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アナザールート その74 躾 その1 偽薬-プラシーボ-

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「なんでも・・・言うことをききますから・・・、奴隷でも・・・なんでもなりますから・・・
もうクスリ・・・やあ・・・
縛らない・・・で・・・
お願い・・・します。」

あの夜、散々媚薬を使われ、快感で頭がおかしくなったトラウマが甦って、僕はご主人様に弱々しく哀願の言葉を繰り返す

だけど、ご主人様は、ふん、と僕の懇願を嘲笑った。

そして、右手を僕の肉付きの薄い胸に伸ばし・・・指先でツンと上向きに立ち上がっている桜色の乳首の先端を軽く弾く。

「ああっ!!」

たったそれだけで、高圧電流でも流されたみたいに、磔の身体が空中でビンクと跳ねる。
ただしその電流は快感という名の高圧電流だった。

小さな乳首から流れた快感電流が、クスリで昂らされた腰まで響いたせいで、両膝からがくんと力が抜けた。

両手首を拘束した革手錠から伸びる鎖が、がちゃん、と鳴って張り詰め、僕は一纏めに縛られた両手首だけで吊り下げられた体勢になる。

ご主人様は、そんな僕を鑑賞しながらゆっくりと、僕の後ろに回り込み、僕を背中から抱き締めた。

「奴隷にでもなんでもなる・・・だ?
とりあえずこの場をやり過ごしそうって魂胆が見え見えなんだよ、ガキンチョが。」

そして、僕を抱き締めた両手のひらが、僕の細い腰から白い脇腹の上を滑ってゆく。

「んっ!・・・ぁ、あぁあ!・・・!」

むず痒いような、くすぐったようなその感触は直ぐに快感に変わってゆく。

クスリで火照り、鳥肌が立っているみたいに敏感な皮膚を撫で上げるられるゾクゾクとした感触。

「はっ・・・うぁ・・・ああっ・・・ん・・・」

僕は頭上で拘束された両手を握り締めてそれに耐える。

だけど、鎖で吊り下げられた身体がご主人様の愛撫に合わせるように震えることまでは止められない。

「時雨。これから、お前を徹底的に躾けてやるよ・・・俺の言うことだけをなんでも聞いて、俺だけを愛する俺だけの愛奴にな・・・」

ご主人様の低い声が耳元で囁く。

「ん!・・・」

その吐息が耳の産毛をくすぐった感触にアゴが跳ね上がり、ご主人様とは対照的な甲高い声が僕の口元から漏れた。

その時、ご主人様が僕の身体を弄ぶ手を止め、僕から離れた。

「はぁ・・・はぅ・・・はあ・・・はぁ・・・」

僕は快感から解放されたこの隙に、両脚に力を込めて、両腕にかかる体重の負荷を減らして必死に呼吸を整える。

ご主人様は、そんな僕を後目に、ふっ・・・と僕から離れ、机の上に置いてあった紙の束を手に取ると、戻って来て言った。

「時雨、お前のことは色々と調べさせてもらったよ・・・」

「調べたって・・・何をですか?」

「色々とだよ。何かヤバい身内や過去があるような奴を買えるかよ・・・」

そう言って、紙の束に目を落としてペラペラと捲る。

「なかなか、酷い家庭で暮らしていたようだなぁ・・・」

ご主人様が調べたという、僕の過去・・・それは、驚くほど詳細で正確だった。

両親が離婚し、僕が母に引き取られたこと。

母が自分より一回りも若い男と再婚したこと。

僕が男の娘レイヤーとしてデビューしたこと。
その時の、写真まで持っていた。

そこで知り合ったミカさんと付き合い始めたこと。
僕が女装してミカさんとデートしていたことや、ホテルに連れ込まれたことまで把握していた。

そして、僕か義父にレイプされ、家から逃げだして、ミカさんの家に転がり込んだこと。

ミカさんの家でも、ミカさんとミカさんの彼氏にレイプされ、弄ばれた挙句に男の娘風俗に売られたこと。

自分でも思い出したくもない辛い過去をほじくり返され、次々と読みあげられる。

「もう止めてください!」

あんまりなことに、僕は首を激しく振って懇願する。

「可哀想だよなぁ・・・」

ご主人様は、そんな僕を見下ろして、わざとらしい優しい口調で言った。

「同情なんて・・・いりません・・・」

知られたくもない過去を暴かれたショックと悔しさで涙目になりながら、ご主人様を睨み返す。

「おっと、可哀想なのはお前じゃない・・・お前の母親がだ・・・」

「えっ・・・?」

どう考えたって被害者は僕だろう。
ご主人様が何を言いたいのか理解できなかった。

僕が混乱している間に、ご主人様に言葉は続く。

「お前みたいなマゾでオカマのエロガキを産んだせいで、お前の母親は夫から捨てられて・・
お前みたいな連れ子がいたせいで再婚相手にも恵まれなくて・・・
そうして、ようやく見つけた再婚相手を息子に寝取られたんだ。」

