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第九話・踏み込んだ一歩 (2022/11/07 挿絵追加)
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俺の会社は繁忙期を終えた年末年始は連休となっているので、のんびり自分の時間に使っていた。
大晦日のお笑い番組を録画しつつ歌番組をリアタイしていた。蕎麦を食って、そろそろ年明け。一年が終わる。
『ピンポン』
「(ん? こんな時間に??)」
『ピンポン』
「(酔っ払いが部屋間違えてんのか?)」
『ピンポンピンポン』
「(……仕方ねえ)」
訝しみながら、ドアホンのカメラを確認した。
「あ?」
見知った人物が……八手さんが俺の部屋の前にロングコートを着た背広姿で立っていた。
スーツ姿は一度だけ見たことあった……髪型もキチッと整えられてる。鞄も……仕事場から直行したみたいな格好だ。
急いで玄関まで行ってドアを開けた。
「八手さん! こんな時間にどうしたんでッ……」
急に言葉が遮られた。物理的に。口を塞がれた。一瞬で離れたが、すぐにキスをされたと理解はできたが、何故されたのかは理解できない。
「八手さん?」
「はぁ……ごめん……」
いつも余裕の表情で、朗らかな笑顔を浮かべている八手さんが……
「ヤりたい……ッ」
欲に濡れた瞳と荒い息遣いで、切羽詰まった状態で俺を求めている。
「八手さん、明日は?」
「休み……三日間……んっ!」
なら遠慮はいらないだろう。今すぐこの可愛い人の欲求に応えたくて仕方がない。キスをしながらドアを閉めて、鍵をかけた手で、八手さんの腰を抱き寄せ、密着する。
「あッ」
「……はっ、勃ってる……このまま来たんですか?」
「我慢、出来なくて……」
悩ましげに眉を顰めて、恥じらっているのか顔を反らされた。
「準備は……してきたから……」
はぁぁ……胸が満たされすぎて張り裂けんばかりだ……苦しい。
口がニヤける……小躍りしたいような多幸感……久しぶりの八手さんだ。
溶け合いそうな程に深く濃厚なキスを交わしながら、俺は我慢出来ずに玄関で八手さんを押し倒した。眼下の光景に、俺は後頭部を殴られたような衝撃を受ける。
「ぁ……あ、えだな、しくん……ここ……切ない……」
蕩けた表情の八手さんがスルリとシャツ越しに下腹部を押さえて、内腿を落ち着きなく擦り合わせながら、腰を妖艶に揺らめかせている。
いつも笑い混じりに喘ぐ余裕綽々で楽しそうな八手さんしか知らなかった……こんな……こんな、欲に振り回されている姿なんて見た事ない。しかも、相手は俺!
マジかよ……めちゃくちゃ嬉しくて仕方ねえんだけど!!!!
「んぐッ……あ、マジか……ッ!」
興奮し過ぎた俺は、そんな八手さんを抱き締めてイった。謂わば暴発だ。感情の興奮でイくなんてあるんだな……
「……十君……」
「?」
「俺の、中に……出して」
※※※
ゴムもローションも玄関に置いてるわけがない。暴発分をローションにして玄関で初の生SEX……嘘みたいに気持ちいい。それは相手も同じようだ。
「あっ…ああ、ん! えぁ、なしくん……十君!」
「八手さん……中、気持ちいい……やばい」
「ひ、ぅ! あっ、ぁああっ」
初めて聞く八手さんの乱れまくった甘い声が俺をより高ぶらせる。
対面座位の体位で繋がったまま八手さんは自分から積極的に腰を揺すったり押し付けたりして快楽を追い求めていた。
それに応じて俺も動きが激しくなっていく。互いの限界も近くなる中で八手さんが首の後ろに手を回して抱き着いて、耳に吐息を吹き込むように懇願してきた。
「十、君のッ……中、欲しいッ……」
「ッッ!!」
俺は無我夢中で八手さんの奥を突き上げた。
最奥に熱を解き放つと同時に、声にならない嬌声を上げた八手さんはビクビクと身体を震わせて果てたが、まだ足りないと強請られる。
どれほどの時間、致していたのか定かではない。
『ガコン』
年賀状の投函された音で目が覚めた。
二人して玄関で寝落ちしていたようだ。
「……さっむ!!」
「死ぬ死ぬ死ぬ!」
夜の熱が嘘のように冷えきっており、急いで二人でシャワーを浴びて追い焚きをした湯船に浸かった。
「死ぬかと思った」
「うん……」
何度SEXで死にかけてるんだ俺達は!
