがピクピクと収縮した。
そして快感信号が背中を貫いて脳の奥を痺れさせてゆく。
「あ゛っ!・・・あがぁあ!!ひあああん!!!・・・」
気がふれたように首を振り、鳴き声が1オクターブ上がってゆく。
その時、不意に僕の身体を内側から蹂躙するご主人様の指が動きを止める。
「ぁ・・・ぁ・・・」
もう限界だった、こんな中途半端な快感の泥沼の中でもがき続けるよりいっそひとおもいにトドメを刺して欲しかった・・・
そして、僕はとうとう屈服の言葉を口にする。
「もう・・・焦らさないで・・・下さい・・・イかせ・・・て・・・」
羞恥と屈辱に塗れた顔で、唇を噛みながらご主人様の顔を見上げると。
そこには、力でメスを蹂躙したオスの満足感が滲み出ている加虐者の笑みが貼り付いた、ご主人様の顔。
「イかせて欲しいのか?
なら、自分が生まれつきのマゾで、どうしようもない変態だと認めろ。」
「ぅ・・・ぅ・・・違い・・・ま・・・す。僕は変態じゃ・・・」
僅かな矜持を掻き集め、かろうじて否定の言葉を口にしようとした瞬間、ご主人様の手が僕の胸に伸び、オスに媚びるように赤く充血し、固くしこった乳首を親指と人差し指で挟むと、力を込めた。
「ひいィいい!!」
小さな乳首が押し潰されそうな激痛に悲鳴をあげた。
だけど、僕の中のマゾヒスティックな部分がその痛みを快感として認識しでしまう。
耐えきれない痛みと快感を同時に与えられて、僕はアゴを跳ね上げて鳴いた。
「認めろよ、自分は救いようのない変態ですってな。」
「い・・・や・・・です・・・、んああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」
ご主人様の言葉を拒絶しようすると、間髪入れずに僕をメスにするスイッチが押し込まれる。
被虐の快感に昂りきった僕の身体は、ひとたまりもなくメスイキの絶頂に押し上げられてゆく。
甘美で、切なくて、そして受け止めきれない快感電流が背骨の中心を焼きながら、脳まで駆け抜ける。
「あがぁ!!・・・あっ!・・・あっ!あ、あ゛・・・あ゛っ!!!!」
僕は、狂ったよう首を振り、髪を振り乱しなから悲鳴をあげ続けた。
その鳴き声がどんどん高音になり、身体がガクガクと痙攣をし始めたその時、不意にご主人様の指が僕の中から引き抜かれる。
「あっ・・・ぅう・・・ぁあ・・・」
またもや絶頂の直前で中途半端に放り出された切なさで、僕はパニックになりかけていた。
「イかせてぇ!・・・もう・・・イかせて下さい・・・お、お願いします・・・・・・ああっ!」
僕が泣き叫んだその時、ご主人様の大きくて節くれだった手が僕のアゴに手をかけて、僕の頭を持ち上げて言った、
「なら、なんて言えばいいかわかるよな?
さっきも車の中で教えてやったよな?
マゾメス時雨。」
「うう・・・うぇぇえ・・・えっ・・・」
涙が、嗚咽が溢れる。
自分の無力さに、ご主人様に思うまま蹂躙されるだけのよるべなさに。
そして、そんな状況でも僕の中のメスが、マゾヒスティックな本性が、目の前の強い雄に屈服して、全てを捧げてしまえと囁くことに・・・
だけど、この人は結局はのところ、僕を虐めて、泣き叫ぶ僕の反応を愉しみたいだけのサディストなのだ。
織田さん出会う前なら、そして、そこにほんの少しの愛さえあれば、僕はこの人のマゾ奴隷でも構わなかった。
でも、僕の心にはもう好きな人がいて、この人を受け止める余地はない。
だから、僕は泣きながら、恐怖で身体を身震いさせながらも首を振った。
首を振って広がった髪が涙で頬に張り付く。
「そうか、時雨は本当に救いようのないクソマゾなんだな・・・もっと虐めて欲しいから、わざと素直にならないんだな。」
ご主人様の声には、僕を虐める理由を見つけた残酷な愉悦が混じっていた。
「でも俺は優しいからな、望み通りイかせてやるよ・・・」
そう言いながら、自分の腰に手をやり、太い革ベルトを外して手に取る。
「こいつでな。」
そのベルトを振るって床に打ちつけると、バシンとものすごい音が鳴った。
「ひっ!」
その打撃音の鋭さに、僕は耳を塞ぎ、身を竦ませる。
「や・・・止め・・・」
直接的な暴力への恐怖。
そして、あの夜、鞭で打たれながらの絶頂を強いられ続け、身体も心も壊されたトラウマが蘇る。
「許し・・・て・・・、助け・・・」
僕は少しでも逃げようと萎えた手足でベッドの上を這いずり周った。
うつ伏せで這う姿勢で後ろを振り向くと、鞭代わりの分厚い革ベルトを振り上げているご主人様の姿が見える。
「あ・・・あぁ・・・」
そして、お尻にベルトが振り下ろされる様子が、なぜかストップモーションのように克明な光景として目に映る。
バチン!!!!
