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アナザールート その64 身請け
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今回もエロはございません・・・
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お兄さんが運転する車がお店につき、僕はお兄さんに連れられてお店に入った。
「すまんな・・・時雨、両手を出してくれ。」
お兄さんが皮手錠をポケットから取り出して言った。
どうやら首輪と手錠で拘束して、より奴隷らしい格好で引き渡す趣向らしい。
僕が諦めと共に素直に両手を差し出すと、その手を後ろに回されて拘束された。
そして、首輪を鎖で繋がれて、お兄さんにその鎖を引かれて、そのままお店の奥・・・特別待遇のお客さんだけが通されるVIPルームに連れて行かれる。
分厚く黒光りする木製のドアをくぐり、VIPルームに入る。
そこは、僕の少ない社会経験に照らし合わせて近いものを例えると・・・校長室といった雰囲気だろうか。
高級な革張りの3人掛けのソファーが部屋の真ん中に置かれ、その正面には分厚い木製の応接テーブルを挟んで、1人掛けのソファーが2つ。
3人掛けのソファーの真ん中には、素人の僕が見ただけでも明らかに身なりが良いとわかる男が座り、その向かいには銀縁メガネをかけたインテリヤクザ・・・店長が座っていた。
お兄さんは僕の首輪から伸びる鎖の端を店長に渡すと、小さく会釈して、一瞬僕の顔を覗き込んでから部屋から出ていった。
僕を身請けするのは、間違いなく、この身なりの良い男なのだろう。
ジムにでも通って筋トレでもしていそうな筋肉質な体型が、オーダーメイドの高級スーツ越しでも見て取れる。
男は、首輪と手錠で拘束された惨めな姿の僕を見てにやりとした笑みを浮かべて言った。
「一週間ぶりだな、時雨。会いたかったぞ。」
その声を聞いて確信した、この男はあの夜の黒い仮面の男だと。
僕を鞭で嬲りものにして、身体も精神も壊したあの男だと。
僕は、考えられる限り最悪の相手に買われたのだと。
あの夜の恐怖が、絶望感が、トラウマが、脳裏にフラッシュバックし、その強烈なストレスが僕の胸を締め付ける、目尻に涙が浮かぶ。
「あ・・・ゃ・・・ぁ・・・」
僕はふるふると首を振って、思わず一歩後ずさる。
その直後
「おっと、どこへ行く気だ?」
店長が首輪から伸びる鎖を力任せに引っ張り、僕を床に床に引き倒す。
「ああっ!」
皮手錠で後ろ手に拘束されている僕は、受け身も取れずに、冷たく固い床に叩つけられて、そのショックで一瞬呼吸が止った。
背中を丸めて切れ切れの呼吸を繰り返す僕に向かって、黒い仮面の男がソファから立ち上がり、こちらに近づいて来る。
僕は恐怖で顔を引き攣らせながら床を這いずって逃げようとしたけれども、店長が鎖を引いてそれを許してくれない。
黒い仮面の男がしゃがみ、僕に向かって手を伸ばして来る。
「やっ・・・あっ・・・!」
何をされるのかわからない恐怖で身体が震え、ぎゅっと瞼を閉じる・・・と、僕は以外にも優しく、そして丁寧に抱き上げられた。
いわゆる“お姫様抱っこ”の姿勢で。
そして店長に向かって言った。
「時雨はもう俺のオンナだ、勝手に手荒な真似をするのはやめてもらおうか。」
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お兄さんが運転する車がお店につき、僕はお兄さんに連れられてお店に入った。
「すまんな・・・時雨、両手を出してくれ。」
お兄さんが皮手錠をポケットから取り出して言った。
どうやら首輪と手錠で拘束して、より奴隷らしい格好で引き渡す趣向らしい。
僕が諦めと共に素直に両手を差し出すと、その手を後ろに回されて拘束された。
そして、首輪を鎖で繋がれて、お兄さんにその鎖を引かれて、そのままお店の奥・・・特別待遇のお客さんだけが通されるVIPルームに連れて行かれる。
分厚く黒光りする木製のドアをくぐり、VIPルームに入る。
そこは、僕の少ない社会経験に照らし合わせて近いものを例えると・・・校長室といった雰囲気だろうか。
高級な革張りの3人掛けのソファーが部屋の真ん中に置かれ、その正面には分厚い木製の応接テーブルを挟んで、1人掛けのソファーが2つ。
3人掛けのソファーの真ん中には、素人の僕が見ただけでも明らかに身なりが良いとわかる男が座り、その向かいには銀縁メガネをかけたインテリヤクザ・・・店長が座っていた。
お兄さんは僕の首輪から伸びる鎖の端を店長に渡すと、小さく会釈して、一瞬僕の顔を覗き込んでから部屋から出ていった。
僕を身請けするのは、間違いなく、この身なりの良い男なのだろう。
ジムにでも通って筋トレでもしていそうな筋肉質な体型が、オーダーメイドの高級スーツ越しでも見て取れる。
男は、首輪と手錠で拘束された惨めな姿の僕を見てにやりとした笑みを浮かべて言った。
「一週間ぶりだな、時雨。会いたかったぞ。」
その声を聞いて確信した、この男はあの夜の黒い仮面の男だと。
僕を鞭で嬲りものにして、身体も精神も壊したあの男だと。
僕は、考えられる限り最悪の相手に買われたのだと。
あの夜の恐怖が、絶望感が、トラウマが、脳裏にフラッシュバックし、その強烈なストレスが僕の胸を締め付ける、目尻に涙が浮かぶ。
「あ・・・ゃ・・・ぁ・・・」
僕はふるふると首を振って、思わず一歩後ずさる。
その直後
「おっと、どこへ行く気だ?」
店長が首輪から伸びる鎖を力任せに引っ張り、僕を床に床に引き倒す。
「ああっ!」
皮手錠で後ろ手に拘束されている僕は、受け身も取れずに、冷たく固い床に叩つけられて、そのショックで一瞬呼吸が止った。
背中を丸めて切れ切れの呼吸を繰り返す僕に向かって、黒い仮面の男がソファから立ち上がり、こちらに近づいて来る。
僕は恐怖で顔を引き攣らせながら床を這いずって逃げようとしたけれども、店長が鎖を引いてそれを許してくれない。
黒い仮面の男がしゃがみ、僕に向かって手を伸ばして来る。
「やっ・・・あっ・・・!」
何をされるのかわからない恐怖で身体が震え、ぎゅっと瞼を閉じる・・・と、僕は以外にも優しく、そして丁寧に抱き上げられた。
いわゆる“お姫様抱っこ”の姿勢で。
そして店長に向かって言った。
「時雨はもう俺のオンナだ、勝手に手荒な真似をするのはやめてもらおうか。」
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