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おまけ
15:過重の愛情②
しおりを挟む『クチュ、グチュ』
「はぁ……んっ」
「…………」
「長くないか?」
「初めてなら、しっかり解さなければ」
──三十分後
『グチュン、グプ』
「ぁ……もぉ、いいだろ? 指、三本、も……入って、る」
「まだまだ。もっと解さないと」
「(……さっきから、前立腺触られると腰が跳ねる)」
『クリ』
「んんっ」
── 一時間後
『グチュ、グチュグチョ』
「ぁ、あっ、ああ、もういい、いいからぁ」
「まだだ。ちゃんと気持ち良くなってくれ」
「きもちぃ、ちゃんと前立腺きもちーからぁ!」
「もっともっと良くなる」
「(これ以上は頭おかしくなるって!)」
──二時間後
『グチュグチュ、グチョ、ズチュン』
「やらやらやらぁ! またイく! イくイくイくぅ!」
『ビュクン、ピュク』
「尻だけでイけたな。偉いぞシャバルナ」
「止まっへ、あっああ、ぜんりつしぇん、ぐりぐりだめ、らって!」
「…………そろそろ、いいか」
ゼガエルの指によって必要以上に解され開発された後孔がヒクヒクと痙攣し、中は熱を持って蕩けている。
「ぁ、ふぁっ……腹ん中、きゅんきゅん、する」
指を引き抜かれて喪失感に喘ぐシャバルナは、何度も絶頂へ追い立てられた所為で疲労感から脱力していた。
『グイ』
「!?」
「欲しかったんだろ?」
両脚を掴まれて、シャバルナの尻にゼガエルの昂りが押し当てられた。
「あ……っ」
「ゆっくり入れるから、力抜いてくれ」
「だめ、今イったばっか……そんなの挿れられ、たら」
『ズリュ、グププ』
「ぁ、あああっ!」
指とは比較にならない質量と熱にシャバルナは背を仰け反らせて喘ぐ。
間際に何度も絶頂を繰り返し、敏感になっている身体にとって、この刺激は強過ぎる。
「ひぐっ……ぁ、あっ」
「シャバルナ」
『ズプ』
「~~~~っ!?」
ゼガエルの昂りが半分も入っていない挿入段階で達してしまったようだ。しかし、薄くなった精液を吐き出す最中にも、ゼガエルは構わず腰を押し進めた。
「イってる! 今イってるからぁ!」
「っ……はぁ」
「待って、待ってくれ! 少しでいいから」
「待てない……」
シャバルナ本人の言葉に反して、身体の方はゼガエルを歓迎し、奥へ奥へと誘うようにうねっている。
『グプンッ』
ゼガエルの昂ったモノがシャバルナの中に全て収まった。
その瞬間、今まで一番痙攣の激しい絶頂を迎え、シャバルナはゼガエルにしがみついて吐精せずに内部で弾けた熱に耐えていた。
「ああぁあっひぐっ」
「なぁ、俺の名前を呼んでくれ。シャバルナ」
「ぁ……あぅ」
痙攣して快楽から降りて来られない状態でもゼガエルのおねだりに応えようと舌足らずで名前を呼ぶ。
「……ん……ぜがぇりゅ……ぜがぇりゅぅう♡」
「処女喪失の挿入でメスイキするなんて、本当に可愛いな。シャバルナ」
「あぁ……ぜがえるの、ビクビクしてりゅ」
「ふふ、このまま動くぞ」
『ジュプ、グポッ』
シャバルナの腰を強く掴んで、ゼガエルが腰を動かす。シャバルナはその強い刺激にまた何度も絶頂を味わい、快楽で蕩けた表情のシャバルナにゼガエルの加虐心が煽られる。
シャバルナの脚を掴んで自分の肩へ乗せて、より深く繋がる。
前髪の奥にある魔眼と見つめ合いながら、自分の欲望をシャバルナに注ぐ。
「はぁあ……ンぁ」
「いっぱい出してやるから、な」
「はっ……うれしぃ、ぜがえるのいっぱい」
耳へ舌を這わし、ちゅくちゅくと鼓膜に直に響く水音がシャバルナの興奮を煽り、視界に白い光がチラつく。
「んあっ、はあっ、あ、あっ」
「はぁ、シャバルナ……シャバルナっ」
「あぅ! あ゛ぁ! イくの止まらな……ッ!」
『ビュクン』
「あ……あぁ……ぜがえるの、いっぱいぃ……」
ゼガエルの欲が最奥に注がれる。
シャバルナはその熱に浮かされながら、自分の腹部を撫でた。
「は……ぁ」
「……っ」
『ズリュ』
「あぅ!」
「まだ、終わりじゃない」
シャバルナの身体をうつ伏せにさせて腰を持ち上げる。そして再び挿入し、再度腰を動かし始めた。
