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番外編①
第八話・試合
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どうやら、私は生きているらしい。
白髪の増えた両親が竹葉に礼を言いながら説明をしてくれた。
五年前の事件から、瀕死の重症を負ったものの隣人が、彼が逃走後すぐ事態に気付いて救急車を呼んでくれたらしい。おかげで、一命は取り留めたものの意識を失ったままだとか。
もう、彼に会う事は無い。心の平穏を得たのならココに止まる理由もない。身体に戻るべきだろうが……未練というか、疑問というか……一つだけ心残りがある。
二人の関係って結局のところなんなの!?
竹葉は求めてるっぽい行動するけど、盃はそれを宥めて流すし。
竹葉は盃が好きってのが前面に出てるけど、盃は竹葉のこと好きなのか嫌いなのかハッキリしない!! いや、好きは好きだろうけど、竹葉の気持ちに応える気はないのかもしれない!
三ヵ月見てきたけど、もしかしたら、あの二人は恋人ではないのでは? という結論に至りかけている。
竹葉の想いを盃があしらう様子は日常茶飯事で、愛あるスキンシップでもあるけど触れ合いは、やはりキスまでで止まっているように思える。
「あーー……」
今日は土曜日。盃は朝早くから出て行き、送り出した竹葉はこれまで見た事がない程ソワソワしていた。
リビングをぐるぐる歩き回りながら、テレビをつけたり、携帯をいじったり、落ち着かない様子。
「……盃」
ポツリとか細い声で名前を呼ぶ。
まるで、主人を待つ犬みたいだと思った。
ソファーに座って、クッションを抱き締めながら携帯の画面を凝視し始めた。
私も後ろから画面を覗き込む。
ドスケベ撮影会以降、竹葉の携帯画面はあまり見ないようにしていたが、今日は気になって仕方ない。
画面に映し出されるのは、総合格闘技大会の中継開始前の待機画像。
画面右上のカウントダウンの数字だけが動いている。
暫くすると、数字の下に"中継開始まであと5秒です。4、3、2、1……"と表示され、0と共に生中継が始まった。
竹葉は食い入るようにそれを見つめている。
沸き立つ会場の歓声が携帯から聞こえてくる。
格闘技はあまり見た事が無いし興味も無い。だが、竹葉の真剣な眼差しを見る限り、この試合は彼にとってとても重要なようだ。
鍛え抜かれた肉体を魅せ付けるように男がリング中央で構えを取ると、観客が一斉に声援を上げる。
しかし、相手選手の入場に大歓声が響き渡る。竹葉の顔が緊張で強張っていく。
私はというと……目玉が零れ落ちそうになる程、かっぴらいた。画面の向こうに居る選手に度肝を抜かれる。
リングに立ったのは、盃だった。
髪を纏めて、髭も剃って、目は見開かれている。
いつもの温和な雰囲気とは違い、好戦的な雰囲気と不敵な笑みを浮かべている。
まるで、別人のようだ。
選手名は杯杯多とあった。
《伝説と最強の激突!》と書かれたテロップに、私も竹葉も目が離せない。
試合が始まり、ゴングが鳴ると両者共に間合いを取りながら相手の出方を伺う。
先に距離を詰めたのは、相手選手。
振り下ろされた拳を盃は難なく避ける。盃の動きは洗練されていて無駄がなく、動きの一つひとつが美しく、自由だった。
相手を翻弄するように動く盃は、とても楽しそうだ。
男の真剣勝負に、いつの間にか拳を握り締めて魅入っていた。
互いに攻防を繰り広げ、距離を取って睨み合う。
近距離であっても連打を擦り抜ける盃の身のこなしと体術は素人目でもわかるほどに卓越している。余裕すら感じられた。
見事な回避の度に、笑い声の混じった歓声が上がる。
相手は必死の形相で攻め立てるが、盃は紙一重で避け続けている。
攻撃を避けつつ、隙を見てカウンターを打ち込む。
その攻撃タイミングは的確で、見ているだけで鳥肌が立つ程の快感を生む。
試合終了のゴングが鳴り響いて、勝者が高々と腕を掲げる。会場は拍手喝采だ。
