【R-18】それは、一つの愛の形【オメガバース】

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10:初夜※

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「三葉さんはまだまだ軽いですね。もっと食べないと」
「敬称付いてる……今の俺の身体じゃ、物足りませんか?」
「ぁ、いや、違いますよ」

 寝室のベッドに下ろされ、そのまま龍太さんの腕の中に閉じ込められた。

「どんな三葉も大好きです。でも、出来るだけ健康でいて欲しいんです」

 ちょっと意地悪な事を言ってしまった。慌てて俺の機嫌を取りに来る龍太さんが可愛いくてしょうがない。

「……龍太」
「んっ!」

 龍太さんの首に腕を回して、自分から口付けた。龍太さんは驚いたけど、少し照れた様子で、俺の唇を何度も吸い付く。

「(幸せ……)」
「……三葉……」

 熱っぽい瞳で俺を見つめてくる。
 龍太さんもアルコールで忍耐力が低下している様子だ。
 俺は口を薄く開いて舌をちろっと出すと、龍太さんも口を開けて舌をくっ付け、絡ませてくれた。

「んっ……ぅ」

 舌先だけで触れ合うキスも、舌の腹を舐められたり裏側を刺激されるのも気持ちがいい。

『くちゅ、ぬちゃ』

 粘質な水音がするくらい濃厚なキス。
 慣れてるはずなのに、何百回も経験しているのに、龍太さんとの深い口付けは新鮮で初めての感覚だった。

「(どうしよう、凄く、すごく気持ちいい)」

 いつもの優しい口付けとは一変して、龍太さんの力強い抱き寄せにドキドキが止まらない。

「んっ、ぅう! あ、や……っ!」

 舌先を強く吸われ、ゾクゾクと甘い痺れが走り、腰が震えた。俺は無意識に膝を忙しなく擦り合わせていた。

「っ……はぁ……三葉……もっと」
「んぅ、んむ」

 ああ駄目だ。頭が蕩けてきた。龍太さんにキスされてる。舌を吸われている。気持ち良くて堪らない。
 龍太さんは、いつの間にか俺の身体をベッドに押さえ込むように体勢を変えていて、キスは一層深くなった。
 やっと舌が解放される。酸欠で肩が揺れる程激しく呼吸を繰り返した。

「はっ、はぁ、はーーっ……はーー……っ、ぁ……はぁ」
「……みつ、ば。はぁ……ごめん、なさい。苦しかったですよね」
「だいじょ……ぶ」

 酸欠はすぐ落ち着いたが……龍太さんはまだ全然足り無さそうだった。
 それが嬉しい。

『プツ……』
「!」

 龍太さんの下でパジャマのボタンをゆっくり外す。
 俺の行動の意味も、これからする事も理解した龍太さんが息を飲んだ様子が窺えた。そして、俺の身体を労うように撫でてから、自分のパジャマのボタンを少し乱暴に外していた。
 龍太さんの素肌が俺の目の前に晒される。
 俺は自分が想像以上に興奮している事に気付いた。腰が、はしたなく波打つ。

「みつ、ば?」
「……っ」

 龍太さんの身体に、触れる。おずおず触れていたので、逆に彼を煽る結果になったかもしれない。俺の息が荒いせいもあるか……恥ずかしいが、自分から行動し続けた方が良いと、思い切って彼の胸板に両手を這わせた。
 筋肉質では無いが、それなりに筋肉を感じる。そして、早鐘を撞くように脈を打つ心臓の存在感。
 俺が、龍太さんの心臓をこんなにも暴れさせているのだと思うと凄く興奮する。ゾクゾクして鳥肌が立つ程だ。
 ああ、どうしよう……これからこの身体に思う存分に触れられる。

「私も、触れていいですか?」
「ん、触って、ください」

 パジャマの前をピラリと開け広げて、胸を反らして龍太さんの手を迎え入れる。

「可愛い……」
『スリ』

 龍太さんが俺の胸に触れているこの状況だけでイけそうな気さえしてくる。いや、駄目だ……せっかくの初夜なのだから、もっと彼を喜ばせたい。

「すごい……柔らかい……」

 胸を揉む手付きが、ぎこちない。
 緊張しているのか、指先が冷たい。
 しかし、肌を滑るその指先に俺の体温が移っていくのを感じて、背筋が興奮でゾワッとした。

「んっ、ん……っ」

 龍太さんに揉まれると、気持ち良い。手付きが優しいから尚更だ。
 指先が乳首を掠る度に腰がピクンと疼いてしまうのを律する為にも、龍太さんの頰に手を添えた。
 ああ……こんなに近くで感じる顔を見つめられているなんてすごく恥ずかしい。龍太さんはずっと俺を見てる。そんな龍太さんを俺は見つめ返す。