まず感じるたのは、お尻を打たれたショック。
分厚い板状の革で叩かれたので、肌が裂けるようなことはなかったけれど、その分殴られたような衝撃が身体の中にズシンと響く。
コンマ数秒遅れて、焼けた鉄棒を当てられたような熱さ、そして激痛が僕を襲う。
だけど、感じたのは痛みだけではない。
僕の中のマゾヒスティックな部分が、耐え難い痛みを、同じだけの快感に変換してゆく。
「ひぎゃああああああああああああああああ!!!」
脳の許容量を超えた激痛と快感の中、手足と背筋が硬直し、真っ直ぐに伸びた姿勢で、僕は魂を吐き出すような絶叫を上げる。
同時に、僕の小さなクリペニスがピクピクと震えながら、ほとんど透明な薄いミルクを吐き出す。
何度も何度も絶頂の直前まで押し上げられては引きずり降ろされ、徹底的に焦らされ、昂るだけ昂らされた僕はその激痛と快感の果てで絶頂していた。
バッチーン!!!
革ベルトで今度は背中を打たれた。
まだ成長期の柔らかな背骨が、”く”の字にへし折られたような痛み、そしてそれと同じだけの被虐の快感で、目の奥が真っ赤に染まる。
「ひぎぃいいいいい!!!!!」
頭の先身体から爪先まで全身の神経の中を、痛みと快感がごちゃ混ぜになってが奔り抜け、僕は家畜が屠殺されるような絶叫をあげ、そして、もう一度イかされた。
それは、文字通り“死ぬほど”の快感だった。
うつ伏せになった身体が感電したようにビクビク震え、僕のクリペニスはもう射精するミルクもないくせに、空イきを繰り返す。
痛い、嫌だ、怖い、助けて、許して
頭の中でそんな単語が切れ切れに浮かんでは消えてゆく。
奥歯が合わなくて、ガチガチと鳴り、目から大粒の涙が溢れた。
僕の背中、そしてお尻には叩かれた革ベルトと同じ広さの真っ赤な跡が残り、内出血で腫れ上がってジンジン痛む。
僕は、その傷痕に追い打ちをかけられるのか怖くて、ガクガクと震えながら、グスグスと泣きながら、ベッドの上で身体をひっく返して仰向けの姿勢を取る。
だけどそれは、敏感な乳首やクリペニスといった急所を晒す行為に他ならない。
腹筋も肉付きも薄く、絶頂の連続で消費された酸素を取り込むため、激しく上下運動を繰り返しているお腹の皮膚だって、背中やお尻などよりはるかに薄い。
そして、ご主人様はそんな僕の自殺行為を見逃してはくれなかった。
その顔に残酷な加虐者の笑みを貼り付け、
革ベルトをゆっくりと振り上げて・・・ 僕の胸に思い切り振り下ろす。
バッチーン!!!