二人が握手を交わすと健闘を讃える歓声が再び上がった。
会場のカメラに自分が映っている事に気付いた盃が巫山戯たように投げキッスをすれば、会場に居る女性客の黄色い悲鳴が上がった。
顔の良さを遺憾無く発揮している。
会場の興奮冷めやらぬ中、竹葉を見ると呆然としたまま固まっていた。
そんな竹葉を待たずして試合はどんどん進み、盃は決勝へと駒を進めた。
相手は前回の準優勝者らしくリベンジマッチを挑む挑戦者という実況が流れた。
決勝戦が始まる前に、竹葉も正気を取り戻したのか、再び画面に釘付けになっている。
「どうか、怪我だけは……」
竹葉の祈るような呟きは、試合開始のゴングの音によって掻き消される。
相手は前回も決勝に昇り詰めただけあって強く、他の選手のようにラウンドを秒で終わらせる事無く持ち堪えている。
それでも、盃には及ばない。
盃は相手の猛攻を避けて、逆に仕掛けていく。
互いに一息も吐かせない打ち合いが続き、短期持久戦へ持ち込まれる。観客も視聴者も呼吸を忘れてしまう程に見入っている。
ただ、盃だけが笑っている。会場が熱気に満ち溢れているのに反して、竹葉はハラハラとした面持ちで試合を見守っている。
長い攻防戦の末、盃が放った蹴りが決まり、相手はバランスを崩す。
しかし、最後の力を振り絞って踏み留まり、見事な中段蹴りを繰り出した。
執念の一撃が盃を捉えたと、誰もが思った。
しかし、盃は眼前から消えた。
中継のカメラから、会場のモニターから、相手選手の視界からも消え去った。
「……すげぇ」
非現実的な光景に、世界がスローモーションになった。
盃が相手の両肩を掴み、足を振り上げ鹿倒立をキープした後、前方倒立回転跳びへ移行した。
人体を飛び越えるあまりに常人離れした回避技に会場が静まり返る。
そんな事もお構い無しに、着地と同時に相手に足払いを仕掛けた。
完全に虚を突かれた相手は成す術もなく転倒し、マウントを取られた。
レフェリーによるストップがかかり、決着がついた。
勝利者の名が宣言された瞬間、会場が沸き立ち、割れんばかりの歓声が響く。
観客席にカメラが向けられる。感極まって涙する者や、大声で名前を呼ぶ者が映し出された。
盃の常軌を逸した戦闘センスと圧巻の勝利に人々は酔い痴れる。
竹葉は、言葉を失っていた。
私も、何も言えない。
凄すぎて、感想が出てこない。
こんなにも強い人だったのか。
これ程までに魅せられる戦いがあるのか。
胸の奥から湧き上がる熱い衝動を抑えられず、身体が揺れてしまう。
優勝カップの授与を終えると、携帯画面は待機画像に戻り、少し経ってから勝利者インタビューが始まった。
『杯杯多さん、優勝おめでとうございます』
『ありがとうございます!』
『連覇となりますが、今のお気持ちをお聞かせください』
『無茶苦茶嬉しいです。無所属の自分は、この大会にご厚意で出場者させていただいている身ですので、大会を盛り上げるのに一役買えたなら幸いです』
どうやらこの大会は、主にジムや団体に所属している選手が出場するものらしいが、実力を見込まれた無所属の選手は運営から声がかけられ出場権が与えられるようだ。
『今大会で特に印象に残っている試合などありますか?』
『やっぱり最後の試合ですね。相手選手が強かった……あんなとんでもない回避しないと避けられない程に追い詰められましたから。あと、あの回避は相手選手の素晴らしい体幹あってこそなので、みんな真似しないでください』
盃の注意喚起に笑いが起きる。誰も真似出来ないっての。
その後に続いたインタビューも無事終わり生中継が終了した。
白髪の増えた両親が竹葉に礼を言いながら説明をしてくれた。
五年前の事件から、瀕死の重症を負ったものの隣人が、彼が逃走後すぐ事態に気付いて救急車を呼んでくれたらしい。おかげで、一命は取り留めたものの意識を失ったままだとか。
もう、彼に会う事は無い。心の平穏を得たのならココに止まる理由もない。身体に戻るべきだろうが……未練というか、疑問というか……一つだけ心残りがある。
二人の関係って結局のところなんなの!?