ご主人様が僕の前髪を鷲掴みにして、僕の顔を無理矢理上向かせ、僕と鼻先が触れ合うほど顔を近づけて言った。

「時雨、全部お前のせいだ・・・可哀想だよなぁ。お前のお母さんは。
お前なんて・・・生まれてこなければよかったんだよ。」

“生まれてこなければよかった”
そんな、僕の存在を全否定する言葉の刃が、僕の心に突き刺さる。

あまりのことに呆然とし、瞳から涙が溢れだす。

「違・・・う・・・」

掠れた声で呻くように答えるのが精一杯だった。

「違わないんだよ。」

ご主人様は僕の後ろに回り込み、再び僕を抱き締め、残酷な言葉で僕を追い詰める。

「お前みたいなマゾの変態を産んだせいで、お前の母親は不幸になったんだ。」

そして、僕の両乳首に・・・クスリのせいで敏感過ぎるほどの官能器官成り果てたそこに触れ、柔らかく摘む。

「ひィっ!!!!」

そっと触れられたはずなのに、痛いほどの快感が背筋を奔って背中かビクビクと痙攣する。

ガクガクと震えてた両膝からも力が抜けて、ご主人様に身体を抱き留められた。

「おまえがどうしようもないマゾの変態だってことは、今自分で証明しているだろう?
普通は縛られて胸を触られただけでこんなに感じたりはしないぞ・・・」

ご主人様の大きな手が、節くれだった大人の男の指先が、しこりきった乳首ごと僕の胸を覆い、女の子の乳房のように揉む。

「あっ!・・・それ・・・はぁ!!・・・媚薬を飲まされ・・・ん、んんっ・・・たからっ!・・・んあっ、ああああんっ!、胸ぇ・・・さわらないでぇえええ!、らめ!だめぇ!!」

僕の悲鳴が地下室に響く。

僕の言葉を聞いたご主人様が、にやにやと・・・僕を小馬鹿にする様な笑みを浮かべて見下して言った。

「媚薬?そんなもの使っていないぞ。
お前が飲んだのはただのビタミン剤だ。」

え?・・・そんなはずない。
それじゃあ僕は思い込みだけでこんな痴態を・・・

「う・・・そ・・・?」

「嘘なもんか、証拠を見せてやるよ。」

ご主人様は、そう言って僕に飲ませたクスリを一掴み取り出し、多分僕が飲まされた量より多いそれを自分の口に放り込んで、ペットボトルの水で一気に飲み込んだ。

「こんなもの、いくら飲んでも何も変わらないさ。」

そして、また僕の後ろに回り込み、僕の身体を抱き締め、乳首の先を右手の指先で摘み、捻る。

例え思い込みのせいだとしても、いったん官能のスイッチが入った僕の身体は敏感過ぎて、
ご主人様の愛撫に合わせてビクビクと震え、鳴き、踊り続ける。

「あっ!・・・やあっ!・・・もうやらぁ!!!」

ご主人様の指先が、充血してピンク糸から薄い赤色に染まった乳首に爪をたて、ギュウっと千切るように挟み込んだ。

「ひぎぃ!!!!!!」

乳首から奔る激痛。

だけどそれだけじゃあない、同じだけの被虐の快感が全身に響いて、鎖にぶら下げられた身体が空中で弓なりに反り、ブルブルと震える。

ご主人様の舌に、僕の腕の付け根・・・脇の部分を舐められた。

そこは、普段は光さえ当たらない、身体の中で最も柔らかくて、敏感な部分。

「あひぃいいいいいっ!!!!!」

まるで、剥き出しの快感神経を舐められたみたいな衝撃。

乳首を爪で挟まれた時は、痛みと同じだけの強烈な快感が生まれたのに対して、脇を舐められて感じるのは逆に・・・痛いほどの快感。

「んああ゛あ゛ああ!!・・・しょこっ!ダメぇ!!!・・・しょこぉ!やめ!やだっ
・・・んあっ!、んんああああっ!!!ひィ!ひっ!・・・ひィいいいいいんっ!!!!」

