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2人の刑事と神林
大切とお気に入りの違い
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神林組本部では珍しく本居が地下室から出てきていた。総長室のソファで携帯ゲームを楽しむ本居に黒木はすでに諦め何も言わない。そして睨みつけるのも無駄と隣に座り新聞に目を通していた。
「ねぇ、総長」
「なんだぁ」
「あの強盗殺人、結構、凶暴だけどいいの?」
何が言いたいのかと尊は書類から顔を上げれば、本居が尊に目を向けていた。その目は若干拗ねた子供のような色をしている。
尊はその目に首を傾げ、本居はそんな尊に面白くないと口を尖らせる。
尊はいつまでも拗ねられていては困ると直接本居に問いかけた。
「いいの? ってどういうこと」
「気に入ったんでしょう? あの刑事」
尊は本居の言いたいことを理解して頷いて書類に視線を戻した。あまりにくだらないことだったからだ。
「気に入っただけ」
本居は尊が監視カメラの映像を用意しろと指示した時にパッとでの刑事を助けるのかよと面白くなかった。しかし映像を提供するだけでそれ以上動かない尊に首をひねってしまう。助けないのかと思う。
尊は刑事として堂園を気に入ったというだけでそれ以上助けるほどではない存在として認識していた。簡単いえば警察官というカテゴリー内で人気ランキング上位に位置しているというだけのことである。
そして映像を提供したのもただの市民として協力したようなものだ。尊の答えに本居はさらにとがらせて首をかしげる。
「よくわからないなぁ。気に入ったものは大切なものでしょ」
「気に入ったといっても大切かどうかは別だ」
本居は口をとがらせて携帯ゲームに視線を戻し、納得いかないなという顔をし続けている。尊はくすくすと笑いながら本居を見た。
「人の考え方なんて簡単に理解できないよ」
「ねぇ、総長」
「なんだぁ」
「あの強盗殺人、結構、凶暴だけどいいの?」
何が言いたいのかと尊は書類から顔を上げれば、本居が尊に目を向けていた。その目は若干拗ねた子供のような色をしている。
尊はその目に首を傾げ、本居はそんな尊に面白くないと口を尖らせる。
尊はいつまでも拗ねられていては困ると直接本居に問いかけた。
「いいの? ってどういうこと」
「気に入ったんでしょう? あの刑事」
尊は本居の言いたいことを理解して頷いて書類に視線を戻した。あまりにくだらないことだったからだ。
「気に入っただけ」
本居は尊が監視カメラの映像を用意しろと指示した時にパッとでの刑事を助けるのかよと面白くなかった。しかし映像を提供するだけでそれ以上動かない尊に首をひねってしまう。助けないのかと思う。
尊は刑事として堂園を気に入ったというだけでそれ以上助けるほどではない存在として認識していた。簡単いえば警察官というカテゴリー内で人気ランキング上位に位置しているというだけのことである。
そして映像を提供したのもただの市民として協力したようなものだ。尊の答えに本居はさらにとがらせて首をかしげる。
「よくわからないなぁ。気に入ったものは大切なものでしょ」
「気に入ったといっても大切かどうかは別だ」
本居は口をとがらせて携帯ゲームに視線を戻し、納得いかないなという顔をし続けている。尊はくすくすと笑いながら本居を見た。
「人の考え方なんて簡単に理解できないよ」
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