「あっあっぁあ、ぜがえる、ぜがえるぅ」
「シャバルナ……シャバルナ」
「んむ、んっ」
ゼガエルはシャバルナを振り向かせ唇を塞いで舌を絡める。
「んぅっ、ふあっ」
「はぁ……っ」
「あ゛ぁ、頭おかひくなるぅ」
「大丈夫、おかしくなっても可愛いから」
「んあ゛っ」
『グチュン』
より深い挿入でシャバルナの前立腺を押し潰す。
シャバルナは快楽の波に飲まれ、癖付きそうな程に連続でメスイキを迎えても、必死に意識を保とうとシーツを掴んでいた。
「シャバルナ、シャバルナ……愛してる」
「ひっ、あ゛っ、あっあっ」
「受け入れてくれてありがとう」
「ぜがぇる、ぼくも、すきぃ」
「ああ、シャバルナ……シャバ、ル、ナ」
「あ゛っ、あっ! ぜがえるぅ」
『ズプッ、グチュン』
ゼガエルは何度もシャバルナの中に欲を吐き出しながら、シャバルナの身体を貪るのを止めなかった。そしてシャバルナはそんなゼガエルに応え続けた。
※※※
「ぁ……ぅ」
行為が終わったのは……二日後だった。
小休憩が途中であったとは言え、四十八時間以上もの間、飲まず食わずで交われば体の何処かがイかれてしまいそうだ。
そうならなかったのは、シャバルナの掃討人としての体力と頑丈さ、そしてゼガエルの治癒魔法によつ疲労軽減のおかげだ。
「シャバルナ」
「……」
「愛してる……俺のシャバルナ……」
『チュッ』
シャバルナの額に口付ける。
まだ放心状態のシャバルナがゼガエルを見上げて、幼子このような微笑みを見せた。
「ぼくも、あいしてる……ぜがえる」
「可愛いな。お前は」
「はら……減った」
「……作り置きがあった気がする」
腹を空かせたシャバルナに何か食べさせようと起き上がったゼガエルの腕を掴んで、シャバルナが引き留めた。
「?」
「はなれたくない」
「はは、大人になったのに寂びしん坊か」
「んぅー」
しがみついてくるシャバルナにほっこりしながらも、何か食べさせなければならない。
ゼガエルはシャバルナを抱き上げて、そのままキッチンへ向かった。
保存庫にあった作り置きのスパイスの効いた野菜スープとナンを魔法で引き寄せて、ソファに座ってシャバルナに食べさせる。
「はぐ」
「喉詰まらせるなよ」
「んっ、美味い。身体に染み渡る」
「……すまない」
「いいって別に。疲れたけど、気持ち良かったから。イきすぎて癖になっちまったけど」
ナンを飲み込んだのを見計らって、ゼガエルがシャバルナの下腹部をグリっと押した。
「あッぐ!」
ビクンと身体が跳ね上がり小刻みに痙攣している。
徐々に波が引くようにガクガクと揺れる腰の動きが落ち着いていく。
「ココ押すだけで、メスイキするぐらいには癖が付いてしまったな」
「ばか……ぁ、やめろって……ぅ、んん」
「初夜でこんなにエッチな身体にしてすまない」
「謝る気ねぇな、それ」
息を整えて食事を再会するシャバルナにキスの雨を降らせる。
「はぁ……シャバルナ。俺は……お前がいないと駄目だ」
「はは、今更か? 僕はずっと前からお前しか見てないぜ」
しみじみと噛み締めるように告げる言葉に寄り添うシャバルナ。
「どうしてこんなにもお前が愛おしいだろうな。初めて見つめられた時から、愛らしくて仕方ない」
「そう何度も言われると恥ずい」
食事を終えたシャバルナは、ゼガエルに体重をかけてもたれかかった。
「シャバルナ?」
「……眠い」
「そろそろ一眠りしないとな」
「一緒に」
「ああ。わかってる。明日も明後日もこの先も、俺は隣に居るから。ゆっくりおやすみ」
瞼がトロトロと下がり、数分もせずに腕の中でシャバルナは寝息をたて始めた。
「……お前が寿命で死ぬまで欲を殺して、あの洞窟で一人、身を潜めるつもりだった。今思えば愚かな事だ。こんなにも素晴らしい可能性が、俺にもあったというのに」
シャバルナの髪を梳くように撫でながら、ゼガエルは独り言を呟く。
「お前が俺に生きる意味をくれたんだ……シャバルナ。ありがとう」
END
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