竹葉は求めてるっぽい行動するけど、盃はそれを宥めて流すし。
竹葉は盃が好きってのが前面に出てるけど、盃は竹葉のこと好きなのか嫌いなのかハッキリしない!! いや、好きは好きだろうけど、竹葉の気持ちに応える気はないのかもしれない!
三ヵ月見てきたけど、もしかしたら、あの二人は恋人ではないのでは? という結論に至りかけている。
竹葉の想いを盃があしらう様子は日常茶飯事で、愛あるスキンシップでもあるけど触れ合いは、やはりキスまでで止まっているように思える。
「あーー……」
今日は土曜日。盃は朝早くから出て行き、送り出した竹葉はこれまで見た事がない程ソワソワしていた。
リビングをぐるぐる歩き回りながら、テレビをつけたり、携帯をいじったり、落ち着かない様子。
「……盃」
ポツリとか細い声で名前を呼ぶ。
まるで、主人を待つ犬みたいだと思った。
ソファーに座って、クッションを抱き締めながら携帯の画面を凝視し始めた。
私も後ろから画面を覗き込む。
ドスケベ撮影会以降、竹葉の携帯画面はあまり見ないようにしていたが、今日は気になって仕方ない。
画面に映し出されるのは、総合格闘技大会の中継開始前の待機画像。
画面右上のカウントダウンの数字だけが動いている。
暫くすると、数字の下に"中継開始まであと5秒です。4、3、2、1……"と表示され、0と共に生中継が始まった。
竹葉は食い入るようにそれを見つめている。
沸き立つ会場の歓声が携帯から聞こえてくる。
格闘技はあまり見た事が無いし興味も無い。だが、竹葉の真剣な眼差しを見る限り、この試合は彼にとってとても重要なようだ。
鍛え抜かれた肉体を魅せ付けるように男がリング中央で構えを取ると、観客が一斉に声援を上げる。
しかし、相手選手の入場に大歓声が響き渡る。竹葉の顔が緊張で強張っていく。
私はというと……目玉が零れ落ちそうになる程、かっぴらいた。画面の向こうに居る選手に度肝を抜かれる。
リングに立ったのは、盃だった。
髪を纏めて、髭も剃って、目は見開かれている。
いつもの温和な雰囲気とは違い、好戦的な雰囲気と不敵な笑みを浮かべている。
まるで、別人のようだ。
選手名は杯杯多とあった。
《伝説と最強の激突!》と書かれたテロップに、私も竹葉も目が離せない。
試合が始まり、ゴングが鳴ると両者共に間合いを取りながら相手の出方を伺う。
先に距離を詰めたのは、相手選手。
振り下ろされた拳を盃は難なく避ける。盃の動きは洗練されていて無駄がなく、動きの一つひとつが美しく、自由だった。
相手を翻弄するように動く盃は、とても楽しそうだ。
男の真剣勝負に、いつの間にか拳を握り締めて魅入っていた。
互いに攻防を繰り広げ、距離を取って睨み合う。
近距離であっても連打を擦り抜ける盃の身のこなしと体術は素人目でもわかるほどに卓越している。余裕すら感じられた。
見事な回避の度に、笑い声の混じった歓声が上がる。
相手は必死の形相で攻め立てるが、盃は紙一重で避け続けている。
攻撃を避けつつ、隙を見てカウンターを打ち込む。
その攻撃タイミングは的確で、見ているだけで鳥肌が立つ程の快感を生む。
試合終了のゴングが鳴り響いて、勝者が高々と腕を掲げる。会場は拍手喝采だ。
二人が握手を交わすと健闘を讃える歓声が再び上がった。
会場のカメラに自分が映っている事に気付いた盃が巫山戯たように投げキッスをすれば、会場に居る女性客の黄色い悲鳴が上がった。
