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第二話・相性が良すぎるデメリット
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身体の相性が抜群に良い相手とのSEXは、思っていた以上に危険だ。
お互い行為友達持ちでSEXには慣れているはずなのだが、ブレーキが上手くかからない。
ホテルで長時間ヤってしまった。
「やば……コレ、やばぃ……」
「はーッ……はーッ……み、水取って」
「はい……」
「………て、手に力入らない……ふはっ、ウケる」
八手さんとベッドに寝転がりながら汗だくで肩で息をしている。ペットボトルの蓋すら外せない程に疲弊してしまった。
長時間スポーツに勤しんでいた高校時代を思い出すが、それに対してあまりにも不健全な比較だ。
ぼんやりとそんな事を考えていたら、視界がヂカヂカと赤黒く点滅し始めた。
本格的にヤバい。
「あっやばい、目の前が暗くなってきた……」
「シャワー……行きましょう……」
二人で支え合いながら、足腰を産まれたての子鹿並にガクガクさせてシャワー室に雪崩れ込んだ。
俺は肘でレバーハンドルを回した。
『シャワァァァ』
「ココが日本でよかった……」
「…………本当に」
水道水を飲んでも腹を下さない日本の水道環境に感謝しつつ、意識がはっきりしたところで追い焚きをした湯船に浸かった。
男二人で入ると大分狭いが、向かい合って対面座位のように足を組めば大分快適になる。
「身体の相性が良いのも考えもんですね」
「そうだな~俺もこんなの初めてだよ。事後に生命の危機感じたの」
「ヤる回数を減らすにも……ストップできる気がしなくて……」
「俺も止めれる気がしない。逆に強請っちゃう」
先程の交わりを思い返すと、お互いに求めすぎていた気がする。
八手さんの身体をみれば、病気を疑われそうな多量のキスマークが散っているし、俺の体にも同等量のキスマークがある。
一目瞭然のヤりすぎ。
俺が今後の対策を考えていると、八手さんが自分の腹部に手を当てながら神妙な顔をしていた。
「……むぅ」
「どうしました?」
回数はあったが、全部コンドームを使用した。一箱空になったが、中出しはしていない。
まさか、破れてた!?
男に中出ししても妊娠はしないが、女性で言うところの重い生理痛みたいな腹痛に襲われるらしい。
SEXのエチケットをミスるなんてセフレ解消もあり得る事態だ!
「あのッ、腹、痛いんですか!?」
「違う違う。お腹の奥が……なんかまだ入ってる気がする」
「あーー」
腹痛ではないようでホッとした。
八手さんの摩っている腹部を愛でるように俺も手を置く。
「まぁ、長時間お邪魔してましたから」
「ふふ、余韻が凄いよコレ。まだココにいるみたい」
「イマジナリーチンチン……て、コト?」
「ぶッ! くくくっ、ひっ! ぁっははは!」
「……ふふふふ、ははっ!」
長時間SEXで疲れた脳は緩々になっていたようで、どちゃくそしょうもないボケがツボに入ってしまった。
頬と腹が痛い。
「あっはははは! ヤバッ! ヤバいって! ゲホッ!」
「八手さん、ォホン、笑ひすぎっふははは!」
「十君のファントムチンチンが!」
「ふぁぶんっ! ぐふふ、ダメダメッ腹痛い! あははは息がッーひひひ!」
ラブホの風呂場に男二人の爆笑が響き渡る。
大口開けて笑う八手さんにじんわりと信頼感と友愛が芽生えていく。
「ーーッ! ーーーーッ……んあ゛~~ッ笑った……やば……逆上せそう」
「くふ……ぅうん! そろそろ出ましょうか」
「うん」
よっこい…
『ゴチン!』
「「いって!」」
向かい合っていたのだから、同時に屈んだら頭をぶつけるのは当たり前だ。
それすら考えつかない己の馬鹿さ加減に、低くなった沸点がまた刺激される。
「くっははは! ばっかみたいだね!」
それは八手さんも同じだったみたいで、また笑い出した。
「ふふ、ほんとに!」
「うん、俺達馬鹿だね!」
ぶつけた額をくっつけて、喉を鳴らすように笑い合う。
そして、どちらともなく弧を描く唇を重ね合わせた。
キス一つで多幸感が胸を満たしていく。今までに感じた事のない充足感だ。
「んっ…………ふふ……俺こんな楽しいピロートーク初めてだよ」
「……俺もです」
風呂を出たあと、ベッドの片付けをして二人で寄り添い、眠りについた。離れるのが名残惜しかったからだ。
「Zzz……」