「っ……ぁ、あ」

 俺の反応を確かめながら、ピンと芯を持った乳首を指先で摘んできた。少しピリッとした刺激が胸から腰へ伝わる。
 大好きな人に愛されているこの状況にどんどん高揚感が増す。

「ひ……ぅ、あ」
「……三葉、ここ気持ちいい?」
「きもちぃ、です……あっ! ぅ、あ!」

 指で弄っていた乳首をパクリと口に含んできた。いきなり生温い舌が絡みつき、唾液に濡れる感覚は調教済みの乳首によって快感に変換される。

「っ、ぁっ……あっ、んん!」

 何度も口の中で転がされると、背中を通って下腹部に甘い快感が溜まっていた。
 そして、龍太さんの両手が俺の肌を撫で回しながら下へと降りてくる。

『くちゅ……』
「……はぁ……濡れてる」

 後ろを直接触られ、卑猥な音がする。濡れている自覚はあったが、やはりそう鳴られると羞恥心に火がつくものだ。
 先程まで大胆な事をしていたのに、恥ずかしくて身を竦めていると、指の動きを止めてくれた。

「痛かったですか?」
「ちが……はずかしいんです。ごめんなさい、龍太さん……」
「……呼び捨てしてください」

 俺から言い出した呼び捨てさえ、恥ずかしい。

「りゅ、龍太が、好きなのに、触れられたいのに、すごい恥ずかしい」
「……慣れてないからですよ」
「でも、セックスは何回もやってきたんです。キスやハグだって……」

 初心な反応をしてしまう自分を客観視してしまう。余計に恥ずかしくなってどんどんどんどん身を縮めてしまう。

「愛しい人との行為は初めてでしょ? なら、恥ずかしいのも当然ですよ」

 龍太さんは目を細め、口角を上げて俺を優しく抱き寄せてくれた。

「恥ずかしいと思う事を恥じないでください。それが三葉の初々しい恋心なんですから。私に見せてください」
「……俺の、初々しさ……?」
「ええ、私しか見れない……初恋の可愛い貴方です」

 顔がボワッと熱くなったが、龍太さん……龍太から目が離せなかった。ああ、この人が好きだ。こんなにも恋をしているんだ。

「っ、すき……っ!」
「私も三葉が好きです」
「龍太、好き、ああヤバい、好き、好き……抱いて、抱いてください。どうしよう……好きで、すごく好きで、龍太が欲しくて欲しくて堪らない」

 羞恥心によって堰き止められていた言葉がゴロゴロ出てきた。
 恥を捨てられたわけではない。恥じらいを晒しても、きっと龍太は俺を受け入れてくれる。

「私も三葉を抱きたくて、たまらないです」
『くちゅ、ぐぷ』
「っあ……あぁっ、あ」

 龍太の中指が後孔に飲み込まれ、続いて薬指も入ってくる。少しキツいが、溢れ出ている体液が潤滑油となり、痛みは全く無い。

「あっ……ひゃぅっ!」

 増えた指で中の肉を押し上げられ、指の腹で撫でられる刺激に腰を跳ねあげた。
 快感の電撃は脳天まで駆け抜け、身体が小刻みに震える。
 知らない。知らない。こんな優しくて気持ちいいの知らない。

「あ、あっ……そこ、や」
『ぐぷ』
「~~~っ!」

 二本でも精一杯の中に入れ込んだ指を左右に広げられて、強引に割り開かれて更に快感を受け止め、腰の奥がブルリと震える。
 
「ぁっ、あ、だめ……ぁ、だめ」

 気持ちいい。快感を受け止めた腹の奥が重い。
 内壁に沿わせるように、指を激しく抜き差しされて、腰が揺れ動いてしまう。
 気持ち良い。欲しい。龍太が欲しい。

「だめですか?」
「きもち、良すぎて、だめ……イ、く」

 内部が収縮し、龍太の指を締め付ける。中を探る動きが強くなって、さらに俺を追い詰めた。
 奥が激しく痺れて絶頂感が上がってくる。でも、俺が達してしまう直前に指が全て引き抜かれてしまった。