顔の良さを遺憾無く発揮している。
会場の興奮冷めやらぬ中、竹葉を見ると呆然としたまま固まっていた。
そんな竹葉を待たずして試合はどんどん進み、盃は決勝へと駒を進めた。
相手は前回の準優勝者らしくリベンジマッチを挑む挑戦者という実況が流れた。
決勝戦が始まる前に、竹葉も正気を取り戻したのか、再び画面に釘付けになっている。
「どうか、怪我だけは……」
竹葉の祈るような呟きは、試合開始のゴングの音によって掻き消される。
相手は前回も決勝に昇り詰めただけあって強く、他の選手のようにラウンドを秒で終わらせる事無く持ち堪えている。
それでも、盃には及ばない。
盃は相手の猛攻を避けて、逆に仕掛けていく。
互いに一息も吐かせない打ち合いが続き、短期持久戦へ持ち込まれる。観客も視聴者も呼吸を忘れてしまう程に見入っている。
ただ、盃だけが笑っている。会場が熱気に満ち溢れているのに反して、竹葉はハラハラとした面持ちで試合を見守っている。
長い攻防戦の末、盃が放った蹴りが決まり、相手はバランスを崩す。
しかし、最後の力を振り絞って踏み留まり、見事な中段蹴りを繰り出した。
執念の一撃が盃を捉えたと、誰もが思った。
しかし、盃は眼前から消えた。
中継のカメラから、会場のモニターから、相手選手の視界からも消え去った。
「……すげぇ」
非現実的な光景に、世界がスローモーションになった。
盃が相手の両肩を掴み、足を振り上げ鹿倒立をキープした後、前方倒立回転跳びへ移行した。
人体を飛び越えるあまりに常人離れした回避技に会場が静まり返る。
そんな事もお構い無しに、着地と同時に相手に足払いを仕掛けた。
完全に虚を突かれた相手は成す術もなく転倒し、マウントを取られた。
レフェリーによるストップがかかり、決着がついた。
勝利者の名が宣言された瞬間、会場が沸き立ち、割れんばかりの歓声が響く。
観客席にカメラが向けられる。感極まって涙する者や、大声で名前を呼ぶ者が映し出された。
盃の常軌を逸した戦闘センスと圧巻の勝利に人々は酔い痴れる。
竹葉は、言葉を失っていた。
私も、何も言えない。
凄すぎて、感想が出てこない。
こんなにも強い人だったのか。
これ程までに魅せられる戦いがあるのか。
胸の奥から湧き上がる熱い衝動を抑えられず、身体が揺れてしまう。
優勝カップの授与を終えると、携帯画面は待機画像に戻り、少し経ってから勝利者インタビューが始まった。
『杯杯多さん、優勝おめでとうございます』
『ありがとうございます!』
『連覇となりますが、今のお気持ちをお聞かせください』
『無茶苦茶嬉しいです。無所属の自分は、この大会にご厚意で出場者させていただいている身ですので、大会を盛り上げるのに一役買えたなら幸いです』
どうやらこの大会は、主にジムや団体に所属している選手が出場するものらしいが、実力を見込まれた無所属の選手は運営から声がかけられ出場権が与えられるようだ。
『今大会で特に印象に残っている試合などありますか?』
『やっぱり最後の試合ですね。相手選手が強かった……あんなとんでもない回避しないと避けられない程に追い詰められましたから。あと、あの回避は相手選手の素晴らしい体幹あってこそなので、みんな真似しないでください』
盃の注意喚起に笑いが起きる。誰も真似出来ないっての。
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