「(寝ちゃった……あんだけヤった後、あんだけ笑えば疲れるよな。俺も寝よ。対策は明日話し合え……ば……)」
精神的ストレスが緩和され、はしゃぎ疲れた子どものようなスッキリとした気持ちで眠りについた。
お互い行為友達持ちでSEXには慣れているはずなのだが、ブレーキが上手くかからない。
ホテルで長時間ヤってしまった。
「やば……コレ、やばぃ……」
「はーッ……はーッ……み、水取って」
「はい……」
「………て、手に力入らない……ふはっ、ウケる」
八手さんとベッドに寝転がりながら汗だくで肩で息をしている。ペットボトルの蓋すら外せない程に疲弊してしまった。
長時間スポーツに勤しんでいた高校時代を思い出すが、それに対してあまりにも不健全な比較だ。
ぼんやりとそんな事を考えていたら、視界がヂカヂカと赤黒く点滅し始めた。
本格的にヤバい。
「あっやばい、目の前が暗くなってきた……」
「シャワー……行きましょう……」
二人で支え合いながら、足腰を産まれたての子鹿並にガクガクさせてシャワー室に雪崩れ込んだ。
俺は肘でレバーハンドルを回した。
『シャワァァァ』
「ココが日本でよかった……」
「…………本当に」
水道水を飲んでも腹を下さない日本の水道環境に感謝しつつ、意識がはっきりしたところで追い焚きをした湯船に浸かった。
男二人で入ると大分狭いが、向かい合って対面座位のように足を組めば大分快適になる。
「身体の相性が良いのも考えもんですね」
「そうだな~俺もこんなの初めてだよ。事後に生命の危機感じたの」
「ヤる回数を減らすにも……ストップできる気がしなくて……」
「俺も止めれる気がしない。逆に強請っちゃう」
先程の交わりを思い返すと、お互いに求めすぎていた気がする。
八手さんの身体をみれば、病気を疑われそうな多量のキスマークが散っているし、俺の体にも同等量のキスマークがある。
一目瞭然のヤりすぎ。
俺が今後の対策を考えていると、八手さんが自分の腹部に手を当てながら神妙な顔をしていた。
「……むぅ」
「どうしました?」
回数はあったが、全部コンドームを使用した。一箱空になったが、中出しはしていない。
まさか、破れてた!?
男に中出ししても妊娠はしないが、女性で言うところの重い生理痛みたいな腹痛に襲われるらしい。
SEXのエチケットをミスるなんてセフレ解消もあり得る事態だ!
「あのッ、腹、痛いんですか!?」
「違う違う。お腹の奥が……なんかまだ入ってる気がする」
「あーー」
腹痛ではないようでホッとした。
八手さんの摩っている腹部を愛でるように俺も手を置く。
「まぁ、長時間お邪魔してましたから」
「ふふ、余韻が凄いよコレ。まだココにいるみたい」
「イマジナリーチンチン……て、コト?」
「ぶッ! くくくっ、ひっ! ぁっははは!」
「……ふふふふ、ははっ!」
長時間SEXで疲れた脳は緩々になっていたようで、どちゃくそしょうもないボケがツボに入ってしまった。
頬と腹が痛い。
「あっはははは! ヤバッ! ヤバいって! ゲホッ!」
「八手さん、ォホン、笑ひすぎっふははは!」
「十君のファントムチンチンが!」
「ふぁぶんっ! ぐふふ、ダメダメッ腹痛い! あははは息がッーひひひ!」
ラブホの風呂場に男二人の爆笑が響き渡る。
大口開けて笑う八手さんにじんわりと信頼感と友愛が芽生えていく。
「ーーッ! ーーーーッ……んあ゛~~ッ笑った……やば……逆上せそう」
「くふ……ぅうん! そろそろ出ましょうか」
「うん」
よっこい…
『ゴチン!』
「「いって!」」
向かい合っていたのだから、同時に屈んだら頭をぶつけるのは当たり前だ。
それすら考えつかない己の馬鹿さ加減に、低くなった沸点がまた刺激される。
「くっははは! ばっかみたいだね!」
それは八手さんも同じだったみたいで、また笑い出した。
「ふふ、ほんとに!」
「うん、俺達馬鹿だね!」
ぶつけた額をくっつけて、喉を鳴らすように笑い合う。
そして、どちらともなく弧を描く唇を重ね合わせた。
キス一つで多幸感が胸を満たしていく。今までに感じた事のない充足感だ。
「んっ…………ふふ……俺こんな楽しいピロートーク初めてだよ」
「……俺もです」
風呂を出たあと、ベッドの片付けをして二人で寄り添い、眠りについた。離れるのが名残惜しかったからだ。
「Zzz……」
「(寝ちゃった……あんだけヤった後、あんだけ笑えば疲れるよな。俺も寝よ。対策は明日話し合え……ば……)」
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