分厚く、重い革の板が、ピンク色に色づき、固くしこり、先端がピンと立ち上がっている僕の右の乳首を打ち据える。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」
柔らかで敏感な部分を叩き潰されるような激痛に、発狂したように鳴き、手足の指が不規則に虚空を掻きむしった。
それと同時に3度めの極大被虐アクメの渦が僕を飲み込んでゆく。
耐えられない激痛が、耐えようもない被虐快感が、この脆い身体が破裂しそうなほどに注ぎ込まれて、筋肉が裂け、骨がきしみ、神経が焼き切れてゆく音が聞こえた。
少しでも体内の快感圧力を減らそうというように、両目から涙が次々と溢れる。
「あ゛・・・じ・・・ぬぅ・・・」
首輪を嵌められたままの細首がクンっと反り、腰も浮き上がってブリッジのような姿勢で身体がブルブル震え、下腹がうねった。
ぷしゃっ
狂乱の絶頂のその頂点で、勃起したままのクリペニスから何かが吹き出した。
普通のクリイキ射精とは違う、透明な霧がクリペニスの鈴口から吹き出し、下腹部から胸、顔までを濡らす。
潮吹き・・・というものなのだろう。
それは女の子が快感の絶頂でまれにしてしまうものだ、男でも快感の絶頂ですることがあると聞いたことがあったけれど、それを体験するのは初めてだった。
こんな・・・の・・・知らない・・・
鞭打ちアクメなんかで、初めての潮吹きを体験させられたショックで、僕の頭も身体もパニックを起こしていた。
「あ゛・・・あ゛・・・ああ゛・・・」
喉の奥から呻き声が漏れ、敏感な急所を叩かれた痛み、そして強烈過ぎるマゾイキの余韻が、フラッシュバックとして、断続的に僕の体内を駆け巡る。
その度に、手足が、背中がビクン、ビクンと断末魔の痙攣を晒し続ける。
連続アクメで燃え上がるような熱を孕んだせいで吹き出した汗、男の娘のミルクに、潮吹きまでが加り、僕の身体はヌメヌメと光を反射している。
顔はといえばそこに涙や涎まで加わったドロドロに汚れた痴呆的なイキ顔・・・それは、まさにマゾメスそのものの姿だった。
涙で歪んだ視界の端に、ベルト鞭を振り上げるご主人様の姿が見えた。
また・・・ぶたれるんだ・・・
朦朧とした意識の中でそれを認識すると、両腕を組むようにしてせめて急所を庇おうとした。
だけど、僕の剥き出しにされたマゾの本性が、理性より強い何かが、知らず知らずの内にそれを阻んだ。
僕の両手のひらは、ベッドのシーツをキツく握り締め、動かなかった。
そして、無意識に、自分自身でも気づかない程ほんの僅かに、さっき打たれたのと反対側の・・・左乳首を、まるで差し出すように、叩きやすい様に少しだけ身体を捻っていた。
そこに、ご主人様の容赦のない一撃か思い切り振り下ろされた。
バッチーン!!!
「!!!!!」
左の乳首千切れ飛んだと思った。
その激痛で、僕は頭から爪先まで一本の棒のように硬直しながら悶絶する。
悲鳴さえもあげられない、身悶えさえできない、それ程の痛み。
そして、左乳首をしたたかに打ち据えた衝撃は、僕の薄い胸を貫いて心臓にまで達し・・・握り潰す。
ドクン!
心臓が不整脈を打ち、ショックで呼吸が止まった
「がっ・・・ぁ・・・ぅぁ・・・」
文字通り、死ぬほどの痛み、心臓が壊れたように不規則な鼓動を打つ恐怖、息ができない酸欠に、僕はこの時、明確に死を意識させられた。
死ぬほどの痛みと苦しさと恐怖、全てを被虐の快感に変換して極大のマゾイキ絶頂を体験した。
その中で、僕は、痛ければ痛いほど、死に近ければ近いほど、マゾヒスティックな絶頂は大きくなることを嫌というほどわからされた。
口の中で声にならない悲鳴と涎とが混じり合い、泡となって溢れ出た。
目玉はグルンと裏返って、白目をむいた、死相にも似たマゾイキ顔を晒しながら悶絶する。
そのまま、ベッドから転げ落ち、床に叩きつけられながら陸に打ち上げられた魚みたいにビクビクと震え続ける。
クリペニスはぷしゃ、ぷしゃ・・・と小さく潮吹きを繰り返し、挙げ句にのオシッコまで垂れ流した。
そして、僕の精神と身体のキャパシティを遥かに超えた痛みと快感で、焼き切れるようにして意識を失った。
汗を、涙を、涎を、鼻水を、そしてオシッコまで、全身の穴からありとあらゆる体液を垂れ流しながら。
床の上で仰向けに横たわって大の字に手足を投げ出し、白目を剥き、泡を吹いた口角の端からだらしなく舌を突出したままの恥知らずなマゾイキ顔を晒しながら。
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