『ズルン』
「あっ」

 これが何を意味するのか……俺の身体はよくわかっている。
 下着とズボンを取り去られ、両足を広げられる。
 俺の痴態に興奮して息を荒げる龍太さんが、自分のモノを取り出した。

「(……そう、だよな)」
「優しくしますからね」

 龍太はそれなりに背も高い。それに見合うサイズなのは驚く事の程でもないが。
 俺の心理状況の問題か、デカい気がする。客のサイズなんていちいち覚えて無いが、龍太のはそれなりに巨根の部類だろう。

「は、入らない、かも」
「……入るとこまで、お願いします」
「んぅ!」

 ぬかるんだ後ろに宛てがわれた先端が、ぐぷっとゆっくり沈み込む。
 
「ぁあ、あっ、あ……くっ」
「ん……ふぅ、キツ」

 ゆっくり、ゆっくり……俺の様子を確認しながら、腰を進める。
 
「はっ……はっ……ぁ、うう」
「……っ……少し休みましょう」

 まだ半分くらいしか入っていない。
 龍太も辛いはずなのに、俺をリラックスさせる為に頭を撫でたりキスをしてくれた。

「りゅ、た……」
「はぁ……なんですか?」
「きもちぃ? だいじょうぶ?」
「はい……気持ちいいですよ。問題ありません」

 とても余裕があるようには感じないが、頰を紅潮させつつも笑顔を向けてくれる。
 徐に俺は結合部へ手を這わせて、現状を確認する。
 俺の孔は龍太の太い茎を咥え込んでいる。艶めかしく食むように蠢き、どちらのものとも知れない体液でしとどに濡れている。

「おっきぃ、な」
「っ!」
「んあ! 今ビクって、動いた」
「煽らないでください」

 事実なのだが、言い方が悪かったかもしれない。
 
「三葉の可愛い」
「ひっ!」

 龍太が俺のモノを片手で扱き始め、身体が跳ね上がる。
 直接的な刺激なんて与えていないのに完全に勃っていた。先走りをだらだら流し、震え上がっている俺のモノをゆっくりと擦る手付きはとても優しい。
 だが、緩慢な快楽は俺に全然優しくない。

『コチュ、クチュ、コチュ』
「あっあっ! だめ、だめ出る、出るからぁ!」
「出して良いですよ」

 上下に緩く擦られ続け、下肢に熱が蓄積されていく。根元から精液を押し出すように扱かれてしまうと、もう耐えられなかった。

「あっ……ッーー!」

 俺の白濁した精液が龍太の手や自身を汚していく。それをジッと見られながら絶頂を迎えた俺は、乱れた息づかいを整えたくても整えれなかった。

「っ……ひ、ぁ」
「たくさん出ましたね……」

 射精感に脱力する俺を気遣いながら、腰の動きを再開させる龍太。

「あっ……!」

 ゆっくり動く龍太の顔から目が離せない。眉間に皺を寄せて苦しげな表情をしていた。

「三葉、みつば……はぁ」

 熱い吐息が漏れている。気持ち良さそうに見えるその顔に胸が高鳴った。龍太の激しい息遣いも、眉間に刻まれた皺も全て俺に向けられたもので、初めて俺に見せてくれている素顔なのだと思うと、舞い上がってしまう程に嬉しかった。
 コツッと俺の奥に龍太のものが当たる。

「あっ、ああ……は」
「入った……」

 ゆっくり押し付けられて、身体が痙攣する程の快感が押し寄せた。
 また、知らない感覚だ。背筋がすごいビリビリして、頭の中がほわほわしている気がする。
 奥まで入っても、中に馴染ませるようにまた動きを止めた。流石にこうも気遣われては龍太が生殺しなので、龍太の頰に手を寄せてねだる。

「動いていいから……奥、トントンって……」
「……こう、ですか?」

 ゆっくりと龍太が身体を倒すと、中に収めた物がぐり……っと内壁を押し上げた。
 
『くぱ』
「「!?」」

 二人で顔を見合わせる。今、自身の腹から変な感覚がした。
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