僕は首を、唯一自由になる部分を狂ったように振って絶叫する。

左右に激しく振られる首の動きに合わせて、肩まで伸びた黒髪が傘のよう広がった。

快感神経にヤスリをかけらるれみたいな強すぎる刺激の連続に、何一つ抗えなかった。

ご主人様の舌が脇を舐め上げ、爪が乳首を千切りそうな程抓るたび、痛みと快感がごちゃ混ぜになりながら脳髄を焼き、目の奥で火花を散らす。

僕はアゴを跳ね上げ、焦点の合わない視線を虚空に彷徨わせ、ご主人様の愛撫に合わせビクビクと痙攣を繰り返す。

握り締めた手のひらからは血の気が引いていた。

「ひっ・・・んんぅん!!!・・・あ・・・があ゛ァ!・・・んあはぁっあああ・・・!!」

敏感な乳首と脇を嬲られ、否応なく身悶えを繰り返し、いいよう鳴され続ける。

その隙にご主人様の左手が、無防備に晒されたお腹の上をゆっくりと、円を描くように滑っていることに僕は気づくことが出来なかった。

その手は螺旋の軌跡を描きながら、少しづつその直径を縮めてゆく。

その螺旋の中心にあるのは、宙吊りにされているせいで、縦に引き伸ばされた小さなおへそ。

やがて、僕のおへそに狙いを定めた人差し指がその窪みに指先を埋め、抉った。

「んっひいいいいっ!!!・・・・・・ああぁ!!!!!!!!!」

一瞬何をされたのか分からなかった。

いきなり、身体の中心に気が狂わんばかりの、快感の楔が打ち込まれ、そのショックで僕の甲高い鳴き声がさらに1オクターブ跳ね上がり、やがて声にならない絶叫に変わってゆく。

おへそは皮膚が薄くて、内臓に一番近い部分。
普段自分も他人も滅多に触れることのない、実は敏感な性感神経の集中ポイントだ。

そこに、主人様の指先が差し込まれ、おへその縁をなぞるような円運動を描き、ぐいっと圧力をかけて、浅い窪みの底を押し込む。

「ひいぃぃぃんっ!!や、や、や、や・・・やぁぁぁぁっ!!」

ご主人様の指が、おへその底を突き破り、内蔵を掻き回していると錯覚した。

「じぬぅ!・・・死んじゃうっ!!・・・あ゛がぁあ゛あ゛あ゛あ゛・・・死・・・ぬ!・・・・・・ひぎゃあああああああああ!!!!!!」

お腹の中に侵入した指が、男の娘には無いはずのオンナの器官・・・子宮を直接撫で、愛撫し、捏ね回している光景を幻視した。

乳首と脇とおへそ、薄い皮膚の下に隠していた、快感神経を暴かれ、陵辱される。

そこから与えられえる望まぬ快感が

僕の脳の処理能力を超えた快感が

僕の脳髄を掻き回し、沸騰させていた。

しかもそれは、ペニスやアナルと違って絶頂がなく、終わりもない、ひたすらにフラットで強烈な快感の連続だった。

空気に磔にされた身体が、釣り上げられた魚みたいに、ビクンビクンと断末魔の痙攣を繰り返す。

固く勃起した小さなクリペニスが、触れられてさえいないのに、断続的に絶頂して、露を吹き出す。

車の中で3回もイかされ、今またイかされ続けるクリペニスが垂れ流すミルクは、薄く、透明な液体に成り果てていた。

身体の中で快感の暴力が、僕に絶叫につぐ、絶叫を強いる。

悲鳴を吐き出すばかりの口は、息を吸う余裕を与えられず、酸欠で眼の前が暗くなりはじめると、鳴き声も、身体の痙攣も弱々しくなってゆく。

「しっぬぅっ・・・あぁ!・・・!んんぁ・・・・・・死んじゃ・・・うぅ・・・っ!・・・!!」

本当にこのまま殺されると思った。

だけどご主人様には一切の容赦も、慈悲もなく僕を追い詰めてゆく。

「死ねよ、時雨。
死んで生まれ変われ、俺の・・・俺だけの愛奴にな・・・」

「も・・・許し・・・て・・・」

目の前が真っ暗になってゆく
もう声も出せず、ピクリとも動けない。

そして、僕は鎖で吊り下げられたただの白い肉塊になった。

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