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アナザールート その44 もう一つの現実

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幸せな夢を見ていた。

あの夜の後、好きな人が駆けつけてくれて、僕を助けてくれた。
そして、僕を好きだと言ってくれて、とても優しくしてくれた。
優しくて温かい夢。

だけど、黒い革製の首輪をつけられ、両手首を革手錠で一纏めに拘束されて、身体も精神も、いいように嬲られ続けている。

それが僕の現実だった。

あの夜の後、僕は黒い仮面の男に連れ帰られて、そのまま雌犬奴隷として飼われ続けている。

そこから先はもう、思い出したくもない。
無理矢理に大量の女性ホルモンを投与され続け、僕の身体は急速に女性化していた。

元々、そう多くなかった筋肉が落ち、その分皮下脂肪が増えて、僕の肌は女性的な柔らかさを増していた。

特に腰回りから下の部分の変貌ぶりは顕著で、明らかに女性的な丸みを増している。
胸元もいつのまにか小さいながら乳房の膨らみを形作っていた。

元から中性的だった顔立ちからも、少年的な角が削ぎ落とされ、少女的な丸みを帯びている。

もうウィッグもつけてはいない。
切ることを禁じられた髪は、肩まで伸びて、ウィッグ無しでも完全に女の子の顔になったからだ。

ベッドの上で、僕を組み敷き、後ろから巨大な肉の杭で串刺しにしているのは、あの黒い仮面の男。

「ひっ…んっ!!、ああ゛ぁあ゛があっ!!、もう…もうイってりゅ…もう…イくのやらぁああ゛!!」

男の熱くて逞しい雄のシンボルに貫かれる度に、僕の中のオンナがキュンキュン疼き、どうしようもなく自分が雌であることを自覚させられる。

逆に、僕の男の子の部分は、大量に投与された女性ホルモンのせいで勃起する機能さえ失い、情けなく垂れ下がったままで、先端の鈴口からたらたらと透明な液体を垂れ流し続けている。

いずれ、ここを切り落とされて完全な女の子にされるのだろう。

そこまで自覚しながらも、僕の雌の部分はこの男を受け入れ始めていた。

理不尽な暴力、性的搾取。
頭でわかっていても、雄の圧倒的な力が、逞しさが、僕の中の雌の部分をこじ開け、支配していく。

男の熱い肉杭にひと突きされる度、マソヒスティックな快感の果てに、絆されて愛しささえ感じ始める。

摩耗し、疲弊しきった僕の心はこの男への愛情に救いを求め始めていた。
心の中の一番大切な部分が摩耗し、壊され、作り変えられてゆく。

僕は…もうダメ…

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