流石に笑えなくなってきたぞ。
今回の原因は、季節に伴い汁でぐちゃぐちゃに濡れたのも影響したんだろうな。
湯の暖かさで頭が働くようになったので、気になった事を聞いてみた。
「八手さん」
「ん?」
「なんで、俺のとこに来たんですか? 連絡も無く来るなんて……」
「あ、ごめん……いや、最近会えてないし、シてないから……君が、十君が欲しくて、我慢できなくなっちゃった」
忘れられないのは、八手さんもだった。
まぁ、八手さんの場合は俺と言うより俺とのSEXが目的だったんだろうけど。
それでも、わざわざ会いに来てくれた事実が本当に嬉しい。
「八手さん……盃さんってお呼びしても?」
「お! じゃあ俺も竹葉君って呼ぶね!」
互いの名を呼び合った口を触れ合わせる。
ああ……最高だ。
「んっんん……」
「(可愛い)」
ダメだ……もう後戻りできそうにない。
大晦日のお笑い番組を録画しつつ歌番組をリアタイしていた。蕎麦を食って、そろそろ年明け。一年が終わる。
『ピンポン』
「(ん? こんな時間に??)」
『ピンポン』
「(酔っ払いが部屋間違えてんのか?)」
『ピンポンピンポン』
「(……仕方ねえ)」
訝しみながら、ドアホンのカメラを確認した。
「あ?」
見知った人物が……八手さんが俺の部屋の前にロングコートを着た背広姿で立っていた。
スーツ姿は一度だけ見たことあった……髪型もキチッと整えられてる。鞄も……仕事場から直行したみたいな格好だ。
急いで玄関まで行ってドアを開けた。
「八手さん! こんな時間にどうしたんでッ……」
急に言葉が遮られた。物理的に。口を塞がれた。一瞬で離れたが、すぐにキスをされたと理解はできたが、何故されたのかは理解できない。
「八手さん?」
「はぁ……ごめん……」
いつも余裕の表情で、朗らかな笑顔を浮かべている八手さんが……
「ヤりたい……ッ」
欲に濡れた瞳と荒い息遣いで、切羽詰まった状態で俺を求めている。
「八手さん、明日は?」
「休み……三日間……んっ!」
なら遠慮はいらないだろう。今すぐこの可愛い人の欲求に応えたくて仕方がない。キスをしながらドアを閉めて、鍵をかけた手で、八手さんの腰を抱き寄せ、密着する。
「あッ」
「……はっ、勃ってる……このまま来たんですか?」
「我慢、出来なくて……」
悩ましげに眉を顰めて、恥じらっているのか顔を反らされた。
「準備は……してきたから……」
はぁぁ……胸が満たされすぎて張り裂けんばかりだ……苦しい。
口がニヤける……小躍りしたいような多幸感……久しぶりの八手さんだ。
溶け合いそうな程に深く濃厚なキスを交わしながら、俺は我慢出来ずに玄関で八手さんを押し倒した。眼下の光景に、俺は後頭部を殴られたような衝撃を受ける。
「ぁ……あ、えだな、しくん……ここ……切ない……」
蕩けた表情の八手さんがスルリとシャツ越しに下腹部を押さえて、内腿を落ち着きなく擦り合わせながら、腰を妖艶に揺らめかせている。
いつも笑い混じりに喘ぐ余裕綽々で楽しそうな八手さんしか知らなかった……こんな……こんな、欲に振り回されている姿なんて見た事ない。しかも、相手は俺!
マジかよ……めちゃくちゃ嬉しくて仕方ねえんだけど!!!!
「んぐッ……あ、マジか……ッ!」
興奮し過ぎた俺は、そんな八手さんを抱き締めてイった。謂わば暴発だ。感情の興奮でイくなんてあるんだな……
「……十君……」
「?」
「俺の、中に……出して」
※※※
ゴムもローションも玄関に置いてるわけがない。暴発分をローションにして玄関で初の生SEX……嘘みたいに気持ちいい。それは相手も同じようだ。
「あっ…ああ、ん! えぁ、なしくん……十君!」
「八手さん……中、気持ちいい……やばい」
「ひ、ぅ! あっ、ぁああっ」
初めて聞く八手さんの乱れまくった甘い声が俺をより高ぶらせる。
対面座位の体位で繋がったまま八手さんは自分から積極的に腰を揺すったり押し付けたりして快楽を追い求めていた。
それに応じて俺も動きが激しくなっていく。互いの限界も近くなる中で八手さんが首の後ろに手を回して抱き着いて、耳に吐息を吹き込むように懇願してきた。
「十、君のッ……中、欲しいッ……」
「ッッ!!」
俺は無我夢中で八手さんの奥を突き上げた。
最奥に熱を解き放つと同時に、声にならない嬌声を上げた八手さんはビクビクと身体を震わせて果てたが、まだ足りないと強請られる。
どれほどの時間、致していたのか定かではない。
『ガコン』
年賀状の投函された音で目が覚めた。
二人して玄関で寝落ちしていたようだ。
「……さっむ!!」
「死ぬ死ぬ死ぬ!」
夜の熱が嘘のように冷えきっており、急いで二人でシャワーを浴びて追い焚きをした湯船に浸かった。
「死ぬかと思った」
「うん……」
何度SEXで死にかけてるんだ俺達は!
流石に笑えなくなってきたぞ。
今回の原因は、季節に伴い汁でぐちゃぐちゃに濡れたのも影響したんだろうな。
湯の暖かさで頭が働くようになったので、気になった事を聞いてみた。
「八手さん」
「ん?」
「なんで、俺のとこに来たんですか? 連絡も無く来るなんて……」
「あ、ごめん……いや、最近会えてないし、シてないから……君が、十君が欲しくて、我慢できなくなっちゃった」
忘れられないのは、八手さんもだった。
まぁ、八手さんの場合は俺と言うより俺とのSEXが目的だったんだろうけど。
それでも、わざわざ会いに来てくれた事実が本当に嬉しい。
「八手さん……盃さんってお呼びしても?」
「お! じゃあ俺も竹葉君って呼ぶね!」
互いの名を呼び合った口を触れ合わせる。
ああ……最高だ。
「んっんん……」
「(可愛い)」
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